FGOイベント 旧き蜘蛛は懐古と共に糸を紡ぐ プレイ日記06(完) オールド・スパイダー




2019ホワイトデーイベント感想、最終回!

最近のFGOのイベントは、ボリュームたっぷり系大イベントとこじんまりイベントとに、わりとハッキリと分かれているように思える。
正月の閻魔亭は前者だったし、バレンタインやONILANDは後者の印象だった。
制作も大変だろうしイベントごとのバランスにメリハリはあっても良いけれど、個人的にはシナリオの内容がアッサリ過ぎると、「ちょっと呆気ない」「物足りない」とも感じてしまう。

そういう意味では、今回のホワイトデーイベントシナリオは、短いながらも良いバランスの物語だったなというのが正直な感想だ。
最近のこじんまりシナリオの流れの中では、物語自体の出来もキャラのフォローも行き届いていて、特に良かったように感じられた。

主人公の味方が、道中では実質アラフィフ一人だったため、描写が絞られていたのが密度と読後の満足感に繋がったのかもしれない。
色々なキャラを出してワイワイする冒険はもちろん最高に楽しいけれど、ボリューム控えめのイベントでは視線が散らかり過ぎるとそれぞれの掘り下げが甘くなってしまう危険も高いのかもな……と、個人的には思う。

 





※本記事では1.5部サーヴァントの真名を表記しています







穏やかな結末











事件は終わった。
最後の勝負で、聖遺物を手に入れる勝者は他ならぬアラフィフとなった。

三人の魔術師たちはもう少しゴネてくるか……とも思ったが、「勝った奴が手に入れる」ことで戦闘前に同意していたからか、比較的すんなりと納得してくれた。
ゴネて足掻いても勝てる相手ではない、とわかったから、というのも大きいかな。
今回集まった魔術師たちは、それぞれ一癖ある魔術師らしい魔術師でありつつも、極悪非道な人物ではなかった。だからこそ、こんな穏やかな結末にも辿り着けたのだろう。

一方のギャングたちは、聖遺物に最初から執着などはしていない。
今回の事件と、調査の中で明らかになったトップそれぞれの真意がわかったことで、和解への道を進んでもいいのだと背中を押されたような形になっていた。
彼らの未来を「共存共損」とアラフィフは例える。
うん、悪くない。楽ではなくとも、安定と微かな幸せが手に入るなら、きっとそれが何より良い。















犯人発覚後のアラフィフは、バーテンダーとしてのロールから抜け出して、『彼本人』の振る舞いをするようになっていた。
ロールを演じる必要がなくなったこともあるだろうし、魔術師やギャング達への牽制でもあったのだと思う。
主人公だけを前にしている時とはまた違う、犯罪者側に立つ人間としての彼の姿や言葉を聞けたのはとても興味深かった。
そんな全力悪のアラフィフも、バーテンダーでもサーヴァントでも、あらゆるアラフィフを対等に受け止める主人公との信頼関係の強さも窺えた。







彼の未練











今回関わった人々と別れて……改めて、『この一件についてのアラフィフの本音』を、彼から聞く。
マスターの属性に引っ張られて良心に目覚めてしまった“今”のアラフィフはさておき、“昔の、元々の”アラフィフが今回の事件に対して感じたのは、あくまでもケアレスミスに対する未練だったのだろう。
イベント冒頭で語っていた未練の話は、他ならぬ彼自身が抱いた感覚だったわけだ。










街の壊滅と多くの犠牲を悼んだり悔やんだりしたのではなく、『依頼者についての情報を見落としていたせいで、計算が狂った』こと自体にモヤモヤしていたっぽいのが、数学者らしくてイイ。血も涙もない非人間さと潔癖さが、悪党らしくも学者らしくもあって、結局のところ“彼らしい”。

そんな善悪を超越した数学者であった彼が、主人公と出会ったことで、良心が痛んだり犠牲を抑える方向に動いたり、『計算ミスを修正したい、以上の余計な感情』を抱いたことが、“FGOマスターのサーヴァントである彼らしく”て、浪漫を感じる。










今回のレイシフト迷子事件に関する『真相』みたいなものは、特別には存在しなかった。
アラフィフ自身の抱える未練に引っ張られて、夢のようなシミュレーターのような“もしも”の過去めいた空間で、アラフィフの自己満足に付き合わされた……ということだったのだろう。
その仕組みetcは、今回の本題ではないのだと思う。よく考えたら、イベントやサブシナリオではしばしば起きる現象な気もするし。

亜種聖杯戦争が絡んできたり外見がサーヴァントと重なっていたりと、正確には過去そのままの再生ではなかったようだっだし、そもそもこの夢が現実に代わるわけでもない。
だが、学びは得られた。主人公とアラフィフの絆も、この件で更に強まっただろう。

結局、今回の事件は『主人公と関わったことで少し変わった(かもしれない)、元犯罪コンサルタントのおはなし』に尽きた。
うーん。汝は幕間!







おわり











これにてアラフィフ幕間イベント(嘘)感想、無事に完結だ。
虚月館を思い出させる雰囲気と導入だったが、内容としてはかなり別物だった。
何度も突っ込んだけれど、やはり全体的には「色々オマケをつけた豪華な幕間」だったな、という感覚。
しかし出来は良かったし、面白かった。
何よりもアラフィフが一緒に居て楽しくて格好良くて、話をたくさん聞くこともできて、“彼らしい”悪辣さや数式への几帳面さから“現在の彼らしい”人間臭さや甘さまで、彼の魅力がたっぷり詰まった物語だったと思う。
完結した今、改めて今回のイベントのタイトルを読み直すと、マジでそのまんますぎてワロタ。ドネタバレ。










「サーヴァントが他の人物を演じさせられている」というシステム自体は、それこそ虚月館と似ていたが、個人的に最大の違い……というか、嬉しかった点が、『メインシナリオ完結後のエピローグで、演じた彼らのフォローがあった点』だ。

今回は虚月館よりはそれぞれのサーヴァント自身によく似た配役だったうえ、登場人物は全体的に「悪い奴らだが、極悪人ではない」というのがテーマでもあったために、描写としても嫌な感じはしなかった。
そのうえ、完結後のエピローグで、今まで通りの本物の彼らが主人公と朗らかに語らっている場面もフォローされて、『作中と演者は別物』だということがしっかりと描かれていたように思えた。

その筆頭は、言うまでもなくジーク。
作中でも最悪の人物というわけではなかったが、エピローグで「俺が悪人だったんだろう? どんな悪いやつだったんだ?(ワクワク)」と笑顔で聞かれてしまうと、体中の毒という毒が抜けていく気分だった。なんだコイツ。幼女かよ。















そしてもうひとつ、エピローグの更にオマケとしてグランドろくでなしがちょっかいをかけてきたのも、個人的には良い演出だったと思う。
まぁ聖杯の扱い軽すぎワロタとか、ライターへのサプライズで書き足すとかきのこは相変わらずだなとか、メタいツッコミもあるわけだが……。
私としては、『今回のシナリオへの総括、兼今後への展開の拡張』として、良いオマケエピソードだったと感じた。
マーリンを用いたオチは、それこそメタネタに近く、使い過ぎるのは諸刃の剣でもある。しかし今回のシナリオに対するエピローグ兼、幕間じみた舞台設定&イベントへの答え合わせには丁度いい使い方だったように思える。

次のゴールデン英霊劇場も楽しみにしたい。
……が、「余裕があったら」というのが、ガチでFGOのイベントスケジュールの余裕の無さを表している気がしてちょっと背筋が寒くなった。