FGO第二部 Lostbelt No.4 プレイ日記06 静かな喪失
出会った時には仲良く楽しそうにしていた彼女たち。
最後に別れた際も、やはりそこまで悲観的な様子ではなかった。
そして今回再会した時、彼女は再び笑っていた。
同じような笑顔、似たような光景でありつつ、『違い』が明確過ぎてエグすぎる。それに彼女自身が気付いていないのも残酷だ。
歪みの自覚も喪失の感傷もなく笑顔でいる少女を見るのは、とても苦しい。
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※本記事では1.5部サーヴァントの真名を表記しています
短い休息
第六節。
選択背景も虚数潜航状態になっているのが少し新鮮。
間一髪でボーダーは助かったが、失ったものはあまりにも大きすぎた。
誰もが彼らに感謝しながらも悲しんで、その上で受け入れて前に進もうとしている。
インド異聞帯に突入してから、ようやく得られた『ゆっくりできる時間』だ。
世界創変が終わり、再浮上したら、また時間に追われながら事態解決に奔走する日々が待っている。
今のうちに、できるだけの情報整理と準備を整えていきたい。
……これは完全に想像かつ希望を語っているだけだが、少なくともカルナに関しては、まだ可能性があるのではないか……と、この時点で私は思っていた。
哪吒の件とは異なり、カルナは明確に消滅するシーンをこの目で見たわけではない。
そして彼が用いた宝具『日輪よ、具足となれ』といえば、確かスッゲー防御宝具だったはずだ。マジでエグい奴だったはず(※語彙零)。
CCCでも実際に凄い効果を発揮していたし、世界創変の神の力とはいえ、ある程度耐えることはできるような気がしないでもない。
無事とはいかずとも、欠片だけでも残っていて、何らかの形で主人公たちを再び導いてくれるのでは……と、この頃の私はボンヤリと期待していた。
再浮上した時点で言及が無かったので、「やっぱ無理だったか……」とやや期待値は下がったのだが、まぁ夢を見るだけはタダだ。
ペペロンチーノからの情報提供
約束通り、話し始めてくれるペペロンチーノ。
彼の口から新たな情報の多くを得ることができた。
それも、今回の異聞帯の根幹に関わるような、重要な情報ばかりだ。
クリプターが早々に味方側につく(?)事のイレギュラーさとチートっぷりをつくづく感じる。
もちろん最後まで味方であり続けることは難しいのだろうし、下手すれば途中で……なんてこともあるかもしれない。
だが少なくとも、今のこの時点でのペペロンチーノの言葉に『嘘』は感じ辛い。
主人公もマシュも、彼を信じると既に決めている。なので、彼の言葉は『事実』として、受け止めて整理していこう。
アルジュナ(神)側からの視点や意見はないため、インド異聞帯で「何が起きたのか」の詳細まではわからない。
それでもペペロンチーノの情報提供で再確認できたことは多くあった。
『アルジュナ(神)=異聞帯の王』
『神性の全てを統合していった結果凄まじい力を持つと共に、本来のアルジュナとしての人格がほぼ失われている様子』
など、このあたりはうっすらと気付きつつあった予測が補強された感じ。
そしてもうひとつ重要な、ペペロンチーノとアルジュナ(神)が対立した理由は……。
ペペロンチーノ曰く、「この世界は詰んでる。私にできることはない」と、彼は初めからわかっていた。
『自分が生存する』ことを優先すると言い切る彼だが、一方でまだクリプター側を裏切るつもりでもないと語る。
このあたりはビミョーというか、言い回しによってどうとでも出来るというか……。
見方によっては狡猾だ。状況によってはどちらにでも戻ることができるズルさや軽さ、それを許されるだけの能力と人格を持ち合わせている雰囲気だ。
そう考えると、ペペロンチーノのことを100%信じるのは、まだ危険なようにも思える。
……けど、カリ・ユガの終わりに、自分の命を危険に晒してまで主人公達に警告してくれたのも、また事実なんだよな。
今まで起きた出来事を見ている感じだと、ペペロンチーノは『ズルい手段も用いる“デキる”奴だが、なんだかんだでお人好し』みたいな人物像がイメージされてくる。
……それって要するに、普通に良い奴ってことだ。
クソッ、騙されないからな! きっと裏を隠しているに違いないッ……!
魂の根までねじくれ曲がった陰陽師くずれ
ペペロンチーノがインド異聞帯を見限った理由のひとつでもある、『アルジュナ(神)を唆す異星の神の使徒』。
その正体は、やっぱりコイツだった。
しかし、なんというか、疑問は多い。多すぎる。
この男とて、一応は異星の神の使徒だ。ならば陣営としては、一応はクリプター側に近いはずだ。
クリプターと異星の神は完全な同陣営ではないけれど、目的は本来近いはず。
コヤンスカヤにしても、決してクリプターに常に味方していたわけではなかったが、それでも決定的な行動には出なかった。彼女の嫌がらせや邪魔の類は、せいぜい“趣味”の範疇だったように見えた。
……が、この男は、異聞帯の王を唆して、世界の運営を「強引に」行わせ始めている。
明らかな介入行為であり、クリプターであるペペロンチーノとも実質敵対している。
その行動は異聞帯のためというよりは、もっと破滅的で性急かつ侵略的で、シンプルに危ない感じだ。
リンボにとっても、これは“趣味、嗜好”なのか?
彼の独断? それとも異星の神の願いに沿った行動?
