「あなたにとって最高のガール!」結果に全力で触れる <10位~1位編>




公式人気投票結果に触れつつ、ひとりずつ全力で讃えながら長文語りするという謎企画、完結編。
今回は「10位~1位」までを対象にした。

前回・前々回を越える長文で、時々目的を見失っている無茶苦茶な内容になっている。
それでも、篭めた気持ちは一律に「おめでとう」と「愛」、だ。

※文章・画像共にガチガチでゴリゴリのネタバレ注意

 










51位から順番に、一人ずつ触れていきながら讃えていく本企画。
順位はアリスブログで発表されたものだ。

第二部・食券などなど、マジでネタバレに触れまくっている記事だと思う。
未プレイ未クリアの方は、本当にご注意を。












10位

シーラ






遅れてやってきた王道姫君、シーラが10位!!

ランス9初登場時の圧倒的な人気を考えると、少し惜しい結果ともいえるかもしれない。
しかし今回はあくまでも「各国代表姫君のひとり」という立場を考えれば、メイン所たる女性魔人には出番の差もあって一歩及ばなかったのは仕方がないとも思う。
トップテンに残ったというだけでよく粘った! 頑張った!!


シーラはランスシリーズの女性の中でも珍しく、驚くほど純粋で清らかな美少女だ。性格の捻くれた女だらけの中での清水のような存在だった。
ごくごく個人的な好みだけを言うと、私はそういうランスシリーズの性格の悪い女たちが大好きでもある。しかし、濃い味ばかりの中で出会ったシーラという存在に、当然心を掴まれたユーザーのひとりだった。


9でのランスモード対象になったヒロインは、女性としての活躍だったりランスとの関係だったりについては、9で十分描かれ切ってしまった面が強かった。しかしシーラについては、10で更にもう一段階掘り下げられていたようにも感じる。
シィルとの、同じ奴隷仲間としての関係。ランスとシィルとシーラ、三人でのやりとり。ペルエレとの凸凹コンビ。リアやマジックといった他の姫君との距離や雰囲気も掘り下げられて、「シーラ」というキャラクターの厚みが増したように、個人的には感じられた。


綺麗だとか、王道雰囲気だとか、金髪ロングの絵に描いたような美姫だとか、わんこ奴隷で大統領だとか、そういった部分もシーラの良さだ。しかし、それだけではない。
何を置いてもランスに付いていく、危ういほどにまっさら過ぎる信頼や尊敬。ランスを慕い、ランスの周囲全てを慕って、いつでも嬉しそうにニコニコ笑っている心優しさ、邪気のなさ。そんなシーラに、いつだって心を和まされていた。
第一部エピローグを経て、あんな状況になって尚、きっとシーラはランスの味方であり続けてくれるのだろうと信じられる、安堵感があった。もちろん他の姫君たちがランスを諦めていた、なんて思わない。だがそれでも、「シーラなら」という揺るがない信頼が、私の中には築かれていた。


奴隷ふたりと下着姿で新聞を読んでいるイベントがスゲー好きなので、あんな感じで三人でグダグダしているストーリーをもう少し読んでみたかった。
機会があれば、ランスと奴隷の三人だけでのミニクエスト、みたいなものも欲しかったな。
追加があるかはわからないけれど、願望を並べるだけは自由だ!
シーラ、本当に本当に、おめでとう!!












9位

ハウゼル






心優しい天使様、ハウゼルが9位!!

