ドラゴンクエストビルダーズ2 プレイ日記063 必ず帰るところ




初対面から態度がキツいし、性格もキツいし、言葉遣いもキツいし……。
冒険には付いてこないし戦闘にも参加しないし、正直最初の頃はルルに対して「ふーん」くらいにしか思っていなかった。
まーヒロインポジションは必要だし、そういうキャラもアリだよね、みたいな?
でも……ゲームも終盤となって、大きく物語が動き出すこの段階になってくると、他のキャラクター同様に、ルルのこともすっかり気に入ってしまった自分がいる。チョロい自覚はある。

何よりも、主人公とシドーにとっては、一緒に遭難した女の子が他でもないルルだった事実は、大きな救いと日々の喜びに繋がっていったんじゃないかな……とも思う。
ルルが居てくれて、主人公とシドーを無条件に待ち続けて迎えてくれて、本当によかった。

 





今回の記事には、DQB2における重要なシーン・重要なネタバレが含まれます。
ご注意ください。







明かされる真実

“謎の声”の正体










ルルを無理やり追い返して残っていたシドーは、海岸で一人ぐったりと倒れこんでいた。
その体の周囲には、今までの『パワーアップ』時とは異なる禍々しいエフェクトが発生している。

そんなシドーに語り掛け続ける“謎の声”は、ついにシドーの問いに答え、多くの真実を語り始めた。
“謎の声”は何者なのか。
なぜシドーはここにいるのか。
なぜビルダーである主人公がここに引き寄せられたのか。
ゲームOPでの出会いや、その後の冒険と創造の日々を“謎の声”が奨励しているようでさえあったのはなぜか。
そして、なぜ“謎の声”は、一時期から態度を変化させていったのか……。


実を言えば、私自身は最初の頃は、“謎の声”は敵か味方かで問えば味方寄りかな……と勝手に予想していた。
シドーと主人公の日々を見守っているようだったし、創造を後押ししているようでさえあった。その態度は敵や黒幕というより、成長していく人々を見守る精霊や神の類に見えていた。

だが、ここに来て、ようやく色々と理解することができた。
『創造と破壊が表裏一体である』ということは、作中でもしばしば語られていた。その考え方は発展的で好意的な見方も出来るものだけど、“謎の声”の立場からすると……。







開拓の総仕上げ





一方、しろじいも主人公に「すべて」を話そうとしてくれていた。
だがその前に、開拓の総仕上げ!
からっぽ島の『ビルダーのはた』を作るのぢゃ!!(byしろじい)

要するにブロックでドット絵を描け、という話だ。
急に言われても難しいし悩んでしまう……。とりあえず、見本通りのデフォルトなデザインをパパッと作ってしまう。
後で作り直せるらしいし、今はこれでいいだろう。
気が向いたら、またちゃんと考えるさ。










ともかく、これで完成!
からっぽ島がパロム王国になった!!

って、パロム王国!?
マジかよ!?
ルル王国でもシドー帝国でもなく!!??


今まで他キャラのように『我』を見せた命名に参加してこなかった主人公の名前が、いきなりメイン中のメインに据えられてしまった。
アワアワ……。勝手に決めたとルルやシドーに怒られないだろうか。
ち、違うんだ。
そんなつもりは無かったのに、しろじいが無理やり……。










振り返れば仲間が勢揃い。
ルルは激怒しているんじゃ……とドキドキしたけど、まだ王国バレはしていないのか、セーフな空気だった。ホッ!

王国と言われてもよくわからないけど、皆も喜んでいるし物作りパワーも更に高まったらしいし、ルルにも「最高のビルダー」と褒められた。
厳しい人が不意に見せた優しさだ。ルルがここまで他人を褒めるなんて、生まれて初めてなんじゃないか?

