FGOイベント レディ・ライネスの事件簿 プレイ日記08 大切な人の、大切な記憶




物語は着々と、ある意味では淡々と進んでいた。
しかしここに来て、一気に色々なことが動き出す。
緩急の付け方が気持ち良い。シナリオと演出双方で、ググッと引き込まれた。

“真実”については、予想できていたことも一部はあったけれど、完全に想定外だったこともあった。
良い意味で想像を裏切られた気分。

 





※本記事では1.5部サーヴァントの真名を表記しています







最後の紙片を求めて











Ⅱ世が隠し持っていた紙片を探しに、集合住宅へ戻ると、なんだかすごいことになっていた。
以前の画像と並べてみると、とんでもない変貌だ。
建物や街灯がグニャグニャしていたのは元々だったけれど、更に歪みは酷くなり、炎に包まれている。変化が少ないのは、遠くに見える時計塔くらいか。
星もわからなくなるくらい空まで赤黒く染まり、地上はオートマタと亡霊まみれ。まるで地獄のようだ。

おとぎ話のパッチワーク全てがこんな状況なのか? それとも集合住宅周辺だけか?
ナーサリーライムたちが無事かどうか、少し心配になる。















アストライア曰く、土地に変化が起きたのはオートマタたちのせいではなく、記憶の紙片に原因があるらしい。
聖杯のカケラレベルの強力な魔力の結晶体を得た結果、土地が変質しつつある?
こんな有様では、純粋な魔力というよりは悪性を持った魔力のようにも思えるけれど……。
それとも誰かが記憶の紙片の力の方向性を歪めているのか? 今の持ち主(仮)のⅡ世がこんな光景を思い描くわけもないし、なんとなく腑に落ちない。

しかし、わからないことに首をひねっている場合でもない。
オートマタや亡霊たちはもちろん、アストライアも記憶の紙片を奪い合う競争相手でもある。







聖槍、抜錨











当然アストライア側の殺エミヤは妨害をしてくる。
邪魔だ邪魔だ、どけどけ~ッ!
ライダーな雑魚エネミーに紛れて襲ってくるとか悪質! だが彼らしい!
そういう悪い奴にはメカエリチャンに殴り倒される、という恥ずかしい結末をくれてやる。


その間にも、グレイの宝具の詠唱は始まっていた。
「疑似人格停止」から始まるアッドの台詞がクールで格好いい。
粗野な人格が活動停止して、コンピューターの自動音声のような雰囲気で淡々とシステム読み上げをしていくのってなんか燃える。
プロトマーリンの承認シリーズが燃えるのと、色々な意味で似てる。
魔眼列車下巻もイイよな。















ロンゴミニアドの初出は事件簿一巻。
……だったっけ?
FGO開始前後あたりの時系列が既にうろ覚えなので自信はない。

FGO主人公にとって、『初めての聖槍』は第一部第六特異点。
敵として立ちはだかったランサー・アルトリア……正しくは、女神ロンゴミニアドの武器であり宝具だった。
ひとつ前の紙片で、まさにその記憶を取り戻したばかりだ。あの回想バトルは、この場面の布石でもあったのかな?

あの強くも恐ろしい英雄と同じ武器を持ち、宝具として扱い、実は顔立ちも彼女達に似ている謎の少女グレイ……。
その“意味”については、この場では深くは語られない。
グレイの事情についての種明かしは、原作オンリーか?
もしくは、本イベントの最終盤に明かされるのだろうか。















聖槍の力で、道は開けた。アストライアも態勢を崩している今がチャンス。
マシュにフォローされながら走り、ついに紙片に辿り着いた!
手を伸ばし、触れて……!







