FGO第二部 Lostbelt No.3 プレイ日記03 新しい居場所と仲間
家族設定を考えるに、新所長の基本設計はアポクリファ原作者である東出先生担当なのかな……と想像していた。
しかし『序』、そして各種『intro』や異聞帯外の部分が奈須きのこ担当であるとわかった今……驚きと、ほんのちょっぴりの怖さを抱きつつある。
FGOライター、どいつもこいつも新所長のこと好きすぎ説。
今回で『intro』部分の感想は終える。
そのために、今回は二倍どころか三倍の長さになった。
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「FGO 序/2017年12年31日 プレイ日記01 はじまりのおわり」
※本記事ではサーヴァントの真名を表記しています
笑顔で仲良しクリプター会議
前回に続き、わかりやすいくらい“嫌”な立ち位置となっているベリル。
彷徨海に逃げ込んだカルデアは手が出し辛いので放置……という流れに、唯一反したのも彼だった。
そして、彼の口から出たことで言及された『異星の神の使徒』。3騎のアルターエゴ。
コヤンスカヤの受け答えを見るに、言峰神父・元キャスターリンボ・コヤンスカヤの3人を指しているのだと思われる。
言峰とコヤンスカヤがアルターエゴクラスだと明言されたのはこれが初めてだったはずだ。
気になる事は山ほどあるけれど、とりあえずコヤンスカヤについて。
第二部CMで登場した新タマモナインっぽい女性は、“アサシン”クラスで紹介されていた。
おそらくだけれど、「敵ではアルターエゴ」「味方として召喚された時はアサシン」と別に扱うことで、メインシナリオで集めたヘイトを味方コヤンスカヤ(仮)に引きずり過ぎないように……というメタな気遣いなのだと思う。なお全て現時点での私のただの想像。
過去のCCCイベントでは、同じくタマモナイン出身(仮)のタマモキャットが、『自分もアルターエゴだ』とリップ達に語る場面があった。
これもまた予想の範囲だが、タマモナインは基本的にアルターエゴであり、そのうえに各クラスを与えられているダブルクラスめいた設定になるのかもしれないな。
また、あくまでも『異星の神』の使徒である以上は、クリプターズとは上下関係はなさそうなこともわかる。
神父やコヤンスカヤがクリプターに対して態度が大きかった理由も、ここにあるのだろう。
彼らの誰かがマスターというわけでもなく、強いて言うなら異星の神自体がマスターって感じなのだろうか……?
彷徨海への攻撃は基本的には不可能だけれど、コヤンスカヤには隠し手があるようだった。
ベリルからの対価を得ることを条件に、彼女は主人公の暗殺に動き出す。
カルデア壊滅を願う依頼を“嫌がらせ”として平気で口にしたり、そのうえで暗殺という手段を「趣味が合う」と言ったり、裏切者扱いしたカドックに親し気に話しかけたり……。
コロコロ雰囲気が変化するうえに反道徳的で不安定な言動ばかりのベリルだけれど、全て本気で言っているらしい。
単に姑息だとか悪意があるというよりは、性格が悪い……つーか、“変”だ。“異常”、“理解不能”に近い。
それをカドックは、「気持ち悪いよな」と言っていた。ウケる。超わかる。
冒頭ではヒナコ、中盤はベリルについて丁寧に描写された今回のクリプター会議。
デイビットは基本的に口数が少ないが、最後に少しだけ、彼の人格についても触れられた。
デイビットもまた、どこか危うげで、謎の多い不気味な男ではある……が、オフェリアのことを「意識を割いたのは一日分にも満たない」としつつも、「その程度には惜しい」と言うあたりには、彼の異常性の中にある人間らしさも少しだけ読み取れた気がする。
そしてペペロンチーノは、今までもわりと出番が多かった男だが、今回で少し“怪しさ”が増したような印象を抱いた。
優しく付き合いの良い、キリシュタリアをして『安定した精神力』と言わしめるだけのすごい男ではある。クリプターズではトップクラスに取っ付きやすい気もする。
しかし、だからこそ底が見えないというか、本心がなかなか読めない。
見えている彼は、本当の彼なのか? 本当の彼とは、どんな人間なのか?