バスワルドが50位、サイゼル39位と、魔人姉妹関連は全員がトップ50入り。それだけでも凄いが、ハウゼルに至っては並みいる強豪を押しのけてトップテンに入賞だ! スッゲー!!
ランス10は魔人がメインの魔人編と呼べるような側面もあったため、早期に味方側につくホーネット派の面々は出番・活躍・好感度全てが高かったのは間違いない。だが、全員がトップテン入りというのは個人的には予想以上だった。


リーザスで早期に戦うことになるハウゼルとシルキィは、本作では多くのプレイヤーにとって、「人間に対して好意的に接してくれる最初の魔人」だったと思う。登場自体はサテラの方が先だが、彼女は人間を見下している面もあるし、そうでなくともツンデレなので素直に好意的に接してくることがまずない。
ハウゼルとシルキィは魔人の中では異質で異常で、そして人間にとっては奇跡のようにありがたい存在だった。彼女たちと実際に話をしたことで、「魔人とも共存できる道があるかもしれない」という希望を持つことができた。そういった、シナリオ内での光としても、彼女たちは印象的なキャラクターだったといえる。


シルキィが元人間という背景がある一方で、ハウゼルはただただ、優しい女性だった。仲間になってからも積極的に人間とも交流し、「戦争なんて早く終わってほしい」と目を伏せて悲しんでくれる彼女は、魔人としては更に特異だったようにも見える。
姉であるサイゼルは、ポンコツンデレな一方でそれなりに魔人らしい面もあることで、尚更ハウゼルの異質さ・心優しさが浮き出されたというのもあっただろう。


外見同様、心も美しくて優しくて穏やかな、天使のようなハウゼルは、本当に魅力的なキャラクターだった。人間に扮している際のグルグル眼鏡ハウゼーレも、個人的にはメチャクチャツボだった。
本番ナシの件については、あれはあれでアリだろうけれど、納得できない人は多いだろうなぁというのが個人的感想。真面目で優しく貞淑な天使様が、そういう方面にどんどん落ちていく……という過程自体はすごく良かったので、決定的というか集大成的な××があったほうが、物語としても巧く〆られたかなとも思う。

ハウゼル、9位おめでとう!!









8位

ウルザ






シリーズ最高レベルの良い女、ウルザが8位!!

メッチャクチャ人気キャラであることは知っていたし、期待も大きかった。それでも今回の層の厚さを考えると、上位入賞は厳しいと言わざるを得なかった。
しかし、蓋を開けてみれば、驚異の8位。多くの姫君、魔人、女神すら抑えての8位。偉業だ。やはり……やはり、ウルザは最高のヒロインだッ……!!


ランス6でのメインヒロインのひとりとして、そして本作では初期からランスの傍にいる軍師のひとりとして、出番という面では充実していた。
ランクエではサブキャラに甘んじていた点が、残念ではあるものの仕方ないと受け入れてもいた分、今回のウルザフィーバーっぷりには驚いたし喜んだしホップステップジャンプした。
ゼス自動解放なんて、興奮しすぎて眩暈しそうなくらい最高だった。今でも思い出すだけで体温が上がるくらい、素晴らしかった。


ランス10は、完結作にして今までの作品の続編にして集大成だった。ランクエとカラー達とパステルだったり、9とヘルマンとシーラだったり、それぞれの地域とそれぞれの住民やヒロインにとっての集大成な面もあった。
そして、これもまた完全に私の個人的な意見なのだが、中でも6とゼスとウルザとマジックといった、「ランス6勢」の描かれ方は、本当に最高で最高で素晴らしすぎて、気絶しそうなくらい嬉しかった。メインヒロインだった彼女たちだけでさえなく、たとえばロッキーだったりキムチさんだったりサイアスウスピラだったり……6が、ゼスでの戦いが、かつて存在して完結したからこその「最新の、最後の物語」がここまで丁寧に描かれるなんて、私は想像さえしていなかった。本当に、感無量だった……。


ウルザというヒロインは、6で歩き始めて、戦国やランクエでもその後の様子が描かれ続けた。彼女もまた、シリーズ通して成長が描かれ続けたキャラクターのひとりだった。
彼女とランスの距離感は、最後まで少し不思議で、独特なものだった。わかりやすくデレるわけでも、恋人らしく振舞ってくれるわけでもないウルザは、他のヒロインに比べるとちょっと素っ気ないようにすら見える。彼女はランスよりやや年上で、ランスの扱いが巧くて、「食えない女」でもあった。
しかし、そんな彼女も完璧超人というわけではなくて、さり気なくランスや仲間がフォローしてみせることで戦い続けられるのだと、彼女自身もわかっていた。やはり甘くはない、危なっかしい、かわいくない女性だった。
だ が そ こ が 最 高 最 強 に 良 い 。


