ランス10 延長戦14 第九回食券感想まとめ



三枚目まで見終えた食券イベントについて語っていく不定期開催企画・第九弾。
イベント内容についてのネタバレを多く含んでいるので、ご注意を。

 





※延長戦記事では第二部の内容に触れることもあるためネタバレ要注意





織田香






香姫の食券は、1枚目と3枚目の内容が繋がっているというか、方向性としては同じような話をしている。
個人的な感覚として、ランス10をプレイするまで私はずっと、香ちゃんに対しては「妹にしか見えないような……うーん」みたいな複雑な感情が強かった。
ひとりのキャラクターとして、女性としてヒロインとしての香姫のことが好きだったのは言うまでも無いけれど、そういう対象や異性として見えるかというと、リセットほどではなくとも、正直ビミョーなラインだった。

……が、結局ランス10をプレイしはじめて、ほぼ冒頭で香姫との××イベントを問答無用で喰らった結果、なぜか超感動した俺は今までのセンシティブな感情を放り投げたワケだが、それでも水面下ではそんな気持ちも残っていたのだと思う。


食券3枚目で、「もうしませんよ」と改めて念を押されたことに、ランスは当然不満タラタラだった。
しかし、香姫の言葉、彼女がランスに向けている想いは、想像していたよりもずっと綺麗で儚くて、清らかな“愛”だった。

私のようなユーザーがモヤモヤと悩んでいた以上に香姫は密かに思い悩んでいて、その末に、今の答えに到達している。
達観しているし、大人のようで子供のようで、本当に遠慮深くて愛おしい。
けれど、「その先に進みたい」という想いもまた、香姫・ユーザー共に抱いているのだとも思う。

食券3枚目から15年を経て、大人になった第二部の香姫は、今はあの感情をどんな風に捉えているのだろう?
語られる時は無いかもしれないけれど、様々な可能性が見えて、たくさんの想像ができる。
どんな形になったとしても、最後にはきっと、香ちゃんも幸せになっているだろう。笑っているに違いない。







長々と香姫への熱い想いを語った後に、激カワ大統領を貼る。
年下に引っ張られる姿が、本当にシーラにはよく似合う。
リアやマジックといい香姫といい、姫君組が愛らしすぎて全俺毎回悶絶。





サイゼル






ハウゼルと仲直りしたサイゼルは、ポンコツに磨きがかかるというか……もはやキャラ崩壊に近い。
いやこれも含めてサイゼルのキャラではあるのだが、色々と駄々洩れで「駄目だコイツ早くなんとかしなければ」状態というか……。

使徒コンビはもちろんサテラすら、ちょい引いた眼で見ているのに草不可避。









その後も、喧嘩したり仲直りしたりを高頻度で繰り返している駄目姉妹。……に、助言する姉妹。
こんな感じで、ナギはよく“兄弟・姉妹問題のプロ”みたいな立ち位置で、様々な食券に登場する。代表的なのは、魔人姉妹とツェール姉妹食券。

ナギが姉妹の仲違いについて語る度に、色々なことが察せられて胸が苦しくなる。そして同時に、今では幸せそうに志津香と過ごせていることに、心の底から安心感を覚える。
そして、それはそれとして、ナギに「師匠しか頼れない……」みたいに縋るサイゼルが、ダメな子っぷりに磨きがかかっていて最高にアホカワイイ。

わりと人間相手には線引きし続けがちなサイゼルが、好意的に接する唯一の相手になっているのでは?
そう考えると、第二部でもナギ&サイゼルの凸凹師弟設定が伺えるエピソードも欲しかったように思う。
ロッキー&レイにも言えることだが、シナリオの尺的にも、食券で伺える隠し設定みたいなノリ的にも、まー難しかったのだろう。しかしちょっと残念。






ユーティン




ユーティンが、わりとガッツリとランス10で登場したのは意外でもあったし、面白くもあった。
ランクエのコパンドン××の、一発ネタに近いと思っていたからな……。てっきり出オチキャラかと(失礼)。

ふた×りかつ〇奴隷という、エロゲならではのどギツい設定ではあるが、コパンドンのノリか本人の性格故か、ほのぼのコメディと化してそれなりにハッピーエンドにすらなっているのが、また面白い。

