ランス6 プレイ日記076 ダニエルとウルザ




今回の記事には、ランス6における重要なシーン・重要なネタバレが含まれます。
ご注意ください。

 







炎に包まれたコレクション











孤児院の皆は保護ができた。しかし、いつの間にかアルフラだけが居なくなっていたらしい。
捜しに行こうとするキムチさんを止めて先に脱出することを促し、ランスたちで捜索することになった。

ここでサーナキアとマリアの二人は、孤児院メンバーの護衛のために一時的に仲間から外れる
スタメンに入っていた場合、ぽっかりと抜けてしまうので、次の戦闘では注意しよう。
長期間抜けるわけではなく、同イベント中に復帰するので、装備品などを気にする必要はない。















ああっ、ランスのコレクションがッ!!

この時点では、ランス曰く「全燃してしまった……」らしい。
ナンテコッタ。人類の宝の喪失じゃあないか。

プレイ日記036 ランスの女たち」で地下に隠していたことが判明した、『鋼鉄黒飴貝』は無事だろうか?
地下だから、ワンチャンあるかな?

もしくは、この件で破損して割れてしまったのかもしれない。
そして法王特典へ……。悔いは無し……。















そしてグリーン屋敷の地下といえば、カオル。
今までずっと捕まっていた彼女だが、どうやら自力で脱出できたらしい。
ホッと安心。さすがはスパイだ……と言いたいところだが、普通に大ピンチではあっただろう。
燃え死ぬ前に酸欠なんてこともあり得ただろうし、本当に無事で何よりだった。
そんな苦労を顔にも出さない点こそが、さすがのスパイなのかもしれない。

とりあえず共に行動しろとランスが命じると、カオルは「申し訳ありません」と断った。
今までの世界情勢やゼスの状況など、彼女が現時点でどこまで把握していたのかはわからない。
それでも、“何か”あったことは既に気付いていたのだろう。















スパイがバレた時点で、既にカオルはアイスフレームに所属する仲間ですらない。
ここで彼女と別れてしまうのは、当然の流れではあった。

プレイヤー&ランス的には納得しがたいけれど、心情的にも彼女の“本来の任務”を考えても、仕方ないっちゃー仕方ない。
同じ密偵として、かなみはなんとなく理解を示していた。

そもそも、今まであんなこと・こんなことやりたい放題やっておいて、再び仲間になれってのが緊急事態にしても無理がある……と、かなみだけでなくコパンドンにも言われてしまった。トホホ。


憎まれて当然なことをやったと思えば、「皆さんの事、好きでしたわ」って最後に言ってくれただけでも、ありがたい気もするな。
っつーか嬉しい。スゲー嬉しい。
えっ、カオルって俺のこと好きだったのか?
そうか……。じ、実は俺も……。







明確な、意志と誇りのある決断を











……その頃、ウルザの屋敷前。
モンスターに囲まれて、単身戦っているダニエル。
彼が直接戦う姿を目にするのは、これが初かな。
強いという話はウルザやアベルトから以前聞いていたと思うが、“戦い方”を見るのは初めてだったようにも思う。

素晴らしい腕前だが、身体への負担も大きいらしい。年齢的にもキツいんだろう。
表情も、かなり苦しそうに見える。
ウルザに援護を促すが、彼女は暗い表情のまま、「もういい」なんて後ろ向きなことを言い出した。















ウルザが口にした弱音の中でも、最も悲壮感に溢れていたのがこのシーンだった。
それほどまでに、マナバッテリー破壊に端を発する一連の事件は彼女にショックを与えていたのか?
もしくは、それほどまでに疲れ切っていたのか?
里を襲われ、魔物に囲われている現状に、「もう助からない」と絶望を抱いたのかもしれない。
ともかく、この時のウルザは、死を望むほどに弱り切っていた。

そんな彼女を叱りつけるでもなく、受け入れるでもなく、静かに守り続けるダニエル。
やがて彼は、とある過去にまつわる『告白』を始めた。










衝撃的で、裏切りのようですらあり、全ての原因に繋がる『告白』だった。

「あの人は儂の憧れだ」と、ダニエルは言う。
女に試練を与えると嘯いて酷い行いを繰り返すのも、家族にさえ嘘をつくのも、「何かの気の迷いだと思いたかった」とさえ。

ダニエルが医者になった理由すら、『あの人の体質を治すため』だった。
ダニエルは子供のころからずっと、こんな現在に至る今でさえも、あの人を嫌うことが出来ないんだと悲し気に語った。















辛い告白で、辛い境遇だったのだと思う。
きっかけは命令に従っただけだったけれど、ダニエルはウルザのことを、本当の娘のようにいつしか感じていた。
だからこそ、自分が彼女の苦しみの一因に関わっていることを黙り続けるのは、本当に辛かったに違いない。

