「男の子人気投票」結果に軽く触れる <10位~1位編>




公式人気投票結果に触れつつ長文語りする謎企画、男性キャラ編。
今回は「10位~1位」までを対象にした。

びっくりするくらい時間をかけてしまったけれど、ようやく男性キャラ編も完結だ。
トップ10は女性キャラ編のように画像付きの長文仕様になっているので、ご注意いただきたい。

※文章・画像共にガチガチでゴリゴリのネタバレ注意

 










51位から順番に、一人ずつ触れていきながら讃えていく本企画。
順位はアリスブログで発表されたものだ。

第二部・食券などなど、マジでネタバレに触れまくっている記事だと思う。
未プレイ未クリアの方は、本当にご注意を。












9位

ダークランス






みんなの優しく頼れる兄貴、ダークランスが9位!!

エールと同率で9位入賞の形になったわけだが、この結果……かなり凄いのでは?
もちろんダークランスは昔から登場していたし活躍もしていたけれど、ここまで人気が高いイメージは私の中には無かったようにも思う。
個人的にはメチャクチャ好きなキャラだけれど、主人公ランスの目線では「生意気なガキ」で、こちらに敵意をむき出しにしてくるダークランスはわかりやすく“ウケる”タイプではないのかな、なんて考えていた。無知でお恥ずかしい限りだ。
ランス10におけるダークランスは、第一部では今までより成長した姿が格好良くて、第二部では更に新たな一面も見せてくれてと、出番と活躍についてはトップクラスだったのは間違いない。
あとは第一部で仲間入りルートがあったらなお嬉しかったけれど、ダークランスの“ランスを超える”目的から、無理だったのだろうと納得もできる。それでも、IFやなんでもあり限定でいいから欲しかったな。食券イベントでVSランスだとか、リセットやフェリスとの平和な日常にヘラヘラしている姿だとか、第一部でも見てみたかった。


6で登場したダークランスは、正史では初のランスの息子として、ゆっくりと成長を描かれてきた。最初は殺意だけでランスにぶつかってきたダークランスは、それでも最初からずっと母親フェリスのことが大好きだった。母親を愛して、母親に愛されて、散々辛い目に合いながらも頑張り続けていた。
そんな姿は、昔は少し痛々しくて、見ていて心配でもあった。だからランクエで妹ができて“優しい兄貴”として歩み始めたダークランスの姿には、私はとても安心したし、その後ランス10でも関係が続いていることが本当に嬉しかった。そして第二部で、大切なものがたくさんできて守る力も得て、嬉しそうに幸せそうに笑っているダークランスの姿を見ることができて……本当に良かったなぁと、心から思った。
とはいえ第二部での兄馬鹿兄貴への成長っぷりは想像以上でもあったので、ちょっと驚いたのも確かだ。「変わりすぎだろ」と、さすがにツッコミもした。
けれど、しばらく第二部のダークランスと過ごしているうちに、個人的にはすっかり馴染んで受け入れてしまった。


6で心身ともにボロボロだったダークランスには大切なものが母親ひとりだけだった。
ランクエでリセットという大切なものが増えた彼は、厨二に片足入れつつも少しだけ優しく穏やかになったようにも見えた。
ランス10で立派になった彼にはたくさんの大切なものができて、大人になって、たくさん笑うようになった。
そうやって、シリーズ通してゆっくりと戦い続けて苦しみ続けて、成長してきた結果が“第二部の、最高に格好良くて頼りになる馬鹿兄貴”なんだと思う。
もう受け入れるしかない。好きになる以外に思いつかない。本当に本当に魅力的なキャラクターで、息子で、お兄ちゃんだった。
ダークランス、9位おめでとう!!












9位

エール






第二部の主人公、エールが9位ッ!

