FGOイベント 惑う鳴鳳荘の考察 プレイ日記08 選ばれた結末と、最後の考察
最近のアラフィフの出番と活躍の多さには草不可避。
ズッルーい! アラフィフいっつもズルしてるーッ!
真名を出せない影響がやや残っていた昨年以前と異なり、今年のアラフィフはやりたい放題。
昨年以前もわりと好き勝手やっていた気もするけれど、いよいよブレーキが壊れてきた感だ。
キャラとしても魅力的だし、黒幕・頭脳労働担当・胡散臭いだけ枠etc、色々と使いやすいサーヴァントなのだろう。
かつてのカエサルや黒髭にやや近い立ち位置とも言えるかもしれない。いわゆる便利枠。
※本記事では1.5部サーヴァントの真名を表記しています
選ばれた結末
結果発表ーッ!
二位以下に大差をつけて、『ジャンヌ・ダルク[オルタ]の考察』が採用となった。
中間発表と最終結果は、投票割合もほぼ変わらず。
中間の時点で圧倒的な差が付いていたようにも見えたし、そう不思議ではない。
今にして思うと、5つの考察はそれぞれ、後になるほどに細かい部分まで整ったシナリオになっていったように思える。
先に披露した人のネタを取り入れる事も多く、だからこそ後半に発表した方が比較的有利だったと言えなくもない。
なお、トリスタンは除く。
ジャンヌオルタの考察の魅力のひとつが、犯人役・主人公の舞台登場だった。
アニバ礼装姿の主人公が現れるのは、FGOでは珍しく新鮮な気分。SN凛視点やホロウ三人娘視点で士郎の立ち絵を目にした時のワクワク感に近い。
表情はアニバ礼装オリジナルのものではなく、眉を顰めて不敵に微笑んでいるような特殊バージョンに見えた。
既存のパーツを組み合わせたのかな? 何にせよ、新鮮で楽しい演出だった。
欲を言えば、もうちょい犯人の独白的なシーンの尺は欲しかったかな。
幼馴染を守るために真犯人を突き止めたエリス。
友人の回復を待ちながら、彼女の枕元で不器用な本音を語り……そして、舞台の幕は閉じた。
『投票結果』のご褒美的なシナリオとしては、やや短めではあったかもしれない。
まぁネタは考察披露の時点で明らかになっているし、冗長すぎるのも面白みに欠けるか。
さておき、これにて映画撮影は完了。
“鳴鳳荘殺人事件”および“漂流電影空間ハリウッド”は、これで解決……と言っても良いのだが……。
最初の脚本
ようやく目覚めた紫式部。
彼女は自身の昏倒について仲間に謝罪し、完成した作品の仮編集フィルムを見て、皆の頑張りと努力に感謝の気持ちを述べた。
脚本を伝えないまま倒れてしまった彼女自身には、今更意見は言い辛い。
しかし言いたいことは吐き出してもいい、とシェイクスピア達は促す。
紫式部自身の控えめな性格を考えると、やはり何も言えないかとも思ったが……。
ここで名探偵の推理爆発。
探偵の面目躍如と言えなくもない。状況によってはKY扱いされかねないが、今回はとりあえずセーフ。
ホームズの推理及び、紫式部の告白によって明らかになっていく、『元々の映画脚本』。
なるほど……アンデルセンが言っていた『かねてからのストック(構想)半分、必要に迫られて捻りだしたもの半分』という予測は、部分的には正しかったんだな。ただし全部正解とまでは行かなかったのが面白い。
しかし、源氏物語。源氏物語かー!
気付ける人には気付けたんだろうな。気付けなかった人間として悔しい。
そして、「今回の脚本を、なぜ紫式部が担当したのか」という謎の答え合わせにもなっているのがニクい。
結果ありきで経緯が出来た、というオチとも言えるので、もうひとつくらい理由付けがあった方が更に締まったかな……などと外野なので勝手に呟いておく。
ガブリエラを中心にした様々な愛憎劇。
紫式部の元々の構想に対して、残ったキャスト達が編み出した新規設定や推理はいくつか当たっていた。
特に興味深かったのは、まさかの『ダイゾー=サラザール説』が当たっていた件。
龍馬の考察で披露された『ガブリエラは、実はダイゾーの妹だった』推理もドンピシャだった。
そして、「本当はサラザールも以蔵様に演じていただく予定でした」という紫式部の台詞でピコーンと合点がいった。
「プレイ日記02 『漂流電影空間ハリウッド』」の時、以蔵の出番について言い淀んでいたり、突然現れた妙な男(バーソロミュー)に対して「サラザール役をやっていただけませんか!?」と紫式部が前のめりだったのは、これが理由だったのか……!
うーん、なるほどなーっ!