もし異星の神の願いに沿った結果がこの介入である、という物言いが『真実』だったとしたら、それはクリプターと異星の神との間に明確な“違い”があるということを意味してくる。
敵同士での分裂、仲間割れ……なんてそう巧くは行かないかもしれないが、異星の神側は、まだまだ多くのことをクリプターに対してさえ隠しているように思える。
ヒャッハーしているリンボを冷めた感じで眺めているコヤンスカヤ。
異星の神の使徒とはいえ、彼らもまた一枚岩ではないらしい。
コヤンスカヤは明確に、リンボのことを危険視しているようでもある。
「将来的に私の計画の邪魔になると困る」という、自分本位な意識ではあるが、リンボと積極的に敵対してくれるのならばそれはそれでアリ。大いに足を引っ張り合ってほしい。
そして、いつもの白い女性……異星の神の巫女? だっけ。
彼女も静かに彼らを眺めていたが、やがて目を伏せて、その場から消えてしまった。
コヤンスカヤに言わせれば、「もう先は見えた、と言わんばかりの退場」らしい。
巫女の退場は良い意味なのか悪い意味なのか。わからんけど、どっちかっつーと悪い意味っぽく見えた。
ガネーシャの強さと弱さ
リンボに唆されてユガの周期を急激に早めていった結果、何が起きようとしているのか。
そして、ユガを移り目の際に、アルジュナ(神)は何を行っているのか。
前者はさておき、後者については「実際に見たほうが早い」とペペロンチーノは語る。
いや先に言ってくれてもいいんだけど……って個人的には思うが、まぁしゃーない。
そんな話をしているうちに世界の再生も終わり、再浮上の準備も整った。
潜っていようが浮上しようが、時間は経過していく。ならば危険を伴う潜航を続けるよりは、積極的なフィールドワークを再開させるべきだろう。
……わかってるけど、やっぱ時間制限系は苦手だなぁ!
浮上前、ようやく口を開いたガネーシャ。
彼女が落ち込むのは当然だった。あんな形での別れは辛い。『昔』よりも悲しく、彼女にとってはより無力と悔いを覚える別れ方だっただろう。
それでも、『昔』やそれ以前とは、ガネーシャの表情も言動もハッキリと異なっていた。
ガネーシャである彼女と再会した時にも感じたが、改めて再確認する。
彼女はずっと強くなった。根本には弱さや怯えが残っているに違いないのに、それをねじ伏せて誤魔化すだけの強さを持つようになった。
神霊や疑似サーヴァントであることが影響して、精神力にブーストがかかっているのかもしれないが、そもそも本来のジナコ自身は誰よりも“普通”で、“普通に強くない”女でもあった。
その弱さや色々なものを、嘘で隠す女だった。
カルナとの絆をアンカーに、無理やり自分を引っ張り上げることができた彼女。
こんな姿を、できることなら、またカルナに見せてあげたい。
きっとカルナは驚かないのだろう。そんな二人を、また見たいと心から思う。
ペペロンチーノの独白
ペペロンチーノ視点でのモノローグ。
彼はアシュヴァッターマンを失った後に、既に何度かカリ・ユガと世界創変を体験していたらしい。
奪われた時点で『不要』認定されていたわけではなかったのか。
やはり、主人公達を決定的に助けてしまったあの瞬間までは、アルジュナ(神)からは見逃してもらえる立場だったようだ。
決定的な瞬間はいつかは来るとわかっていただろうが、その貴重なタイミングを主人公達を救うために費やしてくれたことに間違いはない。その点には、やはり心底感謝だ。
世界崩壊と再生のあの光は見るからにヤバそうだったが、“乗り越えられる”ならば痛みも物理的な衝撃さえも無いらしい。
それでも、その感覚は自分にとっては吐き気がするほどに不快なものだったとペペロンチーノは心の中で語る。
『彼にとっての理由』は、まだわからない。主人公はもちろん、プレイヤーにもまだ詳細は開示されない。
理由はわからずとも、それでも事実だけは改めてハッキリと明言された。
ペペロンチーノは、「あの神のことが、認められないらしい」……。
クリタ・ユガ
水で満ち、花の咲き誇る地上の光景もある意味では異様だったが、それ以上に奇妙だったのは町長プラシュカの変質だった。
“緊迫しているか否か”という状況だけの問題ではない。もはや人間がまるで変わってしまったかのようだ。
まず間違いなく、『クリタ・ユガ』だからこその反応なんだろう。
周囲の環境によってプラシュカが穏やかになったのではなく、それこそ『世界のルール、強制力』に則って、“変わらされた”ようにすら見える。正直、不気味と言ってもいいレベルだった。
とはいえ、全員に適応されるわけでもないらしく、アジャイの様子は相変わらずだった。
プラシュカといいアジャイといい、カリ・ユガを乗り越えた後であっても、主人公達のことをしっかり記憶してくれている。
なんとなく“リセット”のようなイメージを抱いていたので、その点はちょっと安心した。
全てがイチからやり直しというわけではなく、ある程度の出来事や成果を“次”に持ち越すことができるのはありがたい効果だ。
時間制限やユガ時計(仮)の雰囲気で勘違いしてしまいそうになるけど、決してこれは“ループ系”事象では無いんだもんな。
アーシャとも再会できた。
この町で知り合いになった人々は、とりあえず無事だったようで一安心。
……と、言いたいところだが、既に明確な『違い』は目に見えて現れていた。
おそらく多くのプレイヤーは、ここまでに既に“嫌な予感”はあったと思う。
これはその予感が的中した、とても苦しく辛いことでありつつ、「わかっていた」出来事でもあった。
でも辛い……。前回に続き、「わかってたけど辛い」やつ……。
凹む! 凹むよ!! チクショーッッ!!!