FGO第二部 Lostbelt No.4 プレイ日記15 黒き神の傷



インド異聞帯に突入した当初から、『明確な脅威、敵』として認識していた“カリ”の存在。
だがラクシュミー曰く、「あれは舞台装置であると同時に、この世界の、最後の抵抗だ」ったらしい。
アルジュナ(神)がユガを廻し始めた頃から現在まで頑張り続けているのだろうか? スゲーな世界。

女神アトラクシュミーを宿すラクシュミーが“はぐれサーヴァント”として喚ばれたのも、カリありきだったのかもしれない。
脅威としてしか認識できていなかった相手への見方が変化するのは、なんとも不思議な感じだ。
“神の空岩”の件といい、『こちらの想定を根本からひっくり返される』のは面白いし気持ちが良い。





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※本記事では1.5部サーヴァントの真名を表記しています



怒らない主と怒れる従者






主人公達がガネーシャとラクシュミーを開放した頃、こちらでも一つの別れが起きていた。
なんとなく予感していた結末でもある。あんな凄まじい力の行使は、どんなに条件が良かったとしても、器の側が耐えられないだろう。
ここまで“形”を残せていただけでも凄いことだ。神性の力やサーヴァントだから……というより、アシュヴァッターマン自身の強さと根性で粘っていたような気がする。スゲー男だ。

「因果が揺らいだ一瞬に、やれる事は済ませておいた」とアシュヴァッターマンは微笑み、ここに来て改めて、元マスターであるペペロンチーノと短くも大切な『会話』を交わすに至った。
元々のマスターと召喚サーヴァントの関係でありつつ、結局あまり話をする時間は無かったこの二人。
そんなに噛み合っていないとペペロンチーノは以前にも言っていたけど、こうして“呪い”から解放されたアシュヴァッターマンとは、やはりこれはこれで良いコンビなのだと思う。きっと、良いコンビになれたのだろう。

アシュヴァッターマンはペペロンチーノの生き方を認めた。そして、『ペペロンチーノの代わりに怒る』ことが、きっと自分の役目なのだろうと語った。
「怒る事ぐらいしかできねぇ」なんて言い方は自虐染みて聞こえる台詞だけど、アシュヴァッターマンはそんな己を誇っている。
そしてペペロンチーノも、彼の言葉に微笑みを返した。
……良いコンビどころじゃないかもしれない。
彼らが自覚している以上、こちらが想像していた以上に、とても素晴らしい主従のように見える姿だった。





戦友






時間は少しだけ巻き戻り、アシュヴァッターマンが先程語った「因果が揺らいだ一瞬にやったこと」について。

居場所は“果て”。
隙は一瞬。
アシュヴァッターマンは己の全てを使って、『彼』を引き上げてくれようとしていた。









……びっくりするほど良い奴だ。
アシュヴァッターマン、超良い奴だな!?
前回や前々回あたりから思っていたけど、考えていたよりもずっと良い奴じゃん!!??

しかも無茶苦茶な修行にまで付き合ってくれる……。
相性不利なのに無限ガッツと無限バフで頑張ってくれる……。
アシュヴァッターマンの貢献度、ヤバくね?
今回のインド異聞帯のMVPと呼んでも過言ではない。
あらゆる意味で、彼無しではココまで辿り着けなかった。芋づる式に彼を最初に召喚したペペロンチーノ&彼を仲間にしたラーマの評価も上がっていく。







呪いが解けたことでようやくペペロンチーノと本来の主従のように会話を交わせたように、この二人もまた、ようやく本来の友人のような会話を交わしていた。
サーヴァントとしてもダチとしても最高じゃねぇか。
ヤンキーっぽくて声がデカくて怖い以外に欠点があるのか?
この最終盤でアシュヴァッターマンの好感度も爆ageだ。他のキャラもアガりまくっているので、もはや評価基準さえも曖昧。





約束






そして、アシュヴァッターマンが全てを賭けて引っ張り上げてくれた『彼』が、彼女を迎える。
笑い返す彼女の立ち絵は、たぶん特別仕様。
彼曰く、「不貞不貞しいが、春の微笑みのような、いい大輪(かお)」だった。