ダークランス共々、ランスチルドレン内のトップをゲットした形になる。
もっとも、男性人気投票は女性人気投票よりも上位に入賞し易い環境にあるし、女性陣トップの魔境を考えると女エールやレリコフたちも十分以上に健闘したといえる。


第二部主人公という立ち位置は、“それ”だけを見れば人気も得やすい、有利な条件だともいえる。
しかし、ランスシリーズにおける新主人公ともいえるようなポジションは、ファンの目が非常に厳しくなるに違いないというのも、また事実だった。シリーズを愛し、ランスという主人公を応援してきたからこそ、「突然現れた新キャラ」であるエールを受け入れがたい、認めがたいという感覚があったのは間違いないと思う。実際に、最後まで違和感があったユーザーも居たと聞く。
実を言えば、私も根本的にはその感覚に近いものを考えているかもしれない。ランスシリーズの主人公はランスであって、ランスでしかなくて、他のキャラクターは新キャラであっても従来のキャラであっても、おそらくは納得できなかった。
ならばなぜエールを受け入れられたのかといえば、私は第二部をあくまでも「おまけ」、「ランスの物語のエピローグ」として見なして、エールを「エピローグの語り手、主な視点」と考えていたからかもしれない、とも今では思っている。


実際にエールは、特に一周目の男エールについては、「語り手、主な視点」から大きく冒険することはなかったような印象がある。無口で選択肢によって行動が決まる、いわゆる“昔ながらの主人公”っぽいエールは、存在感をあえて抑えていた部分があった。
しかし、そんなエールも、物語が進んでいくことでどんどん“個性”も生まれていった。初めてできた友達、手を引いてくれる姉、かわいがってくれる兄達と出会って、たくさんの経験と冒険を経ていくことで、語り手に過ぎなかったエールに色が付いていったようにも思えた。
そして私は、クリアする頃には、男エールのことも“ひとりのキャラクター、ランスの息子”として、大好きになっていた。
物語の終わりにむかって静かに、幸せな気持ちのまま導いていってくれたエールに感謝も覚えたし、「もう少し彼の、彼らの冒険を見たい」と考えた。


これはあくまでも私個人の感想であって、エールに対する印象や感想は、人それぞれなのだと思う。
けれど、おそらくは、たくさんのユーザーがエールに好感を覚えたからこそ、9位という立派な順位に至れたのだと思う。
エールが9位になって、長田君が喜んでいたのが私は嬉しい。きっとクルックーも喜んでくれているだろう。やっぱり嬉しい。
エール、おめでとう!!









8位

ブロビオ






「二つの偉業」を成し遂げた、ブロビオが8位ッ!

そういうこともあるだろう、と納得しかけたけれど、エール&ダークランスより上ってのはさすがにヒデーや!
だが結果が出ている以上は仕方がない! おめでとう、と言うしかないだろう!!


「偉業」に関しても衝撃的というか、色々な意味でトンデモないことをしでかしたブロビオだけれど、それを抜きにしても“第二部のわかりやすいヒール”として目立っていた。
ランスシリーズとは思えないくらい優しかった第二部で、唯一現実を突きつけたというか、「エロゲとして当然」の立ち位置や言動を貫き通した姿は、ある意味貴重でもあり格好良いかもしれなかった。
それにしたって毒頼りの反則技はゲスいけれど、まぁそれくらいの不正はランスでもやらかしそうな気もするしな……。変に改心する展開もなく、引きずることも無く、あの場面だけでサクッと終わったのも悪役としては好印象だ。


そして「偉業」に関しては……。あくまでもIFであり、第一部のクリアC以上のバッドエンドでもあるので、個人的にはアリかナシかでいえば、前者。CG付で丁寧にやってほしかった、という意見も理解できる。
シリーズ最終作で、最後の最後に禁忌に踏み込んだことは、なかなかの冒険だった。とはいえIFでも拒否感があるユーザーも存在するだろうし、深く掘り下げすぎなかったのは、これはこれで良かったと思う。

あと、少し話はズレるかもしれないが、ブロビオの思想……「優しい世界しか知らない女に現実を叩きつけたい」だとか、「女ならば美醜も年齢も問わない」だとかは、わりとエロゲのヒールとして立派だとも思う。
こんな観点で評価するのも変な話だが、こういう場面の器の小さいモブ的悪役としては、比較的好感が持てるタイプだ。……好感、は言い過ぎか?


