ランス10 延長戦43 【ランス6縛り23】その国と人々は何度でも立ち上がる




※感情的長文要注意

 





※延長戦記事では第二部の内容に触れることもあるためネタバレ要注意







泥と血にまみれた戦い

新たな女王










ガルティア、メディウサの両魔人を討伐したことで、ゼスは自らの力で少しずつ魔軍を押し返しつつある。
ゼスの士気を高めることに繋がったのは、メディウサの手口から教訓を得たマジックが考え付いた『放送戦略』および、彼女自身が前線へと立った点が大きかった。

有能な王族ではあるが最前線で戦うことはできない、リーザス女王リア。
同じく有能でありつつも、公然と動くよりも裏から国を支えたり悪を直接成敗することを好んでいたゼス前王、ガンジー。

マジックは彼らほど才覚に優れているわけではないかもしれないが、それでも彼女なりに悩んで考えて、「自分ができる事」を見つけ出して実行している。
その姿は我武者羅で泥臭く、危なっかしくもあるけれど……頑張っていることが、本当によくわかる。
そして頑張るだけでなく、少しずつであっても前進している。だからこそゼスの国民たちも心動かされていくんだろう。

ランス6の頃とは比べようもなく、また、ランス10冒頭の会議直後の様子ともまた違う。
マジックはこの辛く長い戦争の中で、苦しみながらも成長していっている。
見ていて嬉しいけど、ちょっと辛い……。でもマジックが頑張っているのは痛いほどわかるので、要するに俺は超胸を打たれて馬鹿みたいに感動してしまう。
天才ではない、優等生が努力を重ねていく様って、やっぱ熱いよ。泣けるって。


あとこの場面、初見でも十分感動したけど、今回は『ゼス魔人討伐2でガンジーを失ってしまった』環境にあると思うと、マジックの決意と覚悟に更なるブーストがかかっている感で二倍泣ける。
ガンジー、見てるか……。
お前の娘、本当に良い子だよ。
最高最強の女王ではないかもしれないけど、立派な女王だよ……(号泣)。




















マジノラインを舞台に繰り広げられる戦いは、これで何度目だろう。
先日はサーバー親子が粘り、それでも魔人メディウサの前に敗北せざるを得なかったが……今回は、魔人はいない。
魔人討伐隊の力、ランスという英雄の力を借りずとも、ゼス軍は自分たちの力で戦っていく。

制御ルームを目指して進み、仲間を援護しては背中を守る彼らの奮闘っぷりを見ていると、まさにランス6本編終盤のマジノラインでの攻防を思い出すな……。
マジックとアレックスを制御ルームに押し込んで、彼女達を守るために厳しい戦いを続けていたウルザたち……。
あの時と今回ではメンバーも大きく変わったし、既にこの世に居ない者もいる。それでも国を想い、仲間を想う気持ちはきっと変わらないのだろうな。


……お気付きかもしれないが、今回の記事は最初から最後まで号泣しっぱなしの感動しっぱなし記事となっている(※今更)。
まだまだ行くぜッ!







もう子供ではいられない










作戦の第二段階。
首都を囲む四天王の塔、弾倉の塔で作業を進めているのはマジックだ。

3年前のゼス崩壊。あの時はマジノラインの制御室で、焦りや不安と戦いながら、自動防衛システムの起動に彼女は尽力していた。
今回は弾倉の塔の中枢で、同じく焦りや不安に抗いながら、作戦に必要なシステムの起動準備を進めている。

似ているようでいて、多くのことが違う。
マジックは成長した。大人になり、母になった。頼りになった父親は既に亡く、愛する男も常には傍に居てくれない。
そして今のマジックは国を背負い、ゼス国民を背負い、何より大切な娘を守るために『助ける側』にならなければならない……。

(※ここで俺氏、感極まって数度目の休憩)















跳躍の塔で起動準備を進めるのはミラクルだ。
パパイアがおらず、ウルザも作戦行動中なので、ルーシーと繋がりのあるミステリア経由で、ミラクルにお鉢が回ってきたっぽい。
本来はルーシーかミステリアたちが担当すべきところだろうが、まー彼女たちは自ら動くタイプじゃないしな。
通常のパパイアバージョンのこのシーンも超好き。また観よう。

跳躍の塔のマナバッテリーは未だに破壊されたままらしい、ということがミラクルの台詞から知れる。ランスたちにぶっ壊されて、そのままってことか……。
修復するだけの技術は、まだ足りないのかな。故障どころがぶった斬られてしまったし、直すのは難しそうではある。

一方、千鶴子のいない王者の塔を担当したのはハニーキング。
ガンジー生存時ならガンジーが担当する場所だが、なぜかハニーキング……!
ハニワ平原もあるし手動解放にも登場するし、関係者ではあるけど……!
あと千鶴子もメガネだけど……!







