FGOイベント 惑う鳴鳳荘の考察 プレイ日記07 五つの考察
水着ではない、アヴェンジャーとしてのジャンヌ・オルタが久々にたっぷりと見られるイベントだった。
水着に引っ張られて俗っぽい部分もポロポロと出てくるのだが、“毒”強めの表情変化の数々はアヴェンジャージャンヌオルタならでは。
ピリピリヒリヒリした感じがたまらない。これでも初期よりは優しく甘くなったのが、嬉しいような惜しいような。
表情も態度も柔らかくなった水着オルタもカワイイけれど、やはり通常オルタも素晴らしい……。そして第一特異点時代のルーラージャンヌオルタもイイよな……。
※本記事では1.5部サーヴァントの真名を表記しています
アーラシュの考察
『映画の結末をどうするのか』について、キャスト陣による考察合戦が始まった。
最初のプレゼンターはアーラシュ(ガルシア)。
彼が考え出したのは、オジマンディアスが思い描いていた当初の展開を、少し設定をイジることで再構成する……というものだった。
オジマンディアス(バルガス)の死を覆すことは出来なくとも、元々のアイデアだけを蘇らせることはまだ出来る。
考察合戦について、ロマンは「自分の演じたキャラが主役になりたいだろう」といった読み方をしていたけれど、少なくともアーラシュについてはちょっと違うか?
アーラシュは己のキャラの活躍というよりは、オジマンディアスと紫式部双方の考え出した設定を活かしたものだった。
己のアイデアを「素人考えだ。採用するもよし、叩き台にするもよし。煮るなり焼くなりしてくれや」と語るのも慎み深くて印象が良い。
ミステリーの定番である“入れ替わりネタ”を組み込むのも面白い。
うーん、一番手としてはかなり好印象なプレゼンターだ。人間性だけでも花丸をあげよう。
『アラフィフにクランクアップの声はかかっていなかった』件については、個人的にも最初からずっと気になっていた。
本来の意図はまだわからないが、アーラシュの考察は“良い着地点”だ。
ミゲル黒幕説はとても自然だし、どう考えても怪しい空気もあった。サラザールの主人として、彼を凶行へと至らせた動機付けにも十分だ。
“鳴鳳荘の事件”としては、ガブリエラ暗殺未遂ではなくバルガスの死が重要なものになってくるシナリオだ、とも言える。
気になる点としては、ガブリエラ暗殺未遂事件についての詰めが甘い点は引っかかるかな……。
『バルガスを毒殺するつもりが、ガブリエラを殺しかけてしまった』というのは、状況的にやや不自然に思える。サラザールがうっかりすぎないか?
坂本龍馬の考察
続いて、龍馬の考察。
こちらのパターンだと、まずガブリエラ暗殺未遂事件の犯人はローマということになる。
正確に言えば、ガブリエラの昏倒は“たまたま”であって、その後に彼女を眠り続けさせるべく、睡眠薬を盛った……という流れ。
最初の事件に主役級が積極的に関わっていたというのは、なかなかショッキングな展開だ。
悪とまでは言わずとも、勝手に薬を飲ませる時点で犯罪ではある。そこまでしてでも、ローマには求めるものがあったという事か。
『紫式部の役名に日系の気配がなかった』謎については、個人的には目から鱗。
リュウ・タンとかダイゾー・オカとか、ダジャレっぽいなーと思っていたけれど、そういう見方もできるのか……!
そしてクレイシも日系読みできるのも、言われてようやく気付いた。
カルデアは日本人が多いし、紫式部は普段の姿だと西洋人っぽい服装だしで、”この作品の出演者に日本人が妙に多い点”への疑問を抱くことができなかった……。
うーん、やられた!
龍馬の考察は、今現在の“鳴鳳荘の事件”よりは、10年前に起きていた出来事に焦点を合わせたストーリーだった。
リュウ・タンやダイゾー達、プロローグでサラッと出番を終えてしまった彼らの存在にも意味を持たせているところが面白い。
しかし、過去に焦点を合わせている結果、主な舞台である現在の登場人物たちの存在感がやや薄くなっているか……?
サリエリの考察
次はサリエリの考察。
そもそも、彼がここまで撮影に協力し、色々と考えてくれているのが予想外ではある。
今までも度々シーンが挟まれたように、その裏にはマリーが関わっているようだが……ともかく、引き続きサリエリは、比較的安定した様子で“考察”を語り始めた。
引っかかっていた『虐殺の日の謎』についての答えを出したサリエリの考察。
なるほど、そっちのパターンか。登場人物の深みにも繋がる、良い設定だ。
サリエリ自身の人生が反映されている分、重くもあるが説得力もある。
アントニオやエリスが鳴鳳荘を訪れた理由である、“お互いの目的”についても良い着地点だと思える。
そういえば、今までの考察では彼らの目的については何のオチも用意されていなかったっけ?