ともかく、色々な意味で、ブロビオはスゲー奴だった。
8位入賞は悪ふざけ投票も混じっているかもしれないが、何よりも“偉業への称賛”だったり、“小さな悪としての評価”だったりも大きかったと思う。
登場シーンも短いのに、あの一発の力業だけで8位に入ったのは、やっぱりスッゲーよ! おめでとう!!












7位

ロッキー






最後までランスを慕い、ランスの子供たちを支え続けた従者、ロッキーが7位入賞!!

ほぼレギュラーキャラとして出番は多かったが、どうあっても一般人の枠から抜け出せないロッキーは、単純な戦力としては他の男性キャラに比べれば見劣りがする。
そんなロッキーが、最終作の人気投票で7位に入賞した。これはカード性能やユニットとしての戦力如何というよりは、彼自身の人となりと物語と、最後までランス達を真摯に慕い続けた姿に、感動したプレイヤーが多かったからだろう……と、私は考えている。
そして、もちろん私も、その一人だった。


6で登場した頃のロッキーは、初期から仲間になって苦労しつつも最後までランスに付いていこうとする、サブに近いキャラクターだった。純粋で少し愚かで、あまり強くはなくてランスにウザがられつつ付き従い続ける姿は、ユーザーの中には「鬱陶しい」と捉える人もいた、と聞く。
ランスが主人公である英雄譚に、ロッキーは不可欠な人材では決してなかった。ランスからの扱いは大体悪くて、ランス以外の仲間からは慕われることが多くても、ロッキーはいつだって“やや惜しい”止まりで目立った活躍の機会は無かった。
そして最後まで、ロッキーは世界を大きく変えるような活躍をすることは無かった。ランスの傍で、あるいはランスの子供たちの後ろで、応援することくらいしか結局出来なかったのかもしれない。


だけど、そんなロッキーだから、良かった。
大したことはできなくても一生懸命で、時に己を卑下しながらも精一杯尽くし続けて、最後までランスやランスチルドレンたちの味方であり続けてくれた。何もできなくても、その気持ちだけで、私はとても嬉しかった。ロッキーの存在に、きっと何度も心を救われた。


第二部の結末の後、まだロッキーはランスを追いかけ続けるようだった。そのうち追いつかれては撒いて、を、繰り返していくのだろう。
そんな様もロッキーらしい。けれど、そろそろ自分の幸せも見つけてほしいもんだ。
ロッキー、本当にありがとう!! そして、おめでとう!!












6位

レイ






シナリオでも戦闘でも大活躍した魔人レイが6位!!

正史で明確に味方側になった男性魔人、という点でもレイはストーリー上で出番も多かった。第二部にも登場したのみならず、“成長した、幸せそうな姿”を見ることもできて、本当に良かったと思う。
私は鬼畜王は未プレイの身なので、メアリーとの関係や物語も含めて、鬼畜王と10とどちらのほうが良かったのか、ということについて語ることはできない。
美しくも悲しい鬼畜王、ハッピーエンドのランス10、どちらが“より良い”なんて言えるはずもないし、好みは人それぞれだろう。
私が言えるのは、「今回は幸せになれて、本当に良かった」ということくらいだ。その点は本当に嬉しかったし、レイたちを心の底から祝福している。


ランス10におけるレイは、序盤からユニットとして入手可能な点が何よりも嬉しかった。
自由都市におけるメアリーとの出会いや物語は、定番ながらも心温まる話だったし、魔人と人間がわかりあえる明るい未来が垣間見えるような感じが本当に良かった。
そしてユニットとしてのレイは、低コストで超威力を叩き出す万能神魔アタッカーとして、低難易度な序盤から高難易度終盤や二枚抜き各種まで、本当に使いやすくて頼りになって何より強い、アタッカーとしての最優枠のひとりと呼んでも過言ではなかった。
何度、どれだけレイに世話になったか、もう数えきれない。脳死レイ頼り・サイゼル頼りが楽すぎる……けど宝箱狙いで新トドメ要因を用意したのに、結局レイがうっかり殴り殺しちゃうことも多々。


第一部の初期は危険な敵魔人としての姿、仲間入り以降はまだ危うさを残しつつも少しずつ歩み寄っていくレイの姿が描かれていた。そして第二部では、驚くほど落ち着いていて、穏やかに日常を送りながらレイなりに平穏を守ろうとしている様子も見ることができた。ランス10で描かれた丸々の年月をかけて、レイは成長して変化して、そして最後には幸せな結末に至れたのだと思う。
見ていてとても嬉しくて、応援したくなる姿だった。
レイ、6位おめでとう!! もっともっと、幸せになれよ!!












