FGOイベント 虚数大海戦イマジナリ・スクランブル プレイ日記13(完) 君とみる夢




虚数海域イベント感想、最終回!

『4.5部』を名乗るだけのことはあるボリューム&クオリティ。
期待以上に面白くて読み応えのある、秋の夜長にぴったりのイベントだった。
ゴッホを代表としたメインキャラの描き方も良ければシナリオも面白かったけど、フォーリナークラスについてのわかりやすい掘り下げがなされた点も嬉しい。
マップをチマチマ埋めていくゲームシステムも好きだったな~。よく考えると手間が多いし結構面倒くさくもあるんだけど、やってる最中はただ楽しんでた。

 





※本記事では1.5部サーヴァントの真名を表記しています







フォーリナーどもの乱痴気騒ぎ

とと様モードのシナリオ登場も久々な印象










ついに開催、大フォーリナー祭り。欠席一名。
トンチキな空気のわりに人類的には空前絶後の大ピンチのはずだが、やっぱり雰囲気はどこかユルい。
正気を失っているカルデア所属フォーリナーたちも、せいぜい『はしゃいでいる』域から抜け出し切らず、ゴッホに協力してもらえたこともあって比較的すんなりと元に戻していくことができた。

でも戦闘難易度的にはわりとキツかったな……。
特にXX。XXだけ段違いに殺意が高すぎる。フォーリナー絶対殺すウーマンは伊達じゃない。







楊貴妃を止めろ










問題は大本、楊貴妃だ。
彼女が最初から敵側の尖兵としてノーチラスに潜り込んでいたのは、もはや疑いようがない。
だが、彼女がゴッホたちに見せていた笑顔や気遣いの全てが“演技”だったわけではないとも思いたい。
そんな我々の気持ちを刑部姫が代弁し、ちっちゃいなりに熱意を篭めて全力で楊貴妃に言葉でぶつけてくれた。嬉しいなぁ。そして格好いいよ、おっきー。ゴッホ救出の時といい今回といい、おっきーは良い仕事をしてくれる。
対する楊貴妃の反応を見ても、やはり希望はゼロではない気がする。















それでも止まらないなら、物理で強引に止めるしかない!
そして『星月夜』の刑だ!!

いよいよ最終決戦、今回のイベントのラスボスともいえる楊貴妃戦が始まったが……XXの記憶が新しい今、アレよりは簡単だった気がする。
ともかく大切なのは弱体解除。2・3ターンに一回くらいは解除しておきたいので、ジャンヌやキャストリアの宝具が回る回る。
弱体解除を十分に用意できるのなら、なんとかなるレベルだった。







邪神の犠牲者










勝利! 星月夜ッ! 完ッッ!!
……では事は終わらなかった。
楊貴妃の境遇は、実はゴッホに近いことがここで判明(※憶測)。
邪神の陰謀のために霊基のほとんどを弄られたうえ、「天子様」への想いをも歪められたのか……。似たような思考回路のバーサーカーは他にも居るけど、外科的に無理やりいじくられた楊貴妃の場合はよりエゲつない。
邪神のやり口が悪質すぎる……。ドン引きだよ。
ゴッホの件といい楊貴妃の件といい、マジでどうかと思うぞ!
そういうの、ぼかぁよくないと思うなァ!















“作り方”からして歪んでいた以上、フォーリナー楊貴妃を完全に救うのはほぼ不可能に思える。
力尽きようとする楊貴妃を前に焦っていたその時!
この瞬間のためにやってきた、我らがふーやーちゃん、戦場に降り立つッッ!!

……高めのイベント特攻を持ちつつ、終幕が公開されるまで一ミリも出番がないままで、このまま『特攻があっても登場するとは限りません』枠で終わるかもとも思っていたが……。
まさかこんな形で、彼女の大活躍を見ることができるなんて。
しかもチップ埋め込みとかメチャクチャ無理してくれてる。全ては楊貴妃を救う為に!
格好いい! 武則天さま! おばあちゃーん!!










世界一格好良くて可愛い我らがふーやー姐姐のおかげで、楊貴妃は霊基に“制限”をかけられたことで、ある程度の安定を手に入れた。
根本的に作り直すことは出来なくても、うまく折り合って生きていくことはできる。百パーセントの安全を保障するものではないが、十分な落としどころだ。
ありがとう、おばあさま……! 次の夏の限定☆5は武則天さま確定で良いと思います!!
マジで今回のふーやーちゃんMVP過ぎて、何かしらの御礼を用意しないことには気が収まらない。もっとも今回は項羽もMVP級だしスカディも以下同文だしで、感謝したい相手が多すぎるわけだが……。







そして現実へ





大作戦『イマジナリ・スクランブル』、今度こそ完了!!
「陰謀ある人挙手して」と言い出すネモにはワロタ。
マジでそれ。今回の犯人多すぎ。
特に楊貴妃とか、タイトルに“終幕”謳っておきつつドンパチ始めるとかルールブレイカーすぎ。










実数境域への浮上が開始すると共に、我々は眠りに落ちて、“航海の夢”は終わっていく。
時間軸が曖昧だったり因果がねじれていたようにも見えたのは、夢だったせいかもしれない。でも決して空しい夢オチなどではない。
夢と現の境は曖昧だけど、希望に溢れた優しい結末だった。







