ランス10 延長戦20 第十一回食券感想まとめ



三枚目まで見終えた食券イベントについて語っていく不定期開催企画・第十一弾。
イベント内容についてのネタバレを多く含んでいるので、ご注意を。




※延長戦記事では第二部の内容に触れることもあるためネタバレ要注意





①ウルザ






ウルザの食券は、全体的に『ヒロインとしての甘さ』みたいなものは少ない。
エ□ゲヒロインとしてのわかりやすいキャッチーさには欠ける……という見方も出来なくはない。
……が、ランス6好き及びプレイヤーにとってはどれもこれも致命傷級。
特に最近リプレイした俺には超特攻。
ランス6から始まったウルザの新たな歩みや、今の彼女を形成している様々なものについて、少しずつ見えてくる良い話だった。

二枚目食券で伺い知れる、キムチさんとの距離感もイイゾー!
昔馴染みのキムチさんを前にすると、普段は見え辛いウルザの弱みが少しだけ表出するのに、彼女は決して完璧超人ではないんだなと改めてわかる。
それでもすぐに前を向くことができるのは、凄まじい強さだ。
あの挫折やあの犠牲があったからこその強さだと思うと、少し危うい気もするが、きっとウルザは大丈夫なんだろう。







ランス直々に「色々任せられる。安心だ」とまで言わせるのは、やっぱりスゲーことだ。
きっとウルザも、この言葉はとても嬉しかったのだろうと思う。
応える三点リーダーの長さに、彼女のわかり辛い喜びが見えた気分。ヒューヒュー!

自分に厳しいウルザとの関係はスパルタチックで、いわゆる“良い雰囲気”にはなかなかならない。
あえてウルザが躱している面もあるのだろう。そんな事をしている場合ではない、と常に考えているような女だ。
だが、そんな彼女がたまに垣間見せるわずかな“隙”、ほのかな“デレ”に、特別感が見える……。
っつーか、マジで特別扱いだよな? どう考えても、超特別扱いじゃん!!??
ヤッター!!! イェーイ!!!!





②キムチ




裸イベントのキムチさんがママ過ぎてたまらない件。
年齢を重ねたからこその落ち着きもあるのだろうが、本作のキムチさんは全体的にふかふかと柔らかそうで、笑顔もホワッとした感じがなんかもうサイコーだろ……。

この時点でのキムチさんの年齢は32歳。
ランスの今までのポリシーに則ればアウトラインではあるが、そもそもコパンドンの時点で既にオーバーしていたラインだ。
どうせおっぱいチラ見せでコロッといく男だから……。







食券三枚目のイベントは、酸いも甘いも知っているキムチさんだからこその内容で、これまた実に良かった……。
何があっても穏やかな表情で受け入れて、過去の傷や後悔や憎しみを認めた上で「みんなをちょっとだけ幸せにして」と望むキムチさんは、もはや聖母の域に達しているようにさえ見える。
そんなキムチさんが、ロッキー食券では人間らしさを垣間見せるのもまたイイ。

あと、基本的には微笑み&笑顔姿が多いのだけれど、ランスを叱る時とかにキリッとした表情になるのもスゲー良くない?
あの顔、好きです。





③コパンドン




キムチさんに続いて30オーバーな女がここにも一人。
食券二枚目にて、まさに誕生日を迎えるコパンドン。
ランクエの時から一年経ったということか……。むしろ一年しか経っていないことに驚くべきか?
こんなにもはっきりと誕生日を描かれるなんて、ランスヒロインとしてはかなり珍しい気がする。
まぁそれも、30前後という定番ネタがあるからこそではあるだろう。
本人は不本意だろうな。
「めでたないわ」の表情からして不快そう。だがそこがいい。









1兆億GOLDの夢も叶ったり、コパンドンの食券はまさに『彼女の物語』の詰め合わせ。
今まで描かれてきた努力の結末は少しほろ苦いものになってしまったけれど、その道を選べるコパンドンは格好いい。
ランス10でのコパンドンは、良い女っぷりがスッゴいよな。

そういえば、6に比べるとシィルとの関係も随分と穏やかになった。
時代やライターの変化などの外的な要因もあるだろうけれど、コパンドン自身も丸く優しくなったんだと言い換えてもいいだろう。うんうん、女子は仲良くしろ。


あと、本人の食券ではないのだが、セラクロラスの能力を見た時のコパンドンの反応も個人的にツボ。
「しっぺ返しが来んねん……」というしみじみとした台詞の中に、現実を知るオトナ感があって絶妙な塩梅。
昔話に詳しいおばあちゃんのようだ(※褒めてる)。