ああ……いい話だ。素晴らしい話だった。
インド異聞帯、完。ゴール……。





アルジュナ(神)に生じた変化




……ってワケにもいかない!
まだボス戦があるよ~!
しかもエッグい奴が待ってるよ~!
さっきみたくイベント戦ってわけには行かないか? やっぱダメか。

泣き言はさておき、まず気付くのはアルジュナ(神)に生じた変化。
ガネーシャとラクシュミーの帰還は、見事に爆弾を破裂させた。コヤンスカヤに言わせれば、「『最初からあったけれど今まで計上されてなかった負債』が一気に見つかった」
神の権威は確かに大きく堕ちて、その影響なのか、アルジュナ(神)の言動にも今までになかった類のものが混ざり始めていた。









カルナという相手を認識した。
忘れた夢に過ぎなかった『愚かな戦争』のことも、元々の己の理由も過去も、おそらく彼はほぼ全てを思い出したのだろう。

無感情に不要か否かを判断するだけの、システムめいた“神”らしさは、かなり薄らいだ。
台詞に「……」は相変わらず多いが、明らかに口数は増えている。
そして己の正義を主張するだけの、明確な自我も見える。

神としての強度が落ちたことで、ようやくアルジュナ(神)は『会話が出来る相手』になったようにも見えた。
やっと同じステージに立てる。やっと彼の想いを聞いたり、こちらの想いを伝えられるようになった。

……辛いのは、もはやこの世界に猶予がほぼ無い点だろうか。
ようやく話ができるのに、状況がそれを許さない。プラス、リンボもまだ邪魔をする。コンニャロ……。





性悪坊主VS性悪女狐、不発






主人公やホームズの言葉で今更気付く。そっか、カルデア側はリンボのことを、まだほぼ認識していなかったのか。
コヤンスカヤが語っていた“クソ坊主”が何者なのかや、そもそもリンボが下総から生き延びていたこと自体さえも今まで知らなかったんだっけ。
今までイベントシナリオや幕間でもちょくちょく言及されていたので、そんな感覚が無かったな……。


下総の時はキャスターだったり名前すら偽物だったり、ともかく嘘まみれだったリンボ。
その正体は異星の神に仕えるアルターエゴだった。
小さな異聞帯・下総での暗躍は、空想樹立のための仮説証明の一環だったのだと、本人がここでようやく白状する。このあたり踏まえて、改めて剣豪シナリオも読み直したいところだ。

そんな話をしている間に、コヤンスカヤも早々にエスケープ完了。
カルデア側に一瞬付いたことをあからさまに弄ってきた上に「拙僧も鬼ではなし。密告するのは止めてさしあげる」とかマウントを取る感じのリンボが腹立つ~。
先に排除されそうになったのはコヤンスカヤの側だし、これはさすがにあの女狐が哀れ。ドンマイ。(笑)。







先程から、世界の様子は一変していた。
謎の早送りで、日付的にはカリ・ユガではあるものの、それだけでは終わらない異常な変化が起きつつある。
アルジュナ(神)がゴールと言っていたもの。おそらくそうはならないものが、目の前に迫っている。
リンボが「間近で目にしたい」というのは、やはりこの『先』にあるものだったのか?
コヤンスカヤはそれぞれ目的が違うと言っていたけど、リンボの場合はコレが真の望みなのか??

……そのあたりの答えや、リンボの謎に対する解のほとんどは今回は得られずに終わった。
逃がすだけならまだしも、化けの皮もほぼ剥がせなかったのがフツーにく゛や゛し゛い゛。





神との戦い




そして始まった地獄の宴。
ここ&次の戦闘は、ネロ祭レベルにキッツい。インド異聞帯はもちろん、今までのどのメインストーリー戦よりも個人的には厳しかった。
メインシナリオでこんなことが許されていいのか!?
もう笑っていいのか怒っていいのかも忘れて、無表情で何度かリトライした。

初めてですよ……ここまで私にAPを使わせたおバカさんは……。
絶対に許さんぞ、インド共!
じわじわとなぶり殺しにされてやる!(※なお一撃死)









編成や礼装を色々と試しつつリトライを数度繰り返し、なんとかノー令呪でフィニッシュです。
リトライした時点で自慢できることではないって? 知ってるよ!