紙片の記憶











三つ目の記憶の紙片。
二つ目に続いて蘇ったのは第六特異点の記憶。
しかし、女神ロンゴミニアドと戦った前回と比較すると、時系列は少し遡っている。

そして何より、奇妙なことが起きていた。
……今まで蘇った記憶、特に最初に思い出したプロローグ~第一特異点修復の記憶の中で、“あの人”の姿が現れなかったのは確かに少し不思議ではあった。
だがまぁ、そういうこともあるかとも思っていた。
ロマニという、わかりやすく注目を引き付ける人物が映ったことで、気が逸らされていたというのもあるのかもしれない。















記憶を取り戻しつつも、失われていく何か。もしくは改変されていく何か。
文字はひっくり返って消えていき、姿はシルエットにしか見えず、最後には薄らいで消えていく……。

シナリオの内容にも唸ったが、この場面は演出も素晴らしかった。
今までに積み重ねられてきた“記憶”の描写や伏線も相まって、ゾクッとした。







新たな/正しい記憶











“あの人”と同じく、シルエットでしか見えない人物が、主人公へと一方的に話しかけてくる。
言い聞かせるようでもあり、どこか暗示めいている台詞だった。しかしそこに悪意があるのかというと、判断し辛いようにも思う。

第六特異点での会話はさておき、“あの人”と決定的な別れを迎えたあの瞬間は、主人公にとってもプレイヤーにとっても辛すぎる記憶だ。
トラウマであり、心の傷だ。

それを、この相手は『なかったこと』にしようとしているかのように見える。
そうすることで、主人公の傷をも『なかったこと』にしようとしている……ようにも感じられる。















心穏やかな“新たな記憶”に、更に誰かが介入し、主人公の意識は現実に引き戻された。
新たな記憶が刻み込まれる直前に阻止した人物。
主人公たちのピンチに颯爽と現れるプロフェッサー・カリスマ。
姿を隠して潜伏し、情報を集めつつ推理を進めていたグレートビッグベン・ロンドンスター……。










【速報】生きてた【知ってた】







事件の解体











死体が残ったことは、確かに疑問ではあった。
てっきり偽物か何かかとも思っていたが、あれはあれで、ある意味では本物だったわけか。
……しかし、死体扱いされた孔明側はどうなっているんだろう?
大丈夫か? 怒ってないか? 元気?

Ⅱ世は淡々と語ってはいるが、すごく大変な作業だったのだろうとは思う。
リスクは高くとも、それ以外の道が無かったんだろうな。















孔明部分が剥がれているせいか、素のⅡ世っぽさが強くなっている感じがFGOでは逆に新鮮だ。
劣等感の塊で、実際に魔術師としての能力だけは三……二流で、それでも魔術師らしからぬ性質や性格や、教師として魔術探偵としての能力はピカイチな、グレイの師匠にしてライネスの義兄でもある男。

そんな『彼らしさ』が表出したことに、本当に嬉しそうにするライネスがかわいい。
まだ混乱の中、情報だらけで落ち着く間もない中でも、兄の無事と帰還を改めて実感できたのだろう。
色々な意味で嬉しいんだろうな。よかったな。かわいいお師匠様だぜ。















記憶の紙片について、Ⅱ世から種明かしの時間。紙片が持つ、記憶に侵食する性質によって為そうとしていた、捏造行為。
三つ目の紙片が罠だった、ということはなんとなくわかった。
というより、それこそが黒幕の本当に目的でもあったと思われる。
第一、第二の紙片は撒き餌のようなものだったのかもしれない。

紙片によって取り戻された記憶だけでなく、「サーヴァントに出会っただけで蘇るフラッシュバック」も伏線だったわけか……。
前者は黒幕の狙い通りであり、後者は黒幕が注意せねばならなかった事柄ではあるが、ともかくすべては『黒幕の想定の上』にあったといっていい。















自ら紙片を求めさせることで、誤った記憶を受け入れさせようというのが、黒幕の用いた巧妙な手段だった。
先程Ⅱ世の介入がなければ、実際にその策略は成功していただろう。

本来ならば、戻った記憶のひとつひとつを本来のデータと照合していけば、誤りには気付けるかもしれない。
しかしこの特異点にいるサーヴァントはカルデアには無関係のような者ばかりだったし、味方であるライネスとグレイは今までの主人公の戦いを知らない人々だった。
Ⅱ世は死んでいた(仮)し、他に主人公の記憶の真偽を確認できる相手というと……。










ガーン……。

……これは軽く予想外。
奇妙な点や不審な部分が無かったのかは自信がないけれど、『いつものこと』として、完全に受け入れていたし、疑問すら抱いていなかった。
そういうこともあるかなー、と思っていた。

今回のシナリオは、そういった「そういうこともあるかな」という油断や隙をメチャクチャ突かれてくる感じだ。
悔しいけど気持ちがいい。
やられたッ……。完全にしてやられたッ……!