「ランスさんと対等でいられる女性が、少しくらいいてもいいでしょう?」とウルザは言っていた。彼女が求めるのは優しく甘やかしてくれる恋人ではなく、信頼しあえて高め合えるパートナーだった。彼女が望むのなら、それでもいいかな……なんて思う私がいるのも確かだ。
しかし! やっぱり、ウルザとデートとかもしたい! 仕事モードじゃなく休日モードで、ウルザとのんびりしたい!
具体的に言うと、戦国花火みたいなのがまた見たい! もっと長いのがほしい!!


そういうものだったり、第二部での出番だったりが追加されたら嬉しいなーとも思うが、正直第一部ウルザにこれ以上ないほど満足させられた身でもあるので、ワガママは言えない。でも小さな声で言い続けよう。
ウルザ、8位本当におめでとう!!












7位

シルキィ






上司にしたい魔人トップクラス、シルキィが7位だ!!

ホーネット派魔人は全員が人気だろうと予測はしていたけど、シルキィについては個人的には想像以上だった。
いやもちろんシルキィがかわいいし優しいし人気者であることは十分わかっていたつもりだったけれど、ボーイッシュな印象の彼女よりも、女性的でキャッチーなキャラクターのほうがergユーザーウケは良いのかな、などと勝手に思い込んでいた。私には流れを読む目が無いようだ。


青を基調としたカラーリングにショートカット、褐色寄りの肌、小柄で控えめなボディラインといったシルキィのビジュアルは、個性的で魅力があるのは言うまでもないけれど、昨今の「わかりやすい、萌えやすい」キャラクターデザインの主流ではないとも思う。
ツボに入るか否かは更に人それぞれだろうけれど、シルキィの一番の重要ポイントは、外見ではなく内面にある。と同時に、少しずつズレつつも見事に噛み合った外見と内面のバランスにこそある、と個人的には強く考えている。


見た目はちびっこいのに、喋ってみると大人なお姉さん。ボーイッシュで活動的で、実際滅茶苦茶強い魔人でありながら、母性と女性を強く感じる優しすぎる英雄。野球が好きと言いつつも全然巧くはない、ちょっとした隙を日常で見せてくれる一方で、他人のためならば文字通り己の全てを犠牲にしてまで戦い続ける姿には、息を呑まざるを得なかった。
ランス10における人類側の清水がシーラならば、魔人側の清水はシルキィだった、といえるかもしれない。そしてシルキィは「今この瞬間」だけでなく、今まで千年以上人類のことを想い続けた強すぎる女性だった。そしてこれから千年も、彼女は人類のために戦うと言い切った。そんなシルキィはあまりに綺麗すぎて、強すぎて、一般的な感覚からすれば恐ろしさすら感じてしまう。聖女なんて言い方がシルキィに相応しいのか、正しいのかはわからないけれど、そう思えてしまう。


そして、そんな聖女のような大英雄なシルキィが見せる「人間っぽさ」……野球好き、服のチクチクが苦手、最後まで手を振り続けてくれる優しい優しいおねーさん感に、何度も何度もハートを撃ち抜かれてしまうんだ。
ロリお姉ちゃん属性、なんて単純な言葉で片付けたくはない。しかし、そういった面がたまらないんだ。

シルキィ、7位本当におめでとう!!
洋服CG、いえ、洋服立ち絵を!! 楽しみにしています!!












6位

リセット






俺たちの娘、俺たちのお姉ちゃん、リセットが6位!!

トップ5入りは固いと読んでいた身としては、正直驚いた。
第二部でのお姉ちゃん化は、俺的にはドンピシャメロメロツボりまくったけれど、「幼い娘としてしか見られない」ユーザーにとっては、多少好みが別れる面もあったのかもしれない。
外見は成長せず、オトナバージョンお披露目がスタッフロールのおまけに留まったのも厳しかったか……。やはり闘神大会受付でCGがあれば……!