おわり





これにて虚数海域イベント感想、無事に完結となる。
いや~、読み応えがあって面白いシナリオだった!
外部ライターが明言されているのは珍しいけど、はっきり言い切るってことはそれだけ自信があるのだろうともワクワクドキドキしていたが……結果的には予想以上の品がご用意されていた。
どこまでが大本ライター製で、どこからが各キャラ設定担当者による加筆なのかはわからないけど、全体的にすごくバランスも良くてキャラクターひとりひとりが輝いていたと思う。
悪い意味でのサブっぽい立ち位置のキャラは、今回は居なかったんじゃないだろうか?
「誰ひとりとして欠けてはならない」と最後まで思えたし、物語を作る上でそう感じられるように丁寧に設計されていたのだとも思う。

たとえば序盤からの同行者だった刑部姫。オタクらしさと乙女らしさを随所にねじ込んでシナリオを賑やかしてくれた彼女は、今回のメインキャラクターってほど前で目立つわけではなかったけど、ラスト付近での楊貴妃を説得しようとする様とかメッチャ良かった。
チマチマと積み重ねてきた描写が一気に活きてきて、胸を掴まれたよ。こういうの弱いんよ、俺。










そして言うまでもなくメイン中のメインだったゴッホ&ネモに関しては、ぜ~んぶ良かった。
もう一度言おう。ぜ~~~~んぶ良かった。
正直ゴッホの第一印象は危なっかしいし怪しいしで取っつき辛かったけど、そんな部分も全部乗り越えてあの結末に至ってしまった今、評価は大幅上昇で限界突破。
彼女が不幸なだけの結末は変えることができても、寂しく悲しい別れは避けられないかもしれない……と不穏なフラグをバラまいてからのハッピーエンド!
だけど強引だったり超ご都合主義ってわけでもなく、全部乗り越えて回収した上で勝ち取った皆の幸せ!
サイコ~~~~!! イェ~~~~~イ!!!

以前から馴染みの仲間でもあったネモについても、潜水艦という特殊な状況下で艦長らしさを掘り下げつつもゴッホとのやりとりで人間臭さや弱さや優しさも曝け出していってくれて、ともかく最終的には全部好き。
今回一緒に乗り越えた仲間、全員大好きですわ。ズットモだよ。










そういう意味では楊貴妃についてだけは特殊な隠し爆弾だったけど、むしろ裏があったことにシックリ馴染んだ。
ようやく本当の彼女を知られたのだと思うと嬉しかったし、フォローもかなり丁寧だったように見えた。
『大フォーリナー祭り』でちょっとコメディ風味にしたことで毒が薄れたあたりは、やや緊張感と危機感を削がれたけど、FGOらしくライトユーザーにも受け入れやすい塩梅で正しかったのかもなと思う。
それでもやっぱり、読者によって多少評価は別れるかもしれないが……個人的には全然アリ。
むしろ前よりずっと楊貴妃に興味が湧いてきた。水着化も期待したいな~。

全部終わったあとのBBちゃんとの「負け犬の全暴露タイム」も、ヘイト管理としても裏ネタバラシとしても巧かったし面白かった。
メタ寄りの楽屋ネタは乱発しない方がいいと思うけど、今回についてはBBとユゥユゥの関係性も相まって、すごく自然に見えた気がする。少なくとも私はそう感じた。
あと、ドン引きするBBちゃんが可愛くて俺得。あの子、陽キャ演技してるだけの根暗だからさ……そういう面を見せられちゃうと興奮するよ。










ハロウィンを超えてセイバーウォーズ2をぶちかました去年から、『秋のこの時期は大規模&シナリオガッツリ系イベント』の流れが来ている……?
だとしたら、個人的にはすごく嬉しい。ボリューム過多で消費も大変だけど、読み応えがあって楽しいんだもんなぁ。
今回は最初から『【SFホラー】+【ミステリー】』って雰囲気が強かったので、推理や考察のし甲斐もあった。

大きな括りとしては、『フォーリナー』についての扱いや位置関係が明言されたのもFGO的には大きかったように感じる。
セイレムから今まで、ずっとなんとなく共に過ごしてきたエクストラクラスについてようやく腑に落ちた感じでもあって、「セイレム続編かつ完結編」みたいな印象を個人的には受けた。
FGO第二部本編で宇宙のアレソレがプッシュされたり、サーヴァントユニヴァースでまた違う宇宙のアレソレがプッシュされたり、宇宙関連が混乱しつつあったのがひとつようやく片付いた……みたいな?
いやまぁ、実際は全然片付いてはいないんだけど、ざっくり言うとそんな気分。










フォーリナーの立ち位置や設定にかなり踏み込んできた今回のシナリオは、CCCコラボイベ並みに重要な物語だった気がする。そりゃBBちゃんも出るってもんですわ。
予想以上のボリュームと密度はあるし、設定的に深いところに言及するし、キャラクターはそれぞれ魅力的だし結末は明るく希望の持てるものだしで、とても面白いイベントだった。
楽しかった!