ランス10 延長戦05 はじめての「ゼスで魔人退治2」後編





メディウサ編の感想、後半戦。
前回よりも、更にハードな展開のシナリオが続いていく。
やっぱり辛い。けれど、見所もたくさんあった。

苦しかったし悲しかったけれど、個人的には、「見てよかった」と心の底から思ったシナリオでもあった。


※延長戦記事では第二部の内容に触れることもあるためネタバレ要注意











マジックのことは解決したが、ゼスの危機は変わらない。
それどころか、とんでもないことが起きてしまった。
ああ……ついに、起きてしまった……。















リズナのために、必死になるランスは悲しいし苦しいけれど、格好いい。
マジックのこともリズナのことも、他の女のことも、ランスは本気で大切にしてくれているんだよな。
その考えと彼らの絆の深さとが、改めて明らかになったような形ではあるものの、その結末は、決して望んだ通りにはならなかった。











ここのメディウサ戦は、ターン制限がある半イベント戦。
しっかり用意をして、「その気」で挑めば突破は可能だろう。
この場で勝利してもメリットは特にないこともあり、今回は普通にストーリー優先で進める。















そして、まさかの展開。
ランスが使用不可になったり、敵に洗脳されたりといった展開は、シリーズにはちょくちょくある。
けれど、私が経験した中では、今回のコレが「絶望感」という意味では最高レベルだった。

最終作で、強さも精神力も今までで最も安定していたランスですら、隙を突かれたら負ける相手。
その魔人が、他ならぬメディウサだというのが……実に、恐ろしい。
不安とショックと恐怖で、目の前が真っ暗になるような気分だった。











ぽっかりと空いた、編成の真ん中。
「いない」ことを改めて突きつけられるような光景だ。

ランスが居なくなることは今までもあったけれど、ここまでシリアスにシリアスを重ねたような状況の中で起きるのは、本当に衝撃的。
空気が重い……。











更に……リズナの現状について、クルックーが暗い表情で「治せません」と言い切るのが、また絶望的だった。
クルックーが……あのクルックーさえも即答できない。
それだけ惨く、そして、クルックー自身もショックを受けている。
そんな現実に、また私はショックを受ける。
我ながら、ゼス編のシナリオに精神的に揺さぶられ過ぎでは?











誰もが沈痛な面持ちで、落ち込んでいる。
「大丈夫だって言ったじゃない」と吐き捨てるマジックの姿も痛々しい……。
ガンジーのことに加えてザカリテの件も乗り越えて、明るい気持ちになりかけていたところで、この状況は……誰にとっても、辛い。















ランスが居ない今、物語はシィル目線で進んでいく。
恐怖や不安をグッと堪えて、ランスを助けに行くと決めるシィルの姿が格好良い。
ランスの前でのぽやっとした姿とは、また少し違う、シィルの側面が見られた。

そんなシィルの一声で、結束していくヒロイン達。
やはりヒロイン同士の横の繋がりはいいよな……。
ランスがいない状況でも頑張ることを決めて力を合わせる、「熱さ」がある。















メディウサの元まで進む道中では、イヤな感じのアイコンが点在していた。
これ……雑魚戦に勝利できていなかった場合、どう見てもアレだよな。
何かしら、コワいことになるのだろうな。
ヒェ~、恐ろしや恐ろしや……。

焦り表情でイライラしたアレフガルドは見た目こそかわいいけれど、やっぱり色々と恐ろしい。
ファンシーな雰囲気だけでは、相殺しきれないよ。











途中では、健太郎の居る・居ないによって起きる分岐も存在した。
基本的には居ない前提でストーリーが構成されているからか、健太郎に対するスルーっぷりが半端ないぜ。
いや面白いけれど、これはこれで健太郎君スルーコメディとして成立しているけれど、ピエロ感もすっごくない!?
いやまぁ……別に良いけれども。健太郎君だし……って納得できてしまう点でそもそもちょっと悲しい。















健太郎を加えた版のシナリオも気になるが、今回は通常ルートで進める。
無敵結界を破壊せず、そのままシィルメインに粘り続ける。
要するにある程度耐えるだけなのだが、難易度が高まっていることもあり、単純に被ダメージがそこそこ痛い。
状態回復とヒーラーも加えて、物理防御役にサチコも加えて、踏ん張ることになった。
サチコは魔法陣も解除できるし、メディウサ戦では本当に使えるイイ女。















ターン経過の後、イベント発生。
メディウサの攻撃を掻い潜って、シィルが一発でランスの石像を把握して治癒に成功!
「愛の力」って奴や。ええ話や。

シィル以外のヒーラーだと、また異なる展開になるらしい。
健太郎差分といい、またそのうち回収しに行かないとな。











復活&ブチ切れランスによる、えげつない勢いでの自動攻撃。
無敵結界が破壊されただけでなく、その後も毎ターンゴリゴリとメディウサのHPを削ってくれる。
あえて「解除不可の支援」扱いの演出がアツい……!

普通に仲間に復帰するよりも特別感があるというか、勝ち確演出って感じで燃える。
そういえばプロローグでサテラが支援攻撃してくれるのもメッチャ嬉しかった覚えがある。
こういうタイプのバトル演出は、もっと多くても良かったかもしれない。
ああでも、少なかったからこそ、印象的だったというのもあるか。











無事に勝利したものの、メディウサはまだ余裕の表情。
彼女はランスを甘く見ていた……というよりは、自分の行いがどれだけランスの逆鱗に触れていたのかを、理解しきれていなかった。

メディウサは見目麗しい、間違いなく極上の美女だ。
そんな彼女のビジュアルやランスの性格を考えれば、普段ならばいつも通り、まずは「お仕置き」だろう。
ランス10でもケッセルリンク使徒にはそんな感じだったし、過去を振り返ればカミーラやサイゼル等、“定番パターン”はこれでもかというほど目にしてきた。











このシーン、ランスは言葉少なかった。
いつもノリノリで「さぁ殺そう!」と囃し立てるカオスでさえ、一瞬驚いたほどだった。
端的に、語り過ぎることも無く事を成したランスの姿は、クールで渋い。
ランスの沸々とした怒りの感情が伝わってくるようで、少し怖くて、格好良い。

メディウサを消滅させたからといって、リズナの身体が回復するわけではない。
お仕置きを挟もうが、倒そうが逃がそうが、結果はさほど変わらないともいえる。
それでも、「これ以上の被害の拡大」だけは、防ぐことができた。















メディウサシナリオの結末はどこか苦くて冷たくて、静かなものだった。
明るく楽しくエロいストーリー、ではない。開幕からショッキングで、最初から最後まで辛いことが多かった。

それでも、個人的にはスッゴク良かった。
精神的に揺さぶられまくったし、感動したし、ラストの展開にはシビれた。

ランスが格好良くて、シィルが頑張っていて、マジックがすごく頑張っていて……そんな様を、ちゃんと見れてよかったと思っている。
怖くて怖くて、なかなか見る勇気が出なかったけれど、やってみて本当によかった。