FGOイベント ぐだぐだファイナル本能寺2019 プレイ日記13 夢幻の如くなり




今回でメインシナリオ感想はほぼ最後。
エピローグ+おまけ部分+まとめをあと二回に分けて、全15回で完結予定だ。

第四章感想とタイミングが被ったり、色々とゴチャゴチャしてしまったので冗長気味になってしまったかもしれない。
次は努力するヨ。

 





※本記事では1.5部サーヴァントの真名を表記しています







軍神と弱き人間





ついに摩玖主大本尊が真の姿を現した。
その姿カタチは、「プレイ日記04 試作品の悪魔」の頃に戦った試作品によく似ている。
無限の心臓を宿し、その無尽蔵の魔力でこの世界を作り替えていく、文字通りの万能の悪魔が顕現した瞬間だった。

そんな摩玖主大本尊、そして大僧正が狙うのは『真の極楽浄土』の建立。
彼の言う『真』というのは、現実世界を意味していたのか?
現実世界の数多の衆生救うために、このシミュレーション世界の全てを犠牲にしようとしているのかな。
それが実現したとして、どう考えても現実世界が“次の犠牲”になる未来しか見えないけども……たぶん何を言ったところで、大僧正にはもう届かないんだろう。















摩玖主大本尊との相討ちのため、一人で戦おうとする景虎
そんな彼女、そして大本尊の炉心に組み込まれた子供たちを見捨てておけない主人公は、当然食い下がった。
強い弱いに関わらず、目の前にある人を見捨てることができない……という、当たり前の感覚。
大僧正が語った『犠牲の大小』の理論に、どうしても納得できない“普通の人間”の感情。

誰よりも普通で、一般人に近い主人公が口にしたのは、ごくごく当たり前の感性に基づく感情的な言葉だった。
だがそれを聞いて、景虎はまるで言葉の意味自体がわかっていないかのように、キョトンとした表情を返す。

……「プレイ日記01 オ ー ル 信 長 総 進 撃」の頃、初めて会ったばかりの頃も、少し似たような状況はあった。
誰よりも弱く、普通の人間でしかないのに、我が身を顧みずに他者を救おうとする主人公。
戦国時代の感覚からは程遠く、そして現代の感覚でも甘すぎる考え方を、景虎は理解できずにいたっけ。それでもあの時の彼女は、「おかしな方たちですね」と笑いながらも助けてくれた。















景虎はやがて、“あの顔”で、主人公に手厳しい言葉を投げかけ始めた。
無様。見苦しい。傲慢で不遜で弱くて哀れ。罵倒ともいえるような暴言を並べながら笑い続ける景虎の姿は、それでも始めて“彼女の真”を主人公達の前に曝け出してくれたようにも見えた。

幼い頃に兄を打ち据えた末に姉に諭されて、その後は一人でひっそりと抱え続けていた本質。
表に出さずとも父にも兄にも兵にも察せられていて、恐れられて忌避され続けてきた彼女の“目”。
一人になるたびに、「わかりません」とずっと神に語り続け、笑い続けていた長尾景虎……。















龍馬が目を伏せ、森が激高するほど長くこき下ろした末に、景虎は再び力強く笑った。
改めて主人公が成す大業に全力を貸すと断言した彼女は、普段の“目”に戻りながらも、小さな声で兄に「ようやく人の何たるかが分かった気がします」とも呟いていた。

まさに、最初の出会いの場面の繰り返しのようでもあった。
彼女は笑うし、理解も難しいままで、それでも最後には主人公の味方になってくれる。















そして現れたのは、「ぜひ配布景虎で倒してくれよな!」と言いたげなボスアーチャー。
すまねぇ……その気持ちを察してやれなくてすまねぇ……!
ストーリーの流れ的にもバチバチだったのに、連れて来そびれた俺が全部悪いッ……!!

色々と細々としたスキルだのブレイク効果だのも発生するのだが、正直大した敵ではない。
それこそ育成した景虎をスタメンにし、配布礼装を装備させて適当に殴っていれば勝てる気がする。
毎ターン回復効果がそれなりに大きいため、育成不足等の理由で攻撃力に不安がある場合は泥沼化し易いかもしれない。







戦場を奔る織田信長とその家臣










少し時は遡って、摩玖主大僧正が『真の極楽浄土』建立のために動き出した頃。
各地に出現した無限出現系黒い巨人をなぎ倒しながら、摩玖主本能寺へと迫っていく一団があった。
率いるのは我らが魔王ノッブ。その傍らには無理やりの再召喚を果たした柴田勝家
魔王ノッブの声の元、集った家臣たちの楽しそうなことといったら……。
なんつーか、よかったなぁ!
本当に楽しそうだし嬉しそうだし、どいつもこいつも良いことあってよかったなぁって肩を叩きたくなる気分。















そして今日もサルコンプを拗らせまくっているこの男も、信長の傍らで幸せそうにヒャッハーしていた。
今回は最初から最後まで『面倒くさいけど落ち着きのある副官』ムーヴで終われるかと思いきや、結局こうなっちゃうんだな。
サルへのマウントとノッブに仕える興奮とでかなりイっちゃっている感じ。
ある意味では良い笑顔なんだけど、まーでもヤバい顔だよな!

