ランス6 プレイ日記147(完) 色あせない名作




ランス6プレイ日記、最終回!

じっくりゆっくりと書き続けてきたこの日記も、やっと完結だ。
プレイ日記119 本編シナリオ完結! そして挑戦へ…」では書ききれなかったゲーム全体の総括も付け加えている。

『ランス6』は私が語るまでもない名作だけど、シリーズが完結してランス10をクリアした今改めて遊んでみると、以前とはまた違った面白さや楽しみをたくさん見つけることができた。
苦手な凌×にも思い切って覚悟して踏み出して、ランスシリーズに触れてみて本当に良かった……と過去を振り返る。あの時の俺、マジでGJ。

 





※シリーズ最新作等のネタバレを含む可能性があります







とるぅえんど(完)











グリーン屋敷にある、ランスの部屋を訪れたのはウルザだった。
アイスフレームの隠れ里に彼女が訪れるだけでも久しぶりだ。
マジックにそろそろ戻ってくるように伝えるのと、ダニエルのお墓参りのためにやってきたらしい。
まだまだ混乱の続く首都だけど、それくらいの余裕が出来る程度には落ち着いてきたってことか。
ヨカッタヨカッタ。
ウルザでさえそうそう動けない状況下、アイスフレームでキャッキャしている王族親子の話はするな。

そんなウルザに、「俺もそろそろ自由都市に戻るつもりだ」とランスは話す。
ゼスに戻ってきたのはあくまでも“やり忘れた事”を回収するためだった。
血まみれ天使も倒し、ユズたちも平らげ、アベルトも成敗し終えて……もうやるべき事はほぼ残っていない。















帰る前に××しよう、とランスが言い出すと、ウルザはこんな反応を示した。
……イイ。
最初は無言で黙り込んで、(あっ、怒られるかも……)という不穏を煽っておきながら、「もうー…」とちょっとだらしない口調で笑ってくれるのがメチャクチャ良い。キュンキュン来た。
『立ち上がって』以降の強くて隙が無くて侮れないオンナ・ウルザとしては、そうそう見かけることのないタイプの反応じゃないか?
なんだかスッゲー『普通の女の子』っぽい。ヤッベ、超良い。ヤッベェ。










プレイ日記104 それぞれの準備状況」で断られた時は、「自分の意思で、この人ならば……という時がいい」「今は、それはランスではない」と語っていたウルザ。
その後も、アベルトの罠にハマった結果、仕方なしにランスと行為に及んだことはあった。

だが今回は……そういうことで良いんだな!?
「自分の意志でこの人ならば」と思ったってことだな!!??
自分にも他人にも、特にランスに対しては厳しいオンナなので素直に明かしてはくれないけど……つまり、そういうことなんだな!!??(うるせぇ)










立ち上がった“本来のウルザ”と初めての××。
それを皮切りに、仲間の女の子たち一人一人と丁寧に別れの挨拶(?)を交わしていく。
『総まとめ』的な雑さは否めないが、これはこれで良い。
きちんとそれぞれの女の子との別れ方の違いだったり、今後の関係や展開も察せられるテキストだったりが用意されているので読み応えがある。

ほとんどのキャラはコメディチックなんだけど、リズナの反応はちょっと切ない。
そんなションボリしないでくれ……。リズナは笑っていてくれ……。










一人だけ、流れガン無視で終わる志津香も『らしく』て良い。
もちろん悔いが残らないと言ったら嘘になるけどッ……!
でも、その貴重さと頑なさに惹かれたのも事実ッ……!










そして最後には安定の奴隷。
最中に、ランスが珍しく不安めいたものを垣間見せるのが興味深かった。
こういう場面を見ていると、改めて「ランスにとってはシィルがヒロインなんだな」と再確認してしまう。
当たり前の事実であって、今更確認するようなものでもないのだけど……「シィルはランスシリーズのヒロインである」以上に、「シィルはランスのヒロインである」感じがするというか……。
このあたりは言葉のニュアンスが難しい。魂で感じ取るしかない。


シィルは大事な言葉を口に出せることなく、ランスもシィルに優しくはないまま、ランス6という物語は幕を閉じる。
ゼスという国や関わる人々は大きく変化したけれど、ランス個人やシィル個人、彼ら二人の関係に大きな変化は生まれない。
まだまだ彼ら自身の物語は続いていく……。そんな『続く』こと自体に、プレイヤー目線ではちょっと喜びを感じてしまったりもするのだった。







おわり






長きに渡って続けてきたランス6プレイ日記、これにて完結だ。

ランス10をクリアしてしまった楽しさや、ランスシリーズへの感謝。ゼス自動開放に燃えまくっただとか前からずっとやりたかったとか……あのタイミングでランス6を再度プレイした理由は、色々ある。
しかし何よりも大きかったのは、「ランス6が好きだから」だった。
まだ未プレイの作品もあるので断言できるほどのことではないかもしれないが、私はプレイしてきたランスシリーズ内で、1・2を争うくらいに『ランス6 ゼス崩壊』というゲームが好きだ。