ウルザはそんな彼を、はっきりと「あなたも犠牲者じゃない」と言ってくれた。
黙っていたことも、結果的に試練に加担してしまったことも、決して彼女は責めなかった。

おそらくそれらよりも、“今まで助けてくれた”ことのほうが、彼女の中では大きかったのだろう。
告白を受けてなお、ダニエルへの信頼感や親愛が勝ったのだろう。















過去の事件で、決断することを恐れるようになってしまったウルザ。
事件の関係者である自覚があるからこそ、今までのダニエルは、決してそんな彼女を責めなかった。

ずっと優しく静かに、ウルザの言動を待ち続けてくれていたダニエル。
ここで初めて、はっきりと彼はウルザに『決断』を求める。

言われずとも、その覚悟はよく知れた。
彼の考えを察したウルザは、繰り返し彼の名前を叫んでいた。







ダニエルとウルザ






……本作の、大きな大きな山場である、今回のシーン。
少し落ち着いて、改めて色々と考えたり、書いたりしてみよう。

まず私が気になったのは、以前からずっと注視していた、ダニエルとあの人物の関係について。
正直、客観視できるプレイヤー目線では、「なぜ」とも思ってしまう。
確かに良いところもあるだろうし、ダニエルには彼しか知らない良い思い出もたくさんあるのだろう。
それでも、ウルザの過去に関するあの人物の行いは、吐き気を催すほどの悪だ。
悪としても美学に基く、いわゆる“格好良いヒール役”ですら無いと、私には思える。

そんな相手に純粋な好意が向くなんて、普通ならばまずありえない。ひょっとしたら、あいつ自身もそう考えていたかもしれない。
けれど……ダニエルは、最後まで、そうだったんだな。
なぜかと言えばわからない。強いて言うなら、大好きな家族だったから、だろうか?


……他者には理解しがたい、複雑な家族の愛情だ。
だが、もしかすると、彼ら自身でさえよく理解できていなかったのかもしれない。

ダニエルの感情は、この一連のシーンで『理解しがたい』なりに、とても丁寧に描写されていた。
だからなんとなく、ああそうなんだな……と、私も受け入れやすかった。

だが、“あの人物”側は、どうだったのだろう?
ダニエルの想いを、“あの人物”はどこまで把握していたのかな?
そして、彼の最期に何を想い、どう考えていたのだろう……?










もうひとつの強い繋がり。ウルザとダニエル。
こちらは“あの人物”が関わらない状況下では、とても優しく穏やかで、澄んだ感情に基く関係だ。

ダニエルはウルザのことを、娘がいたらこんな風だろうと想像していた。
妻と死別していた、という過去が明らかになるのもこのシーンが初めてだったかな?

娘のように考えていたなら、尚更ランスの存在や言動は許しがたかっただろうな……。
途中で色々と察していたようでもあったが、ブチ切れなかったのは今思えば逆に凄いな。
ウルザに良い影響を与えていると思ったからこそ、堪えていたのだろうけれど……。
そのあたりのダニエルの気持ちも、なかなか興味深い。










ウルザはダニエルを、父や兄のように想っていた……というのとは、また違うか。
ダニエルはダニエル。ウルザの中でかけがえのない、とても大切な人だった。
おそらくキムチさんと同じようなポジションだったのだろう。だがその関係の深さと複雑さは、ウルザが自覚している以上だったかもしれない。

どんな状況に陥っても傍に居続けてくれた、味方であってくれた、優しくあり続けたダニエル。
彼は最後に、「残りの人生をお前を支える為に使おうと思った」とまで言っていた。
何も起きなければ、きっとそんな人生になっていたのだろう。

想像していたそんな未来は、結局叶わなかった。
だからこそ、ウルザの今後の人生は、今もなお“ダニエルに支えられている”のかもしれない……なんて、ふと思う。










ウルザが最後まで、そして今でもダニエルのことを信頼し、純粋に愛し続けているのは……ある意味で、奇跡的なのかもしれない。
あんな過去や背景があったなら、普通ならばもっとこじれそうだ。それもウルザとダニエルの人徳の成せるわざかな。


辛い告白と決断でひとつの締めくくりを迎えることになった彼らの関係だが、その姿はとても清々しかったと思う。
本当に悲しくて苦しいけれど、決して嫌な別れ方ではなかった。
ランス6を今まで丁寧に追いかけてきたことで、改めてダニエルとウルザの関係について読み直して考えることができて、とても良かったと改めて感じた。


これからのウルザは、どう歩いていくのか?
ダニエルの想いは、どんな形で実を結ぶのか?
そして彼らの関係や彼女の変化に、周囲はどう変わっていくのか?

まだまだ先は長い。
引き続き、じっくりと楽しもう。