ランス6 プレイ日記078 ゼス王の命令




ストーリー的にもシステム的にも大きな変化が起きる一連のイベント。
数回に分けて感想を続けているが、なかなか状況が落ち着かない。
具体的に言うと、セーブができない。

昔のゲームは「どこでもセーブなんて出来なくて当然」ではあったけれど、最近のシステムに甘やかされている軟弱者・ワイには少し辛いぜ……。ドキドキハラハラする……。

そもそものセーブ枠の個数も、ランス6といい他のゲームといい、ちょっと古めの作品になると厳しい感じがする。
バックアップやデータを分ければ良いのだけれど、そこまでするのもなかなか手間だしな。
あと『メモ機能』も欲しい。




※シリーズ最新作等のネタバレを含む可能性があります







決別パンチ











無事にマリアたちと合流することができた。
まず、彼女たちと共にアルフラが居たことに驚く。

今までアルフラは、怪我をしたレジスタンスの女兵士と一緒に居たらしい。
そして彼女たちは、“リーダー”の元に集って、今まで生き延びていた。

アルフラと兵士たちを守り、ここまで導いてきた“リーダー”。
そして、窮地に陥っていたマリアたちを救った人物。
その姿が、改めて明らかになる。















ウルザが立った!

道すがら、ランスたちは破壊された車椅子を見かけていた。
まさか……と思いつつも、認めたくはなかった。
しかし、現実は想像していた以上というより、予想外。
見事に立ち上がり、ボウガンとショートソードを振るう姿は、今までのウルザと同一人物とはとても思えない有様だった。

それをウルザは、「ランスさんのおかげです」と語った。
ダニエルとのやりとりで、急に奮起しただけでは、きっとここまで体は動かせなかっただろう。
ランスによって無理やりなリハビリをやらされたのを機に、一人でこっそりと訓練をしていたからこそ、ここまで回復できたのだ。
赤いトラウマ再生シーンでも、歩く練習を試みている描写はされていたしな。伏線はきちんと描かれていた。

いやー良い話。熱い話だ。
リアルに考えたらそれくらいでどうにかなるのか? と無粋な疑問を抱いた俺は、フィクションだからいいんだよ! と俺が殴っておく。










ああ……良い笑顔だ。
その笑顔とその言葉を聞けば、確かに大丈夫だとわかる。信じることができる。
きっとダニエルも最期に、こんなウルザの片鱗を目にしたからこそ、幸せそうな表情のまま力尽きていたのでは……なんて思う。

肉体的にも活発になったウルザだが、精神的にも随分と強くなっている。
元々知的な少女だったし、決断への恐怖の裏側に、熱い感情を秘めていることもわかってはいた。
しかし、テキパキと部下に指示をして敵の弱点すら読み解いていく様は、ランスも戸惑うくらいに“リーダー”然とした気質と能力に満ち満ちている。

こんなウルザに、誰もが惹かれていたのだろう。
ダニエルもキムチも、氷溶の者たちも、こんなウルザの元に集ったうえで、今まで彼女を信じて待ち続けていたのだ。
やっとその感覚が理解できたように思う。















脱出のためには、まず魔物隊長を倒して包囲を崩さねばならない。
ウルザの示した方針に従って、仲間が歩き出していく。そんな中で、ウルザがひっそりとアベルトに接触した。
そして……『グー』で、思いっきり殴った。
うわっ、拳かよ。いってぇ! すごく痛そうな音がした!
顎を横から狙った、良いパンチだった。パットンも褒めるレベルだ。


この場で詳しく詰問しなかったのは、緊張下での混乱を避けるためだったのだろう。
はらわたは煮えくり返っているだろうし、本来ならば語りたいこと、聞きたいことは山ほどあるはずだ。
そんな本音を律するウルザは冷静だ。
……いや、冷静とも少し違うのかな。判断は冷静だけれど、精神的にはメッチャメチャ熱くなっているようにも見える。冷静な女はグーで殴らない。


ウルザはダニエルの死について、「私のせいよ」と言い切った。
「いつまでもぐずぐずしていた私の為に、ダニエルは死んだわ」と。
そして、最後にダニエルと交わした約束について語り、強い表情でアベルトを睨みつけた。















そんなやりとりを、さすがに仲間は気付いていた。
やはり暇もないので、詳しく尋ねる余裕はないけれど、『ウルザとアベルトが喧嘩している(?)』みたいな認識は抱いたようだ。

