FGOイベント ホーリー・サンバ・ナイト プレイ日記09(完) 恋する乙女は綺麗さ




クリスマスイベント感想、最終回!

事前に想像していた以上に、今年のクリスマスは明るく馬鹿らしく、軽いノリだった。
去年・一昨年と比較的真っ当なシナリオが続いていたので、今回は一気に明るい方向に振った印象だ。
第二部本編が重厚だからこそ、息抜きのためにあえて軽い感じに仕上げているのかもしれない。

でもそろそろ、「シリアスもコメディもあるバランスの良い大作イベント」も欲しくなってきた気分だ。
アレもコレもと望んでばかりのワガママユーザーかもしれないが、ゲームを楽しんでいる証拠ってことで見逃してほしい。

 







彼女の願いと彼女の恋











サンタクロースの概念と一体化した結果、ほぼ無敵の存在と化したブラック・ケツァルマスク。
『サンタクロースとしての純度』の話をされると、サンタサンバなケツァルさんには正直厳しい。アルテラサンタやサンタオルタさんたちでも厳しいだろう。
しかし、“ブラックケツァルマスクとの融合”の時点で、そっちはそっちで雑味が混ざっていそうな気もするけれど……。まぁ、それでもなお、純度が勝るってことなのかもしれないな。

細かい理論や難しい理屈は、たぶん特に理解しなくてもいい!
アルテラサンタだって全然わかっていないしな!
まったく分かっていないアルテラサンタはカワイイ。それだけわかれば十分!















サンタクロースにとっては、“願いを持つ者”が必要になる。
願いを叶えることで、ようやくサンタクロースは完成するといっていいのかもしれない。
『正義の味方にとって悪が必要になる』理論に、少し近い話だ。

その相手として、クリスマス聖杯はブラダマンテを呼び出した。
ブラック・ケツァルマスク自身もまた、ブラダマンテを“願いを持つ者”とみなし、彼女の望みを叶えようとした。

けれど……ブラダマンテがどう答えるのかを、おそらくはブラック・ケツァルマスク以外の者はわかっていただろう。
ブラダマンテと七日間共に戦い、仲間として協力して努力して、一番傍で彼女を見守ってきた主人公とケツァルマスクと、ユーザーには、ブラダマンテがどんな答えを返すのか、なんとなく察せられていたと思う。

真面目で一生懸命で少し天然な少女騎士。
彼女は他人から褒められても「まだまだ未熟」と自分に言い切る、己に厳しい人物でもあった。
傍から見れば少し間抜けなくらい、自分の恋に夢中で、時に失敗しても凹んでは立ち直り続けることができるブラダマンテは……。















他人の力で手に入れたり、相棒を見捨てたり、懇願した上で得られるものは、『彼女の願い』ではなかった。
彼女の恋は、もっと我武者羅で、もっと一途で、もっと真面目で……とても純粋なものだった。

ブラック・ケツァルマスクは、理解できないと叫んだ。
しかしケツァルマスクは、「素敵ね」と微笑んでいた。

ブラダマンテは眩しい程に真っ直ぐだけれど、誇りを言い訳にして無駄な死を選ぶほど愚かなわけではなかった。
「くっ殺」なんてものとは、実際には、ブラダマンテは対極にあったと言ってもいいのかもしれない。
どんな窮地でも、勝ち目のない状況でも、諦めずに前を向き続けられることは“才能”だ。
そんな特別な性質を持ち得た彼女は、紛れもない英雄であり、善性と人間としての輝きを併せ持った、ケツァルコアトルにとって最高のパートナーとも呼べるのだろう。

……と、じっくり丁寧に真面目に味わってみたけれど、ここからが本題。















キタ━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━!!

ブラック・ケツァルマスクもマスクの下でこの表情をよくしていた。けれど目元は暗くてハッキリとは見え辛かったし、何よりも、「……ブラックじゃ、そのまますぎるよな」というのが気になっていた。

やはり……やはり、善であり味方であり人を愛するケツァルコアトル本人が浮かべる、“この”表情が良いッ!!
お馴染みのアレよりも少し控えめな表現なあたりに『サーヴァントになったから柔らかくなった感』がありつつも、根底には危険性を秘め続けているというか、チラ見せしているというか、ともかくそういうのが最高。最強。







サンタたちの祈り











サンタ達の祈りと力を合わせて、最終決戦!
決戦ではブレイク後にチャージマックスになり、即宝具を撃ってくるのが初見殺し染みていた。
実況のジャガ村アナ、ちゃんと丁寧に左右反転されている。文字も読める。

