FGOイベント 神秘の国のONILAND!! プレイ日記02 護法少女、堂々登場




茨木童子は、初登場の羅生門では立派な『敵役』だった。
外見は愛らしくとも、強く恐ろしく血も涙もない恐怖の鬼として最初は描かれていたし、プレイヤーが受けた印象もそうだったのだと思う。
特に羅生門は難易度の高さもあって、茨木童子には苦労させられたイメージが付いてしまった面もあったのだろう。

羅生門の最後になって、ようやく少しだけ彼女の弱味が見えた。
その後、鬼ヶ島イベント→2016年ハロウィン……と、登場する度に彼女は『鬼らしさ』以外の面もクローズアップされるようになっていった。

しかし、それでも彼女の根にあるものは変わらないはずだ。
綿飴やチョコレートに喜ぶ彼女はもちろんかわいいけれど、迷いなく悪を成し血を流すことに躊躇しない『鬼らしい』茨木童子が、なんだかんだで一番格好良い。

 







※本記事ではアサシン・パライソの真名を表記しています







娯楽の殿堂オニランド











レイシフトの先、日本北海道の旧千歳鉱山。
そこにあったのは立入禁止になった鉱山でもなく、空港でもなく、近くにあるという遊園地……にしても、何かがおかしい。

ハロウィン気分に装飾されたテーマパークで働いているのは、鬼ヶ島などでよく見かけた『鬼』たち。
しかし前回とは異なって、人間を襲ったり暴力で従わせるような行為は見られず、外見に似合わないくらい明るく好意的に接客をしていた。















それが鬼や上位の存在への態度ならば、まだ納得できた。
しかし相手はまさかの、“千歳市民”。サーヴァントや魔術関係者ですらない、ただの一般人だ。ウ、ウワアア! 神秘のド破壊!! 責任者はタヒぬ。


遊園地にやってきた一般人は、まだ『本物』であることには気付いていないらしい。
しかも、この遊園地は千歳の全戸にフリーパスを配って、客を集めているとのことだ。

不気味なくらい愛想が良い接客、不自然過ぎる好待遇……サービス満点が行き過ぎて、シンプルに怖い。
ラブアンドピースを謳いながらあらゆる抵抗すら許さないタイプの怪異ジャン……。
出ていく事さえ許されず、遊ぶことしか考えられなくなって遊園地の一部と化していくタイプの怪談ジャン……。















数えきれないほどの鬼を前にして、当然主人公たちは警戒する。
しかし見る限り、鬼が一般人に手を出したりする様子はない。
それどころか、ジェットコースターのような絶叫系アトラクションを排除するほど、“安全安心”に拘っているとも言っている。

その有様を、マシュは「優しい……?」と印象として語った。
裏に何かあるのではと、メタ視線ではどうしても怪しんでしまうけれど、まさに目の前で鬼が人間を接客していると、面食らって疑い辛いのだろう。

まぁ、元々の目的は異常の調査だ。
鬼の接客も異常のひとつに間違いはないけれど、相手が好意的ならば、すぐに敵対する必要もないかもしれないが……。















茨木童子が、我慢できなかった。
彼女は、根っからの『鬼』だ。かつては大江山の鬼の首魁であり、多くの鬼を統率した茨木童子は鬼の在り方をよく知り、鬼であることの自負もある。
だからこそ、サーヴァントになった今であっても時には人間と反発することもあるし、鬼の領域に人が触れることも疎む。
前回のカルデア食堂での一幕は半分以上コメディだったが、時と場合と相手によっては、血が流れていた可能性もあるだろう。

そんな彼女からすれば、この遊園地の鬼たちは『鬼もどき』だった。
鬼を騙る不埒者だとすら言い切って、暴れだそうとする。















もう少しくらいは穏やかに調査の時が進むかと思ったが、残念ながらバトルスタート。
茨木童子の怒声から『I・S(イライラ・ストレス)値』を確認した鬼たちは、一転敵意をもって主人公たちを排除にかかる。
その有様は鬼というよりも機械的だ。ロボットみたいでコワーイ!

今回のメイン敵(?)は、カボチャの頭を身に付けた鬼系のエネミーらしい。
カボチャスケルトンやカボチャ粛清騎士は見慣れていたけれど、和風はまた珍しい。
しかし違和感すら抱かなくなってきたのは、よく考えなくてもおかしいな。FGOはクレイジーだよ。















第二部第二章クリア限定のイベントだからか、敵のHPもなかなか高く、雑魚とはいってもやや難易度は高めかもしれない。高HPのバーサーカーが多いと事故が怖い。

シナリオ的にも増援に次ぐ増援で、戦い続けるのは困難な様子だ。
無理にでもこの場を脱したいところだが、既に敵の数が多すぎて、それも少し難しい。
まさにピンチ。
……そんな状況を狙ったかのように、『彼女』は現れた。















頭上から聞こえる謎の声ッ!!
何奴ッッ!!