まぁそもそも、アーラシュやローマの考案したストーリーの流れだと、アントニオ&エリスについてはモブ同然で必要なのかも怪しいキャラクターな気もする。
作家陣からも良い評価。物語としては、重くも美しい話だ。
ただこれもローマの考察に近く、あくまでも過去に焦点を合わせた物語だ。アントニオ個人の物語、という言い方も出来る。
ガブリエラ暗殺未遂やサラザール・バルガス相討ち事件についての謎やカラクリは、アントニオ自身の物語には関りがないようにさえ見えて、少し宙ぶらりんな印象だ。
「辻褄合わせは考えた。ただ、他の者たちほど洗練されてはいない」とサリエリ自身も語る。詳細はまだ教えてもらえなかったが、やや不安は残る。
……が、ストーリーとしては、個人的には結構好きだな。
現在の殺人事件に綺麗なオチが付くのならば、良い作品になるかもしれない。
ジャンヌ・ダルク[オルタ]の考察
紅一点、ジャンヌオルタの考察。
これもまた気になっていた、なぜ『エリスはガブリエラに対して意地悪』なのかについて、ジャンヌオルタは彼女自身の解釈を語りだす。
その中で、意地悪設定はそもそも紫式部発の初期設定だったことも明らかになった。
単なるキャラ付けという見方も出来るが、ジャンヌオルタは更に深く掘り下げることを選び、考察を進めていく。
ガブリエラに対して意地悪をする理由……。
そして、先程のアントニオの目的に続き、“エリスが鳴鳳荘を訪れた目的”……。
あー、なるほど。「エリスくらいの年頃の女性には、兄の有無を聞いてしまう」ローマの癖を、ここに繋げてくるのか。
本当に尋ねるべき相手はエリスではなくガブリエラだったという真相にもなるが、“エリスにも尋ねた”こと自体に意味を持たせているワケだ。これは巧い繋げ方。
ここまでならばアントニオに続き『エリスの物語』で終わってしまうが、そこから更にジャンヌオルタは考えを広げ、現在の殺人事件についても良い落とし所を既に用意していた。
さすがサバフェス参加者……!
七日間の極道入稿を繰り返したオンナだ!
創作のスピードが早いッ! 尊敬するッッ!
映像ミステリーのお約束であり、ちょっとズルいタイプのトリックだ。
しかし今回一回きりならばセーフだろう。
マシュの密かな望みも叶い、評価が辛そうなオジマンディアスにも「確かに面白い!」と褒められた。
更に言えば、表舞台に立ち辛いあの人物を正々堂々と引っ張り出す大義名分も存在する。
これは“強い”……。
“強い”考察だ!
紅一点かつジャンヌオルタという人気キャラを背負っているが、それにも負けないくらいネタ自体も強い。
トリスタンの考察
最後はトリスタンの考察……だが、いきなり彼は途方に暮れていた。
美味しいところは最後にと粘り続けていた結果、ネタ被りでドボンとか悲惨すぎるし道化すぎる……。
トリスタンがそこまで悪いことをしましたァ!?
さすがに哀れ過ぎて全俺が貰い泣き。
ボロクソに言われ、追い込まれた末にトリスタンが至ったのは……“入れ替わり”兼、舞台裏ネタ。
いわゆるメタだ。
これにはアンデルセンも「逃げたか」と舌打ち。
き、厳しい。素人なんだから手心をだな……。
トリスタンが考えたパターンだと、メインの謎となるのは『映画撮影中に突如倒れた、紫式部昏倒事件を解く』というものになる。
今までの前提が色々とひっくり返るので、ストーリーの可能性は広がるだろうが……うーん、しかし具体的にどう詰めていくのだろう?
“実はアドリアナが探偵だった”という入れ替わりネタとの兼ね合いも謎だ。
そちらはあくまでの劇中劇な映画の設定であって、完成形となる舞台裏映画には直接関わってこないんだよな。だとしたら入れ替わりネタは必要なのか?
アンデルセンは「切れ味が鋭くなければ読者は納得せんぞ?」とトリスタンを問い詰める。
実際にその通りだろう。メタは逃げ場ではなく、より厳しい新たな舞台といえる。
トリスタンは自信を持っているようだが、応えられるだけの代物が用意できるのか……?
今までの流れを考えるに……私は、無理だと思いますねぇ!!
結末投票
これで五本の考察が出揃った。
人気投票で、結末を決めよう!
……というのが、今回の企画。
虚月館では犯人当て、という推理物らしい投票企画だったが、今年は随分と緩いタイプだ。
しかしこれはこれで面白い。最終的にはすべてマテリアルに登録されるようだし、気軽に投票できる。
中間発表の時点では、最も人気が高かったのはジャンヌオルタの考察だった。
ネタ的にもオイしいし、不思議ではない。もちろん彼女自身の人気もあるだろう。好きなキャラが主役になるエピソードが読みたい、と言い換えることもできるだろうし。
しかし、人気が高いと逆張りしたくなるのが捻くれ者の根性……。
ってことで、私はトリスタンに一票だ!
理由は メチャクチャになりそうだから だ!!
やっちまえ、トリスタン。
お前がどこまで走り抜けるのか、俺が見届けてやるぜ……!(雑な応援)