『日曜の塔』と魔想姉妹










そしてもうひとつの見所。
日曜の塔を担当するのは志津香&ナギ……というより、ほぼナギ一人だ。
今の日曜の塔管理者はチョチョマンだが、その前の管理者は大人のナギだった。
現在のナギに当時の記憶はほぼない……はずだが、今回に限らず、ナギはしばしば過去を思い出させるような言動をする。

初めて見たとは思えない速度と精度で起動準備を進めていくナギを、志津香はやや心配するような様子で眺めていた。
ナギは姉の不安を笑って流し、そのまま最後まで終わらせようとする直前で……。















ああああ~~~~……。


…………。
………………。
…………尊い……。

無粋だけど、細かく言うと……まずスムーズに作業を進めていくナギを気遣う志津香が愛しいし、平気平気と返しながらも姉を振り返らないナギが過去と重なって切ないし、それなのに最後になって手を止めて言い辛そうに姉に声をかけるのが健気だし、ナギが言うより先に行動で応える志津香が格好いいし、「一緒に」と言ってくれる志津香が優しいし、姉の言動とその気持ち全てを受け止めて嬉しそうに「大好き」とつぶやくナギがかわいいし、要するに全部ひっくるめて最高に良い。
この姉妹は、尊い。

しかもこの会話が、あの『日曜の塔』で成されているんだぜ……?
歴史の重みと尊さで塔が潰れるぞ……?







魔法の国ゼスに生きる人々

最後の賭け










マジノライン奪還戦という名の大規模な陽動。
幹部級の高位魔法使いを前線ではなく、各塔の起動に配置した上で発動させた、首都を守る四角形の結界。
大胆かつリスクの高い賭けに、ゼスは勝利した。
魔人亡き今、ゼスを襲う魔軍の総大将ともいえる大将軍ツォトンを、首都の結界内に封じ込めることに成功した。















ゲリラ作戦でじわじわと戦力を削り疲弊させ、作り出された『門』という罠の中に更に飛び込んでいった魔軍を最後に待ち構えていたのはアイスフレームだ。
リーダーであるウルザ。ランス6の舞台でランスが訪れるより以前からメンバーだった、プリマ・メガデス・セスナの三人。そして名もなきアイスフレーム兵たち。

かつては歪んだ国を正すため、時に道を間違えながらも戦い続けてきたレジスタンスは、「多くの人々の、代弁者」としてこの場所に再び立った。
アイスフレームとしての積極的な活動はしばらく控えていただろうし、久々の戦闘なんだろうなぁ。
そもそもウルザがリーダーとしてアイスフレームを率いること自体、ゼス崩壊以来か?
警察長官と四天王を兼任した状況では、隠れ里に行く暇もそうそう無かっただろうし。
プリマ達だって、一時は冒険者やOLになっていたはずだし、アイスフレームとしての活動からはかなり距離を置いていたはずだ。















ゼスの危機に再び立ち上がり、集ったアイスフレームの仲間たち。
長く時間が空いたとは思えないほどの連携を見せ、ウルザの指揮と各々の頑張りの結果、ついに大将軍をゼス国民の力のみで討伐することに成功した。

魔人相手ではないといっても、トンでもない偉業だ。特大金星だ。
陽動に全力を注いでくれた炎・氷・雷軍、結界を作動させたマジックたち、敵勢力を削いでいったゲリラ兵、最後の詰めを担当したアイスフレーム……。
魔法使いとそうでない者が連携し、全力で戦ったからこそ、得られた勝利だった。







そしてまた立ち上がる










戦いは終わった。
まだ世界が救われたわけではなく、各地で戦いが続き、危機が迫っていることに変わりはないが……ゼスを襲った脅威はひとまず撃退された。ゼスは再び、立ち上がることができた。

「復興ばっかりやってる」というマジックの自虐が、その通り過ぎてちょっと笑える。笑ってる場合じゃないけど、実際にそんな感じだ。
でもそれに返したウルザの台詞が、また良かった。考えてみれば、まさにウルザ自身も同じような境遇だ。傷付いて、回復して、また立ち上がってを繰り返し続けている。
マジックといい千鶴子といいリズナやパパイアといい、ゼスの女たちはそんな感じだ。何度も挫けながらも踏ん張って、その度に強くなっている。
そんな国と彼女たちだから格好良くて美しくて、心惹かれてしまうのかもしれない。















今いる人、いなくなった人、全員が望んでいたもの。
魔法の国ゼスが、平和になった。


……ゼス自動解放をじっくり読むのは5回目とか7回目とかだった気がするけど、改めてフツーに感動してしまったな……。
毎回発生する度にスキップを止めて熟読するので、新鮮さはあまり無くなってきたはずなのにな……(※読みすぎ)。

『塔起動メンバーが全員足りていないバージョン』は初見だったので、なお沁みたのだろう。
ゼスはついつい二枚抜きしてしまう。だがたまにはしないのも良いものだ。とても味わい深かった。
アレックス、ガンジー、パパイアといったお気に入りキャラクターたちの死は辛かったし悲しかったけど、彼らが守ろうとしたものや彼らを失ったことで生まれたものについてゆっくりと思いを馳せてみるのも、興味深いひと時だった。

いやー……やってみて、良かったよ。
『ミニ縛り』をしていることでゼス所属そのものへの愛着がより深くなっているし、普段から戦闘で世話になりまくっていることもあって、なおさら感情移入していった。
楽しい時間だった。本当に面白かったなぁ!
『ランス6ミニ縛りプレイ日記』、完……!










だが!!
まだ世界は救われていない!!!


俺たちの戦いはもうちょっとだけ続く。
目指せ、このままクリアA!!