そして、キリシュタリア。
彼もまた、底の見えない男だ。しかし、クリプター会議やオフェリアの回想など、描写が増える度に深みも増していく男だった。
正直、『序』の頃に抱いた個人的なイメージとしては、彼はいわゆる“典型的なやられ役優等生”かなーなんて思っていた。
性格は悪くなくとも器が小さい、自意識過剰なタイプ……系統的にはアルバとか成功したシンジ(≒ペルセウスbyライダー)みたいなタイプかなーなんて、大変失礼な印象を持っていた。
だが実際は、系統的にはむしろレオに近いタイプなのかもしれない。
勝者で王者たる実力と風格を持ちつつ、人間らしさもあったキリシュタリアは、最初から完成していたのかもしれない。
「その椅子に座ってから満足に笑わなくなった」とペペロンチーノは言っていた。
「ズルい男ですわね」とコヤンスカヤは言っていた。
彼を純粋に慕ってくれていたオフェリアは、もういない。
失ったオフェリアの想いを受け止めて、前に進もうとしている姿が胸を打つ。
クリプターを率いる者として正しく立派で美しい場面ではあるのだが、とても孤独で悲しい姿にも思える。
一人になってから、彼女への短い祈りを捧げた後に表情を変えたキリシュタリアからは、またひとつ何か“人間性”めいたものが欠けたようにも見えた。
完成していたはずの彼は、今後も何かをどんどん失っていくのだろうか?
失いつつも得ていく強さの果てに、キリシュタリアにはどんな物語が待っているのだろう?
新しいカルデア
見切れまくるキャプテンがかわいい。
“そういう”タイプには見えなかったけれど、意外とお茶目なのか?
立ち絵とはターバンの飾りも顔の向きも異なるあたり、何か意味があるのかもしれない。ないかもしれない。
入港から2週間かけて、改造された彷徨海内部の一部分。
細部は異なれど、カルデアが再現されている。
マシュも主人公もとても喜んでいた。
彼らが好意的に受け止めたならば、良いと思う。彼らが喜んだなら嬉しい。
メタ的に言えば、背景素材をできるだけ使いまわすための手段でもあったのだろうとわかる。
……けれど、個人的には、“再現”というのは残酷な様にも見える。
二度と取り戻せないものを、少しずつ違ううえに大切な人たちもいない姿で“再現”されたのを眺めるのは、なんだか苦しい。違いや差を思い知らされて、尚更悲しく思える……というのは、センチメンタルすぎる感覚なのかな?
『なぜシオンはそこまでしてくれるのか?』という問いについて、ホームズが切り込む。
後に非礼を詫びて謝罪したけれど、ホームズの疑念自体は決しておかしなものではない。
プレイヤーも内心抱いていたであろう疑問を、代わりに訊ねてくれるホームズはありがたい奴だ。損な役目を負いがちだが、大切な存在だ。
シオンの答えのひとつめ、『問題があれば解くのは当然』という考え方は、魔術師や科学者らしくてわかりやすい。
その上で彼女は、“主人公たちと仲間になってくれた”。
とてもシンプルで、どこか非人間的なんだけれどあたたかさもある考え方だった。
ホームズや主人公が謝罪しても、シオンは「気にしないで、私にも問題があったみたい」と笑っていた。
感情を伴うフレンドシップに慣れていない彼女。人見知りを自称するだけのことはある。
何にせよ、この一連のやりとりで、私は更にシオンのことを好きになってしまった。
良い子だなぁ。
ここでようやく、話は本題に移る。
「カルデア襲撃から彷徨海到着までの活動記録は調査させてもらいました」……という発言からするに、やはり襲撃までの情報しか、シオンは正確には得ていなかったのかな。
改めて、“今までの物語”が噛み砕いて説明された。
異聞帯における戦いなどに新情報は特にはないが、選択肢によってはシオンから気になる話を聞くことができる。
廃墟に立ち寄った際に発見した生存者の日記。
