FGOイベント 旧き蜘蛛は懐古と共に糸を紡ぐ プレイ日記04 ようやく事件発生




冒頭の雰囲気といい、以前の虚月館のようなミステリー系イベントのイメージがあったけれど、そもそも『事件』が起きた……というか発覚したのさえ、第四節。最終回の一節前、というタイミングだった。
今回は事件や謎解きがメインというわけではない、という事実の表れなんだろう。
公式での犯人当てゲームのようなものもなく、推理したり裏を読んだりする余地もそこまで多くはなかった。ミステリーイベントだと公言されていたわけでもないので、勘違いしていたのはこちら側なのだが、若干肩透かしを喰らった感が無くもない。

が……だからといって「物足りなかった」なんてこともない。そもそもFGOはミステリーゲームではないしな。
単純に読み物として面白かったし、今回のメインキャラ・相棒枠だったアラフィフの魅力と活躍がたっぷり詰まった、興味深いシナリオでイベントだった。

 





※本記事では1.5部サーヴァントの真名を表記しています







開催されないオークション











オークションの朝、案の定事件は起きた!
アラフィフの反応が胡散臭過ぎて草も生えない。

しかし、『盗難』というのは想定内でもあり、ある意味では期待外れでもある。人殺しのひとつやふたつは起きると思っていたのだけどな……という物騒な期待。

そもそも『盗難』とはありがちで安易な手段ではあるが、この状況下では愚か過ぎないか?
それこそ、無駄な争いや人殺し不可避の展開になりかねない。その混乱こそが狙いなのか、愚かな手段に出てまで聖遺物が欲しかったのか……うーん。















全員が集まって、ピリッピリの空気。
いつ爆発してもおかしくはない。アラフィフも、さすがに「喋ると飛び火しそうだから、絶対に何も言っちゃ駄目だZE」と主人公に忠告する状況。

ジーク曰く、一般人が盗難できるようなセキュリティではなかったという。
警報を作動させることなく盗むには、「優れた技量の魔術師が二人必要だ」と言ったのはヴラド三世。
魔術師が二人組む……となると、思い出されるのは昨夜のアレキサンダー&蘭陵王結託計画だ。
実行されたのかは不明だが、そういった話題が出たというだけで、なんとなく居心地が悪い。















アレキサンダーは、家宝の持ち主であるジークを怪しんだ。
疑念を持たれたジークには身の潔白を証明する物はなかったが、「あの家宝は重荷であり、惜しむ考えはない」と答える。

一方で、ギャングたちはギャングたちで、お互いを怪しんでいた。
新シンに至っては挑発的な言動でディルムッドを煽るなど、とても危うい雰囲気だ。以蔵もディルムッド犯人説に乗ってきたせいで、いよいよ空気が悪くなっていく。

うーんマズい。普通にマズい。
絶対に喋るなとは言われたけれど、冷静な外野の言葉なくしては、止まらないような気もする。いや、もう既に止まらない可能性も高いか……。















更に魔術師たちもお互いを疑い合いはじめて、ますますヤベー空気になっていく……その前に、『提案』をしたのはジークだった。
彼もまた容疑者の一人といえなくもないが、比較的立場が離れている分、他の面々にとっても話を受け入れやすかったのだろう。『提案』に対して異論を唱える者は、少なくとも今はいなかった。















お陰で、巧い具合に主人公&モリアーティは探偵役に収まることができた。
「言い分を公平に聞く人間」として選ばれたけれど、雇い主がジークであることを考えると、完全に公平とは言い難い気もしなくはない。ま、誰も指摘しなかったのでセーフ。

全員に話を聞くのかと思ったが、さしあたり今回は三人の魔術師のみが調査対象らしい。
何にせよ、探偵役の指名をジークが行ってくれたのはありがたかった。
主人公たちが自分から言い出したら、不自然だと疑われてもおかしくはなかった気もする。







魔術師への事情聴取






アレキサンダーが話を聞く中で、ヴラドが予想した犯人は蘭陵王。
魔術師としての能力や特性を、“窃盗”と“聖杯戦争”それぞれへの向き不向きを考えたうえで、蘭陵王が犯人だろうとヴラドは断定口調で話した。

そして自身については……資金難は認めたが、「余には勝算があった」ことを理由に、盗難する必要はないし望みもしないと語った。


……正直、己の潔白への主張も蘭陵王犯人説も、色々と曖昧で具体性に乏しい印象を受ける。
明確な証拠やアリバイの類もなく、ヴラドの言葉全てを信じられるだけの根拠はないように思えた。















蘭陵王への事情聴取に同席するのは、先程彼を怪しんでいたヴラド三世。
そして蘭陵王は、犯人をアレキサンダーだと予想した。
同席した相手を犯人扱いするのも気まずいだろうし、流れとしては予想通りでもある。
しかし、昨夜は手を組むことを考えた相手を、早々に犯人扱いするとはソークール。雰囲気からして、結局アレキサンダーとの協力話は成立してはいなかったのかな?

