ドラゴンクエストビルダーズ2 プレイ日記080(完) 希望と可能性に満ちた夜明け




ビルダーズ2メインシナリオ感想、最終回!

『メインシナリオ』はこれで完結になるけど、ゲーム自体の面白さとしてはむしろここからが真の本番だ。
からっぽ島をどんな形に作っていくのか?
物作りの舞台はからっぽ島に留まらず、新天地『かいたく島』もあれば、あえてメインシナリオの舞台だった土地に戻って各拠点を作り直すのも良い。
「できること」も「やりたいこと」もまだまだたくさんある。それらを思いつくための経験や知識・キャラや世界への愛着は『メインシナリオ』を通じてたっぷりと教わってきた。
そしてDLCや無料アップデートで、更なる新規要素も続々と追加されていった。

“クリア後”の建築生活については、ほぼ記録を取っていなかったので、日記としてはあまり残せない。
そのうちテキストオンリーで、“延長戦”しても良いかもしれない……が、画像ナシだと難しいかな。
もしくはPC版でやり直すことがあれば、『二回目のからっぽ島開拓日記』として新しい記録を残すのもいいかもしれない。

 







世界を作り、運命を壊した

創造と破壊はトモダチだ










仲間ひとりひとりと会話を終えて、最後に話しかけるのはシドーだ。
彼は改めて主人公に御礼を言う。だがシリアスな空気を引きずるわけでもなく、すぐにいつも通り快活に笑った。

楽しい冒険だったな、と改めて思う。
シドーとデコボコなコンビを組んで、世界中を駆け巡った日々は本当に楽しかった。
時には悲しい事や辛い事もあったけど、最後に残ったのは素敵な思い出ばかりだ。







明るい世界で皆と共に










世界に光が広がって、仲間達が笑う。
そしてルルもシドーも主人公も、笑っていた。

とても明るい世界だ。
破壊天体も帰還後のからっぽ島も、ずっと暗い場所だったので、この明るさが猶更目に沁みる。
本当に心地の良い青空だった。

その思い出を刻み込んだように、クリア後のオープニング画像も『青空のからっぽ島』の光景に変化して固定化される。
どこか寂しさと切なさを感じさせる黄昏じみたオレンジ色も美しかったけど、やっぱり青空っていいな。
未来と希望と可能性に満ちている、まさに新しい日々が始まった……といった気分だった。







これからも続く日々





どこまでも明るく前向きなエンディング。
ドラマチックな別れや劇的な結末……というわけではない。
『ハッピーエンド過ぎる』みたいな言い方もできなくはないだろう。
明るすぎて、希望的過ぎて、情緒がないとも思う。
良い意味でのトラウマもほぼ残らず、犠牲も少なく、我々が想像していた通り……もしくはそれ以上に優しい結末だった。

だが!
それがいい!
それでこそいい!!


切ない結末やちょっぴりダークなエンディング、はたまた想像に任せる余韻に満ちたエピローグを否定するつもりはない。
たとえばDQB1のエンディングは、傾向的にはそういう系だ。あれはあれでとても良いエンディングだった。

でも本作には、少なくとも私個人は、そういったものはあまり望んでいなかった。
本作の主人公だった『ビルダー・ルル・シドー』の三人には、明るくて希望的でくだらなくも騒がしくて幸せな、そんな結末こそが似合うと思っていた。

だから今、本当に嬉しい。
まるで何事もなかったように……と言うと語弊があるかもしれないけど、ともかく「今までとほぼ変わりなく」日々が続くことが単純に嬉しい。
ビルダーやルルやシドーや、からっぽ島の仲間たちは、これからも物作りの毎日を送っていく。その日々をプレイヤーは『もうちょっと遊び続ける』ことで覗くこともできるし、満足して二度とゲームを起動しなくなったとしても、彼らの楽しい未来が続いていくことを知っている。

エンディング後に広がるのは、可能性と希望に満ちた新しい世界だ。
ゲーム内の世界観としても、ゲーム外でのプレイヤーの遊び方としても、まさにそんな感じだった。







おわり





これにてドラゴンクエストビルダーズ2プレイ日記、無事に完結だ。
ゲームのオマケエピソードやアップデートでの追加シナリオも色々とあるのだけど、細々と感想を書くのも冗長過ぎる気もするのでやめておこう。
どれもこれも超良いオマケだ。その上で、ゲームエンディングで味わった爽やかな希望の気分を損なうものでもない。










ビルダーズ2は本編が完結しても、ゲーム自体の魅力としては半分を味わったに過ぎない。
ここからは存分に物作りをしたり、建築に勤しんだり、町や国を作ろうとしてみたり……プレイヤーそれぞれが好きなように、開拓を広げていくことができる。

その場にはシドーが居て、ルルが居て、多くの仲間達がいる。
建築に夢中になってしまえば時に彼らのことを忘れてしまうけど、ふと思い出した時に「アイツに新しい家を作ってやろうかな」とか「ああいう施設があれば、コイツらは喜ぶかな」なんて、次の開拓のアイデアに繋がったりもする。
本編シナリオで、彼ら個人への愛着が十分に湧いたからこその感覚だ。
DQB1のフリービルドでは味わい辛かった、『お気に入りのあのキャラと一緒に暮らす嬉しさ』を、自由なタイミングで好きなだけ楽しむことができる。この点は本当に素晴らしい要素だった。