④独眼流政宗






ランスが珍しく、マジで格好いい(※失礼)。
政宗という男に対して、ランスはそこまで親しいというわけではないだろう。
パットン達とは比べるまでもなく、朝倉や早雲よりも更に距離はあるかもしれない。
相手側からは評価されていても、ランスからは冷淡な態度というのは、ランスと男性キャラの間によくある関係性だ。即斬されないだけマシな方。

だからこれは、政宗自身を心配したわけでもなく、かといって彼の嫁達を思いやったわけでもない。
「奪うのは良いが、施されるのは不快」というランスのワガママな嗜好故ではあるのだが、それでもすごく的を得た言葉になっているのが、見ていて気持ちがいい。







拒否されても無茶苦茶言われても、平然と返す政宗もシブい。
やっぱりこの目玉、格好いいんだよな……。こんなナリだけど。
むしろ、こんなナリじゃなければ許されないレベルか?
そもそも四人も嫁を囲っている時点で、本来絶許案件。





⑤黒部






黒部食券では、彼と人々との交流の輪が広がっている様子がよくわかる。
真っ先にリセットが懐くのは想定の範囲内だったが、ミラクルも研究対象以上の興味を抱いているのが意外……と思いきや、超納得。
わんわん好きとしてはウハウハだったんだろう。
わんわん・にゃんにゃんに喜ぶミラクルはかわいいなぁ。
ランスのマネをしたギザ歯顔で、牙の歌(?)をニコニコでうたうリセットもメチャクチャかわいい。
お転婆が過ぎる点は、父親も認める。









食券三枚目では更に黒部自身の過去にも触れ、二枚目の時以上に彼を囲う人々が増えている様が改めて描かれた。
百年もしないうちに失われる時間を大切にする妖怪……という物語は、定番ではあるのだがやはり切なく物悲しく、それでも暖かい。

ああでも、リセットは長生きだし死後も英霊になるはずだし、穏やかな関係は今後も続くのかもしれないな。そう思うと、優しい未来が見えた気がして嬉しい。
余裕は無かっただろうが、第二部に黒部の出番があっても愉快だった気がする。魔王の子たちとも、それぞれ異なる面白い関係を築けそうだ。





⑥日光






食券二枚目&三枚目では、レアな微笑み日光を見ることができるぞ!
うーん眩しい。ありがたやありがたや。

美樹ちゃん御一行はランス目線では迷惑をかけられる事が多く、わりと厄介な存在でもあったが、その境遇はやはり悲惨で同情せざるを得ない。
本編中でも魔王探索クエや???マスのイベントなどで、彼女たちの辛さを垣間見ることは出来ていたが、日光食券二枚目はそれらを更に掘り下げたような内容だった。

美樹たちをなんとかしてあげたい。
助けたい。最後には笑っていてほしい……という日光の気持ちはとてもよくわかる。同情する。
しかし結果的には何もできなかったENDが多いあたり、現実は辛くも厳しい。
想いだけではどうにもならないのが、この世界と魔王の血なんだよな……。







と、そんなシリアスから一転、三枚目は昔なじみ中心の軽い内容だった。
ランス城の一員となったことで、美樹ちゃん御一行も少しは楽になれたのではないかな。イイコトダナー。
カオスはさておき、一緒になって説教を食らうカフェはかわいい。





⑦量産型あてな2号




量産型あてな2号の食券三枚目は、とても独特な話だ。
寓話じみているようで、御伽噺のようでもあって……作品本編とは結構毛色が異なる。
けど、“異世界”や“文明が滅び、また生まれ”といった時の流れの描写等に、世界観の可能性が見えるようで面白い。
……イカマンは経由したのだろうか?







ファンタジー以上にファンタジーというか、『優しい世界の優しい話』という感じがくすぐったくも心地いい。
素敵な短編を読んだ、という気分だ。
他の食券イベントとはかなり離れた作りだが、サブキャラかつ“量産型”な彼女だからこそ生まれたエピソードだと思う。

ランス10の食券はメインからサブから半モブまでたっぷりと用意されているけれど、サブ~半モブの方が『ライターが自由に書く』余地が大きいからか、新鮮かつ面白いものが多いような気もする。
……って、前も言ったか?
さすがにこれだけ感想を書いてくると、昔に何を言ったのか把握できなくなってきた。





⑧パットン








揺るがないお姉ちゃん設定。
ランス9でも呼んでいたが、すっかり定番の呼び名と化している様子。
第二部ではナギとパットンの会話はあったかな? 未だに姉ちゃんなんだろうか。