5位

パットン






毎回美味しいところを持っていく、ズルすぎて格好良すぎる男パットンが5位!!

男性人気投票ベスト5については、メンバー的にはほぼ予想通り。2~5位の順位がどこになるのか、という点だけが開票までわからないような状況だったように思うが、結果的には同じ第一部男性仲間としてはパットンよりもリックの方が一歩先を行った。
この件については、やはりパットンの参戦が中盤以降だったのが響いたのかもしれない。運が良ければプロローグから早くも入手可能なリックは、カードとしても非常に使いやすいし確定宝箱もあって嬉しい存在だった。せめてパットンも確定入手の機会が、サブクエストでもいいから欲しかったところだ。
カード性能、という意味でも、10におけるパットンは少し惜しかったようにも思う。武舞乱舞は長期戦の浪漫技として面白い性能ではあるのだが、もうちょっと扱いやすいタイプでも良かった……とはいえ、クセがあるくらいのほうが「らしい」かな。まぁそのあたりは、難しいところだろう。


パットンの本作最大の見せ場は、戦闘というよりはシナリオに存在した。第一部中盤だったり、第二部での例のシーンだったりと、シンプルにわかりやすく「やられた!」と感じる場面も、もちろん多い。どれも印象的でインパクト抜群で、悔しいくらい格好良くて燃える展開だった。
けれど、目立つ山場以外でも、たくさんの名シーンが存在していた。クリアAエピローグでランスを叱りつけたり、ミラクルを無理やり押さえつけたりすることは、きっとパットン以外には出来なかったことだった。
サンセット号を任せられるほどの男はパットンくらいだったし、鬼畜王戦争で面と向かって“あの男”に本気で立ち向かったのも、かつての伏線が回収されたようで辛く苦しくも、胸が熱くなった。


男であり、ランスの友人であるパットンは、たとえばリアやシーラのようにランスを甘やかすことはないし、リックほど情に寄るわけでもない。もちろん普段は優しいし、頼り頼られる最高の仲間のひとりではあるけれど、“いざという時”に命懸けで止めたり抗ったりしてくれるのがパットンという男で、パットンとランスの関係だった。
表向きはカラッとしていて、時には厳しく割り切ることができるパットンは、本当に良い奴だった。そんなパットンだから、なんだかんだで、多くの場面でランスも認めていたのだと思う。
ああちくしょう……パットンのことを考えていると、どうしてもまた9がやりたくなってくる。03→6→9のコンボをキメたくなってくる。
パットン、5位本当におめでとう!












4位

リック






リーザスの赤い死神、堂々の4位入賞!!

ベスト3に食い込む可能性もあるとは思っていたが、あと少し惜しかった。とはいえ、十分に立派な結果だ。
ランスとケイブリスは反則みたいなものだから、実質男性人気ナンバーワンといっても過言ではない。瀬戸物は瀬戸物枠。異論は認める。


ランス10におけるリックは、シナリオ上は基本的にリーザスに留まっていたけれど、戦力としては早期に確定入手の機会もあって、目立つし強いし使いやすいしで、あらゆる場面で大活躍してくれた。
0コスト攻撃×2、というスキル構成がまず強い。あと設定反映されている感がアツい。肝心のバイ・ラ・ウェイが手に入れ辛く、使い勝手もやや惜しい感じが残念ではあったが、それでもどんな場面でも使いやすいという点は何よりもありがたかった。リック最大の弱点はリーザス陣営のせいでかなみやアールコートと枠を奪う点。


一方のストーリーにおいては、リーザス方面でのシナリオを除けばそこまで大きな活躍は無かったともいえるかもしれない。
だがその分、リーザスではレキシントン退治に自動開放にとシンプルに活躍しまくり。レイラ食券ではまさかのプロポーズシーンも披露して、手動解放でオマケルート扱いとはいえ二人の結婚を題材にしたミニシナリオもあってと、長く描かれ続けていた彼らの物語が結末までしっかり書き切られたのが嬉しかった。……ん、そういえば正史ではマリスに告ったのか? そのあたり、結局どうだったんだっけ?


