FGOイベント いみじかりしバレンタイン プレイ日記06 世界は“エモ”に満ちている




今回でプレイ日記は完結……ではないのだけど、メインシナリオ部分の感想は最終回となる。
正直に言ってしまうと、主にギャグ方面では「うーん」と思えるものも少なくないイベントだった。ただ、中心になる紫式部&清少納言の関係性やキャラ造形は個人的にメチャクチャ良かった。サイコーだった。

『源氏物語』や『枕草子』は太古の昔に読んだけど細かく憶えていない私だ。もっと読み込んでいれば、更に色々と気付くことができたのかもしれない。
またタイミングを見つけて読みたいな~とか思いつつ立ち寄った図書館にて、紫式部&清少納言関連の書籍が多く貸出中になっていることに気付く。テメェら……やりやがったな……!
……いや、偶然かもしれないけどネ!

 





※本記事では1.5部サーヴァントの真名を表記しています







偽物と、えせものと

怨念そのもの










ロクジョウは紫式部の印象が作り出した存在でもあるが、彼女もまた『清少納言』であることに変わりはない。
ひょっとしたら、この歪んだ姿とて『いつか居たかもしれない、またはありえたかもしれない清少納言』でもあるのかもしれない。

悲しみも恨みも創作への想いも、清少納言としての全てを中宮定子への鎮魂のために「置いてきちゃった」なぎこは、儚く切なく物悲しいものを背負いながらも、新たな道を探ろうとしている。出涸らしでえせものだと彼女自身は言うけど、そこには笑顔と自由があった。
対するロクジョウは、怨念から動けない。……そうあれと願われ、そうあろうと本人も考えている存在だけど、その姿は正直哀れでもあった。救えないものなんだろうが、救ってやりたくなっちゃうなぁ……。







華やかだった日々の記憶










そんな己の負の側面ともいえるようなロクジョウに対抗すべく、なぎこは固有結界を展開させた。
固有結界の安売りはあまり良くないと思うけど、今回は許すッ!(何様?)
清少納言の在り方としても枕草子の在り方としても、「世界を塗りつぶす」ってのがマジで合いすぎ。エモエモの極み。
この場面、背景も台詞も全部綺麗で眩しくて、本ッ当にキラキラしていた。
なぎこの世界に恋してしまう! いや、したね! もうしてた!!










なぎこさんがキラキラ輝くからこそ、巨大ゴーストに堕ちるしかないロクジョウの悲しさが更に際立つ。
正確な意味での『自分VS自分』ではないけど、かつて抱いた怨念と相対する構図は、やはりなぎこさんにとっては自分との戦いでもあるのかもしれない。

とはいえ傍から見ていても、なぎこが負ける気は全然しなかった。
彼女の“キラキラ”は、自分自身の負の感情さえも覆いつくし、塗りかえてしまえるんだろう。この固有結界の美しさを見れば、そうとしか思えない。
ハァ~~~……。最初に聞いた時は「へー」って感じだった『キラキラのアーチャー』名義に、ここまで納得させられるとはな……。
なぎこ、マジでキラキラのアーチャー。







愛される作品たち










戦いが終わり、夢の世界が崩壊していく。
なぎこさんとも、避けられない別れの時がやってきた。
この状況下、ついに紫式部は秘め続けていた『聞いてみたい事』を口にしようとして……全部言い切る前に、なぎこは答えてくれた。

このシーンさぁ……最ッッッ高じゃね……?
ようやくちょっとだけ素直になったり、結局ツンツンで終わったり、最初から最後までエモすぎるだろ??
正統派恋愛物語か???










全てが解決した後、“あの本”を読もうとする紫式部の姿で〆る、というのもサイコーな構図。
最初から最後まで紫式部のツンデレが心に沁みまくるイベントだった……。
穏やか文系天然ドジっ子美女が『特定人物にだけ極まれにみせるツンデレ』の良さを、物凄い勢いで叩きつけられて味わわされた。
紫式部のツンデレは……健康に良い。







おわり





これにてバレンタイン2020メインシナリオ感想、完結だ。
節ごとのテキスト量は控えめだったけど、更新回数が多かったので結果的にはそれなりのボリュームがあるメインシナリオだったように思う。
鯖とのチョコ受け渡しテキストもスゲェ量だし、改めて頭が下がる想いだ。
最初期からの女性鯖のやりとりがアッサリ気味な点など、気になる部分が無いわけではないけど、やっぱり今年も楽しかった。










清少納言と昨年バレンタイン担当者の紫式部が中心になっていたイベントシナリオ。
彼女達それぞれの個性と関係性は、スッゲ~~良かった。特に紫式部については、清濁共に見えたことで奥行きが増えた、ように個人的には感じられた。

そして新キャラだった清少納言の描き方も、“パリピJKギャル”というわかりやすい属性に変換しつつも、それだけでは終わらない……けど、重いものを引きずりすぎないサラッとしたキャラ造形は、良い意味でFGOらしかったと思う。
それでいて、最後の方にかけてはバッチリ「燃え」た。
悲劇や恩讐をキラキラした色で塗りつぶしていく姿は純粋に格好いい。美しくて強い人だな~と、最終盤になって好感度が更にブチ上がりまくり。思わず一度撤退したはずのガチャに再挑戦し、そして……以下略。










『清少納言と紫式部の物語』はとても良かったし、それぞれの描かれ方も個人的にはかなり好みだった。
……ただ、それ以外のテキストについては、ちょっと「ん?」と思う部分もあった。
FGOにおける与太時空なイベントテキストは、しばしば悪ノリが過ぎたりキャラ崩壊に片足突っ込んだりしてしまうことがあるけど、今回はややその方向性が強かった気がする。
それもイベント後半になるほどに悪化している感じもあって、清少納言&紫式部の物語が気になっているプレイヤーとしては、少なからず辟易してしまったかな……。

メタギャグやオタク・非モテを弄るネタは扱いやすいしバレンタインという季節にも合って使いやすいのだろうけど、やりすぎるとなぁ……というのが、正直な感想だった。
あとイベントの原因となった聖杯の扱いも……とか言い出すと、まぁキリがないか。
期間限定のイベントシナリオなので、多少の粗は仕方がないということで治めておこう!
でもパリピギャルイベントで鈴鹿が登場しなかったことだけは未だに納得しきれない。










とまぁ、残念に感じた部分も少なからずあったのだけど、「清少納言と紫式部が尊いのでオールオーケ」と思わないでもないだな、コレが。
陰があっても明るくキラキラし続ける清少納言はサイコーに格好良い女だったし、そんな彼女に振り回されつつもツンデレた想いを秘める紫式部はちょっと面倒くさいところも可愛い女だった。
次のサバフェスの作品は決まったわね! ……実際、サバフェス夏イベが開催されたのが2018夏ではなく2020夏だったなら、サバフェス参加する紫式部と一般参加清少納言の姿が見られたのかな~とか思うと、ちょっと残念に思う。見てぇ~! 見たかったァ~~!










ではまた次のイベントでお会いしましょう……の前に、去年と同じく『鯖とのチョコイベント』にもよっとだけ触れておこうと思う。
次回、最終回兼「このバレンタインがよかった2020」!