ちなみに、その背景があるからか、ユーティン関連は食券も全裸イベントもエロい。
ランスを交えないけれど凌辱ではない、というのはわりと珍しい。CGなしで、全裸立ち絵が各キャラに取り揃っている環境だからこそ成し得たのだろう。

バリエーション豊富にできた、という意味でも、全裸立ち絵を用いたちょいエロシーンはランス10の良いところのひとつだと個人的には思う。
もちろん全部CG付だったら嬉しいけれど、現実的に無理だしな……。
とはいえ、CG付シーンももうちょい欲しかったというのも本音。









ユーティンとコパンドンのコンビ?みたいなものは、凸凹ボケツッコミのようで、なかなか面白い。良いコンビが生まれたなーとシンプルに思う。
もっともコパンドンは永遠にランス一筋だろうし、いわゆる“そういう関係”になることは、まー無いのだろうなと個人的には予想している。

ランスを想いつつバリバリ働いているコパの傍にいられるだけで、ユーティンは幸せなんだろう。
第二部も、水面下でフツーに秘書をやっているに違いない。うんうん、ハッピーエンド。






ハニ子






ハニ子食券ラストは、ほぼサテラが主役のイベントだった。
秘書としても、日頃から(こねこね)しまくっていたサテラに対して、ハニ子から衝撃の言葉が叩きつけられる。

こ、公然わいせつ……! よりによってサテラに対してこの扱い、というのが絶妙で面白すぎる。
だが確かにハニーの設定を考えれば、その通りだった。

言いたい放題に言われて、半ギレ(マジギレ?)でハイになっているサテラがかわいそうでかわいい。







あと、ただの脇役なのだが、公然わいせつ犯を探す流れになった際に、「ランスさんのことじゃないですか?」って当然のように言い出すサチコに草不可避。
サチコはやはり最高の女だ。






美樹




美樹の食券は、いわゆる「恋人美樹ルート」でのみ、見ることができる。
つまり、彼女の食券に登場する美樹は、全てが“ランスを恋人と思い込んでいる”状態ってことだ。

今まで通りのフツーの美樹ちゃんでの食券は無い、と言い換えることもできるので、その点はやや残念だ。
まぁ、日光食券や健太郎食券1・2あたりで、通常美樹ちゃんの出番も存在はしているので、納得できないというほどではない。


「恋人美樹ルート」は、シリーズ最後のサービスモードみたいなものだろう……と個人的には考えている。
某ブロビオが“二つの禁忌”を打ち破って成し遂げたように、“美樹ちゃんNTR”も、あくまでもIFのおまけであって、史実ではないように思う。

……というのは、さすがに私個人の願望が入っているかもしれないが、エピローグに恋人差分がないあたりも、「作る余裕がなかった」のもあるかもしれないが、NTR設定を押し出したくはなかったバランス感覚もあったのかもしれないなとも思う。









“美樹ちゃんNTR”差分へのバランスや、公式か否かの曖昧さ……。
そういったモヤモヤしたものを含んだ結果が、「食券は全部恋人美樹」という判断だった。かもしれない。
これもひとつのバランス調整だったのかな、というのが、最終的に私が抱いた印象だった。

美樹食券は最終的に、健太郎と新たに関係を作り始めている雰囲気で終了した。
もう少し彼女らに専用の尺があれば、「恋人美樹ルートからの記憶復活、健太郎との対決」なんてシーンも作られたかもしれないが、そこまで行くと軸がブレブレになりそうだしな……。

やっぱり、これで良かったような気がする。
ちょっとバカっぽくも見えてしまうけれど、記憶喪失美樹ちゃんに新聞屋さんとして付き合っていく健太郎君は、これはこれで格好良いと俺は思うぜ。






北条早雲




意外とレアだったような気もする、早雲の「眼鏡キラーン」差分。
ランスと早雲のコンビは、パットンやリックほど付き合いが長いわけではないけれど、程よい距離感の友人未満って感じがちょっと面白い。
お互いにそれなりに扱いも悪い一方で、能力は評価しているところもあるところが、ただの持ち上げ要因に終わらなくて丁度いいのかもしれない。
戦国ランスで仲間入りした時も、わりとこんな感じだった。









そしてこっちのイベントは、クリームの食券や第二部を踏まえて観ると、また色々な感情が湧いてくる。
なんとも表現し辛く、感想を言うのも難しい。

第二部のことがあるから良かったじゃないか、なんて単純なものでもないだろうし、やはり複雑だ。やはり難しい。
ただ、早雲がいつか幸せになれたらいいなとだけ思う。クリームも早雲も、みんな幸せになれよ!