もっとも、××のない娘枠がこの位置にいるというだけで物凄いことだし、上位の超人面子を見れば、仕方が無いと納得もできる。
そもそも私の中では文句なしのトップクラスなのだから、それでいい! 俺が愛す! 全力でリセットを愛す! 完ッ!


ランス10におけるリセットは、初登場にしてメインヒロイン(?)だったランクエ以上に出番も多く活躍も多く、立ち位置的にも重要なキャラクターだった。
第一部ではランスの娘として、パステルの娘として、ナギの友達として、ランスチルドレンの代表かつお姉さんとして、本編でも食券でもあらゆる場面に登場した。持ち前のコミュニケーション能力で人と人の関係を繋いでみせたり、ランスの父親としての面を活かす役割を果たしたり、様々な「場面作り」にも貢献していた。
リセットがニコニコしているだけで、プレイヤーは安心した。リセットがいればランスは落ち着くことができた。全てのキャラクターにとっての守るべき存在であり、精神的には支えられる相手でもあったリセットは、第一部においても重要なヒロインのひとりといえた。


そして、第二部。今までとはまるで異なる、「姉」として、「頼れる相手」としてのリセットが描かれていくことに、中には違和感を覚えたユーザーもいたことだろう。
私も最初は、そのひとりだった。しかし結局は速攻で、あっけないほどアッサリと第二部リセットに転んでしまった。我ながらチョロすぎワロタ。
パッと見た印象では、第二部のリセットは第一部と外見の変化は少ない。しかし実際は、立ち絵の塗り方から細かな表情、新規パターン含めて、とても丁寧に描き分けられていた。最初に仲間になってくれた姉として、序盤からラストまで第二部主人公を引っ張っていってくれたリセットの姿は、「ロリお姉ちゃん」なんていう単純なカテゴリで括るのは憚られるくらい素晴らしかった。


第二部は、ランスシリーズにしては優しすぎる、ぬるすぎる、平和すぎる展開が多い物語だ。それの柔らかな空気を形作った最初のひとりはクルックーだったが、保ってくれたのはリセットと長田君だった。遠くから守ってくれる母親、傍で優しく手を引いてくれるお姉ちゃん、楽しくおしゃべりできる友達……。そういった存在が、主人公たちに、良い思い出を作ってくれたのだと思う。


ランス10の結末が、優しくて寂しくて嬉しいものとして終わりを迎えられた理由のひとつが、リセットだった。
本当にありがとう、リセット。6位、おめでとう!!












5位

シィル






ランスにとってのメインヒロイン、シィルが5位!!

長期シリーズものの正ヒロイン、という立場は、それだけでもわりと不利だったとは思う。もちろん例外も居るけれど、「昔ながらの正ヒロイン」というものには厳しい見方が多いのが昨今の流行だったのは間違いないだろう。
いちファン心理としては、シィルにはぜひ上位になってほしかったけれど、難しいのではないかとも思っていた。そして、結果は5位。素晴らしい結果だと、私は思う。感動した。本当に、感動した。


戦国で氷に封印されて以降、シィルが表立って正史で活躍する姿は見られていなかった。リメイクだったり、一瞬の復活での出番だったりはあったけれど、“最新のランスとシィル”は本当に久しぶりで、そして、これが最後の機会だった。
最新作にして、最終作というものへのプレッシャーだったり、期待だったり……そんなものは山ほどあったし、結果に対する評価も部分部分によって感想は分かれるだろう。しかし、ごくごく個人的に、ただのなんちゃってファンにすぎない私の超個人の感想として、“最新のランスとシィル”、そして“ランスとシィルの物語の終わり”として……ランス10は、最高の形で期待に応えてくれたと思っている。


