イブニクル2 延長戦 もしもの主人公とヒロインたちの珍道中




今回の記事には、イブニクル2における重要なシーン・重要なネタバレが含まれます。
ご注意ください。

 





※イブニクル(1)とランスシリーズのネタバレを含む可能性があります







もしもディスク

プレイに向けて





イブニクル2クリアを記念して……今こそ封印を解く!
アリスソフトの公式通販特典だった『イブニクル2の主人公がランスだったら… もしもディスク』解禁の時だ!!


2本編クリアから少し間を置いて、早速プレイ開始&終了。
のんびり読み進めていたからか、意外とボリュームがあったような気もする。プレイ時間、二時間~三時間くらいだろうか?

ゲームとしては本編と違いランスが最初から強化された状態で始まるので、雑魚・ボスすべての戦闘はオートで終わる難易度。
ショップやレベル屋も用意はされているけど攻略のために使うわけではなく、専用のテキストを読むための場所といった感じだった。
本作のキモは『テキスト』! それは最初からわかりきっていたことではあるし、発売から数年経っているだけあってちょくちょくネタバレっぽいことも少しだけ耳にしたことがある。エピデの変わりっぷりが凄いとか、ランスファンのあのキャラも登場するだとか。

それでも、ある程度知っている状態でも楽しめる内容ばかりだったし、ランスシリーズ好きのユーザーへのファンサービスとしても良いものだった。楽しかった!
ちょいメタ寄りな視点が多いのは人によって評価が分かれそうだが、まぁそもそもこのオマケディスクの存在からしてメタメタなのでしゃーないっすわ。










まず、タイトル画面からクソコラでワロタ。嵌め方が雑ッ!
ランス10での健太郎君事件を思い出す絵面ですね……。あれは酷い事件でした。むしろ今回以上に酷いクソコラでした。

このオマケディスクでは通常版のCGをそのまま使いまわしているシーンがいくつかあったのだけど、そもそもアスタ・ランスの肌の色が違いすぎて××シーンは違和感がスゴくてまた笑った。
肌の色を調整し直すとか面倒くさいから仕方ない。労力に見合わん。
だがほぼ使いまわしorクソコラかと思いきや、気合の入った描きおろしも用意されていたのには驚いた。
マジかよ! テンション上がったぜ!!
でもコレクション機能がないせいで、シーン読み直しやCG差分観直しが出来ないのが惜しい。セーブはこまめに取ろう。







医者(笑)ランス










私は『1』のオマケディスクは未プレイ。
なので、本ディスクの設定やノリの方向性についてもほぼ情報ゼロの状態で遊び始めた。

まず驚いた&愉快だったのが、タウロスとランスが真っ当(?)に祖父・孫の関係になっている点。
タウロスみたいなジジイとランスって、噛み合わなさすぎて逆に相性が良い。個人的にはランス6のダニエルを思い出したけど、ほぼ肉親な今回の設定のタウロス&ランスはもっと仲が良い(悪い)感じでもある。

あと、アレクの背景設定や素性をそのまま引き継いでいる以上は仕方がないのだけど、ランスの設定がちょくちょく「似合わねぇ~」って感じでともかく笑ってしまう。
もっと根本的なことから言うと、そもそもランスの立ち絵がランス10仕様なのが超合わない。
立ち絵は既に貫禄溢れる凄腕冒険者で世界総統な雰囲気なのに、設定の中ではド田舎の医者モドキ・経験人数一人ってのがもはや違和感どころの話じゃなかった。
この設定!! 無理がある!!!(※超今更)















最初のうちは違和感に片っ端から笑っていたが、サブヒロインたちと知り合うようになってくると、ちょっと空気が変わってきた。
『アレクがランスに変わっている』違和感による面白さが、気付けば『ランスによって世界が変わっていく』興味深さになっていく。

マキナだったりコーラスだったり、本編での対アレクだと優しく好意的に接してくれることの多い女性キャラクターたちが、ランスのハチャメチャさにドン引きして“素”を出していくのがまず楽しかった。
キャピキャピ接客ギャルモードを崩されて、笑顔で「もー来なくていいぞー」と言っちゃうマキナとかすごく良くない? こういう対応超好き。
コーラスも、本編では出番の少なさもあって描き切れなかった魅力みたいなものがガンガン補完されていく。
良いツッコミ役だ……! ちょっと不憫で振り回されている感じも、あえて例えるならかなみポジションっぽくて馴染む。















そして本作(オマケディスク)のメインヒロインの一人、エンデ!
エンデとランスの相性の良さについては、予想通りというか予想以上というか……ともかく良いな!!