……と、せっかくの機会なのでノリノリになっておこう。
さぁ、決め台詞が来るぞ。


―――天が許すはええんとちゃう?
―――地が許すのもまあ、そういうもんなんやろなぁ?
―――人が許すのなんてどうでもええわぁ。

せやけど、ねえ。
鬼が許すかは鬼次第。

「やりたいようにやればいい。オイラは見守るだけさ。」

―――うちは護法。護法がうち―――






























観客の皆さんの反応がこちら。

茨木童子が気付かなかったのは一周回ってありえるようにも思うが、パライソちゃんまで正体を察せていないのは想像以上。
パライソちゃんの場合、正体がわかってしまうと恐怖が強くなってしまうので、それを避けようとした結果の認識阻害なのかもしれない。
もしくは単なるお約束かもしれない。















護法少女の傍にいる、謎の小動物の名は『ハク』。
何がどういうわけで、護法少女と一緒に居るのだろう? 一人称が「オイラ」なあたり、オスなのだろうか?

わからないことは山ほどあるけれど、少なくとも主人公やマシュは、護法少女の正体については察しているらしい。
さすがに茨木童子やパライソのような反応は例外だったか。















そんな天然幼女な茨木童子&パライソは、絵に描いたような反応を続けてくれている。
ノリノリすぎて思わずツッコみたくなるけれど、本人たちは至って真面目なあたりがな……。
ここは大人として、幼女たちがキャッキャッしている様を静かに見守ってあげるべきか。ザ・紳士。アイドントタッチロリータ。







護法少女とは











ここで茨木童子の回想兼解説突入。

カルデアのデータベースで、魔法少女モノのテレビアニメに軽くハマったらしい茨木童子。その良さを熱く酒呑童子に語る。
反応からして、酒呑童子は魔法少女モノにもアニメにも特別興味はなさそうだ。
「はぁ」「はいはい」なんて感じで、あしらっているようにも聞き流しているようにも見える……が、そこには酒呑童子なりの優しさもあるように思える。

ざっくり言うと、『好きなものを語る幼女』と、『はいはいと聞いてくれるお母さん』にしか見えない。















魔法少女の強さと美しさを酒呑童子に重ね、「酒呑の姿が後世に伝わったものなのでは!?」なんて早合点して喜ぼうとする茨木童子に対して、さすがに酒呑からストップがかかる。
勘違いさせるのを憐れんだのもあるかもしれないが、嗤うでもなく、優しく丁寧に『自分と魔法少女の違い』を説明して、正してあげる。


結果……茨木童子は勘違いに気付きはしたものの、少ししょんぼりしてしまった。
おそらく彼女にとって、『酒呑童子が魔法少女の元祖だった』という思い付きは、とても素晴らしいものだったのだろう。
強くて美しくて格好良い酒呑童子が、現代まで伝えられてアニメ化するほどになったという“誇らしさ”や“喜び”といった感情。
また、『鬼が元になった物語であるならば、自分も楽しんで良い』なんて大義名分を得た気持ちでもあったのかもしれない。















感情と大義名分を失ってしまい、仕方がないとわかっていても悲しげな顔をする茨木童子。
そんな彼女を、酒呑童子は黙って眺め……そして、再び話を続け始めた。

この時の酒呑童子の表情変化、イイ。
ちょっと呆れたような、仕方ないなぁと思っているような、単に気が向いただけのような……なんともいえない酒呑童子の自由さと茨木への親愛が見えて、胸があたたかくなる。















『護法の鬼』。
おそらくそれは、酒呑童子が茨木童子のために作り出した架空の存在だったのだろう。

人を救う英雄が人理の英霊となり、鬼を救うモノは護法の鬼種となる。
その名こそ――鬼救阿。護法少女・鬼救阿ッッ!!


なお「鬼救阿」は茨木童子の命名であって、正式名称ではない模様。















茨木童子&パライソとは異なり、護法少女本人は根っから『ソッチ』なわけではないらしい。
わりと言動もノリノリなあたり、変な精神汚染でも受けているのではと少し心配したけれど、全ては茨木童子の夢を壊さないための演技なのだろうか?

うーん、しかし、それにしても本当にノリノリだ。
霊基が変わったと簡単に言うけれど、それは今回の事件に関係しているのかな?
今回の事件や黒幕、もしくは謎の小動物『ハク』あたりの影響で、酒呑童子はこんな雰囲気になっているのだろうか?


詳しいことはわからない。
しかし少なくとも、敵ではないだろう。護法少女は明らかに茨木童子の夢を守るような動きをしていて、主人公たちにも力を貸してくれようとしている。

ならばこちらも、やはり彼女の正体については言及しないままでいるのが礼儀だろう。
そして大きな声で「がんばえ~!」と叫ぶのが作法と視た。