ランス6 プレイ日記084 凛とした女性




本記事以降、ランス6における重要なネタバレを日記内に含んでいきます。

 

 






※シリーズ最新作等のネタバレを含む可能性があります






探し求めていた女性











ついに対面した、カミーラとアベルト。
アベルトは最初のうちは、何が何やらよくわかっていない様子だった。
記憶の一部を失っている彼は、相手が誰なのかも一目では理解できなかったようだった。

しかし、カミーラが見つめながら、二言三言と話しかけると……ぼーっとした後、「カミーラ様……」と呟きながら歩きだした。

記憶障害に陥りつつも、探し続けていた理想の女性。
凛として鋼のように強く、鞭のようにしなやかで、どんな事にも負けない艶やかな女性。
それは、記憶を失いながらも朧げに残っていた、かつての主の姿だった……のだろう。少なくとも、記憶喪失になったアベルトにとっては、そうだった。


とはいえ……これはちょっと本筋から外れる感想というかボンヤリ思っただけなのだけれど、カミーラさんは本当に『そう』だったのかな?
ケイブリスに負けて以来、変わってしまったという話が後に七星からも語られた。
けれど、ランス10での最新の描写や過去を見るに、アベルトの語っていた高すぎる理想にはさすがに今も昔も至っていない人物のようにも思える。

まー後付けや経緯や過去やらで、どんどんカミーラ様の描写も変化していったのだろうけれど……。
なんとなく個人的には、過去のカミーラさんが実際に『そう』だったというより、アベルトが思い込んで過去を美化させまくっていただけなようにも見えた。










さておき、「抜け駆けするな!」とアベルトを止めようとしたランスと、カミーラで戦闘開始。
相手はカミーラ一人だが、これは必敗バトル
つーか、ダメージを一切与えることができない。無敵結界がある&カオス未所持なので当然ともいえた。

一方のカミーラさんは、なんか凄い技とかでメッチャ攻撃してくる。派手だし痛い。
一応、カロリアの『硬質効果』などで保たせることも出来なくはないけれど、敵にダメージが与えられない以上は長引くだけで特に意味はないだろう。







地獄






カミーラ戦が終わり、気付けば薄暗い地下牢の中にランスはいた。
おそらく戦闘後から今まで、気絶し続けていたのだろう。
他にも人間が捕まっているようだが、シィルたちパーティーメンバーの姿はない。

ゼス城内にある地下牢を魔物軍が利用している、のかな?
同じ牢屋に入っている人間は『第37班』と番号付けされているようだった。
わざわざ捕まえて管理するなんて、なんのためかと思いきや……。










要するに、『暇つぶし用の玩具』として、地下牢の人間たちは生かされているらしい。
カミーラを前にして行われていく芸や見世物。命を賭けた道化たち。

このシーンは、魔物軍の恐ろしさや価値観の違い、異常さがハッキリとした形で表現されている。
作中トップクラスにえげつない描写が続き、目を覆いたくなるような不快さと嫌悪が湧き上がってくる。

と、同時に、そんな異常さや恐怖の中ですら、そこまで“変わらない”ランスの特異さもまた表現される場面でもあった。
英雄を自称しつつも、決して『正義の味方』ではないランスの強さと絶妙なバランス感覚。
魔物軍さえも凌ぎかねないほどの精神力は、彼もまた異常に片足を突っ込んでいることを思わせる。
“善意のストッパー”が無ければ、下手すりゃどこまでも行きつくことができるかもしれない男だ。主人公にも魔王にもなりかねない、ふり幅の大きい危うい奴だ。
だからこそ特徴的で、他にはない強い魅力を持った主人公なんだろうな。















普通の精神性を持った、いわゆる『良い奴』ならばとても耐えられない地獄。
そんな日々を一日、二日とランスは乗り越えた。二日以上残っている人間はごくわずからしい。
一日一回の芸はさておき、それ以外の環境はどうなっているんだろう?
絶対に食事とかもマトモに与えられていないよな?

良い奴ならば乗り越えられない地獄の中を平然と生き延びてきたランスの強さにか、その特異すぎる感覚か品の悪さにか、“ちょっと面白い”とカミーラさんは思い始めている様子だった。
気に入りかけている……とまでは、いかないかな。ラインコックは早くも嫉妬しているけれど、そこまで評価は高くはないだろう。
傍に控える七星はさておき、アベルトもまた、現在まで特に反応は示さない。
ランスに話しかけられても、ランスの芸に対しても、応えることも動くこともなかった。

そろそろ芸のネタも尽きてきたランス。
窮地に陥った、彼の渾身の一発は……。















ズキューーーーン

これには全員、反応しないわけがなかった。
ラインコックは悲鳴を上げて、七星は息をのむ。
アベルトは「へ……え……」とちょっと感心しているような態度だった。

カミーラたちが呆然としている隙に、ランスはその場から逃げ出そうとする……と、突然足元の床に突然穴が開いて、ランスの身体は中へと引きずり込まれた。
事態もよくわからないまま、とりあえず『脱出』は無事に成功してしまった。















ランスの前では無視し続けていたアベルトだが、居なくなってみると、以前とそう変わりのない口調で面白がっている。何わろとんねん。

一方のカミーラさんも笑っていた。
しかしそれは、好意的な笑顔ではないかな……。
今までの“芸”と同じく、一定の評価をした上で、ランスを道化ではなく『狩るべき相手』として明確に敵視したようにも見える。
もちろん、そうやって特別視した事実が、今後好意などに転じる可能性も無くはないだろう。
サテラだって同じようなものだった……と言いたいけれど、さすがにサテラよりカミーラさんの方が攻略は難しそうだな。







助けてくれた仲間たち











隠し通路からランスを引きずり込んでくれたのは、シィルたちだった。
ロッキーやパットン、煙幕を撒いたかなみの四人で、協力してランスを助け出してくれたらしい。

かなり危険な作戦だっただろうに、ここまで頑張ってきてくれた彼女たちには感謝だ。
さすがにあの場から、ランス一人の力で逃げ切ることは困難だっただろうし。















この作戦が成功したのは、ランスの体力と精神力と運の良さもあってのことだろう。
もちろん、ランスが今まで仲間に「危険でも助けたい」と思わせるだけの言動をして、評価されてきたからこそでもある。
特にシィルは、本気で心配していたに違いない。安心して、少し経つと、気持ちが緩んだのか泣き出してしまった。















ランスがベタなツンデレ反応してて草。
て、照れてるとか、そんなんじゃないんだからね!

現代でこそツンデレは女性ヒロインにありがちな属性になってきたけれど、一昔前の男主人公……それも恋愛が絡むラブコメ主人公やエロゲ主人公系って、意外とツンデレっぽい奴が多い気がする。
ラブコメや恋愛ゲームで即ゴールインしないために、「本命に対しては照れ隠しで冷たくする」とか「擦れ違いが起きやすい」みたいなありがち設定が、ツンデレ効果を生むんだろうか?

要するにツンデレは文化。
昭和・平成の遺産として後世に伝えていくべき遺物。