ランスシリーズは、魅力的な女性キャラクターがたくさんいる。そして主人公であるランスは、魅力的な女性キャラ全てを愛していたし、プレイヤーの気持ちとしても同じだったと思う。しかしシィルというキャラクターへの感情の強さや思い入れについては、プレイヤー以上にランスの想いが強すぎて重すぎて複雑すぎて、ユーザーによっては「乖離している」と不満に感じる面もあったのは、間違いない事実だとも感じる。
まぁ、そういった“ヒロイン論”じみたものは、今回の本題ではない。そういった難しい面や複雑な背景がありつつも、シィルはランスにも多くのプレイヤーにも愛された。だからこその、この結果だ。


完結作、という点や贔屓目を引きに引いて、限りなくフラットな視点で見ようとしても、やはりランス10におけるシィルは素晴らしいヒロインだったと私は思う。懐かしさすら感じてしまうような、ランスとのいつも通りのやりとりに漫才にお約束ボケにぽかっひんひんetc……。
シィルが傍にいる時のランスは、やっぱり楽しそうだった。ランス10の世界情勢は緊迫していて厳しくて、ひと昔前のランスならばもっと苛立ったりやさぐれたりしそうな場面であっても、シィルがいてくれたから「いつものランス」として明るく楽しく物語を進めることができたのだと思う。


CITY決戦で、海から決戦前夜で、ヘルマン魔人討伐2で、ゼス魔人討伐2で、他にもたくさんの場所で、丁寧に描かれていたシィルの良さ。こうして並べてみると、ちょっとズルいかもしれない。だけれど、今までの空白が長すぎたのだから、大目に見たい。
少なくとも私にとっては、「ランスがいたから楽しかった」のと同じくらい、「シィルがいたから楽しかった」のだと思う。

シィル、5位本当におめでとう!!
ずっとずっと、ずっと傍にいろよ!!!












4位

サテラ






ランス10を名実ともに引っ張っていった重要ヒロイン、サテラが4位!!

正直トップの可能性も無くはないと思っていたが、さすがに上位の層は厚すぎた。それでも悔いなし、文句なしの順位だと私は思う。
おめでとうサテラ! やっぱりサテラは最高だよ!!


鬼畜王でのサテラを知らない私にとって、サテラの印象は主に03とランクエでのものになる。当時のサテラは、特に03では半分以上敵側だったこともあって、魅力的でありつつも少し危険な存在として、私の中ではなかなか触れ辛い存在でもあった。
サテラのかわいさは十二分に伝わってきてはいたけれど、サテラが人類に対して向けている壁を本当に破壊できるのか否かというと、はっきり言って私にはわからなかった。そんなものを気にしない、そもそも考えないからこそのランスで、そのランスだからサテラを変えさせることができたのだろう。


本作でのサテラは、第一部では最初に仲間になる魔人として、第二部では最初に敵対して最後まで立ちはだかる魔人として、重要な存在だった。後者はプレイヤー目線だけで言うと「敵」であり、物語を俯瞰して見られる立場からは「邪魔」にも見えてしまった。
ヒール役、全てのランスを愛するひとりのヒロインとしては見事に描かれていたと思うけれど、立ち位置だけでいえば、少し不憫なポジションでもあった。


それでもサテラは、文句なしに魅力的な、シィルと双璧と呼べるメインヒロインだったと私は思う。人間か魔王か、という構図は、シィルかサテラか、にも近いものがあった。もちろん同じ意味では無いけれど、ニュアンス的にはそんな部分があったと感じた。
けれど、そんな魔王側であるはずのサテラでも、最後の最後には、「笑っている」「人間の」ランスこそを、選んだ……のだと、思う。結果をいきなり喰らわされたサテラがはっきり答えを口にする機会はなかったけれど、リセットの問いにもしサテラが素直に応じたとしたのならば、答えは「そう」だったのだと思う。


そうした結果、ランスは人間に戻った。人間として、シィルの手を取った、というのがこの物語の結末だ。ご都合主義の結果論だが、サテラからすればそんな形だったろう。そしてサテラは、「絶対に許さない」と真っ赤になって怒りながら、彼らを追いかけていった。
まるで、オープニングに時が巻き戻ったかのようなオチだった。今まで通り、何一つ変わっていないようですらある結末だ。そんな彼女たちの姿が、私は何よりも嬉しかった。
サテラ、本当にありがとう。そして、4位おめでとう!!