即全体宝具は嫌な感じだったが、それ以外はそこまで苦戦する要素はないかもしれない。
フレンドのジャンヌオルタあたりをきちんと援護すれば、比較的すんなりと勝利できるだろう。















戦いは終わり、全てが丸く収まった。
祭りも終わって、色々なものが元通りに戻っていく。

ブラック・ケツァルマスクも、負けた以上は抵抗も反論もすることはない。
やり方としてはズレが生じていたけれど、二人のケツァルコアトルは、結局は同じものだ。
元々のケツァルコアトルから分かれただけであって、根底にあるものは同一だった。

みんなに迷惑をかけて悪かった、と心の底から思うと同時に、「楽しかった!」とも考えてしまうケツァルコアトル。
明るくて危なっかしくて、まぁ危険な存在ともいえる。
けれど彼女の言う通り、神様というものは、基本的にそんなものなんだろう。















最後まで笑顔で、去っていくブラダマンテ。
舞台の裏で起きていたもうひとつの奇跡については知らないままだった彼女だけれど、知ったところで、悔やむことも言動を変えることもなかっただろう。

今年のクリスマスイベントのきっかけを生んだのはケツァルコアトルだったが、シナリオの主人公かつメインヒロインは、ブラダマンテだったといっても良い。
ケツァルコアトルが愛する、人間の眩しさが凝縮されたような“未完成”ともいえる彼女は、本当に魅力的な登場人物だった。







おわり






これにて「ホーリー・サンバ・ナイト」プレイ日記、無事に完結だ。
シナリオボリュームとしては、例年のクリスマスイベントとそう変わりはなかったかな?

メインストーリーでの試合にあたる戦闘では『タッグマッチなのでガチで二鯖縛り』というシステムが独特で面白かった。
HPが控えめだったり、意地の悪すぎる特殊バフ・デバフがなかった点は、難易度は抑えられていた……と言ってもいいのかな?

とはいえ、中国チームやロシアチームはなかなか厳しかったとも思う。
序盤は敵にバーサーカーが多く、被ダメが痛いなとも思っていたが、クラス相性を考えなくて良かった点はユーザーフレンドリーだったといえるのかもしれない。










メインヒロインともいえるブラダマンテは、全編を通して丁寧に掘り下げられていた。
彼女のような人間を愛する女神としてのケツァルコアトルも、最後には綺麗に収まる形で描かれた。

けれど、個人的にはケツァルコアトルの描写はちょっと物足りなかったかもしれない。
ルチャやパロに寄り過ぎて、ケツァルコアトル自身の掘り下げは控えめに感じられた。
楽しそうにしている姿を見られただけでも十分嬉しかったのだけれど、ケツァルコアトル本人の考え方や主人公との関係性について、『イベントの主役!』級の出番と掘り下げを正直期待していたので、その点は少し肩透かしを喰らった気分だったかもしれない。

まぁ、“敵と味方に分裂して戦う”という構図になってしまった以上、少し控えた立ち位置で留まるのは仕方が無かったのかもしれない。
良くも悪くも、今回のイベントにおけるケツァルコアトルは“舞台作り”側に立っていたような印象だった。










一方で想像以上に活躍&魅力的に描かれたのが、歴代サンタたち。
冒頭で登場したアルテラサンタはもちろん、サンタオルタもジャンヌオルタサンタリリィも、時にはかわいらしく最後には頼りになる存在にもなって、かつ今年の主役を食い過ぎず、良い登場と活躍の仕方だったと思う。最後に皆の力が結集する展開は燃え確演出。

対戦相手となったヘクトールやエジソンたちも、それぞれの特徴を出しつつ楽しく面白いバトル&シナリオに貢献してくれた。
特に予想外で愉快だったのがロシアコンビ。
あと、最後の「今じゃ、パワーをサンタに!」シーンで、さり気なく笑っているサンソンも地味ながら良演出だったと思う。










「ここまでキン〇マンパロに全力を傾ける必要があったのか?」と問われると、正直何も言えないが、楽しい点もあったのでまぁええやんみたいなのが個人的な感覚かな。
ま、ツッコミ所が満載だったのは否定のしようがないとも思うYO!

細かいことはさておき、なんだかんだで今年も楽しいクリスマスだった。
今年のサンタがまさかのケツァルさん&まさかのサンバだったことで、いよいよ来年以降が読めなくなってきた。
どんなものになるのかは全然わからない……けど、来年も楽しみにしていよう。