シオン曰く、インク印刷ではなく、熱で焼き付けた文字だという。
既に残っても稼働してもいないはずの発電施設があったことを意味するのでは……とシオンは内心で考えていたけれど、明確な答えが出ないからか、「まあ、これはおいおい、もっとデータが揃った後で」と一度放っておくことになった。
うーん気になる。気になりまくり。
定義された『異聞深度』と、確認された7つの異聞帯。
ヨーロッパに3、アジアに2、南米に1、大西洋に1。
中国とインドの嵐の壁は拡がる気配がないため、しばらく放置可能。
イギリスと南米は、トリスメギストスの進言によると自滅の可能性大。
イギリスは、以前ダヴィンチちゃんもブリテン島には近寄るべきではないと警告していた。
異聞深度も測れず、“この惑星に馴染めていない”状態で、嵐ではなく『光の壁』に阻まれているという。
ストーリー的にはどうしたっていつかは向かうことになるけれど、どんな状況になってるんだろうな……。怖いけれど楽しみだ。
現時点の情報を元に、『次は大西洋異聞帯を目指す』という方針が定まった。
大西洋にいるのはキルシュタリアだ。実質本命、大ボスともいえる男だ。
決戦に向けて解散の後に、シオンが何やらダヴィンチちゃんに相談を持ち掛けていた。
マシュパワーアップフラグの気配だ。大西洋までには取り付けたい、『天寿』の概念礼装……と、気になるフレーズ。
そしてもうひとつ気になったのは、「英霊ギャラハッドのギフトを再現するのは、今の地球では不可能でしょう」というシオンの発言。
ギャラハッドの力を借りることができなくなったのは、地球漂白に原因があるのか……?
ああでも、ダヴィンチちゃんは「理由はどうあれ、マシュを見捨てた」みたいなことを言っていた気がするし、原因のひとつってことなのかもしれない。
何にせよ、ギャラハッドがマシュや汎人類史を簡単に見捨てるとも思えないし、複雑な理由や原因があるように思う。
ムジークさんちの今日の夜食
深夜にメシを求めて動き出す主人公&新所長。
このシーンで、新所長の口から現在のカルデアスタッフの名前が出た。
ムニエル、カワタ、オクタヴィア、トマリン、チン、カヤン、エルロン、マーカス。
そしてマシュと主人公。
知らない名もあるが、人種は色々のようだ。
そしてムニエルの名前弄りを定番芸にしていた新所長だが、今では全員の名前をちゃんと憶えていることがよくわかる。
小さいところからコツコツと好感度を稼ぎおる。汚い男め……ッ!
更にケーキ&キュートなスプーンフォークを携えた新立ち絵まで登場するとか……なんなん?
きのこはゴルドルフ新所長をどうするつもりなんだ??
完璧なヒロインに仕立て上げようと画策しているとしか思えない。
株を上げに上げて、最後に叩き落すと見せかけて落とさないんだろ?
いやでも黒きのこなら落とす可能性もあるか。
きっとHFセイバーにトドメを刺さなかった場合の凛みたいな目に合わされるに違いない。
エロ本! エロ本!!
盗み食いの共犯者にしてやろう、という魂胆もあったのだろうが、それにしてもこのシーンの新所長は人間が出来過ぎている。
主人公はもちろん、主人公の口からマシュの様子も探ろうとしているあたり、完璧すぎる……。
理想の上司ランキングに入ることを狙っているに違いない。
“一度きりの奥の手”だったと、コヤンスカヤは言った。
後にその手段とは、新所長が後生大事に持っていた口紅を触媒にした侵入だったこともわかった。
……けれど、正直不安は残る。触媒となると、他でもない主人公自身や玉藻の前との絆自体のほうが強力なように思える。杞憂ならばいいのだが。
そして、主人公の暗殺に毒を用いようとしたあたり、コヤンスカヤは主人公の毒耐性を知らなかったこともわかった。
彼女……そして異星の神やクリプターが得ている情報は、我々が想像しているよりも、ずっと“浅い”のだろうか?