気になった相手が肉親だと判明したり、様々な思惑を抱いて近付いてくる男性たちと触れあったり……。
愛憎劇の末にガブリエラが至ったのは、「ミゲルこそ打算のない愛情を注いでくれた唯一の男性だ」という気付きだった。
ガブリエラを守るために、あえて義父ではなく夫として振る舞ってくれていたミゲル。その愛は異性としてのそれとは違うかもしれないが、ガブリエラにとっては最も求め、最も大切な“愛情”だったわけだ。
それを自覚して、物語は終わる……。
……アンデルセンあたりの“バッドエンド”予想が当たっていたとすると、ここでガブリエラが自害を選ぶパターンもあり得るのか?
どちらにしても、後味は少し苦いものになる。必要としていた愛を自覚したガブリエラの反応次第ではあるものの、愛憎劇で疲れた上に「欲しかったものは、もう戻らない」オチは、かなりつ辛いだろうしな。
ガブリエラがもう一度立ち上がることができるのならば、ビターだけれどハッピーエンド。
ガブリエラがそのまま悲観して折れてしまえば、悲しい愛の擦れ違いの末のバッドエンド……って感じだろうか。
本来の構想を聞いて、マシュは「より良い結末があるのなら、そちらも見てみたい」と食い下がった。
気持ちはわかるが、物理的には少々難しい。ロマン曰く、特異点に残った時間は三時間も無いという。
更に言えば、マシュは決して、選んだ結末……『ジャンヌ・ダルク[オルタ]の考察』に不満を覚えているわけでもない。
皆で真剣に考えた末の結末も大切にしたいし、紫式部が思い描いていた本来の結末も撮影したい……。
なかなか欲張りな考え方だ。マシュにもその自覚はあるのか、言葉が巧く纏まっていない印象を受ける。
……そして、もうひとつ。
この、『結末は一つしか用意できない』『正解ではない結末に至ったから、これまでの努力が無意味なものだったとは思いたくない』という悩みは、まさに我々が現在直面している異聞帯との戦いにも通じている。
今後の本編シナリオに関わる考え方とは限らないけれど、興味深い符号でもあった。
黒幕会議
マシュの悩みを聞いてか、アラフィフだけを呼び出して、内緒話をするロマン。
疑問はいくつかあるけれど、ここで特に気になったのは『呼び方』の件。
ロマンはアラフィフのことを、「コルテス将軍」と役名で呼んでいる。
仰々しく、わざと言っている……という見方も出来なくはないが、ちょっと奇妙だ。
サリエリのことを「グレイマン」と呼んでいた件といい、新規サーヴァントに対して一定の壁がある?
もしくは、“変換しきれない”とか?
一方のアラフィフも、「通信越しで顔はよく見えない」という言い方は変な感じだ。
傍から見る限りでは、通信に異常は見当たらない。
アラフィフの視点からでは、我々とは違うものが見えている……?
ひょっとして、ロマン側も同じく……?
ロマン曰く、『肖像画モデルだったアラフィフは、最初から道筋が見えていた』らしい。
しかし今に至るまで、アラフィフは自身の構想や紫式部についての考察を自ら語ることはなかった。
単なる意地悪や嫌がらせ、なんてワケはないと思うが……いやでも、だとしたらヒドくね?
早期に情報を得ておきながら、今まで黙ってたとかサイテー! ホームズの懐疑心も大当たりじゃねーか!
メタに言えば「謎を生むための立ち振る舞いだった」という意味はあるのだろうが、リアルに考えるとフツーに嫌な奴で草。
さておき、ここでロマンは『Dr.ロマンの考察』をアラフィフに披露した。
前回発表された5つの考察でもなく、最初に考えられていた紫式部の構想でもない。
いわば、“7つ目の考察”だ。
7という数字も、異聞帯を思い起こさせる……と言いたいところだが、汎人類史を含めると8つになるわけだし、これはさすがに関係ないかな。
以上、問題編
ロマンの考察の中身については、すぐには明らかにはならない。
「ここまでが問題編」として、アラフィフがピンスポに当たった姿で読者に宣言するシーンで幕は閉じる。
「どうすれば今のマシュの悩みを解決できるか」。
今回の事件の、本当に解くべき謎はここにあった。
殺人事件も暗殺未遂も劇中劇も、“解くべき謎”ではなかったわけか。こりゃズルい。でも巧い。
根本的に撮り直すことはできない。
少なくとも、紫式部の当初の構想のように、『ガブリエラを中心にした愛憎劇』に必要なシーンを撮るだけの時間は残っていない。
最初に彼女が倒れたのが、やはり痛かった……。眠ったままの主人公では、喜劇にしろ悲劇にしろ、参加のしようもない。
参加という意味ならば、役者のひとりであるサラザールが既に完全に退去している点も厄介。
物語の最初期に意味深に登場しておきながら、「バルガスを襲い、死んだ」もしくは「バルガスを襲い、行方不明」以外の展開を用意することがもはや出来なくなってしまった。
そして一番の謎かつ問題が、“紫式部の願いも皆の努力も、無理なく両立させる解”こそが望みであり、マシュの悩みである点……。
悩めるマシュと読者に、アラフィフは「やり方はある」と悪人面で挑戦を叩きつける。
くっそー、やな奴やな奴!
次回、鳴鳳荘イベント感想最終回!