ドラゴンクエストビルダーズ2 プレイ日記010 祭のおわり




プレイ日記004 楽しすぎるよビルダーズ」の頃、シドーは『ユメとかキボウとかイマイチわからない』と言っていた。
まるでそんなシドーの悩みに答えるかのように、今回の場面ではマギールさんが“夢”について多く語っていった。

チャコにとっても師匠ともいえるマギールさん。
大農園にとって頼りになる知恵者で、リーダーの風格と能力を持ち合わせたヒトだった。
きっとビルダーとしても、良い仕事をしていくヒトだったんだろうな。

 







収穫祭の夜

新ビルダーの誕生





奇祭はまだ続いている。
相変わらず、誰が誰なのかさえわからないまま鍬を振るい続ける農民たち。
ここで誰かが殺されたりしたらミステリーナイトの開幕だな。金田一的な世界観。

「小顔だからマスクがかぶれない」と言い張っているマギールさんに話しかけると、“ビルダー”と“夢”についての話になった。
大農園と大樹の可能性に希望を見出したマギールさん。
このモンゾーラの地で、一番最初に仲間になってくれたハーゴン教団側のモンスターだった。
マギールさんが居たからこそ、ここまで農園を発達させることができた。
あらゆる方針やアドバイスはマギールさんと、マギールさんの弟子になったチャコを中心に広がっていった。










前から「ビルダーになったら?」と誘われていたマギールさん。
考えさせてほしい、と言っていたけれど、ついに心が決まったらしい。
更に、からっぽ島にも一緒に来てくれるという。
マジか! マジかよ!! 超嬉しい!!

モンゾーラ編ではヒロインのチャコにギャルなジバコ、台詞に光るものがあるヒースなど愉快な仲間がたくさん登場していったけれど、個人的に一番のお気に入りキャラとなったのが、このマギールさんだった。
性格も立ち位置も独特で魅力的だし、面白い人だ。
できれば、これからも一緒にいたい。
からっぽ島でもいいし、モンゾーラの大農園を見守ってくれるだけでもいい。
そう心の底から思う、けれど……。

……この時点で、というよりも、ずっと前から。
下手すれば最初の頃から、不安はあった。
マギールさんの立場は個性的で魅力があるからこそ、とても危ういものでもあったからな……。







祭の終わり

総督ヒババンゴ










祭の夜が終わっていく。
歌って笑って鍬を振り回して、奇妙だが愉快な一時だった。
そして……嫌な予感は、やはり的中する。
穏やかで楽しい時間をぶち壊すような大声は、あの人の名前を呼んでいた。















部下を引き連れて現れたのは……デ、デケェ! スッゲーでかい猿だ!!
森に現れるゴリラ系モンスターが、ババンゴ色に染まったような感じだ。
話を聞いてくれるタイプとは、とても思えない。
滅茶苦茶怒ってるよ……。まぁ、そりゃそうだよな……。

ヒババンゴが現れると、空の色さえもババンゴ色になってしまった。
しかもこの状態が、ラスボス戦まで続く。滅入るわー。







副総督マギール





マギールさんの説得も、もちろん聞くわけがなかった。
主人公や農民たち、マギールさんの努力や考え方を鼻で笑うヒビバンゴ。
更に、マギールさんに対して、みんなで作り上げたもの全てを破壊しろとまで命令してくる。

嫌な奴だ。しかし、こういったタイプの方が、少なくともハーゴン教団に属するモンスターとしては一般的なんだろう。
おおねずみやトマトオーク、そしてみみずんやマギールさんのようなタイプこそが異端なのかもしれない。
だがもちろん、私はそんな彼らの方が好きだ。















マギールさんは立派だった。
一度壊して、もう一度作り直すという方法もあっただろうに、それでも“破壊を拒んだ”姿は、悲しいけれど格好良かった。真っ直ぐで、稚拙にも見えるけれど、熱い想いと農園への愛が強く伝わってきた。
でも、とても悲しい……。















マギールさんは壊さなかった。
しかし、ヒババンゴは迷うことなく、笑いながら大樹を破壊した。
せっかく立派に成長していた大樹は、ボッキリと折られて、やがて完全に消滅してしまう。

なんてこった……。ショックだ。しかし今は、大樹以上にマギールさんのことが心配だ。
マギールさんが攻撃された瞬間、さっきまで動けずにいたチャコや農民の仲間たちもマギールさんの元に駆け寄っていく。
その有様がまた、どれだけマギールさんが慕われて頼られていたのかを表しているようで、嬉しいけれど泣けた。















ヒババンゴとの直接対決にはまだ至らずとも、部下の雑魚たちが襲い掛かってきたので迎撃することになった。
戦闘が始まる直前に、いつものようにシドーに話しかける。
すると、普段とは少し異なるシドーの姿が見られた。

からっぽ島で初めて出会った時は、海に浮かぶ死体を「おもしろいもの」なんて言っていたシドー。
口をきけないようにしてやるだとか、簡単に言っていた。物騒で危なっかしい男だった。
でも……今のシドーは、あの頃とは違う。
彼が怒っているのは、戦いへの興奮や破壊欲のためではない。仲間への情や想いがあるからこそ、シドーは強く怒っていた。

戦いが終わった後も、彼は「教団の魔物どもを倒したってのにぜんぜん気分が晴れないぞ…」とぼやく。
マギールさんが傷付けられたこと、大樹が破壊されたこと……本当に、悲しいことばかりだ。しかし、そんなひとつひとつの事柄が、シドーをまた少し成長させたようにも見えた。







マギールさんからの最後のお題

風のマント










マギールさんの傍に縋りついて涙を流すチャコ。
弟子として、本当にマギールさんのことを慕っていたのだろう。
ドルトンもまた、「どこかでマギール殿に憧れていた」と本音を漏らした。
誰もがマギールさんの最期を悲しんでいる。マギールさんがいないと何もできない、と泣いている。辛さのあまり、思考さえ閉ざそうとしている……。

それをマギールさんは、「夢をあきらめる言いわけをさがしてはいかん」と諭した。
最後まで格好良い人だ……。















マギールさんは、スペシャルどうぐ『かぜのマント』をプレゼントしてくれた。
ビルダー道具とは違い、探索や冒険のための重要なアイテムだ。
これを使って、「大樹をいちから作る手がかりをさがす」ことを、マギールさんは促した。

みんなに慕われたマギールさんは、最後までチャコや仲間や、農園や大樹のことを考え続けてくれた。
ビルダーになれたことを、嬉しいと言ってくれた。
一緒に物作りをしたり、モンゾーラの大農園を発展させたり、からっぽ島に行く夢は叶わなかった……。それが、本当に悲しい。
しかし、ここで諦めるわけにはいかない。諦める理由にするのは、マギールさんに失礼だ。
あと少し、頑張ってみよう……!