ホームズの存在も、主人公の毒耐性も知らず……というと、本当にカルデアや人理焼却事件に関する“浅い部分”しか把握していないのか??
だとすると、クリプターとはまだまだ話し合いの余地もあるような気がする。
けれど、まーそんな暇はないか。話し合える時も、とっくに過ぎているだろう。
そして毒耐性は知らなかったとしても、毒入りケーキ(名前入り)は暗殺手段としてはやや確実性に欠けるように思える……けれど、おそらくそんなツッコミ所よりは新所長&コヤンスカヤの反応の面白さ優先で採用した気ガス。
実際に愉快だった。そして颯爽と助けてくれたキャプテンに惚れた。
「最後まで信じよう」と言い切ってたわりに、『序』では即マシュの言葉を信じていたよネ!
口紅については完全にしてやられたけれど、ケーキ毒殺失敗についてはゴルドルフ氏の勝利といえるだろう。いや本人は死にかけているけど。
せっかく用意した毒入りケーキを、ニコニコ新所長に食べられている時のコヤンスカヤの表情変化の数々は大変面白かった。
あとちょっとかわいい。
かつては愛され、信じるとまで言われ、今や敵になりつつもこちらの目論みとペースを崩され続ける男が、最後に体を張って守ってくれて、本気で愛そうと思うけれど時すでに遅く、共に凶刃の前に倒れてしまう展開まで見えた。映画化不可避。
毒の名は『仙衰冥脈』。
2018年には現存しないが、異聞帯内ならば可能性がある。
そのため、次の目的地は急遽中国異聞帯に変更になった。
主人公は毒耐性でほぼ影響はなくとも、新所長は余命10日だ。
もちろん主人公自身も解毒するべきだし、こればかりは最優先で動かざるを得ない。
ヒナコはびっくりするだろうな……。
クリプター会議も退席後だったし、何も知らない状態でいきなり襲われるようなものかもな。マジゴメン。ベリルとコヤンスカヤと新所長が悪い。
ただ、コヤンスカヤは立ち去る直前に、「解毒するためには、もう一度お仲間と殺し合う他ないかしら」なんて言っていたのが非常に不穏だった。
嫌な予感がプンプンする。
が、そんな嫌な予感を吹き飛ばす、嬉しいニュースがここで入った。
カルデアの霊基グラフから再召喚した、中国異聞帯の案内人の召喚成功!
記念すべき助っ人第1号は……
哪吒キターーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!
いや、この胸の高鳴りというか嬉しさというか、マジ半端ない。
超嬉しい。普通に泣きそうなくらいマジで嬉しかった。
最初に召喚するサーヴァントは自分のお気に入りにしたかった、というファンの声も聞くし、確かに「なるほど、そういう考え方もあるか」と私も納得した。
けれどこの瞬間の私は『カルデアの』『知っているサーヴァントと』『第二部の舞台で』『初めて再会できた』事実ひとつひとつが、ともかく胸熱で嬉しくてたまらなかった……。
カルデアのようで、カルデアではない場所だ。
それがずっと不安だった。
マシュやホームズはいるけれど、心細かった。
ダヴィンチちゃんのことは今でも、どちらも大好きだけれど、カルデアにいた彼はもう二度と会えなかった。
ずっと抱えていた不安や戸惑いみたいなものが、哪吒と再会できた瞬間に、彼女が微笑んでくれた瞬間に、やっと晴れたような想いだった。
我ながらセンチメンタルが過ぎるのだけれど、本気でそんな感じだった。
第二部の物語を歩む中で、引きずり続けていた傷や迷いを、ようやく少し抜け出せたように思う。
全部が癒える訳ではないが、改めて前に進んでいこう!
彷徨海の第2のカルデア、ノウム・カルデア。
中国異聞帯に、殴り込みだ!!
いきなり殴りこまれるヒナコと、玄関を弄られまくった上に「ここ俺たちの基地な!」みたいにされた彷徨海魔術師には、私からもう一回ゴメンと言っておこう。