メルフェイス






メルフェイス食券、イチオシのシーンがこれ。
2枚目の、女子高めいた空気でのメルフェイスも女教師カワイイけれど、幼女を相手にしたメルフェイスはまた……女教師感と若いママさん感が合わさって、最強に見える。

いつも穏やかで上品なメルフェイスが、声に出して「はらはら」しているだけでトニカクカワイイ。
こういうギャップが、ともかく最高だぜ。
普段とは逆に、ランスが振り回され気味でツッコミ役になっている感じも面白くて、終始ニヤニヤしてしまった。






レイラ






レイラさんの貴重な髪下ろし!
わかりやすいように、通常立ち絵と並べてみる。
表情の違いもあるけれど、フワッと自然な雰囲気が柔らかくて、女性らしく見える気がする。







レイラさん食券3枚目では、まさかの“アレ”を観ることができた。
事実としてはあったし、作中でも触れられてはいたけれど、まさにそのシーンを描写されるとは想像していなかった。

こういった言い方では失礼に聞こえてしまうかもしれないけれど、あくまでもリック&レイラさんは“サブキャラ同士のカップル”だ。
彼らの関係は水面下で進んではいっても、ランスが主人公の作品である性質上、シナリオで大きくピックアップされることは無いのでは……ともうっすらと思っていた。

だからこの件にしては想定外で、期待以上ともいえた。
なんというか……とても嬉しい。内心気にしていた友人カップルのゴールインを聞いて、「なんだよ。早く言えよな! おめでとう!」みたいな気分だ。
おそらくランスもなんだかんだでそんな部分があって、だからこそリーザス解放ルートではあんな形で怒ったのかもしれないなぁと、今更ながら気持ちを少し察せられたようにも思う。

このエピソードが作られたのも、サブシナリオをたくさん用意することができた食券システムのおかげともいえるだろう。
うーん、素晴らしいよ食券。質量共に、本当に素晴らしい。何度でも言おう、食券最高。






ハンティ






同じく、ランスの関わらないカップルこと、パットン&ハンティ。
本当に歴史も長くて、関係も複雑な二人だったが、ランス9という舞台でしっかりと描かれることもできた。
だからこそ、今回は控えめになるかとも予想していたが、ランスが踏み込むことで新たな一面も見えたようで、とても興味深かった。

こういう形でランスが他人の恋愛事に口出しするのは本当にレアだし、更にハッキリと「譲ってやる」と明言するあたりもハイレア。SSR。
パットン&ハンティの関係が描かれたのと同時に、ランスとパットンの友情(?)みたいなものも、改めて描写されたような感じでもあった。










多少誤魔化しもありつつも、男同士だからこその深い話が出そう……で結局出来なかったのはやや残念。お約束だから、仕方がない。

しかし、“そういう話題”に照れたっぽいハンティが、怒ったように振舞っているのが、また珍しくてかわいらしかった。
妹に聞かれても笑って済ませるパットンが豪快すぎるだけ、ともいえる。






シルバレル






食券1枚目・2枚目については……もはや、シンプルにホラー。
ランスのいつものノリも、“振り”にしか見えない。
特に2枚目なんて定番ギャグではあるのだけれど、地獄のような発狂してしまいそうな状況で、なんかもう普通に怖い。
戦国でのシィル氷漬けとかクリアAのアレとか、「シィルに何かが起きる」的な恐怖を潜在的に持っていることもあって、不安を掻き立てられるんだよな……。

テキスト表示もサウンドノベル風にして、ホラー雰囲気マシマシ演出でも良かったかもしれない ああでも、さすがに変わり過ぎてしまって、滑る危険性もあるか。







そして伝説のブス神様、ブス観音様誕生の瞬間である。
CLA〇NADは人生。Fa〇eは文学。ランス10は神話。