とはいえ、こっちもこっちで楽しそうだし嬉しそうだし、ノッブも大して気にすることなく受け入れてくれているし、要するに本人は超幸せそうだ。
良いことあってよかったな。頑張った甲斐、十分にあるよ。







神の天敵










お供を引き連れ、摩玖主本能寺へと堂々たる風格をもって現れた魔王ノッブ。……いや、既に名前の表記は『魔王信長』となっている。
権六と光秀を引き連れて敵は本能寺にありと吠えた頃から、彼女の名前は『魔王信長』へと変わっていた。

今の彼女は越後の足軽ノッブでも安土の魔王信長でもない。
三千世界に遍在するあらゆる信長の可能性すべてが集い変生せし真の魔王、『三千大千天魔王、織田信長を自称する。
「神様だって殺してみせる」ではなく、「神様ならいくらでも殺せる」存在の誕生?







世界の終わり










戦いの結末は、原作帝都を思い出させるようなものでもあった。
ただし、最後まで“この男”が味方側についたという点では大きく違ってもいた。
状況はかなり似ているようなのに立ち位置がガラッと変わるのは面白いなぁ。
通常は召喚できないサーヴァントとはいえ、ぜひまたどこかで会いたいものだ。
ギャグ時空ならチャンスはきっとあるぞ!
もちろんシリアス系ぐだぐだ新イベントでも大歓迎。















そして今回、最大の想定外であり味方でもあった長尾景虎
シミュレーション世界内に召喚されたはぐれサーヴァントだった彼女とも、ここでお別れだ。

彼女の過去は三度に渡って回想として語られたけれど、彼女の本質や問題への答えが明確に得られたとは言い難かったようにも思う。
そのあたり、わりとフンワリ&サラッと流されたような感じでもあったので、物足りない感も個人的にはあったが……別れ際に「難しいことも考えずに済みますし」という台詞を聞いて、なんとなく合点がいった気もした。

景虎にとって、主人公と共に居られた日々は楽だったのかな。
恐れられることもなく、思い悩む必要もなく、ごく普通の人間と並んで目標のために戦っていく毎日は、彼女にとって過ごしやすい時間だったのかもしれない。
そんな日々や主人公たちのことを、彼女が好んでくれていたのなら、それだけで十分なのかもな。















この世界に根付いた人々との別れも済ませ、あとはゲーム終了するだけ……と思いきや、最後にもうひとつ問題が残っていた。
食い下がる仲間、そして沖田さんに、「我はもうカルデアの我ではない」と言い切った魔王信長。
その言葉は、決定的な“さよなら”だ。そんなものを突き付けられては、もう何も言えない。

……このあたりの沖田さん、メッチャヒロインだった。
最後の台詞なんて、殺し文句が過ぎる。あまりのヒロインチック展開に我も二度三度見。
ラ、ラブストーリー……?















別れ際の魔王信長の台詞が、またノッブらしくてカラッとしていて、美しいし格好いいしカワイイし魅力的でヤッベーんだまたコレが!
沖田さんのヒーロー・ヒロイン度も凄かったけど、ノッブの主役力も限界突破。汎人類史とか、もはや実質全部抱いた(?)。

そして二人きりになって初めて、主人公への愚痴めいた本音を覗かせた森長可もまた良い。
正確には愚痴というほどではなく、これもまた彼なりの訣別の仕方であり、理由なんだろう。
今まで我慢してくれていた……というのとは、また違うと思う。わかっていて、付き合ってくれたんだろう。

間違いなく危なくてヤバい奴だけど、それでもやっぱ、良い奴だ。面白い男だ。
今回のイベントでイメージ通りの危ないところから比較的穏やかなところまで、色々な面が描かれたのが、いちユーザーとして単純に楽しかったし嬉しかった。
でもマシュからの「森君」呼びはズルすぎギルティ。







炎の中で笑う










森長可も消え、炎に包まれた本能寺を前にして残ったのは魔王信長ただ一人……というわけでは、無論ない。
信長を慕い、どこまでも付き従うつもりの二人の家臣が傍にはいた。

今までとは異なる“素顔”を始めて見せた柴田勝家
心の底から嬉しそうに笑う彼は、とても満足気で幸せそうで、優しそうな男の貌をしていた。

そして、ギリギリまでサルへのマウントを続けていた光秀。
こちらはこちらで、先程までよりずっと穏やかな表情をしていた。
そして最後に、信長の呼びかけに見せた笑顔に至っては……。
……なんというか、『本当に欲しかったもの、場所』についに辿り着いたのだな、としみじみ感じた。















二人の供を連れて、地獄の果てまで歩いていく魔王信長。
燃え盛る本能寺の中、笑い歌うその様は、誰もが思い描くような“魔王”の姿だ。
彼らは三人が三人共、満ち足りた様子で、堂々と炎の中に消えていった。

……とても美しい最期だ。
ひとつの信長の物語、信長を心底敬い慕い付き従う勝家・光秀の物語として、彼らにとって心の底から満足できる素晴らしい終わりだった。
ノッブとの永遠の別れを意味すると考えると本当に寂しいし悲しいけど、同じくらい強い感動と満足とを、見ているこちらも抱いてしまった。
本当に、良いエンディングだったなぁ……。
毎回毎回、ぐだぐだ系のエンディングって美しすぎない?
俺を何度感動させて満足させれば気が済むんだ??