FGO第二部 Lostbelt No.2 プレイ日記14 炎のような男が立っていた





今回のトップ画像は、オフェリアにしようと前々から決めていた。

第二部第二章もいよいよクライマックス。
北欧異聞帯における物語は終盤に向けてグングン盛り上がっていくタイプのシナリオだった。
特にラスト付近は見せ場の嵐。あのキャラもそのキャラも、メチャクチャ格好良かったり美しかったりかわいかったりで、私の心は揺さぶられっぱなしだった。















スルトの炎の剣が振り下ろされて、全てを焼き尽くす……その直前に、割って入ったのは“巨いなる番人”ッ……!!
熱い!! 格好良い!! バーサーカーは強いね!! やっちゃえバーサーカー!!!

シトナイによって呼び出された彼は、オルトリンデ曰く「人理の英雄からもたらされた影」らしい。人理の英霊はシトナイ自身を指すのだろうし、要するに彼女が呼び出した特殊な影という意味なのだろう。たぶん。

うーん、つまりどういうことなんだろう。イリヤを守るためにヘラクレスが現れて彼女の命に応じる、というのはSNファン的には当然に思えてしまうけれど、今回の仕組みは正確にはどういうものなのか、正しく私は理解しきれていない気がする。

ハイ・サーヴァントであり、聖杯の器たるイリヤだからこそ成し得た非常に特殊な事例なのかな。
さしあたりは“浪漫”と受け止めるくらいでいいのかもしれない。















大英雄たるヘラクレスの影、スカサハ・スカディやオルトリンデの全力の援護。それでも、完全に防ぎきることはできない。空想樹さえ取り込んだ、完全体ともいえるようなスルトはマジでヤバイな……。世界がヤバイ。

“防御”といえば、盾。シールダー。
当然のように立ち上がるマシュと主人公、彼らを送り出すことしかできないダヴィンチちゃんとホームズに対して、普通に憤ってくれる新所長の姿がなんだか嬉しい。

実績や可能性、奇跡なんてものは今までたくさん起こしてきたし、マシュも主人公もお互いを信じ切っている。ダヴィンチちゃんたちが止めないのも、彼らを信頼しているからこそだろう。

しかし新所長は、「信頼しているから」「実績があるから」なんて感覚的なものや矜持や過去といった、いわゆる“感情的にすぎる”と言えなくもないものを加味したうえで、止めようとしてくれた。
マシュと主人公を案じるからこそ、怒ってくれた。
強くはないが決して後ろ向きなわけでもない、人間的な反応が、こういう場面では心に沁みるぜ……。新所長の好感度の先が見えない。















そんな「不可能」と呼ばれる状況を覆すのが、この男。

……散々引っ張ってきた。伏線もたっぷりだった。
隠し事が下手なタイプなので、「きっと最後にスゲーことをやっていなくなるのだろうなぁ」と、正直察せてはいた。

だがこの場面、このタイミングでの彼の言動には悲壮感はなく、主人公やオフェリアの背中を押す“強さ”と“熱さ”に満ちていた。















取って置きの隠し玉。
過剰出力で放たれた、全てを賭けたナポレオンの一撃は、確かにスルトを貫いた。
拮抗していた状況を引っ繰り返す、最高に格好良い虹だった。















ナポレオンが命を賭けたのは人理のためで、主人公たちのためで、世界のためで、オフェリアのためだった。
彼の虹は、確かにオフェリアにも届いた。

ここで、マテリアルには載っているけれどスキルとして普段使いはしない、“皇帝特権”の名を持ち出すところがニクい。渋い。
実際はスキルの力というよりは根性、もしくは愛の力ってヤツなのだろうが、指摘するのも無粋だろう。











最後までオフェリアに言葉をかけ続け、オフェリアの願いに応えて彼女を助け、背中を押したナポレオン。
もはや疑うことなどできるはずもない。わかっていたし知っていたけれど、やはり彼は最高に格好良い男だった。

物語においては、言ってしまえば“当て馬”ポジションのような“振られる側”にしかなれないような彼だったけれど、最後まで恋愛のドロドロなど一切感じさせることなく、爽やかに優しく格好よく頼りになる男として退場していった。

眩しい……。眩しすぎて、疑心暗鬼に淀んでいた心が洗われていく。
オフェリアへ向けた愛は決して実ることなく、彼女から何かが返ってくる機会も無いままで終わってしまった関係だけれど、驚くほど爽やかな結末だった。















この微笑みとこの言葉を、最後にナポレオンに聞かせてやりたかった……。けれど、聞くまでもなく、わかっているのかもしれないな……。

呪詛から解放されたオフェリアは、表情も言葉もとても穏やかで、こんな緊迫した状況でさえなければ、ゆっくりお茶しながらマシュとガールズトークに花を咲かせそうな雰囲気さえある。

そして、主人公のことも「後輩」なんて、呼んでくれた。
えっ……うわっ……め、メチャクチャ、嬉しい……。びっくりするほど嬉しかった……。

カドックはあんな性格だし、他のクリプターはまだ詳細不明だし、その他のマスター候補とも特に今まで会話はなかった。
だからこう、素直に穏やかに好意を持って「大切な後輩」なんて呼ばれて話しかけられると……意外性と衝撃と喜びとで、電撃が走ったような気分だった。
ア、アカン……。オフェリア先輩に恋してしまう……。こ、この、無自覚に誤解させるタイプッ……!!















