ランス6 プレイ日記095 ランスの怒り




ランス6のシナリオをじっくりと読み直していると、リズナのヒロイン性の高さに改めて驚く。
記憶の中では『ランス6においてはマジック・ウルザ・シィルたちに次ぐヒロインポジション』というイメージだったが、設定といいシナリオといい、十分以上にメインヒロイン級だ。

 





※シリーズ最新作等のネタバレを含む可能性があります







悩めるリズナ






ダンジョン攻略の途中だが、SP不足で一度拠点にリターン。
玉もイベントも増えていたので、まずはそちらを消化しておく。
まずチェックするのはリズナのイベント。

××だけならまだしも、後ろの××までも解禁してしまったことに強い自己嫌悪を覚えている様子のリズナ。
治らない体の悩みも大きいが、「いつかランス以外の相手すら求めてしまうかもしれない」ことにも恐怖している様子だった。
これもまた一途な乙女ならではの悩み、なのかもしれない。経緯や状況はエ□ゲだが。















思いつめたリズナは、ついにランスに迷いと恐怖について告白した。
泣きながらの訴えを聞き入れて、素直に謝るランス。やはりリズナに対してはちょっと優しい。

しかし、あくまでもランスは「アブノーマルをやりすぎた」と反省しているだけであって、それ以外について言動を改める気は特に無いのだった。
状況的には実はそこまで変わってはいないが、リズナもランスもさしあたり納得しているので、とりあえず一端解決扱い。
リズナの悩みについてのシナリオが完結するのは……強いて言うなら、スペシャルイベントが最終回にあたるのかな? まだもう少し先だ。















同時期に、ゼス上層部VSプルーペットの争いをコパンドンが仲介するイベントも発生した。
商人と商人のバチバチバトル。結局互いが互いの一定の利益を守る、良いバランスの上に着地したらしい。
単純に勝利するのではなく、先々のことさえ考えるコパンドンはデキる女。プルーペットも、抜け目のないその道のプロ。

更にゼス上層部やガンジーに軽く恩を売りつけることにまで成功した。
デキる女でもあるが、怖い女でもある。敵じゃなくて良かった……。

本作に限るわけではないが、コパンドンは女性としての魅力やヒロイン的な見せ場というよりは、こういう“頼りになる”“役立つ”ポジションとしての描かれ方が多い。
エ□ゲヒロインとしては貧乏くじを引いてしまっている役回りといえなくもないか。
しかし、“頼りになる”コパンドンは、やっぱり格好良い。彼女らしく、魅力的だ。







奴との再会











再びα要塞へ戻って、ダンジョン内を進んでいく。
ドス黒いイベントマークが出現していたので、準備を整えてから踏む……と、絵に描いたようなベタな罠にかかって、ランスだけが落とし穴に落ちてしまった。
うーん、わりとよくある展開。
しかし単独行動、というのはちょっと嫌な流れ。















落とし穴の先で待っていたのは、アベルトだった。
会うのは久々だが、直接会話をするのはもっと久しぶりだ。
カミーラを前にしている時は、アベルトはランスを基本的にガン無視していたからな。

ランスも一応憶えていたようで、「あの時はなぜあんな事をしたのか」について、早々に問い詰めた。
アベルトの裏切りなどの可能性や危険について、ちゃんと考えていたらしい。
ちょっと意外……ってのは失礼か。
ランスは一見バカのようだけれど、地頭は良いし重要な場面では間違えない人間だろう。















さすがにアベルトも、これ以上誤魔化すことはしなかった。
素直に彼の素性を語り、カミーラとの関係や彼の過去や、今までの罪についても全てをランスに語って打ち明けた。

80年前の大戦争。失われた記憶と、捜していた女性の影。
最初のうちは、ランスも素直に相槌を打ちつつ話を聞いていた。
アベルトの過去について、そこまで興味があるわけでもなく、冷静に昔話として聞いていた様子だった。
しかし、“潰れた女性”の話になると、ランスの反応は変わっていく。















パパイアの話を聞いて、ランスは驚きに目を見開いていた。
まだ理解が追い付いていないのか、ぽかんとした表情だ。

そしてウルザの話を聞いた時、彼は顔を顰めていた。
アベルトの会話に口を挟むでもなく、黙って話を聞き続けている。















そして……リズナ。
彼女の話になった時に、ついにランスは動いた。
今までは一応、情報を引き出すために我慢していたのかもしれない。
もう十分だ、というばかりに、言葉もなくアベルトを斬り捨てようとするランスの姿は格好良かった。


今までの会話や描写からして、ランスはこの告白を聞くまでは、アベルトに一定の情は持っていたとも思う。
もちろん女の子に向けるものとは比べようもないし、パットンやロッキーたちより更に優先順位は低いだろうが、『一応仲間』程度の認識は持っていただろう。アイスフレームの拠点でも、世間話をするくらいには馴染みのある関係でもあった。

しかし、“これ”を機に、ランスからアベルトへの認識は完全に切り替わった。
ランスの切り替わりは、下手をすれば他のキャラの誰よりも明確かつ冷酷だ。この時から、もはやアベルトは『倒すべき敵』でしかない。















一方のアベルトもアベルトなりに、ランスという一人の人間を好ましく思っていた。なおホモではない。ホモではない。怖いので二回繰り返しておこう。
しかし、いち個人としての好き嫌いよりも、『カミーラ様の望み』は優先される。

カミーラに命じられるまま、ランスを殺そうとするアベルト。大切な女達に酷いことをしたアベルトが許せないランス。初めての、1対1でのイベントバトルに発展した。
このイベント戦闘は4ターンで時間切れとなるため、決着はつかない。そもそも使徒相手にランス一人での戦闘は正直キツい。
……でも、鍛えておけば可能性はあるんだろうな。
ストーリーが変化しないとわかってはいるけれど、できれば“このシーン”でのアベルトは、思いっきりぶん殴ってちょっとくらいは凹ませてやりたかったようにも思う。















シィルたちが追い付いてきたことで、アベルトは「多勢に無勢」とその場を去っていった。
しかし最後まで態度は余裕綽々で腹立たしい。ランスも怒りが収まりきらないようで、仲間の問いかけにもイライラとした態度だった。
アベルトの状態やカミーラの使徒について聞かれても、「えーい、うるさい」と怒り出す。
まぁ気持ちはスゲーわかる。もちろん、状況を理解したくて問い詰めてしまう仲間側の気持ちもわかる。















この場では、アベルトの素性や罪について、多くを説明することはなかった。
イライラしているのもあるし、話すのが面倒くさいのもあるだろうし、そもそもα要塞の破壊工作中で暇もないし……。

そんな中、きょとんとしているリズナの頭を黙って撫でるランスの姿が良い
疑問を浮かべるリズナに、「仕返しは絶対にしてやるからな」とランスは約束する。

「俺様の女達をいじめていた」だの「仲間でもなんでもない」だの「仕返し」だの……ランスが使う言葉は、こんなシリアスかつ重たい状況下でもあっても独特だ。正直、言葉の使い方としては子供っぽいといえなくもない。
だが、そんなランスの純粋で真っ直ぐな怒りが、プレイヤー目線だとどこか気持ちがいいのも確かだった。