FGO第二部 Lostbelt No.3 プレイ日記08 スパルタクスが格好良い



“見せ場”となるともう少し後になってくるが、第三章ではともかくスパルタクスが格好良かった。
前半を引っ張っていったのがスパルタクス、後半を引っ張っていったのが荊軻さん……というのが個人的な印象だろうか。
二人ともメチャクチャ格好良くて凄く熱くて、前から好きだったけれど更に好感度が上がりまくりだった。

特にスパさんは、『バーサーカーでマッスル』というキャラ的に、コメディでの活躍はし易くともシリアスな場面での語り合いはどうしても少なくなりやすかった。
アポクリファでのスパルタクスももちろん好きだけれど、あの時とはまた別の側面のスパさんを見ることができて、本当に良かったと思う。



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※本記事ではサーヴァントの真名を表記しています





少年とスパルタクス






道案内をしてくれる少年を肩車しているスパルタクス。
狂化EX持ちのバーサーカーである彼とは、基本的には言葉が通じ辛いはずだけれど、この少年とは随分と巧くいっている様子だ。

スパルタクスは探検好きの少年を、『小さき叛逆者』と呼んでいた。
勝手に出入りできない村を『檻』と見なした彼にとっては、探求心のままに冒険に出かけてしまう少年の行為は確かに叛逆のひとつなんだろう。
そのあたりがお互いの共感を呼んだこと。そして少年が幼く純朴であることから、スパルタクスの言動や異様な巨体に疑問を抱かなかったのも大きいかもしれない。
少年はなんの先入観もなく、スパルタクスという男を受け入れて、憧れに近い感情まで抱くようになっていた。

……とまぁ、細々と言ってみたけれど、ざっくり言うと“スパルタクスは意外と子供好き”かつ“男の子ウケする”ってことかもしれない。
バーサーカーと少年少女の交流は古今東西、最高かつ最強。









スパルタクスと少年の交流を、荊軻も「意外と良く面倒をみてくれているな」と語っていた。
プレイヤーや仲間の目から見ても、親しくなっていく彼らの姿は意外だったし、なんとなく嬉しいものだった。

そう言う荊軻さんとて、きっと子供には優しく接する人だろう。
そして今も、主人公の身体をとても案じてくれていた。


毒ケーキを食べた直後の検診ではほぼ問題ないような診断結果だったけれど、ここに来て着実に体調が悪化しているようにも見える主人公。
自前の毒耐性だけでなんとかできるものでは無かった、ということか……。
さすがにそこまで甘くはなかったか。

だとしたら、コヤンスカヤは“毒耐性だけでは無理”だと見越した上で特殊な毒を盛ったのかな?
そうならば、先日の「彼らの情報は意外と浅い」予測は外れているかもしれない。









道中にもうひとつ、魔獣の痕跡を発見することになった。
主人公たちが現れた村とは異なり、こちらの村には抗える者がいなかったのだろう。酷い有様だ……。

しかし、犠牲になった人々を憐れんでいるだけではいられない。
ホームズが指摘したのは、クリチャーチの行動について。明らかに“人間と戦う”よう特化され、訓練されている様子だった魔獣たち。
以前の、野生動物に近い本能による動きでは決してない。
『飼い主』が居たとして……『なぜ』、そして『いつ』、そんなことが出来たのか?









少年の案内で巣に辿り着き、最奥にいた大物を倒すに至った。
周囲の様子から様々な発見はあった……けれど、根本的なことは、結局ほとんどわからなかった。

寒冷地にしか住めないであろう魔物を温暖な気候で生かすだけの強化。
人間と戦うことに特化し、統率が取れるように訓練までした、手間をかけたであろう調教。

共食いをして魂喰いめいた性質になったのは、放置されたことで彼らが自主的に至ったのかもしれない。
生きるために、そう変質しただけかもしれないが……強化と調教は、少なくとも『飼い主』が居たことに間違いはないだろう。

強化と調教は、共に第一容疑者たるコヤンスカヤの仕業なのか?
なぜそんなことをしたのか……そして、“なぜそこまでして、放置したのか”?









結局、巣の調査結果は芳しくはなかった。
クリチャーチたち魔獣やコヤンスカヤに関しては謎が増えただけで終わってしまったけれど、きっといつかは、この調査が生きることもあるのだろう。

さしあたり元凶らしきものは潰すことができたし、残りもほぼ掃討はできたのだろうから、村人を守るという意味では無駄ではなかったことは何よりだ。
そして少年とスパルタクスが親しくなった様をじっくり見られたのもよかった。
調査編は実質スパルタクス編。





詩と文字と






酒を飲みながら詩を読んでいた荊軻さんに、話しかけたのは農夫と少年。
少年はスパルタクスとの交流ですっかり親しい雰囲気になっていたけれど、名もなき農夫が話しかけて、興味を持ってくれるのもなんだか嬉しい。
わかりやすいのは少年だけれど、他の人々も、少しずつ『個』が見えてきたというか、“知らなかったもの”に対する興味を刺激されてきている……ように、見える。