何気に食券などのサブイベントの類でも出番が多いのも面白かった。主にDTいじりだったりオバケいじりだったり、弱点絡みのネタが多いのだが、結局そういう定番がシンプルに楽しい。全裸クリンイベントはランス10における最高のイベントのひとつ。
そして第二部では、例のシーン以外での登場は無くとも弟子の視点から語られたり息子が生まれたり、穏やかに暮らしている様子が知れたのが嬉しかった。
身体に関しては辛いこともあったけれど、きっとリックも恨んでなどいないのだろう。リックならばきっと、弟子が“あの男”を解放したことを、笑って喜んでくれるだろうと思う。
リック、4位おめでとう! 息子ができて良かったな!!
……マジで良かったな! 頑張ったな!!









3位

ケイブリス






爆裂イカした最強魔人にして最高の魔物王ケイブリス、ベスト3入賞ッッ!!

個人的にはランスに次ぐ2位を予想していたが、思っていた以上に陶器が強くて驚いた。だがまぁ仕方がない。
多くの憎しみ、苦しみ、怒りを向けられるラスボスという立ち位置だったケイブリスは、最初から最後まで、全力でケイブリスらしかった。紛れもない悪であり、敵であり、人類にとっての脅威だった。
“ラスボス”という存在は昨今は何かしら同情の余地があったり、概念的存在だったり、重い過去があったり、そういったパターンが多いように思う。ケイブリスに同情や過去が全く無い、とまでは言い切れないかもしれないが、それでも彼は「最近」ぽくはない、昔ながらでありつつもエロゲボスとして普通以上に醜悪な、最悪の敵でもあった。
多くの悲劇はケイブリスがきっかけで生まれたし、彼自身も人類の生き死にだろうが喜劇悲劇だろうが全てはどうでもいいと考える男だった。味方すら信じず、カミーラさんやケイブワンニャンへの情を除けば自分がナンバーワンでオンリーワンであると疑わず、他の全てを平気で踏み躙れる最悪の相手だった。


そんなケイブリスは本当に嫌な奴で、憎い奴で、許せない奴で、倒したい奴で……それでも私は、ケイブリスのことを、「格好良い」とも思ってしまった。
過去を思い出す前の、卑屈で疑心暗鬼で臆病なケイブリスですら、ある意味で味があり、魅力的なキャラクターだった。それを私は最初のうちは、渋々認めるような心持だったような気がする。
そして、「過去」を思い出して、初心に返って、改めて立ち上がり努力し続けることを決めたケイブリスに至っては、全力で「……ッッッかっけえええぇぇぇぇぇ!!!!」と叫んで唸って痺れてしまうくらい、最高にイカしていた。


最後のランスとの闘い、最後の一瞬に至るまで、私はプレイヤーではなくただの読者として、主人公ランス陣営を操作して応援しつつも、心は同時にケイブリスも応援していた。
もちろんケイブリスが勝てばあらゆる悲劇が待っているので、勝利を願うことは無かったけれど、「頑張って戦ってくれ」「後悔しないくらい全力で抗ってくれ」「最高に格好良い姿を見せてくれ」といった気持ちで見守っていた。
その期待に、ケイブリスは見事に応えてくれた。


ケイブリスの所業に対する憎しみや苦しみ、悲劇への嫌悪感が無くなることはないだろう。それでも、第二部の最後までランス10をクリアして、ケイブリスの物語を眺め続けてきた今、私はもうツンデレでも「ケイブリスのことはキライじゃない」なんて強がれない。
メッチャクチャ好きだ。腹も立つし憎いところも山ほどあるし、残念ながら彼の夢を応援することまではできないけれど、それでもスッゲー好きだ。
ランス10をここまで満喫できたのも、ラスボスであるケイブリスが超魅力的だったというのも理由のひとつに違いない。
ケイブリス、本当におめでとう!!
ケーちゃんとして、今後も頑張ってくれよ!! 元気で暮らせよ!!!