プリプリ怒りつつもオフェリアを受け入れる新所長に、オフェリア本人からも「時計塔の人間とは思えない性格」なんて言われてしまった。
やっぱりそうなんだな……。薄々そうだろうとは思っていたけれど、やっぱり魔術師らしくない性格なんだな……。

それでも持ち前のポジティブさと謎のやる気で、ガンガン上を狙っていく新所長をフツーに応援したい。
できないだろうけれど、魔術協会を変えてやってくれよな! できないだろうけど!

そしてスカサハ・スカディ様からも「愛す」認定をいただく。
これは冬の薄い本は決まりましたね。















一度きりの、シグルドとの協力。
オフェリアの呼び声に、シグルドが「了解した、マスター」と応えるのが最高に熱くて格好良い。

オフェリアが呼び出したセイバー、ずっとオフェリアの隣にいたサーヴァントは“スルト”だったことが明らかになった。
外見はシグルドであっても中身は別人だったので、言ってしまえばオフェリアとシグルドはまだ会ったばかりの初対面みたいなものだ。

そんなオフェリアを「マスター」と見なし、願いを聞き届けるシグルドはメチャクチャ律儀で真面目で強くて格好良い大英雄。
冷たさと熱、穏やかでありつつ激しい感情を抱くみたいな……そんな感じが、ともかく、スッゲー燃える。
オフェリアとシグルドは正しい主従、正しいマスター・サーヴァント関係ではなかったけれど、この瞬間はガッツリバッチリ協力し合った、最高に格好良い主従に見えた。















改めて見ても、やっぱりデケェよ……。
ティアマトを思い出せばいいのか、イヴァン雷帝を思い出すべきなのか……。
ともかく、最近のFGOのボスは巨大化傾向が強いのは間違いない。盛り上がるから仕方がない。
三蔵ちゃんやオジマンの宝具だとすごくシュールな絵になりがちなのが欠点。











最後の最後、プレイヤー目線のみで明らかになる“スルトの想い”。
ここまでで、既にかなり察せられていたし、だろうなーとは思っていたが……やはり、そうだったのか。

オフェリアには結局伝わらなかったし、スルトもはっきりと自覚はなかったかもしれないが、「星の終末を共に見よう」というあの言葉は、愛の告白に等しかったのかもしれないな。

これもまた、ひとつの悲恋だ。
ナポレオンとは似たような意味で違う立場で、スルトもまた“振られる側”にしかなれなかった。
ナポレオンのように何かを届けられたわけでもなく、結果的にはオフェリアから奪うことしかできなかった。そういう意味では、より悲しい存在だったかもしれない。

まぁ、難しいところだ。スルトにとってもオフェリアにとっても決して幸福ではない結末だ。
それでも、プレイヤーの胸を打つものも確かにあった。スルトの願いや想いは、決して正しいものではなかったけれど、歪んでいながらもひたむきで我武者羅で、美しいものでもあったと思う。















それでも、スルトの想いはオフェリアの大令呪を奪ってしまった。彼女に終わりをもたらしてしまった。
当然の結末、わかりきっていたことだけれど、スルトはこんなことまでを望んでいたわけではないのだろうなぁ……と個人的には思う。
スルトは決して、オフェリアの命を奪いたかったわけではなかったように思える。それでも他にできることもなく、ヒトの脆さや命の重さも正しく理解はできなかったのかもしれないな……。


最後に、最後になってようやく、少しだけマシュと素直に語り合えたオフェリア。
痛々しくて、これ以上続けられないのが辛くて悲しい。それでも、話ができて本当によかった。マシュもオフェリアも、少しだけ救われたのではないかと思いたい。

オフェリアが自身の恋心を正しく自覚しきれていなかったのは意外でもあり、オフェリアらしくも思える。
オフェリアは思っていた以上に純粋で鈍感で、かわいらしい女性だった。
思えば第二章は、「多くの片思いの物語」みたいな感じでもあったな……。















スルト戦を乗り越えて、消えていってしまうブリュンヒルデとシグルド。
彼らも本来は、悲恋の物語の登場人物だ。しかし今回は奇跡とタイミングのおかげで、短くも幸福な時間を過ごすことができた。

ブリュンヒルデが本当に嬉しそうで、幸せそうで、最高にかわいい。
こんな彼らを最後まで見守ることができて、本当によかった。本当にありがとうスカサハ・スカディ。本当にありがとうゲッテルデメルング。