ドラゴンクエストビルダーズ2 プレイ日記065 破壊できなかった大切なモノ




最終章の舞台での登場人物は魔物まみれだ。
しかし彼らの性格は、気の良い奴らばかりでもある。キャラの方向性は様々だけど、好感の持てる奴ばかりだ。
おかげで、物作りやワープといった『楽しく便利な要素』を大きく縛られている現状でも、それなりに楽しく過ごせている。
前の章が裏切者とスパイに怯え続けるムーンブルクだったので、なおさら魔物たちの純朴さが胸に沁みるのかもしれない。

 







ハーゴン教会を目指そう

冷静さに欠けた主人公と、親切な魔物たち










キッシム達と共闘し、黒い魔物たちに無事勝利を収めた。
これからどうすれば……という空気の中、モンスターたちは「教会に行こう」と言い出す。
三神官のひとりである『ジゴックさま』とやらが教会にはいるらしい。ハーゴン教団内での上下関係や階級は謎だが、「さま」ってことはよっぽど偉い人物なんだろう。
とりあえずその人に今後の相談をしようという方向性で意見は固まったらしい。

そんな中、主人公は彼らとは別行動をとろうとするも、結局グリムンやメタッツに説得されて同行することになった。
主人公は、シドーを心配するあまり、ちょっと焦っているような感じでもあるな。冷静さがない。

この場は無理な単独行動より、情報収集を優先するべきだろうし、説得してくれたグリムン&メタッツには感謝だ。
キラーGはもちろん、キッシムも内心は主人公を心配してくれているっぽいし、やっぱりコイツらは良い奴らだ。
最初に出会えたのがこんな連中で良かったよ。ヘヘッ、オヒトヨシどもめ……!







道中は危険だらけ










五人そろってハーゴン教会を目指して進んでいく。
道中にはブラックホールめいた黒いウズや、例の謎の腕が出現して道を塞いできた。
天体惑星シドーにワープした時の渦に雰囲気は似ているけど、どうやらコッチは触れるとマジでヤベーやつらしい。即死は引く。

こんなものがゴロゴロしてるとか、危険すぎるだろう……。
世界の終わりだよ。この世が崩壊しつつあるというのが、言葉ではなく現実としてよくわかる。


謎のウデの攻撃に巻き込まれて、キッシムが実際に負傷する場面もあった。
「オレはここに置いていけ!」「そんなこと出来るかよ!」というベタなやりとり。
なんだよ……熱いじゃねぇの。
ベタでありがちだけど、感動しちまうじゃねぇか!















もちろんキッシムのことを見捨てる仲間たちではない。
怪我をしたキッシムに代わってグリムンが先頭に立ち、引き続き教会を目指して進み続ける。
グリムンがたまに振り返って「キッシム…大丈夫か?」と声をかけてくるのが、地味ながらニクい演出だ。
マジで心配していることがよく伝わってくる。まだ会ったばかりなのに、お互いのことを想い合っているんだな。
こいつらサイコーだよ。サイコーの仲間たちだぜ……(※早い)。

……だが、この流れはフラグっぽくもあった。
できれば杞憂であってほしいけど、しかし……。















キッシムゥゥゥ―ッッ!!??

うう……辛ぇ……辛ぇよ……。
まだダチになったばかりじゃねぇか。
そしてようやく打ち解けあってきて、サイコーの仲間としての一歩を踏み出したばかりじゃねぇか。
この世は地獄か?

この瞬間、最近アガリ調子だった俺の心が再びちょっと挫けた。
まぁ仕方ねぇけど……。仕方ねぇんだけどさ……。
……ふぅ…………。







壊れた教会

三神官のひとり、ジゴックさま










キッシムを失った悲しみに囚われ続けるわけにもいかない。
彼らは進み続けて、目的地だったハーゴン教会に辿り着いた。
もはや教会としての形を残してはいない、廃墟のような跡地に居たのは、噂のジゴックさま
早速話しかけてみるが、ジゴックさまは「この破壊こそ 救済ではないか」ハーゴン脳に染まったことしか言ってはくれなかった。

そりゃねぇよ!
でもハーゴン教団員としてはこの考え方の方が正しいのか?
崩壊に怯えるメタッツ達の方が異端になるのだろうか……?







破壊できなかったモノ

発見、作業台!





ハーゴン教団跡地の裏手にあったのは……!
まさか、作業台!? 作業台なのか!!??
俺が求めてやまなかった、作業台とついに運命の出会い……!?

ジゴックさまいわく、この台はずっとココにあったらしい。
そして謎のウデこと『破壊神のウデ』は、この台を破壊しなかった……できなかったように見えた、とジゴックさまは語る。

『作業台』『物作り』といったものから、主人公を連想して躊躇ったのだろうか?
もしくは、物作りに憧れていた自分自身の気持ちを思い出したのか……?







思い出の詰まった大事な品





台がキラキラしているのかと思ったら、台の横に立てかけてある何かがキラキラしていた。
手に取ってみると、それは……まさかの、『こんぼう』!?
シドーに初めて作って渡した、あの『こんぼう』か……!?















まだ廃材を破壊した木材くらいしか所持品がなかったからっぽ島漂流直後。
自分では物作りができず、ルルに作ってやったんだから俺にも何か作れと不貞腐れていたシドーに、初めて作って渡してやったのが『こんぼう』だった。
悪人みたいな台詞を言いつつも本気で喜んで、「ありがとな」とシドーは御礼を口にした。
思えば、シドーから人間っぽいマトモな言葉を聞いたのは、あれが初めてだったかもしれない。

その後、新しいシドー専用の武器を作って初めて渡した時にも、「最初にくれた こんぼうは このまま もらっておくぜ」と語るイベントが発生した。
よほど気に行ったんだなと、嬉しく思えた台詞だったが……あれも全ては、伏線だったわけか。










メタッツから「みみっちい ぼう」「こぎたない こんぼう」とボロクソ言われつつ、ただのこんぼうではなく『シドーのこんぼう』としてアイテム入手。
重要な役目を持ちそうな気がする。
シドーの正気を取り戻すためのキーアイテムになるのかもしれない。
大事にしよう……!

いやはや、それにしても伏線が丁寧だなぁ。
序盤から丁寧に張り巡らされたうえ、不自然でもなくスッとプレイヤーの記憶に印象を残していた。
シナリオの作りが巧いッ……!
そして、泣かせるじゃねぇの……!















『シドーのこんぼう』をきっかけに、主人公の友達シドーと破壊神との繋がりが改めて明らかになった。
破壊神の名前は、教団でも最高位の神官しか知らなかったらしい。メタッツやキッシムたちが知らなかったのは当然だ。
そして逆に、数少ない最高位の神官であるジゴックがいたからこそ、シドーと破壊神のことを初めて結びつけることが可能になった。

「破壊神シドーは主人公の友達だ」と言われても、並みのハーゴン教団員には信じられない。
それでもメタッツは信じると言ってくれた。
ここから改めて、シドー探しの冒険が本格スタートだ。