パットン食券二枚目は、魔想姉妹からピグからカロリアやリセットまで、モテモテなパットンの姿を見ることができる。黒部に続き、デカい男にすぐに懐く幼女陣だ。
また、今回は妹であるシーラとの交流も加わっているのが嬉しい。
互いを思いやりながら、「軽いもんさ」と応えるパットンが格好いい男だ。スッゲーさり気ないし何気ない台詞でありつつも、その重みは半端ない。









シーラやヒューバートといった9勢(ヘルマン勢)と絡むのは想定内だが、パットン食券にて意外で嬉しかったのが、リアやサテラといったランス3に連なる面々とのやりとりもあった点。
特に面白かったのが、食券三枚目でサテラが登場する場面だった。

魔人のサテラと人間のパットンは、同じ時間を生きていても進み方が大きく異なる。それでもサテラとて、ランス達の影響によって、確実に少しずつ変わろうとしている。
彼らの会話からは、そんなお互いの成長速度の違いと力関係の変化が伝わってきて、興味深い。能力的には魔人には敵わないかもしれないが、パットンは間違いなく“強い男”だ。
こういう時のサテラの「嫌い」は、本人は無意識かもしれないが、決して悪い意味では無いんだろう。





⑨クルックー






クッソカワイイなオイ!!??

いやーカワイイ。
食券一枚目も二枚目も、どっちもそれぞれカワイイんだが、更にどっちも『ランスを意識して変化』しているところがサイコーに萌え。
萌えって死語か? でもこの感情を表す言葉を俺は他に知らねぇんだ。

パンツを見られるのを恥じらったり、ジッと見つめられるのに動揺したり、あまりにも“クルックーらしくない”反応でありつつも、“恋する女ならば当然”の態度でもあるところがもう……なんか……やっぱサイコーだよ。
そもそも『恋するクルックー』ってだけで最強。

あと、女同士の友情マイスター・俺氏としては、クルックーの変化を「わかりやすい」と笑うサチコ&アルカネーゼの姿も尊さ爆死級。







そんな自分の恋心について、クルックー自身は十分自覚している……かと思いきや、たまに驚くほど鈍感な部分もあるのがまた可愛らしい。
相手であるランスも無茶苦茶な男だし、クルックー自身とて独特なセンスや倫理観や常識の持ち主でもあるため、そのあたりの“ぶっとび”言動に紛れてしまいがちだが、胸のときめきを正しく判断できない姿なんて、ごく普通の恋する女の子にしか見えない。
くそー、ニヤニヤしてしまう。これはニヤニヤしてしまう。
クルックーと、イチャイチャ、したい!!!!





⑩鈴女






鈴女の食券一&二枚目は、“普通の日常”とも呼べるものだった。
ランス10に鈴女が居てくれるからこそ、目にすることが出来る日々。眩しくも、特別なことはない日常。だがそれが本当に、心の底から嬉しい。
主な舞台であるランス城はランクエからの馴染みの場所でもあるので、新鮮味が無いとも言える一方で違和感も無かった。
作中のキャラもプレイヤーも、鈴女がいる日常を、当然のように受け入れることができていると思う。

ランスチルドレン(赤子)にメロメロだったり、親交の深い女性陣と一緒に出かけたり、鈴女が楽しそうに日々を過ごしているだけで胸が熱くなる。
うんうん……鈴女が嬉しそうならば、それだけで俺は嬉しい。
『なぜ鈴女が居るのか』だとか、そういった点に言及するのは野暮ってものさ。この理想をしばらく味わい、楽しもう……と思っていたのに……。









(唐突な死)

最初のうちは「特別追加キャラの食券だからって、反則すぎねぇか!? いや面白いから良いけど!!」と全力でツッコみながら楽しんでいた俺。
しかし……気付いた頃には……命を落としていた……。


ひとつひとつの事柄は、そこまで深く考えなくても良いのかもしれない。
色々なことがわかったような、明らかになったような気もするけれど、あまり考える必要はないのかもしれない。
ただ、『こんな場面が見られて良かった』と天に感謝を捧げることしか、もはや出来ない……。

ともかく鈴女とかなみが良い娘で可愛くてサイコーで以下略。もちろんウズメもかわいい娘。
イチャイチャするこの二人(三人)、永遠に見ていられるな。
こいつらの可愛さ、ヤッベーな!?
マジでっ……語彙を失うくらい、ヤッッベーな!!??
前から知っていたはずだけど、改めてドツボった。シリーズ完結した今になって、急所に致命傷を受けた。
これは……確認せざるを得ない。俺は、かなみと鈴女の愛の軌跡を追うべく、戦国ランスへと跳んだ――。