DQB1の『各章ごとの出会いと別れ』や、『荒廃した世界でのシリアスな日々』も、あれはあれで素晴らしかった。
ハードな設定だった前作に比べると、本作は戦闘の難易度のみならず色々な面が易しくなっている。ストーリーの構成も優しかったし、まぼろしの世界とは思えないほど明るく楽しい雰囲気だったり、各章の出会いがそれきりにならない要素だったり……。
そのあたりについては、どちらが良いのかは「好みで変わる」と言い切ってもいいだろう。
個人的には、シナリオや世界観の完成度で言えば、前作の方が優れていたかなとも思う。
とはいえ、本作の空気や結末も別物としてメチャクチャ好きだったので、やっぱり「好みで変わる」「その時の気分で変わる」「どっちも違って、どっちも超良い」でいいのかもしれない。










DQB2の良さについては……今までも事あるごとに散々語ってしまったので、今更並べ直すのも難しい。
シナリオ面についてざっくり言ってしまうと、『バランスとフォローが抜群だった』って感じになるのかな。
マギールさんや船長の扱い方は、特に後者については前のめりになる勢いで「すげええぇぇぇ!!??」ってなった。マジで。
ワンチャン夢見ていたけど、ほぼ無理だろうと思っていたので、ガチで驚いたし喜んだよ。ハシャぎにハシャいだ。
その後、箱舟組の魔物たちと再会できなかったのは正直辛かったけど、アップデートでも最後の最後にサービスが用意されたので、結局は大喜びの大はしゃぎだった。夢が叶いすぎて怖い。幸せ過ぎてアタシ、怖いの。


シドー周りの展開には多少強引さとストレスを感じないでもなかったが……結末が心地よかったので、最終的には「ま、いっか」と思った。
喧嘩期間の長さやギスギス時期はなかなかの苦痛だったが、シドーを掘り下げるうえでは避けては通れなかったものだとわかっている。
逆に言うと、そこまでやらないと、シドーの絶望と正体が陳腐なものになりかねないしなぁ。きっちりと落とし切る必要があったのだと、今ならば理解できる。それでもプレイ中は辛かったけど。

そして、最悪の場所まで落ちきったからこそ、結末が明るく優しく都合の良い『ハッピーエンド』で締めくくられることへの説得力にも繋がったんだろうな。
あれだけ苦しんで、さよならエンドだったら、きっと納得はできなかった。逆に全然苦しんでもいなかったのにハッピーエンドでは、破壊神としての格と質に関わってくる。










『創造と破壊』のテーマとしても、最終的に世界をビルダーと破壊神で「作り直す」結末は良い纏め方だった。
破壊神が創造に手を出す、という意味でも象徴的だ。更に言えば、そもそも幻の世界自体、破壊を崇めるハーゴンが“創造した”ものだった。
世界観の根底からして、創造と破壊が「単に対になるだけではない」ものとして描かれ切っていた。

そして散々悩んだ結果、メタッツが言ったように、【トモダチ】という言葉に纏められるのも単純に気持ちが良い。
最初から、あっという間に友達になってしまったビルダー&シドーの関係性も伏線になっている。
うーん、改めて振り返ってみても、伏線の張り方と回収の仕方がいい。爽快感さえあるのに、ちゃんと練られている。


あと、前回にも散々言ったけど、「キャラそれぞれに話しかけられるタイミング」が多かったのもよかったな~。
キャラも立つし、それぞれ登場人物個人の物語が進行していくことにも繋がる。
特にエンディング直前の色々はサイコーだった。マッシモのことは永遠に忘れないだろう。

そういう意味では、各地拠点や素材島勧誘系のモブ住民に個性がほぼ無かったのは少し残念だった。
特にムーンブルクあたりは人数がヤベーので、キャラ分けなんてしてる場合はなかったんだろうけど……そんな奴ら全員のキャラ付け&台詞まで用意され切っていたら、もはや脱帽を通り越してハゲてたと思う。










ストーリーについては散々触れたので、今更だが物作り面について。
こっちも前作に比べると進化しまくっていたので、もうどうやって纏めればいいのかわからん……。
ともかくサイコーだった。コテ範囲や纏め置きなどについて、もうちょっと改善してほしいと思わないでもないけど、前作からの進化点と改善箇所が多すぎて、感謝することの方が多すぎる。
マジで前作に戻れなくなってしまいそうで怖い……。前作も超名作だし、何度でもやり直したい作品だったけど、メインシナリオはさておきフリービルドはもう出来ないかもしれないな。でもそのうちもう一度やりたい。

前作のフリービルドには嵌れなかった人でも、本作のからっぽ島ビルドには嵌れるのではないだろうか?
私はどっちも嵌った性質だが、やっぱり今作の方が圧倒的に時間を費やしたなぁ。
マジでいつまでもやり続けることができる。楽しい。チョー楽しい……。










事前の期待を裏切らないどころか、期待よりもはるか高い地点に到達する名作。
ドラゴンクエストビルダーズ2は私にとって、前作をも上回る完成度と熱中度を誇る超神作だった。

胸を張って、人に勧めることもできる。
本当に良い作品だった。
次回作はもちろん楽しみにしているけど、たぶんまだまだ、本作も遊び続けるんだろう。
PC版の購入もわりと真剣に検討中。