FGO第二部 Lostbelt No.3 プレイ日記10 一時休戦



振り返ってみると、第三章は“移動”そのものが少なかったように思う。
最初の村から大きく動くことはなく、周囲やシャドウボーダー内での会話や戦闘が、特に序盤は多かった。

今回(第7節~)あたりから、ようやく話が進み始めるといっていいかもしれない。
ロシアとも北欧とも、当然だけれどまるで異なる展開に、ワクワクしてきた。



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※本記事ではサーヴァントの真名を表記しています





始皇帝






コヤンスカヤを拘束し、「では交渉の話をしよう」といった風に主人公たちに語り掛け始めた『???』。
今まさに捕まえたばかりのコヤンスカヤの身柄を交渉材料のひとつに加えるなど、抜け目ないというか恐ろしいくらい判断が早く冷たいというか……。

『???』が求めるのは、シャドウボーダーの情報。異聞帯を包む嵐を抜けて移動するための手段について、カルデア側からの情報提供を求めている。
最悪力尽くで奪うつもりとてあるだろうし、この場で“交渉”してくれたのは、カルデア側にとっては願ったり叶ったりだ。
結果として何らか別の問題が派生するとしても、「コヤンスカヤの身柄の確保は最優先だ」とホームズも助言した。

口の挟みようもない状況に、ぐぬぬ……となっているヒナコ。
この異聞帯の王は、クリプターの意向通りに動く人物ではない。それはヒナコ個人の問題や資質のせいというよりは、王側が強すぎて安定し過ぎているのが理由に思える。
どちらにせよ、今のヒナコに成す術は無いようだった。









交渉成立。 さしあたっての休戦と、シャドウボーダーの情報提供・コヤンスカヤの身柄と安全の保証が確約された。

まだまだ心が許せる状況ではないが、少しだけ落ち着いた……か?
改めて、『???』から色々と話を聞くことを許された。

まず、『???』の正体について。これは既に察していて、ほぼわかっていたけれど、改めて本人から「うん、始皇帝なのだ」と断言があった。始皇帝だった。
前から気になっていたけど、この人は言葉遣いがちょくちょくお茶目だよな……。恐ろしい相手なのに、なんとなく憎みきれない雰囲気がある。


この選択肢でボケるのは正直怖かったけれど、「カエサルですね」と言ってみると、これもまた意外かつ面白い話を聞くことができる。

中国異聞帯は汎人類史と分岐してから今まで、“確かなひとつの歴史”をしっかりと歩んできたことが改めてわかる、ここの会話。
汎人類史のような活躍や運命が成ったことはまず無いのだろうが、カエサルにしてもそれ以外の汎人類側英霊にしても、中国異聞帯内の歴史でもまた生まれ育ち存在はしていたのかもしれない。中には名も無き一般人として終わったり、はたまた運命の流れが変わり過ぎて生まれない者もいたのかもしれないけれど。

このあたり、神代で分岐しつつもそれ以上成長もできなかった北欧異聞帯とも随分と雰囲気が異なる。
ヤガとして生き残ることで精いっぱいだった印象のロシア異聞帯、現代までの数千年を経ておきながらも停滞しきっていた北欧異聞帯に対して、中国異聞帯は安定した環境の中で“普通に世界史を辿り、現代に至ったらしい”ことが、少しだけ実感できたように思えたワンシーンだった。
興味深いなぁ。相変わらず異聞帯について理解しきれている自信はないけれど、ともかくなんとなく面白い。









衝撃の事実、もうひとつ追加。
空に浮かぶ“謎の線”。孔雀の羽のように見えていたアレの正体は、『長城』だった。仙道由来のトンデモテクノロジーSUGEEEE!

宙の彼方からの敵に対するために用意されたという『長城』だが、今や中国異聞帯を包む嵐の先は音信不通。
中国異聞帯、始皇帝の感覚からすれば、「ずっと地球全体は安全だったのに、急に足元以外が嵐に閉ざされて何も見えずわからなくなってしまった」という感じなのかもしれない。
世界の王であるならば、当然足元以外の状況を確認し、守るなり救うなりの手段を講じようと考えるに違いなかった。









広すぎる視野。
虚数潜航理論すら言い当て、惑星を巡る長城から傀儡兵まで、トンデモテクノロジーを理解して自在に扱う超技術力。
ヒナコの隠し事やコヤンスカヤの暗躍に気付き、時には泳がせ時には縛り付ける判断力と知性。
カルデア相手に“交渉”で済ませてくれようとする、器の広さと余裕。

どれを見ても、やはりとんでもないレベルだ。
物凄い人物であると同時に、きっととてもとても恐ろしい人でもあるのだろうと思う。
……が、正しく言うならば、始皇帝は既に人ではなかった。
いや、人ではあるのだけれど、人の形はしていなかった。

そりゃ……シルエットも出せないよな。
背景が喋っているようなものというか、シルエットにしたら全域真っ暗になるレベルだもんな……。





シャドウボーダーの情報を渡す危険性






中国異聞帯におけるスーパーテクノロジーの理由は、既に推測としては成っていた。
『始皇帝』の姿と言葉で、その推測が補強され、ほぼ間違っていなかったことが明らかになった。

とはいえ、ある程度は想像通りだったともいえる。
不老不死を目指した結果、肉の身体を捨て去るのはお約束パターン。あそこまでのサイズってのは予想外だけれど、まぁそんなこともあるだろう。

気になるのは最後、始皇帝と対決する際にどんな絵面になるかという点だけれど……。
第七特異点のティアマトとどっちの方がデカいんだろう。始皇帝の方がデカいのか?
ラスボス戦、シューティングゲームのボス戦みたいな絵面になるのか?