2位

長田君






相棒にしてソウルフレンド、人気投票司会としても活躍した長田君が2位!!

いやはや、人気があることは知っていたし、ヌヌハラの結果を見るに“司会枠”は票を得やすい有利な面もあるとはわかっていたけれど、ケイブリスさえ抑えての2位っていうのは普通にビックリ。普通にひっくり返った。
ランキングをリアルタイムで見た時には、2位になる瞬間まで長田君のことを忘れていて(※失礼)、「パットンが5位……リックが4……えっ、ケイブリスが3位? 1位はランスとして、あと誰が残ってるっけ? えーと……っておまえかよ!!(ズッコケー!!)」なんてベタな反応をしてしまった私だよ。


しかし、この結果はかなり凄いことだと思う。“第二部メンツ”というだけで、ある程度の不利があったのは間違いない。知名度という点で、厳しい戦いになるのはわかりきっていた。
そんな状況下での堂々2位、というのは、もう文句のつけようもないだろう。完結作最後のソウルフレンドブーストや司会ブーストがあったうえとはいえ、ランスに次ぐ順位ということは実質ランス10男性キャラトップみたいなものだ。それだけ長田君がキャラクターとして魅力的で、人気があった、ということだろう。マジでスゲーや。あとちょっと嬉しいよ。


長田君の出番は第二部に限ったけれど、「最初の仲間にしてソウルフレンド(自称)」として、序盤から終盤まで出番はたっぷりだった。昔ながらの主人公のように喋ることのないエールの代わりに、感情を表現したり反応したりする役回りとして重要な彼は、テキスト作りのうえでも欠かせない存在だったのだろうし、結果として「よくしゃべり、よくツッコむ」奴としてキャラ立ちしまくった。
長田君のツッコミは、これは人の感覚にもよるかもしれないが、個人的には“ちょうど良かった”、と思っている。遠慮はなくとも乱暴すぎず、一般的な感性を持ちつつも感情豊かで、ピンポイントで刺さる名言をたくさん吐いてくれた。名脇役、名ツッコミ……など、呼び方としては色々といえるのかもしれないが、まぁ本人の希望通り「さすがはソウルフレンド」と賞賛すべきなのだろう。


お調子者枠というのは、下手に増長させすぎると不快感を覚えてしまう。だが、その点でも、長田君はしっかりと退き際を弁えていた。コメディな状況では調子に乗ることがあっても、芯の部分では主人公エールのことが大好きな彼は、なんだかんだで最後には自分よりもエールを優先させる友情に篤い陶器だった。魔王戦で粘った際、ピンチに陥るエールをがむしゃらに助けに行こうとする姿は、馬鹿なんだけど正直感動した。


エール&長田君のコンビを好きになったからこそ、私は第二部を好きになった、という面もあったのだと思う。
それくらい、長田君は第二部において大きな存在だった。本当に良い奴だった。
2位おめでとう、長田君!!









1位

ランス






誰もが知っていた、わかっていた!
それでもやはり、男性人気投票一位はランス以外にありえない……ッッ!!

この結果については、全国五百万人くらいが「知ってた」と言ったと思う。
出来レースすぎて票が割れるかも……なんて不安になる余地すらないくらい、やはりランスの人気は圧倒的だった。
それを改めて思い知らされたような結果だった。歴史的で立派で、素晴らしい結果だ。それでこそ、ランスだ。


私は、ランスのことを詳しく語れるほどに、ファン歴の深い人間ではない。未プレイの作品もまだあるし、未知の設定やシナリオも数知れない。
せいぜい近年の数作、細かく言えば6以降の印象しかない。そんな私にとってランスは、長いこと「魅力的なガキ大将」だった。
戦国以降は優しさの描写が増えてきたけれど、それでも基本的には決して善人ではなく、悪さもすれば卑怯も不意打ちもやりたい放題、女にはだらしないどころか時には鬼畜そのものに好き放題やって、男は運が良くても蹴り飛ばされるし悪ければ斬り殺されるのが常で、喜怒哀楽や感情の起伏が激しくて飽きたり拗ねたりするとわりと面倒くさかったりもして、扱い辛くてわかり易くて道化的でごくたまに英雄的で……私の中では、そんな男だった。
一目見ればわかるようで、一言では言い表せない、単純なのか複雑なのかもわからない、変わった主人公だった。