農夫や少年は『詩』も、『文字』も知らなかった。
それだけでなく、『父』『母』という役割や仕組みすら、この中国異聞帯には存在しないのだと明らかになった。

文字の読み書きができない、というだけならば、教育が行き届いていないのだろうと受け入れることもまだ容易い。
しかし、『父』『母』がない、というのは……純朴な農村には似つかわしくないSFっぽさ、ディストピア感を覚えて、正直驚いてしまう。









そのあたり、荊軻さんは偉いなぁ……。
「ここでは、そういう慣わしなのか」と受け止めて、気を取り直して『光』と『土』の文字について少年に教えていく姿は、とても素敵だった。
冷静で優しくて、気配りのできる素晴らしい女性だ。

そして、「これぞ圧制!」と素直に憤ってくれるスパルタクスも、良い奴だ。
少年や農夫にこの場では直接言わないだけの分別もついているし、荊軻が少年に優しく文字を教えている空気を壊すことはしない。
狂っているけれど、そのあたりはきちんと理解できるちゃんとしたバーサーカーだ(?)。









文字を教える荊軻さんや憤りを表面化させるスパルタクスを、引き留めこそしないけれど、少し退いた場所から眺めている新所長。
前回のゲルダに対して感情移入し過ぎてしまったことを、まだ悔いているのだろう。
異聞帯に深入りすべきか否かは、第二章の終盤でもムニエルやダヴィンチちゃんを交えて話をしていた。

斬り捨てるからと知る事さえ放棄するのは決して良いことではない。
弱者や悪だから圧し潰してもいい、という感覚を当然のものと考えてはいけない。
だがスパルタクスが語ったのは、また別の視点に関する話だった。







このシーンでスパルタクスが語ったことは、いつかは誰かに指摘されるに違いない話でもあった。
むしろ、もっと絶望的で辛い状況で叩きつけられるに違いないと覚悟すらしていたので、こんな風に丁寧に彼が語って聞かせてくれたのはとても幸運なようにも感じられた。

特に、「もし汎人類史が負けたならば」の話をしてくれたのは大きかったし、個人的にはとても興味深かった。感銘を受けた。
敗北のIFを想像することは弱さと呼ばれてもおかしくはないし、自分たちの正しさを信じることこそが勝利に繋がる場面も多いだろう。
メタ的に考えれば、主人公側である汎人類史が負けることはない……ように見えるし、そう思い込んでしまう。

しかし、「もし負けたならば」。
許されるならば、何かを残したい。自分たちの生きた証や祈り、希望や大切にしてきた様々なものを、できれば次の人類に受け継いでいってほしい。

そういう感覚、観点について考えたのは、意外と今まで無かったようにも思う。
目から鱗が落ちたような気分で、ともかく新鮮かつ興味深い話だった。









スパルタクスの言葉が百パーセント正しい、というわけではない。
ホームズも全肯定はしないと言ったし、モーさんは「こいつの中だけで完結している」とも言っていた。
あくまでも視点のひとつ、考え方のひとつだ。それでも個人的にはすごく納得できる話だった。

その上でスパルタクスが求めたのは共感や同意ではなく、「荊軻の行いを戒めないでほしい」ということだけだった。
なんだよスパルタクス……。すっごい喋ったと思ったら、すっごい面白いこと話すじゃん……。
好感度爆上がり中。元々周回で超世話になっていることで高かった好感度が、三章を進めるだけで物凄い勢いで上がりまくりの天井知らず。





……マジで?






衛士長の判断の元、驪山から目覚めた二人の英傑が『???』の御前に現れた。
ひとりは既にガチャでも排出されていて馴染み深い、女性ランサー・秦良玉。
そしてもうひとりは、最古参の家臣である知将……国士無双、韓信。
国士無双、そして韓信といえば、多くの人間が知っている超有名人物だ。“雀”がキャラデザに含まれているのがニクい。

秦良玉は外見も知っているけれど、韓信はこれが完全に初登場だった。
ちょっとふくよかで、小柄っぽい外見。眼鏡。男性。目が死んでる。
……ファーストインパクトで、早くも「こいつヤベェな」と思えてくる。
すごい絵力、キャラクターだ。









秦良玉はとても美人で華もある、最高レベルのビジュアルなのに、ここまで濃いのが並んでしまうとさすがに印象が薄れてくる。……いや、美しさが引き立ったと言ってもいいのか?

オタクっぽいキャラクターは今までもFGOには登場したけれど、韓信はまた異なる雰囲気だ。
パッと見た印象こそアニオタキモオタっぽいが、むしろメカオタとか軍オタとかそっち系かな。
正確に言えば、戦争オタク……というか戦争狂なタイプなんだろう。自分で直接戦うのではないタイプの戦争屋。


皇帝陛下の御前でいきなり「ウッ……ふう」と賢者化(?)をやらかすとか、マジで色々やべー奴だ。
これには『???』も素直に「あまりにキモすぎる性癖」呼ばわりしているのにさすがに草。
一方で秦良玉は「噂に違わぬ奇才の発露」と微笑み、衛士長は「頼もしや。これにて秦の守りは盤石でございましょう」とご満悦だった。







どいつもこいつもボケ揃い。ツッコミ不足。
頭がイッちまった連中に囲まれたコヤンスカヤの明日はどっちだ。