インド異聞帯はここまでの戦闘の難易度は低めだったが、ここで一気に揺り返しがきたような地獄っぷりだった。 弱体無効かつ攻撃力がエッグいので、速攻での超短期戦以外の戦法が許されないのもキツい。
次の戦闘や最後の戦闘の難易度も高くはあったが、個人的にはココが一番大変だった。

我が家のMVPはカーマ黒聖杯)とエウリュアレヴァーサス)。
看板娘礼装と、ゲオルギウス・デオンら盾鯖も良い仕事をしてくれた。
次の戦闘はさておき、ここの戦闘ではシナリオカルナ採用には固執しない方が良かっただろうな……。したんだけど……。









こっちは死に物狂いで勝利をもぎ取ったワケだが、シナリオ的にはまだ決着ではない。マジかよ。つれぇ。
しかしカルナとの会話を通じて、アルジュナ(神)には確かな動揺が生まれていた。
完璧なる神を自称するアルジュナに対して、カルナは彼の中にある“黒”について追及する。
カルナの指摘が正しかったのかはわからないが、少なくとも『カルナに“黒”のことを語られた』時点で、アルジュナ(神)側には強い感情の揺れが生じていた。

もちろんリンボがそのまま事態を静観するわけもない。
リンボに言われるままに、アルジュナ(神)はどこかへ飛び去っていく。
その行先は、この状況下ならばもはや一つしかない。





乳海攪拌




ここに来て、以前からマップ上の「謎の白い部分」だったものの正体が判明した。
以前にアスクレピオスも少し触れていたけど、詳細は一切語られていなかったし、それ以外の場での言及もほとんど無かったと思う。

なぜこんなものが生じたんだ? 「来たばかりの時にはなかった」というペペの台詞的に、異聞帯由来ではなく空想樹やリンボの影響なのか?
不老不死の霊薬目当て……ってのはさすがに安直すぎるか。そもそもこの乳海、狙って作られたのか勝手に湧いて出てきたのかも不明だもんな。

もちろん、今は原因や意味について考えるべき時ではない。
とりあえずコレを渡らないことには、空想樹やアルジュナ(神)の元に辿り着くことさえできない点こそが重要で大問題だ。

……終盤でこの状況ってキツくね?
神経が擦り減っているため、イライラしやすい今の俺。
こっちは先程の戦闘だけでボロボロだし、次の戦闘について考えただけでも胃に穴が空きそうなんですけどォ!? 乳海について考える余裕とかないんですけどォォ!!??









何もかもを溶かすヴァースキの毒を前にして、『不運』の力で自分ひとりが受け止める策を取ろうとしたラクシュミーに対し……その献身を「くだらない」と厳しい言葉で否定したのは、キャプテンだった。
今までラクシュミーのことをずっと密かに気にかけ続けていたキャプテン。直接顔を合わすに至っても、どこか避ける素振りも見せ続けていた。
その理由はキャプテン曰く、「僕の核になったものの、悲しみと後悔」が関わっていた。

英霊よりは幻霊に近く、霊基が混ざっていることで成り立った“この”彼。
彼がこのインド異聞帯に同行した理由や意味が、彼の正体と同時に明かされる。
嵐の海を渡り、毒の乳海さえも突破する、希望の船。その名は……。





弱気な人はキラい






まさかこんな場面でキャプテンの正体を知ることになるとは……!
しかも結構な大物同士が混ざっている。海神も強さって意味ではスゲーけど、たぶんFGOユーザーの嗜好的にはもうひとつの方が有名だろう。
本来の元ネタは小説だが、そちらを原案にしたアニメが超有名作品。
ブルーウォーターは誰もが一度は憧れるアイテム。そのへんの“ぽい”石とかプラスチック片とかに浪漫を抱いた経験、国民全員が一度はあるだろ?(※決めつけ)

そして更に、『北欧異聞帯での虚数潜航時に感じたあたたかさ』は彼だったことまで判明した。
も、もっと早く言えーい!
日記でいうと「FGO第二部 Lostbelt No.2 プレイ日記02 クラスを正直に言いなさい」の頃だ。
てっきり“カルデアの者”関連かと思っていたが、少なくともアレとは違ったのか。