まさに人生が最高潮。最終回で美しい完結を迎える一歩前。
……もちろん、これでハッピーエンドなんてわけがない。







崩れゆく世界

シドーの異変










遅れてパーティー会場にやってきたシドー。
だがその様子は、明らかにおかしかった。
ルルもチャコも、仲間たちが次々に声をかけても、まるで届いている感じがしない。
彼の到来に前後して周囲も薄暗くなり、不穏な感じだ。

シドーは主人公に何か言いかけたが……最後まで話すことはできなかった。
シドーの内側にあった“謎の声”が再びシドーの身体の権利を奪い、雰囲気が一変する。
そして次の瞬間、彼の周囲を包んでいた禍々しいエフェクトが一気に膨らんで噴き出して……。
……各地の人間や魔物たちが口々に語り、恐れ、あるいは崇めていたにも関わらず姿を見せることのなかった『奴』が、ついに現れた。







世界を作った者










既に王様から色々と聞いていた主人公。違和感を覚えていたルル。
二人とは異なり、そもそもこの世界の原住民だった各地の仲間たち……。

全員の目の前で、復活した亡霊は『世界の真実』を語っていく。
この世界の住民にとっては、己の存在の根幹にも関わる恐ろしい真実だ。
たとえばリックは、その一端を知っただけで狂乱した。

そして、まだ混乱し慌てる事しかできない主人公たちの目の前で、しろじいは……。







旅立ち

友達のために










シドーと共に奴は消えた。しろじいも失われた。
更に、明かされた衝撃的な真実が彼らの精神を蝕む。
リックのような明確なトラウマのない人間にとっても、あまりに辛すぎる現実だ。正直、今はまだ信じられないという感覚の方が強いのかもしれない。

それでも少しずつ影響は出ているのか、たとえばアネッサは「身体が変になってきた」と語る。
いよいよこの世界そのものが危うくなっている証拠なのか……?


そんな怖くてたまらない状況なのに、仲間たちは無理やり己を鼓舞して、シドーのことをまず心配してくれる。
良い奴らだ……。本当に、良い奴らだよ。
普通っぽくて大して強くもないポンペさえ、破壊神だったシドーのことを「トモダチ」と今でも言ってくれる。もう一度会いたいと願ってくれる。
マジで嬉しいな……。シドーもきっと喜ぶと思う。















『決戦直前』ともいえるこの場面、それぞれの土地の仲間たちが話してくれる台詞のひとつひとつが本当にスゲー良い。
モンゾーラやオッカムルで作ってきた仲間との絆や培ってきた日々が、今の主人公にとっての強さになる。

ビルダーズ1のラスボス戦でも次々に仲間が援助してくれるイベントがあったけど、あれも良かったなぁ……。こういうのってシンプルに超熱い。泣ける。
そして今回は、直接の戦闘支援はできずとも、からっぽ島の仲間たちは『帰る場所』として主人公とシドーを支えてくれる。こういうのも超良い。号泣する。
コイツらの傍に、絶対に帰ってきたい……。そしてコイツらを守りたい。
そして、絶対にシドーを、この場所に連れ戻してやりたい。















誰よりも主人公とシドーを理解していたルル。
いつでも真っ先に二人の味方になって、二人のために怒ったり、二人を叱ってくれていた。
彼女はいつだって留守番組で、戦闘に参加することさえままならない。
まさに『帰る場所』代表でもあった。それをルルも気に病んでいるようだったけど、主人公やシドーにとっては、嬉しくて安心できる存在だったのだと思う。

今日もまた、ルルに「いってらっしゃい」と背中を押されて、主人公は旅立つ。
今回の旅立ちはひとりだけだ。とても寂しく、正直辛い。不安がいっぱいだ。
でも、ルルやチャコたちのために、もうちょっとだけ頑張ってみよう。
絶対に、シドーと一緒に、ここに帰ってこよう。







最後の地

踏み外す瞬間





暗闇の中で、シドーを操作する短いシーンが始まった。
シドーを動かすのは完全に初めてかな?
興味深いけど、楽しんでいる場合でないことくらいはわかる。
相手は弱いスケルトンばかりで、慣れないシドーでの戦闘に苦戦することはまず無いけど……。















ハーゴンお得意の精神攻撃。
だがこれは……エグい。
疑うことが得意でないシドーには致命的だった。
ハーゴンとは異なる、自分の中のもうひとつの声』がどんどん膨らんでいき、ハーゴンや他者へ向けるシドー自身の憎しみも増していく。




















禍々しく輝くシドーの身体から巨大な腕が現れた。
宙を引き裂きながら暴れる腕。荒廃した奇妙な色彩の大地と、『破壊天体シドー』の表記……。
ついに最後の冒険が始まった。