もちろん本編通りのアレク&エンデの関係性も良かったけど、『無垢な少女がヤンチャ坊主に振り回され、人間らしくなっていく』ランス&エンデの関係性も超王道。
むしろここだけランスシリーズになってもおかしくないなってくらい綺麗にハマっていた。

エンデと旅したり色々な場所に行ったりするのを本編中にも夢見ていたので、それが短い間でも実現したような今回のシナリオは単純なエンデファンとしても胸熱。
ちょっとした日常、平穏や自然に喜怒哀楽していくエンデの姿が眩しい……。それでいて、ガキ大将なランスにいじわるされて拗ねたりイタズラの真似っこをしたり、今までには無かったであろう新たな感情もどんどん見せ始める。
全部尊いっつーの。甘酸っぺぇ~! 幸せになれ~!!















そしてそして……本作のメインヒロインの双璧!
いやむしろ、メイン中のメイン!!
来るぞッ!
エピデの全力の「ヒロインぢから」だッ……!!!

これも実はちょっと噂には聞いてしまっていたので驚きはなかったのだけど、経緯とオチが想像以上に説得力と納得感に溢れていて、笑いつつも感心してしまった。
コーラスとはまた違う意味で、本編の良い補完になっている。エピデの新たな可能性、もしもの未来を見ることができて、物語としても面白かったし何よりも嬉しかった。

本編で、アレクとの関係は「ざまーみろ……」で終わってしまったエピデは、結局最後まで幸せになることはできなかった。多くの罪があるし、当然の報いでもあったが、やはり悲しい終わり方でもある。
そんなエピデが、本編では結局知ることのなかった新たな願いを抱いて、それでいて彼女らしい悪辣さやエグみすらそのままに、ランスの隣でニコニコしていたのがともかく見ていて嬉しかったなぁ。
なんか……良かったな~。

……と、ほっこりしているプレイヤーがいる一方で、エンデが素直に「ゲボ吐きそう」と言い切ってたのにも草。
うん。まぁ、そりゃそうだ。







駄目だこりゃ










最終的には巻きも入り、反面教師の嵐で本編とは真逆の立ち位置での決戦(?)になってまたクソワロタ。
本編の展開ありきのパロディ、メタコメディではあるのだけど、ランスの正論とツッコミがやけに気持ちいい。
……いつの間にか、ハーメルンの方がこの世界のアレクポジションに収まってない?
もう無茶苦茶だよ。マザコンババコンがここで活きてくるとか知らねぇ~~~!

オチに持っていくための唐突な善人化には草生えたが、シャクトリみたいな小物キャラってランスと並ぶとやけに輝いて見えるんだよな……。
雑に扱われる太鼓持ち小悪党として、それこそ本編よりもキャラが立っていたような気もする。










ってことで、本編クリア後のオマケだからこそのやりたい放題シナリオだったが、案の定楽しかった。
コーラスやエピデといったキャラクターの補完っぷりについては、もはや予想以上とも言える。こんな可能性があるとわかっただけでも良かった。
カノあたりにとってはかなり可哀想な結末だったが、彼女たち正統派ヒロインではないエンデ・コーラス・エピデが嫁枠に収まっていくという流れも読み物として面白い。何より単純に、彼女たちとの旅路がそもそも新鮮で楽しかった。
ヒロインの人数を考えると、もう一人は欲しかったかもなぁ……。ヒートとか正直期待してたんだけど、まぁ尺にも限度があるのだろうし仕方ないか。

世界を救う“劇薬”ってのも、いかにもランスらしい〆方。ってか前にも聞いたことあるな、その扱い。
マッチポンプっぷりといいタウロスのことといい、ランス6好きとしてもちょくちょく懐かしい感じがあって楽しかった。
ともかく、面白かった!