もちろん、マイナスな点が無いわけではない。
イラストは美麗だけれどさすがに少し年月を感じるし、玉システムやセーブがやや不便なことなどシステム面にも好き嫌いが別れる部分はある。
RPGはじっくり遊ぶのには向いているけれど、夢中になるほどの中毒性はない。ボリュームが多く、繰り返しプレイにはあまり向いていなかったりもする。
「ゲームとしての総合バランス」ならば、私が遊んだ中ではやはり戦国ランスがトップという印象だ。










そんな色々なマイナスを先に挙げて、踏まえて……それでもなお、私はランス6がメチャクチャ好きだ。
今回プレイし直して、改めて度々実感した。

ストーリーが好きだ。
中盤からの怒涛の展開には、喜怒哀楽様々な感情を抱いて、燃えに燃えた。
クリア済のゲームで、流れは知っているはずなのに、手が止まらなくなったほどだった。

キャラクターが好きだ。
ランスという主人公、ウルザという本作のもうひとりの主人公が好きなのは言うまでもないが、シィルや志津香たちヒロイン級も、ロッキーやプリマたち仲間キャラクターも、キムチさんやダニエルといったメインキャラも、ドルハンやフットのようなサブキャラも……。
そしてシナリオや戦闘においては敵側になるオーロラやジーク、カミーラたち。そしてそして、ネタバレになる最後のあの男も、決して許せない憎むべき相手であると同時に、独特の魅力があるキャラクターとして認めざるを得なかった。

細かいテキストも好きだ。
拠点フェイズに現れるたくさんのイベントは、仲間キャラクターひとりひとりを丁寧に掘り下げてくれた。
面白いコメディがあれば女の子がかわいい話もあり、たまに切なかったり少し悲しかったり、どれもこれも本当に楽しかった。
イベントのためならば玉の一個や二個、なんてことない。……というのは少し強がりだ。


数年ぶりのプレイだったため、細かい点をかなりうろ覚えだったのも、遊ぶ上では良い方向に働いた。
我ながら、ビックリするくらい全力で楽しんでしまったぜ……。
新作ゲームじゃあるまいし、どんだけ熱中してるんだ俺は。










ランス6は、決して「終始楽しい!」というゲームではない。
メインストーリーは苦しいことも多々あるし、中盤のランスの行いなどは、結果的にも作中でも許されたとはいえ、モヤモヤする部分も正直無くは無い。
マジノライン完全停止までは、辛いことが本当に多かった。ランス周りのこと以外でも、パリス学園などゼス各地で起きた暴動は、わかっていたけれど心苦しかった。
だが、そんな辛さや悲しみを積み重ねて、ウルザが立ち上がった時のあの高揚は……やはり、筆舌に尽くしがたい。










怒涛の勢いで変わっていく情勢、世界、環境。
絶望的な状況のはずなのに、それでもどこか希望を感じる、脱出集団キャンプの日々……。

ゼス城でウルザは「非日常だから」だと、言っていた。パニックの中で、城内に入る条件でもあったことから、表面的であっても魔法使いと非魔法使いは手を取り合うしかなかった。
それでも、そこには確かに光があったと感じた。ずっとずっと、ランス6が始まってから長い間、まったく見えることの無かったものが、ようやく見えた瞬間だった。










ランス6は闇の多い物語だった、ともいえるのかもしれない。
だからこそ、光が本当に眩く見える。

立ち上がったウルザに見える希望。
カロリアの笑顔と、彼女に手を差し伸べる仲間の優しさ。
過去を乗り越えてシィルたちに心を開いたロッキー。
ただの学生意識だったマジックは少しずつ色々なことを学び始め、王族や四天王としての自覚を持つようになった。
キムチやカーマは優しくてあたたかくて、いつでも守りたい場所で帰りたい場所だった。

そして、誰よりも無茶苦茶をするけれど、誰よりも強くて頼りになる、全てをぶち壊してくれる主人公、ランス。
ランスこそが、全ての光を繋ぐ男だった。
もちろん色々な闇の原因でもあるので、マッチポンプというか自分で付けた火を消している感は否めない……というか実際にそうではある。
しかし、最後までランスは揺るがなかった。
大して後悔もせず反省もせず、まともに謝ることもないどうしようもない男ではあるのだが、それでもランスは紛れもない、間違いない『英雄』たる器を持つ人物でもあった。

多くの女を泣かせるけれど、最後には多くの女の運命を変え、笑わせることもできたランス。
『最後のあの男』とも、色々な面で対照的で、少しずつ似ている。
だからこそ、ランスがあの男を「許せない」と言い切り、否定しきってくれたのは痛快だった。










ランス6は2004年発売のゲームだ。
わりと最近じゃんって老人の俺は思ってしまうけれど、実は15年近く前の作品だ。ウッヒャ~、時の流れが早すぎてドン引き。

グラフィックサイズやシステムなど、色々な面はやっぱり正直ちょっと古い。
それでも、今でも十分に戦える超名作に間違いない。
改めてそう実感した。

本当に最高の作品だよ!
凌×や暗い展開に一定の耐性がある成人には、本当にオススメしたい。
ゲーム史に残るかはよく知らんが、少なくとも俺史には間違いなく残った素晴らしい作品だ。