今の時点では、彼らの事情や背景などは、ランスたちからすれば謎だ。
しかしウルザの表情や言動に迷いはなく、変な闇もない。
その有様を、パットンは「いい女」と称した。わかる。わかりまくる。







隠れ里からの脱出






このクエストのボスともいえる、魔物隊長を発見した。
魔物隊長との戦闘はこれが初めてかな。
HPも高く、前列全てを攻撃することもあって、なかなかの強敵だ。
しかし、油断しなければそこまで苦労はしないだろう。

気になったのは、この魔物部隊が『サイゼル閣下の特別遊撃部隊』だということ。
遊撃……ってことは、ピンポイントでアイスフレームの隠れ里を狙っていたというわけではなかったのかな?
たまたま見つかって、運悪くこんな状況に陥ったのだろうか。
作為的な状況にも感じていたけれど、ゼスの他の村や町と同様に、単に通り道にあったから襲われたってだけだったのかもしれない。
その後に現れた連絡係いわく、近くの村や琥珀の城もモンスターに襲われて、似たような状態らしいし。















安全なのは、首都のゼス城。
レジスタンスや2級市民では入れないのでは……とも思うが、連絡係によると、現在城門は開かれていて身分問わず避難民を受け入れているとのこと。

おそらくガンジーが命じたのだろう、と予想したウルザ。
そのうえで、「通常時なら王の命令といえども、そんな事は出来ないでしょうに……」とも呟く。
通常時なら、王様直々の命令ですら無理なのか。
うーん、わかっていたけれど問題の根は本当に深い。“緊急時だから命令が通った”というだけでも、今までのゼスを考えれば、奇跡的なのかもしれない。
そりゃガンジーもうんざりして、平時は王の役目を半ば放り出すよな……とちょっと同情。















炎に包まれた隠れ里から脱出していく一同。
ダニエルの遺体も、館の前に置いたままかな。
余裕も時間もないし、仕方がないけれど、さすがに心苦しい。

心の中でダニエルに別れを告げるウルザに、キムチさんは「またこようよ」と声をかけた。
もう会えないけれど、完全なお別れではない。きっと心はいつまでも繋がっている。
少し黙り込んだ後、頷いたウルザは、やっぱり笑っていた。







久々のガンジー達











ちょっと久々に思えるゼス上層部サイド。
マジノライン停止以来かな?

大変な状況だろうに、わりと冷静に現状を確認して、対策について考えている様子だ。
混乱する時期はもう脱した、ということなのかもしれない。落ち着いているわけではなく、それだけ緊迫しているのかもな。


千鶴子の口から、マップ付きで細かい解説がある。
色々と新しい情報もあったけれど、ざっくり言うと『絶望的な状況』だ。
氷溶の者に導かれて団結した1級・2級市民など、良い動きもあるけれど、魔物軍対策はどうにもなっていない。
既に大きな都市では、バリティオラン・ナガールモール・マーク・琥珀の城・オールドゼスが完全に魔物軍に占拠されたという。
知っている街の名前だらけな点にも、“ヤバさ”をひしひしと感じる……。















大胆な決断を下したガンジーに、まず噛みついたのは娘であるマジックだ。
マジックの登場は更に久しぶりだな。ランスに××をぶっかけられて、凹んで以来か?

あの時点で、『親父の言う通り、自分の使命を果たさないと』なんて、自分の振る舞いに反省を見せていたマジック。
今回は、考え方こそ甘いけれど、“ゼスの誇り”みたいなものへのこだわりの片鱗を見せる。
現状にはそぐわなくとも、王族としての自覚みたいなものが少しは出てきたように、見えなくもない。
侵入者を無視して勉強を続けていた時とは、ちょっとだけ変わった気がする。















首都の放棄。
魔物軍の包囲を突破しての脱出。
ゼスに生き残っている人類すべてを連れて、東のアダムの砦に向かう大移動……。

無茶だ。無茶苦茶だ。それでもガンジーは、「王たる者、国民を守れずして何故の存在だ」と言い切った。
おお……格好良い。
こう言うと失礼かもしれないが、ガンジーが国王らしくて格好良い。

言葉にするだけならば簡単だけれど、ガンジーには覚悟があるのだろう。
反対したマジックとて、感情的・感覚的な理由だけではなく、道の過酷さを考えたからこそだったのだとも思う。

国の危機に立ち上がる父の姿を見て、マジックもまた、半ば無理やりだけれど成長しかけているように見えた。