アレキサンダーの動機に関わる新情報として、『今回のオークションの参加料が莫大であること』が初めて明らかになった。
しかしこれは、アレキサンダー犯人説というより、オークションを開いたジークの怪しさに繋がるような気もするな。
参加料だけで相当稼げただろうし……。
まぁ、だからといって「盗まれたので参加料は返しません」と、そう簡単には済まないか。競り負けても返却されないとはいえ、開催すらされないとなぁ。















最後に、蘭陵王に見張られつつアレキサンダーと話をする。
流れ通り、アレキサンダーが怪しんだのはヴラド三世。理由は資金面の不安さ。
ヴラドが語っていた策や勝算については、「ハッタリだよ、きっと」と冷たく斬り捨てた。ソークール。

ここで“前の約束”について急に持ち出されたのには、ドキッとした。
蘭陵王も見ている前で、気まずい……!
前にヴラドからは「蘭陵王の能力についてアレキサンダーに話しておけ」とも言われたし、悩むところ。普通のゲームならバッドフラグになりかねない選択肢。
しかし、今回はどちらを選んでも問題はなかったのだと思われる。


また、最後にアレキサンダーは、“ギャング連中が金に目が眩んだ説”も持ち出した。
その可能性とて無くはない。
魔術師とギャングたちは一応協力体制ではあるが、決して味方とはいえない。騙し合いや共犯など、可能性はいくらでもある。
……が、そうなると、『警報は魔術師二人が必要だった』というのが引っ掛かるか。
ん、そもそも誰か一人犯人ってのが無理なんじゃ? 警報対策で共犯不可避?
うーん……。







事情聴取、一旦終了






アラフィフの悪い顔。
三人の魔術師の話を聞き終えた主人公に、アラフィフは改めて『コレが過去の出来事であり、彼は結末を知っている』と言った。
彼が知っている現実の結末は、とても悲惨なものだったらしい。おそらくこのままでは、同じ運命を辿る可能性が高いだろう。

このレイシフトだか夢だか曖昧な状況について、“運命を変えた”ことで何がどうなるのか……実を言えば、よくわからない。
おそらく、歴史が変わるなんてことはないのだろう。そこまでの介入が許されるとは思い難い。
あくまでも“過去の再生”、シミュレーターみたいな感覚に近いのかな? うーん、まーわからんし、まーいいか。










何にせよ、歴史が変わろうがシミュレーターだろうが、主人公もアラフィフも共に「悲惨な結末を変えたい」と考えている。
主人公は当たり前の感覚だが、少し意外なのがアラフィフの考え方だ。あまり彼らしくない考え方のような気がしなくもない。
主人公の影響を受けた結果なのだろうか? いやでも、そんなに簡単に良心に目覚めるような男じゃないよな(※決め付け)。
このあたり、まだもう一捻りの『謎』が残っているような気もする……という、現時点での漠然とした予想。







ギャングもつらいよ






アラフィフが「実は―――」と何か情報を主人公に明かしたようだが、プレイヤー目線では不明のまま、場面は次に移ってしまった。ずりーぞ! ユーザーのけ者にするなよ!

夜の庭で、主人公がまず出会ったのはディルムッド。
周囲に敵対勢力が居ないからか、日中よりもかなり落ち着いた様子だ。
主人公にも特別に親切とまではいかないが、わりと紳士的に話しかけてくれた。










うっすらとわかっていたが、ディルムッドはそれなりの年齢の老人らしい。
魔術師本人も若い外見を保っているアレキサンダーの件とは異なり、ディルムッドについては完全に『サーヴァントの外観と本人の外観の年齢がまるで違う』パターンのようだ。

主人公に対しても色々なことを語ってくれる様も、おじいちゃん然としている。
敵対するギャングが傍にいる時は威厳のあるトップとして振舞っていても、実際は年齢的にも心身共にも、疲れを覚え始めている年相応の普通の男のようにも見えた。















ディルムッドとの話を聞いていたらしい以蔵とも、続けて主人公は会話をする。
以蔵はディルムッドの引退願望を笑ってはいたが、心の底から馬鹿にして否定しているという雰囲気でもない。
以蔵は以蔵で、かなりの苦労をしているらしい。街の閉鎖的な空気に、新シン共々に辟易しているひとりでもあるようだった。










話を聞く限りでは最も危険な雰囲気のあった新シンも、実際に二人きりでゆっくり会話をしてみれば、想像していたよりもずっと“普通”だ。
巧くやりたい、ただ良い生活がしたいだけなのに、権利だの面子だので動けない……そんな感覚を、少なくともトップの三人は誰もが抱いているようにも見える。部下や周囲の目がある場では止まることができなくとも、実際の彼らは言動よりも頭が良いのだろうな。










結果的に、日中にはできなかったギャング三人の事情聴取もできた……ともいえない。
単に世間話をしたというか、それぞれの悩みを聞いたくらいだ。動機を探る一環だったと言えなくもないが、主人公にその気はなかっただろう。
日中のギスギスした対魔術師調査よりも、終始穏やかな空気だった。なんかちょっと世知辛く切ない話を聞いたなーって気分。アイツら、そんなに悪い奴じゃない気がするなーって思った(素直な感想)。