3位

かなみ






かわいいかわいいかなみちゃん、3位入賞!!

これには本当に驚いた。もちろんかなみがシリーズ人気キャラであることも、毎回上位入賞者であることも、知っているし理解もしている。
それでも、さすがに今回は厳しいのかもしれないな、とも私はうっすらと思っていた。お恥ずかしながら、私はかなみの「本気」、かなみファンの「本気」を見誤っていた。
本当に凄い! 素晴らしい!! かなみ、おめでとう!!


ランス10におけるかなみは、9で「既に攻略された」状態での出番や活躍だった。
相変わらず不憫で、かわいそうで、いじられまくりで、そんなところがかわいいかなみだけれど、その方向性は8以前と9以降では少し変わった。ほぼ落とされているか、完全に落とされてデレきったかの違いは、かなり大きい。
どちらのほうが好き、といった嗜好はプレイヤーにとってそれぞれだろうけれど、「どんなかなみでも好き」という意見が大きかったからこその、3位という立派な順位に繋がったのだろうか? やはりかなみは愛されているなとしみじみ実感される結果だった。


しかし、ランス10でのかなみの“見所”というものは、やや少なかったかなというのが私の正直な感想だ。
活躍もしたし、出番も多かったし、「なにあれ」に代表される伝説的ギャグシーンだったりやすいかわいい女っぷりだったりリアにパシられてる都合の良い子っぷりだったり、オイシイ場面は確かに多かった。
だが女性として、ヒロインのひとりとして、ランスの女としてのわかりやすいサービスシーンや活躍は、正直物足りなかったと言わざるを得ない。


9でとことん描かれたヒロインたちは、全体的に10では抑え気味になっていた。かなみもその一人であって、特別扱いが悪かったというわけではない。しかし、もっと色々と欲しかったのは、間違いない。
これだけ愛されたかなみ、そしてかなみを愛したファンのためにも、ぜひ「何か」ほしい、と思ってしまう。
可能性は、きっとあると思う。
かなみ、本当に本当に、おめでとう!!









2位

ホーネット






魔人筆頭、ホーネット様が2位!!

この結果は、完全に私にとっては想像以上だった。トップテン入りは固いと思ってはいたが、サテラ抜きは難しいと考えていたのだが……私の予想は、やはり甘い。
鬼畜王からのファン、多くのユーザーからのホーネットへの期待の高さが、この結果に繋がったのだと思う。凄まじい成果だ。大金星だ!


ホーネットが正史に大々的に登場し、ランスたちと絡むのは、これが初めてだったと私は認識している。間違っていたら本当に申し訳ない。
ゆえに、「初対面」だからこその難しさや足枷があったのは、否めないとも思った。あくまでも魔人側、魔物界側のプリンセス的立場だったホーネットの考え方は旧くから続いてきたもので、元人間のシルキィはもちろん、過去作で人間とどんな形であれ触れ合ってきたサテラやカミーラ達とも少し違う壁が本作では存在した。
初対面、初登場だからこそ、交流や変化は“これから”描かれていくものだ。その期間や時間が、最終作である以上は何よりも短かった。厳しく、難しかった。


最初から好意的でなくとも、たとえば簡単に意識が変わったり恋に落ちたり、そういった所謂「ちょろい」ヒロインとして描かれたなら、また違う姿にもなっただろう。しかしホーネットは、そういった風にはならなかった。
真面目で堅物で、不器用なホーネットは、決してわかりやすい女性的なヒロインではなかった、とも思う。