キャプテンは決して積極的ではなかった。なんだかんだで手伝ってくれたり、助けてくれたりしても、乗り気なのかどうかは曖昧だった。
事実彼は、「あまり期待していなかった」らしい。

そんな彼だったけど……インド異聞帯での主人公たちの頑張りやラクシュミーの努力、辛く打ちのめされても前を向いて笑う“人間”としての姿と輝きに、ついに彼は全ての力を貸してくれると宣言する。
夢と希望と空想が結集し、あらゆる海を乗り越える万能の艦がここに生まれた。

これで次の大西洋異聞帯の神代の海を渡る目測も立った、と言っていいのかな。
とりあえずヤッター!
でもやっぱり、今はそんなに喜ぶ余裕はない。次の戦いがすぐそこまで迫っている。





空想樹と曼殊沙華






ついに空想樹の足元が見えてきた。最後の戦い、アルジュナ(神)との対峙は間もなくだ。
……その前に、己の限界を悟ったラーマ。
彼は自身の宝具と願いを、カルナへと託すことを決める。

最初は躊躇いを見せていたカルナも、彼の想いを聞いて受け入れた。
アシュヴァッターマンから借りたシヴァの力。更にラーマから借りたヴィシュヌに連なる力。そして何よりも、アルジュナ(神)に囚われたに近いシータや女神たちを救ってほしいという願い……。
カルナは多くの力を借り受け、多くの願いと信頼を背負うことになった。
……決戦だ。
行こう、スーパーカルナ(命名:ガネーシャ)!
そしてアルジュナ(神)を止めよう!









中国異聞帯で空想樹を目覚めさせたのも、同じくアルターエゴ・コヤンスカヤだった。
今回はリンボが似たようなことをする。むしろそれ以上か?
リンボはこの異聞帯について、「最も早く結末に辿り着く」ことだけが長所だとも語った。これ、さり気ないけどスッゲー侮辱だと思う。この異聞帯に生きる人々や守ろうとする人々、関わる全てに対して喧嘩を売っている。

開花したインド異聞帯の空想樹は『スパイラル』
黒ずんだ空想樹は前回と同じく銀河を内包していた。そもそも名称も、それぞれ銀河の名前と同じだった。
相変わらず空想樹については謎が尽きない。やはり終節まで、肝心の謎は解けないのだろうか?
……第二部終節は、空想樹を折りたい放題のパーティナイト開催なのか?





カルナとアルジュナ








アルジュナ(神)は、カルナが神へと近付いたことを、なぜか最初は喜んでいた。
これはもう間違いない。もはやアルジュナ(神)は以前までの彼とはまるで違う。
『敵が強大であることに喜びを覚える』なんてものは、神の完全性からは程遠い“人間味”に他ならなかった。

そして更に、カルナとの問答の中で、アルジュナ(神)は自身の矛盾に気付いてしまった。
今まで以上の神威の失墜が、「神自身が自らの完全性を疑う事」で成立してしまった。

……正直、悲しいし寂しい。このアルジュナ(神)は結局最初から最後まで、己の“黒”を否定する事しかできなかった。
彼にとっては、彼自身が他の何よりも不出来で邪悪なものだった。
そんな彼を支えてくれる相手も、受け入れる機会も得られなかったからこその、このインド異聞帯の結末なんだろう。









最後になって、異聞帯の王との戦いはとてもシンプルなものになったようにも見えた。
少なくとも今までのように、『どちらの異聞帯が生き残るか』を争うものではなかったようにも思える。

もちろん彼らは世界を背負っているし、多くの命や祈りを賭けた戦いでもある。
だがそれは結果に付随するものであって、今のアルジュナ(神)とカルナは、ただ相手を超えることだけを求めているに近かった。
我々のよく知るカルナはもちろん、アルジュナ(神)さえもそうだった。
……そしてアルジュナ(神)の名前の表記も、「自らの完全性を疑った」後から、『神たるアルジュナ』から『アルジュナ』表記へと変化していた。

次回、インド異聞帯プレイ日記、最終回!