FGO第二部 Lostbelt No.6.5 プレイ日記15 名探偵の敗北と勝利



プロローグにて語られていた『完全な人間についての考察』の真意。
振り返れば、今までシオンは何度も何度も、雑談めいた形で警告……ではなく、「細やかな気配り」をし続けてくれていたんだな。
彼女にしばしば見受けられた奇妙な言動も、ホームズへの気配りと彼女の正体が理由だったのだろう。
今回得た様々な情報を踏まえて、過去の描写を一通り再確認しに行きたい気持ちもあるが……。
……しばらくは無理だろう。しばらくはこの喪失感から、そう容易くは立ち直れそうにない。



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※本記事ではサーヴァントの真名を表記しています









名探偵に隠された“謎”

「誰があなたを召喚したのか」




夢のような曖昧な空間で、ホームズに致命的な質問を投げかけるモリアーティ。
その姿格好は、先ほどまで戦闘していたモリアーティとは大きく異なり、道化めいたメイクもないしベストといい持ち物といい、不気味なほどに“ごく普通”の学生じみている。
……よく見ると、そもそも顔立ちや立ち絵の角度からしてまるで違うか? これが彼の第一再臨なのだろうか?
こんな服装でメイクもオフだと、マジで普通の善良な一般市民にしか見えない。そこが彼の恐ろしさでもあるのかもなぁ。







モリアーティが問うたのは、今まで幾度となくホームズに投げかけられてきた疑問だ。
ほとんどの場合では答えは明言されていなかったような気もするが、それっぽい回答は一応用意もされていた。だが妙に腑に落ちないというか、それにしても何度も繰り返されるのが意味深すぎるというか……ともかくずっと、なんとなく落ち着かない感覚があった。

その“それっぽい回答”について、「つじつまを合わせていた」と表現されたことで、ようやく合点がいく。なるほど確かにそんな感じだ。だからこその落ち着かなさで、気持ち悪さだったのだろう。
ホームズとて決して誤魔化していたわけではなく、本気でそう考えて、半ば自動的に彼も周囲も“それっぽい回答”に誘導され続けていたのかもしれない。





最初の使徒






第四特異点の時点で、早くも後に来る白紙化の危険性さえも読み取っていたバベッジ卿。
有能! 格好いい! フーッ!!(※唐突なバベッジファン)

ホームズは彼の依頼を受けたからこそカルデアに接触を取り、やがては多くの問題を共に乗り越えていく仲間になってくれた。
だがバベッジ卿の更に以前からの依頼者、すなわちホームズにとっての真のマスターの正体は……。
……明かされた真実に対し、ホームズはわかりやすく驚いたり嘆いたりはしていなかったが、少し疲れているようにも見える。









不自然なことや疑問があっても、アラフィフやカドックが警戒していても。今までのホームズの献身も信頼も本物にしか見えないからこそ、積極的に彼を疑いたくはなかった。
だがそんな我々の愛するホームズが、シャーロック・ホームズにとっては『己の信条を裏切るための、不細工なカバー・ストーリー』によって作り出されたものだという事実は、ある意味では真実以上に残酷だった。

そんな絶望的な真相に辿り着きながら、それでもホームズは我々に更なる助言を残してくれようとする。
情報を口にしようとした瞬間に体は弾け、彼の言葉のほとんどは我々の耳には届かなかったが、最後までホームズが我々に真摯であったことは疑いようもない。
たとえどんな真相と正体があったとしても、それでもホームズは我々の大切な仲間で、彼にとっての我々もそうだった。





或る名探偵の敗北




紳士らしからぬ、名探偵らしからぬ見落としの数々。
その理由が、彼自身の記憶封印による効果以上に、「楽しくて、あまりに名残惜しかったから」だったと他でもないホームズ自身のモノローグで表現された瞬間、一気に涙腺にきた。
なんだよ……。あんなに冷静で、時に残酷で、しばしばとても楽しそうにしていて……その根底にあったのが、そんなにも人間くさくて弱っちい感情だったなんて、ズルすぎるだろう。

ホームズの信頼も親愛もわかっていたつもりだったけど、きっとわかっていなかった。
彼がここまで感情的で幼稚な言葉を選ぶなんて、恥ずかしすぎるじゃないか。アラフィフにバレたらめちゃくちゃイジられるぞ?
そして恥ずかしいからこそ、これが本当に最後なのだと思えてしまう。
やめてくれよ……。本当に…………。









徹底的に敗北したはずなのに、笑顔で消えていったシャーロック・ホームズ。
彼の言葉も感情も他人にはほぼ届かなかったはずだが、そのあまりに晴れやかな最期を前に、モリアーティは勝利を喜ぶどころか不吉な予感に顔を顰めていた。

……そんな彼に届く声。
ホームズが消えたこのタイミング、記念すべき『モリアーティ勝利の時』を前に現れるとか、性格が悪すぎてとても良い……!
自分自身であるはずのモリアーティに寄り添うわけでもなく、もちろんホームズのほうに同情するのでもなく、一歩引いた視線で助言を残していく格の高さと底の知れなさと来たら!