しかし、たとえば強行突破。無茶苦茶なランスの姿の末に、父を見出したことに自分自身が戸惑っていた、少女らしかったホーネット。
たとえば、第二部ラスト。全てを終えたのち、己と同じ魔王の子たちを眺めつつ、平和の方が好きだったと今更気付いて、優しく微笑んだあの姿。
どれも、とても女性的で、繊細で、不器用ながらも少しずつ歩き出した様が、美しくて儚くて、印象的だったと私は思う。


ホーネットは、まだまだ“これから”成長し、変わっていくヒロインだ。魔人筆頭としての誇りを守り、ラストヒロインのひとりとして気高く孤高であり続けた姿を、素晴らしいものだと私は感じた。
もちろん、だからこそ物足りないという気持ちもある。肝心の“これから”が、もう見られないという残念さ。ホーネットが変わっていく、その経過をゆっくりじっくり眺めたいと、強く思う。


今後、ホーネット関連での追加があるのか否かはまだわからない。
ある可能性が高い、とも思うが、ただの個人の勝手な予想だ。
それでも、楽しみにしたい。どんなものでも、ホーネットの物語がまだ見られるのなら、それはとても楽しみだ。
ホーネット、2位おめでとう!!









1位

志津香






シリーズの代表、平成の代表、最強最高でメチャクチャ良い女。
やはり最新作人気投票1位の座は、魔想志津香のものだった……!

この結果については、個人的にはもう文句なし。何が言えるはずもない。
志津香というキャラクターの性格や性質に対する、好みか否かという嗜好自体は人それぞれではあるだろう。しかし、シリーズを代表する女性キャラクターとして、ここまで長きに渡って愛され続けて、求められ続けて、活躍し続けて、そして最後の最後まで輝き続けていた人物というのは、本当に素晴らしいことだと思う。奇跡的、歴史的な事象と呼んでもいいくらいだと感じる。


「長く続いたシリーズ物」というものは、それだけ人気があるということだが、危険性も多く孕んでいる。未完に終わる危険、ファンの想いが膨らみすぎた故の崩壊、重すぎる重責や期待に応えられないことで生まれる苦しみ……特に最新作、最終作ともなれば、想像もつかないようなプレッシャーだったり危険だったりが山積みだったと思う。
シリーズ途中から紛れ込んだ“なんちゃってファン”である私でさえ、歴史を眺めるだけでも恐怖した。シリーズの節目の折、その時々にどれだけの喜びや苦しみがあったのかを、年表で察することしかできない私ですら、想像するだけで恐ろしくてたまらなかった。だからこそ、ランス10が2018年2月末に発売日が定まった時も、「言葉にできないくらい滅茶苦茶嬉しい」のに加えて、「考えたくないくらい滅茶苦茶怖い」といった気分だった。
……だからこそ、本当に、奇跡的だとすら思っている。納得していない人も、もちろんいるだろうけれど、私個人は、本当に救われた。


そして、魔想志津香という女性、だ。彼女やかなみ達は、ランス共々シリーズの初期から登場し続け、人気キャラとして活躍し続けたキャラクターだった。9でついに攻略解禁、デレ少し解禁という画期的な節目を迎えた志津香は、それでも一線だけは保ち続ける中で、姉妹の因縁を解決するために子供の姿になってしまった。このロリ化、というのが、重要だった。「このまま最後まで落とし切れるのでは」という部分が、無理やり有耶無耶にされたような形ですらあった、もちろん9志津香ルートは大人エンドも用意されてはいたけれど、正史はあくまでも子供ルートだった。
9をクリアした当時は、私自身も「あー子供ルートか。でも10で大人に戻す魔法とかアイテムとか使うんだろう」程度にしか受け止めていなかった。でも今では、色々な意味で納得している。どう説明すればいいのかも、難しいが……「ランスモード志津香ルートは、9(子供)と10第一部・第二部全てを通して、ようやく完結した」とでも、言うのだろうか。
9と10と作品を股にかけて描かれた、ある意味でズルいヒロインでもあるが、そもそもシリーズ全体を通して描かれ続けた末に、ようやくここに至れたのだとも言える。ランスがシリーズ丸々の年月をかけてシィルに素直になれたように、志津香もシリーズ丸々の年月をかけてランスとの関係を完成させたのだ。やはり志津香はランスシリーズのメインヒロイン。異論は認める。