どこがランスにとっての分岐点だったのか、というと、やはり娘リセットの誕生だと思う。もっと正確に言えば、戦国でシィルを失ってランクエでシィルに関する不安を押し隠しながら冒険していたあの日々が、今現在のランスの印象を形作っているのかもしれないな、と個人的には考えている。
ランスは長い間、「ガキ大将」だった。守るものなど無くて、斜め後ろに奴隷のシィルがいるだけで、好き放題やりたい放題に過ごすことができていた。そんなランスにとって、初めて“明確に、守らねばならない相手”として、娘ができてしまったのがランクエだった。男の息子には厳しくても、女の娘には厳しくできないランスは、そこでどうしても変わらざるを得なかった。


ランクエでリセットと出会い、シィルを失い続けて、ランスは成長せざるを得なかった。父親になって、大人になって、言動にも昔とは一味違う“落ち着き”みたいなものも見えるようになった。
10では「世界総統!」なんて表向きははしゃいでいても、裏では兵士の足りなさやジリ貧感を把握していたり、「万が一」まで考えてビスケッタさん等に呼び掛けたり、シィルの前でごくごく微かに本音を零したり、以前なら認めすらしなかったような不安すら内心で自覚していた。
それはランスが成長したからでもあり、ランス10における世界情勢が本当に緊迫していたからこそ、でもある。


成長したランスは、頼もしくて格好良かった。「立派になったなぁ」と、妙な視点で感心したり、感動したりもした。
だけど私は同時に、ものすごく寂しくもあった。物語の終わり、ランスの冒険の終わりをどうしても感じてしまって、どうしたって寂寥感が常に付きまとっていた。
クリアして時間の経った今ならば、少し冷静に見ることができるけれど、当時はどうしてもそんな複雑な感情を抱いていたようにも思う。


それでも……それでも、やっぱり、ランスは最高のキャラクターだった。
まだ遊びたいだとか、ランスの冒険を見続けたいだとか、大人なランスもいいけど無茶苦茶なランスも好きだとか、とはいえ丸くなったランスも良い奴だとか、嬉しいとか寂しいとかモヤモヤ考えてしまうけれど……やっぱり、私はランスが大好きだった。


全て含めて、1から10まで、長所も欠点も全部ひっくるめて、ランスは最高に格好良くて最高に魅力的で、最高に頼もしい最高の主人公だった。
ランスがいてくれるから、いつだって乗り越えることができた。暗い世界でも明るく見せてくれたのはランスで、楽しい物語にしてくれたのはランスだった。
本当に本当に楽しかった。全部ランスのおかげだった。


そして、ランス10の第二部の最後で、再びランスが“斜め後ろに奴隷を引き連れた”だけの姿で、冒険に出てくれたのが、私はこれ以上ないくらい幸せだった。
その後に更に描かれた“つづきとおわり”も含めて、本当に素晴らしかった。
ランスも、ランス10も、私にとっては全てが最高だった。

ランス、人気投票第一位、本当に本当におめでとう!!
やっぱり、ランスがナンバーワンだ!!!










最後に

 


自分でも呆れるほど時間をかけてしまった本企画。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

ランスシリーズの男性キャラクターは魅力的すぎるからこそ、語るのが少し難しい部分もあった。
熱意のままに書けた女性キャラとは少し感覚が違っていて、「こんな安易な言葉では駄目だッ……気持ちを表現しきれてはいないッ……!」なんて、くだらない職人心みたいなものを燃やしてしまったのが長期化の原因。
時間をかけたほどの文章には結局仕上がってはいないけれど、まー仕方がない。

書き辛かったけれど、やっぱりランスキャラのことを考えたり語ったりするのは、とても楽しい時間でもあった。
やっぱり私は、ランス10が好きだ。出てくるキャラクター、全員が大好きだ。