本日のゲーム雑記:月姫Rをやっている話2

シエルルートも無事にクリアしたぞ。ノーマルもトゥルーも回収完了!
とはいえまだ分岐全回収は終わっていないので、完全制覇とは言い難い。でもマテリアルは解禁しちゃいますね。へへ……。

アルクェイドルートは昔と大きく筋は変わらず、新鮮味という意味ではさほど無いながらも最後まで上質な物語を読み直すような気分で楽しませてもらったが、シエルルートは噂通り随分と印象が変わった。
それこそ漫画版で気軽にあらすじを復習できるアルクルートと違い、シエルルートの細部はマジで記憶が怪しいものだったので、どこがどうって断言する自信はないのだけど……。
でも、違うよな? 間違いなく違うはず。一部シーンは明確に「昔と同じ流れだ」と感じられたけど、あちこちで知らない新鮮な光景を見せつけられた。

その何が良かったって、シエル先輩の可愛さと魅力がメッチャクチャ増されていたように感じられたし、実際に世間的にもその認識が広がっているようで二重に嬉しい。
シエル先輩はサイコーだって、だから俺はずっと言ってたじゃん!! と古参厄介勢面。

アルクルートで志貴が「先輩と有彦と過ごす時間が楽しかった」と語っていた時は、そんな記憶の一切ないまま至ったワイは「お、おう」という気持ちでいっぱいだったのだが、シエルルートでは間違いなく先輩と(たまに有彦とも)過ごす楽しい時間をたっぷり味わえた。
話はズレるけど、アルクルートで先輩と(略)時間を“体感する”ほうが難しくない? シエル先輩と冒頭電車で出会って以降、終盤まで先輩と再会できない可能性のほうが高くない? アルクルートでの旧シエル登場場面をノエル先生がちょくちょく奪っているから猶更。

シエル先輩と『楽しい時間を過ごす』ことが単純に嬉しかったし楽しかったのは言うまでもなく、シナリオの緩急の面でも良い効果を生み出していたようにも思う。
これもまた己のあやふやな記憶で語ってしまうので、間違っていたら申し訳ないんだけど……私の記憶と感覚では、旧シエルルートでの中盤~終盤にかけての『志貴がおかしくなっていく描写』はもっと暗く重い雰囲気だったような気がする。
これは例えばFateの桜ルートにも通じるように思うのだけど、『〇〇が少しずつおかしくなっていく』のって日数がかかるわりに改善されず悪化する一方だしで、起伏がなくストレスも多い展開になりやすい。
『少しずつおかしくなっていく』説得力を持たせるための時間と描写は間違いなく必要なんだが、そういった状況が長く続くと読者目線ではやっぱり息苦しくて疲れてしまう。でもあっさり済ませれば当然真剣みに欠けてしまうわけで、難しいもんだ。

……そんな『おかしくなっていく』時のストレスを新シエルルートはかなり緩和することに成功していた。最後の最後にトドメとして突きつけられるし、合間合間に怪しい描写も挟まれてはいくけど、『おかしくなっていく』描写と並行する形でシエル先輩や有彦との『楽しい時間を過ごす』場面があることで、読み進めていてもほとんど苦に感じなかった。

というのも、シエル先輩が可愛かった! シエル先輩がすごく可愛かった!!
あんなに可愛い先輩と日中にキャッキャウフフと過ごせていたら、そりゃ「なんかたまにイライラしやすいな~」くらい見逃しちゃっても当然っす。
シエル先輩って系統的に最も近いのはFateだとジャンヌだけど、委員長系の流れとしてはセイバーも同じ分類にいるよな。秋葉が遠坂なのは言うまでもなく、アルクイリヤ……ってのは公式で言われたんだっけ? それともファンの妄想?
なんにせよ、時代がようやくシエル先輩に追いついた感もあり、我・感無量。
旧の時点でもあれらの日常シーンはあったような気もするが……このあたりの感じ方の違いってなぜなんだろう。声や演出、シナリオの細かい部分がバージョンアップされていたんだろうか? そもそも私がうろ覚えなだけかもしれないしなぁ。じっくり読み比べないことにはなんとも言えないけど、ともかくシエル先輩との日々は楽しかったし、リメイクシエルルートは読み物として素直に面白かった。

そんなシエル先輩に対応しつつ掘り下げる新キャラとして生まれたノエル先生も、これもまた予想していたよりずっと面白い人物だった。
ノエル先生周りはどうしたって新しいテキストにならざるを得なかっただろうし、こうして振り返ってみると月姫Rで最も強く印象に残ったキャラはノエル先生だったりするのかもしれない……。
型月作品ではわりと珍しい『レギュラーキャラでありつつ普通過ぎる人間』という立ち位置もまず新鮮で良かったし、シエル先輩とのあれそれは言うまでもなく超興味深かった。シエル先輩が好きならノエル先生も好きにならずにはいられない、なんて言い出すと主語デカ杉乙だが、ノエル先生のおかげでシエル先輩の新たな魅力がいくつも見えたと思う。本当にありがとうノエル先生。ああいうグチャグチャな感情とか人生とか、正直わりと好きです。
どうしたって救いはなさそうなのが冗談抜きに哀れだけど、彼女は“ヒロインにはなれない”ことこそが魅力でもあるので、このまま哀れなサブキャラクターとして終わってしまうのが最も悲しく美しくノエルらしいようにも思う。辛くて重くて本当に悲しい……。でも……。そこがいい。それでいい。

……と、ここまでノンストップで書いてきたが、ちょっと長くなった。
まだ言い足りていない気もするし、触れそびれていることもいっぱいあるけど、また次回(あるのか?)にしておこう。