長文になってきたが、まだ続ける。まずは第一部の志津香について。
9に引き続きロリ状態での登場となった志津香には、もちろん女性的ヒロイン的出番は序盤には存在しなかった。しかし、ランスの傍にいる重要なキャラクターの一人としての出番は、十分にあったと個人的には考えている。
主に自由都市ルートだったり食券だったりで観られる姿が主ではあるので、全体的なボリュームだけでいうとそこまで多くはないのかもしれない。しかし、たとえばナギを交えたランスと三人での交流だったり、カスタム勢との変わらぬ距離感だったり、かなみやシィルといったランスの女たちとのやりとりだったり、「今まで通り」の流れを汲みつつも「9で色々なものが解決した」からこそ少し穏やかで柔らかくて余裕のある姿が印象的だった。
第二部親友で明らかになる裏設定や、子供姿であることからランスに性的に手を出されることはないからこその複雑な距離。そして何より、認めることさえ許せなかったはずのランスへの気持ちを、受け入れてしまった諦観……。第一部志津香は見た目は子供だったが、精神的には今までよりもずっとずっと大人だった。


そして第二部での志津香。こちらが、また、もう、最高。
外見だけでいうと、9までの今まで通りの志津香とほぼ同じではあるのだが、内面的にはそこまで単純なものではない。9までの志津香、ロリ志津香、描かれなかった15年の志津香を経ての「最終形態」志津香は、シリーズ最後のヒロインだった。第二部でのヒロインはシィルともリセットともクエルプランともいえるけれど、やはり、志津香でもあったのだと思う。
子供たちへの母のような姉のような、大きな愛情。時に冷たくあしらったり、突き放す風を装うこともあるけれど、結局根っこはすごく甘くて、弟妹のためならばなんでもしようとする優しさと危うさ……。確かに以前に比べれば成長して、大人にもなっているけれど、芯の部分は変わらない志津香の魅力を、第二部ではエールという弟(妹)目線でじっくりと眺めることができた。そういった意味でも、主人公がエールでよかったと私は思っている。
そして、そんな志津香の全ての根底には、ランスがいた。子供たちを見ては「そういうとこ、本当にあいつに似てない」「ヘンなとこ、そっくり」と呆れたように言っては、たまに遠くを見つめながら「何してんのよ、馬鹿……」なんて呟く志津香は、本当に美しかった。ランスを庇うこともしないし、できることなら私が殺す(※殺せない)くらいに思っているだろうに、それでも志津香がランスを愛し続けているのが痛いくらいに伝わってきた。サイコーだった。


第一部の志津香、第二部の志津香、共に素晴らしかった。
エピローグのその後の志津香や、ランスと志津香のやりとりが観たいとも思う。だがそれは蛇足だとも思ってしまうし、それでも観たいと思ってしまうし……こればかりは、本当に何も言えない。

とても素晴らしいものを、見せてもらった。何度感謝しても足りないほど、素敵な経験をさせてしまった。最高のゲームを見せてもらった。
志津香、本当におめでとう。本当に、本当に、おめでとう!!!










最後に

 


ランキング結果にかこつけて、好きなキャラクターを片っ端から褒めちぎりたかっただけの本企画。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

ランクインしなかったあのキャラやこのキャラについても、語りたいほどは山ほどあるが、さすがにキリがないし見苦しい。
ランス10は、ランスシリーズは、本当に素晴らしいキャラクターばかりが揃っている。そして、素晴らしいストーリーがあるからこそ、彼女たちが生き生きと見える。

本当に楽しかった。本当に、ありがとう。
男の子人気投票結果に全力で触れる予定は……ない!
こんなに疲れること、もうやらないぞ!



 

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