内部工作・破壊系も燃えるけれど、絵的には地味だしわかりやすい華は無いかなぁ。
ふと思い出したのはエクステラ最終戦。ウッ、辛い。思い出し辛い。ゲームジャンルが変わり過ぎグゲゲゲ……。







始皇帝が望み通り、異聞の嵐を抜ける手段を得たとすると、キリシュタリアが宣言していた異聞帯同士の対決において、大きなアドバンテージを得ることになるだろう。
そうなれば、最後には再び汎人類史とも戦うことになる。将来の敵を自ら育てることにも繋がりかねない危険な手段だが、解毒という最優先課題がある以上、今は受け入れるしかないという判断が改めて下った。

しかし、謎はまだまだ多い。
領域を拡大することに積極的な始皇帝と、まるでそれを阻むように動いていたヒナコ。
カルデアの排除に躍起になっていたのは、“シャドウボーダー”という手段と情報を始皇帝に渡さないため、というのもあったのだろうか?

そして、始皇帝も存在を知らないという中国異聞帯の空想樹も気になる。
ヒナコが独自に隠しているのかもしれないが、ともかく彼女の目的は謎だらけだ。
少なくとも、真面目にクリプターとしての役割を全うしようとしているようには見え辛い。







長城からの監視からある程度逃れるために、ダヴィンチちゃんが用意してくれたステルス能力デバイス。
動作の安定性に難ありとのことだが、これが今回想像以上に大活躍してくれることになる。

なお、試用実験した際のダヴィンチ→始皇帝の悪口は、「レトロマニアー80年代ーサイバーパンクー」だったらしい。
ははは、80年代の何が悪いんや!





秦良玉との語らい






農夫たちに謎の『下賜』を配っていた秦良玉。
陽が暮れた頃、改めて彼女が主人公たちに話しかけてきた。

前回、戦闘を止めてくれた際は状況的にもピリついていたし、話をするのは主に始皇帝が相手だった。
彼女個人と穏やかに会話するのはこれが初めてになる。
微笑みながら声をかけ、寛ぎの場を奪って申し訳ないと謝るなど、腰の低い様子だ。
始皇帝からの命もあるとはいえ、見ず知らずの人間相手に気を配ってくれるとは、良い人だ。
外見同様、可憐で落ち着いた心優しい女性だとすぐ知れた。









敵と警戒していないのか、隠すほどのことでもないからか、秦良玉は色々なことを話してくれた。
驪山で眠る武将たち。
始皇帝の偉業の中でもひときわ特別な、『項羽』という遺物。
800年前に成った世界統一と、100年に渡る騒乱さえない泰平の世。


目新しい情報としては、『近衛兵』『扶桑樹』について、あたりだろう。

まずは近衛兵。
中国異聞帯における軍は基本的に兵は傀儡で構成されるが、咸陽の近衛隊だけは現世の兵士が徴されていて、中には始皇帝自ら仙道の指南をする精鋭もいるという。
前回、コヤンスカヤの不意を突いた衛士長もその精鋭の一人ってことかな。

“自ら仙道の指南”とは、随分と篤い待遇だ。
技術による不老不死は始皇帝だけが独占しているのかと思っていたけれど、そうでもないのだろうか?
能力や理由が適うならば、選ばれし者ならばある程度は許されているのかもしれない。
あの始皇帝の性格や雰囲気からして、それくらいの器の広さや余裕は持っているようにも思う。









そして、『扶桑樹』。
これを得たことで超技術や不老不死に至ったのかと思ったが、そこの順序は逆らしい。
超技術はあくまでも哪吒由来の仙術から。始皇帝自身の延命はその時点で達成されていたため、『扶桑樹』による医術や仙薬は主に民の繁栄に使われたという。
となると、謎の薬『下賜』もそのひとつだ、と見るのが妥当か……?









秦良玉は穏やかで優しい女性だった。
別世界の異人に過ぎない主人公たちのことを案じてくれたのも、同情や哀れみに近いのかもしれないが、彼女の優しさでもあったのだと思う。
それこそ、ロシアでのパツシィや北欧でのゲルダに、主人公たちが向けた感情に近かったように見える。

武を好む戦士でもなければ、諍いすら似合わない優しい少年少女たちが、武器を持って戦わざるを得ない世界。
それはおそらく、平穏な中国異聞帯の感覚からすれば、“異常”であり“過酷”、“地獄”なのかもしれない。

そればかりは、反論できるはずもなかった。
異常で過酷と言われようと、自分たちの世界のほうが正しいだなんて、空気を読む読まないの問題ではなく、きっと今のマシュや主人公にはとてもじゃないけれど言い切れなかったのだと思う。