ここのやりとりで改めて、モリアーティ(弓)の格好良さと恐ろしさに痺れた。
そして同時に、時を操る女神の力を行使する恐ろしき『異星の使徒』であるはずのモリアーティ(裁)の限界のようなものが見えてしまった気がした。





モリアーティの運命

傲慢な若者の提案




ようやく明かされる、モリアーティのもうひとつの『目的』。
以前に彼は「和解はない」と断言していたけど、和解ではなく支配ならアリってことか?
主人公の存在を徹底的に無視している点及び、大事な仲間であるホームズを奪っていった点で、どうしたってモリアーティの提案には反感を抱かずにはいられないが……。
……しかし、なぜ? なぜこんな厄介事をわざわざ請け負おうとする?
もしかして、本当に単純に、“やってみたいから”だったりするのか……?

「モリアーティ」という名のバックグラウンドの強さと知名度の高さ、異星の使徒としての能力の高さから、我々はどうしても彼のことを『謎が多く、底が知れないミステリアスな強敵』と捉えずにはいられず、警戒し続けていた。その評価が間違っていた、というわけでもないだろう。
だが、ホームズに勝ちはしたものの腑に落ちず、アラフィフに不吉なアドバイスをされた今の彼は、そういった外側の装飾がどんどん剥げていっているようにも見える。
思えばホームズは、モリアーティのことを「若く、荒々しく、深慮で、だが傲慢」と評していたっけ……。なるほど確かに。





ライヘンバッハを越えてしまった結果




才能に溢れ、後付けで運命の女神の力さえも手に入れた傲慢な青年。
……こんな男に、契約も運命もやりたい放題の三女神を組み込むとか、異星の神は何を考えていたんだ? リンボですら数年(複数異聞帯)は比較的真面目に働いてたのに、コイツってば登場即裏切ってるぞ……?
それともモリアーティの行動すら、異星の神の想定通りだったのか……。









ホームズという強敵を失ったことで運命の強度が落ちてしまったモリアーティ。
試合に勝ったが勝負に負けた、といったところか……。でもホームズ目線ではカルデアさえ勝利してくれればオールオーケなので、結局モリアーティはいまひとつ格好がつかない。
ともかくこれが最終決戦!
この物語における最後のボスは元『異星』の使徒、モリアーティ(ルーラー)だ!!

ルーラー相手となるとアヴェンジャーを引っ張り出したいところだが、今回のバトルはNPCシャルルマーニュとマシュをスタメン強制されている。
ひとまずアヴェンジャーには後衛で待機してもらって、しばらくそのまま戦ってみたところ……。特殊バフの効果が予想以上に強力だったからか、ほぼ最後までスタメン三人で戦い抜くことができてしまった。
持ってて大正解、必中・無敵貫通礼装。

ブレイクの度に強化どころかやや弱体が進んでいくのも物悲しい……。
大ボスとしてのモリアーティは決して弱くはない相手でもあったと思うが、ここまでの戦いを乗り越えてきた我々の敵というほどでもなかった。





青二才、もうちょっと足掻く






アラフィフとの自問自答の中でようやく敗因に気付き、己の負けを認めたモリアーティ。
戦闘前までの余裕は吹き飛び、すっかり限界ギリギリの命になってしまったが……ここで最後の一手として、彼は予想外の行動に移る。
……よ、よくやるな!? いや、ここまで堂々と出来るのなら、むしろ格好いいけどさ!?


ここに来て仮面が完全に剥がれ落ち、評価は失墜した……ように見えて、実際は一皮むけて成長したのかもしれない。
傲慢な青二才を貫くのなら、プライドを捨てる勇気を持てないままだったなら、きっと彼はこんな行動を取ることはできず、無念と悔恨の中で消えていくだけだったろう。
それでいて、発言前に「コホン。ん、んんっ」と準備するあたりにまだ若さが残っているのも面白い。自分でやってて、少なからずダメージもある台詞だったろうしな……。







ちょっとムカつく奴だし、ホームズを失った件についてはどうしたって冷静ではいられないけども……ここに来て、ようやくモリアーティという男の人間性がわかってきて、好感が持てるようにもなってきた。
格好つけているより、青臭い素が見えているくらいのほうがアラフィフとのズレやギャップ含めて面白い男だな。

そんな彼が見せようとする「今後を左右する非常に重要なモノ」とは何なのか?
そういえばここってアメリカだったんだっけ……とモリアーティの言葉で今更思い出した。アメリカ要素、マジでゼロ。
次回、第6.5章プレイ日記最終回!