FGO第二部 Lostbelt No.5 プレイ日記17 愛ゆえに



面白そうな設定や新たな謎も山ほど出てきた第二部第五章。
……でも結局、結局は、『彼ら』にやられた。全部飲み込まれて、ぶっ飛ばされていった。

序盤から、というよりもピックアップやCMの段階から“オリオンとアルテミスの対決”は予感されていた。
敵対したアルテミスを「なんとかできる」者がいるとしたら、きっとオリオン以外にありえない……と、思っていたしわかっていた。

だがここまでの熱量は、予想なんてできない。
こんな……こんな、ガチのマジのラブパワーを見せつけられるなんて、想像を遥かに上回っていた。
茶化しているわけではないんだけど、なんつーか、本当にスゲェとしか言いようがない。愛ってマジでスゲー。





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※本記事では1.5部サーヴァントの真名を表記しています



英雄の最後の仕事

「たかが死んだ程度」






あの人物が、こんなベストタイミングで召喚されたことには理由があった。
存在を触媒にしたカウンター召喚を自発的に行うとか、反則すぎじゃない?
まー相当特殊な状況と人理の後押しあってこその成立なんだろうけど、『アキレウスならそれくらい朝飯前ですよ』と言われても納得してしまう私がいる。

……この英雄、マジで凄い。もう何度驚けばいいのかわからないし、スゲースゲー英雄英雄言いすぎて陳腐になってしまいそうなんだけど、そうとしか言いようがない。
プレイ日記10 不死ではないからこそ」で語っていた死生観、「プレイ日記15 英雄乱舞」でも触れていた人間であることの強さと誇り、前回垣間見せた英雄としての強さと清々しさ……色々なものがこのシーンに再集結し、プレイヤーの情緒をぶん殴る。アキレウスファンの心臓は止まって死ぬ。

“死んでも戦う”なんて、戦闘続行にも程がある。ガッツってレベルじゃねーもん。
FGO実装に伴って宝具に押し出された超A級スキルを、シナリオ内でここまでガッツリ描写しきるとか、なんかもうズルくないか?
細かい出番も見所も多いし戦力的にも頼りになるし格好良いとか、色々とズルすぎないか?
ずりーぞ! アキレウスばっかりずりーぞ!
(※もはや褒める語彙を失い、逆切れするしかなくなった図)





彼側の正義と愛




文字通り『死んでも戦う』男を前にして、戸惑うばかりのケイローンではない。
すぐに戦況を理解して、部下を退がらせる。

……けど、そんな彼の中にある微かな迷いが、ここで初めて明らかになった。
人馬の賢者である彼だからこそ気付きかけてしまった、“この世界の停滞”。進化を失い、間違ってしまったのかもしれない世界。

それでも「私の愛した世界」と言い切る姿に、初めて異聞帯ケイローンの『ケイローンらしさ』を見たように思った。
正直、今までの異聞帯ケイローンは、ただ目の前に立ち塞がる厄介な強敵という印象しかなかった。汎人類史ケイローンの悪口も言うし、正直“ちょっとヤな感じのケイローンそっくりさん”みたいなイメージもあったけど、ここでようやく、異聞帯ケイローンも間違いなくケイローン自身なのだと納得できたような気分だった。
敵対する相手だからと、異聞帯側の人間の感情や強さを雑に評価してしまうのは悪い癖だ。





英雄たち

守護する者




……そして、前回の続き。
アルテミスの砲撃に抗う、主人公達。

これを書いている時、きっと私は既に命を落としているでしょう。
死因は熱血死です。
あまりに格好いい状況、興奮する状況を前にして、泡を吹いて倒れてしまいました。
なのでここからはゾンビ・俺がお送りします。(は???)





次の矢




月の女神から主人公達を守るため「だけ」に召喚されたサーヴァント。
防衛戦が得意な、トロイアの守護者。
そしてパリスの兄。

“彼”の言葉を受けて、次に立ち上がったのはパリスだった。
ヘファイストスに作って貰った神の矢は二本だけ。既にその二本は、アルテミスの外装と主砲連続発射の前に使い果たしてしまった。
アルテミス本体を狙い穿つための一射が致命的に足りない……その状況を変える方法を、パリスは「思いついた」。







最後まで笑い、胸を張り、仲間を信じて自身の消滅を受け入れた。そんなパリスもまた、紛れもない英雄だった。
その有様を「生け贄の山羊スケープゴート」と表現するのが尚ニクい。
あ~~、そう被せてくるか~~~! ウマいッ! 座布団一枚ッ!!

パリスと共に消える際、アポロンは最期に、「思ったより楽しかったよ、人間たち。ありがとねー」と言っていた。
あのアポロンさえも今回の旅を楽しんでくれたのかと思うと、更に胸が熱くなった。





友達のために




……別れに次ぐ別れ。誰もが消えていく。
それなのに、後ろ向きで悲しいだけの死は一つとして無かった。
マスターを守るため、人理を守るため……いや、何よりも、“仲間を守って、未来に繋げる”ために、彼らは笑いながら死力を尽くし、ひとりひとり居なくなっていく。
そしてマンドリカルドはもっとシンプルに、ただ“友達を守る”ために。







オリオンとパリスに僅かな時間を作るため、ヘクトールから借り受けた『不毀の極剣』でアルテミスに対峙したマンドリカルド。
ヘラクレスを二射で殺しきる神の主砲から、彼は主人公たちを守り切った。

生前の誓いを完全な形で果たした事実、第二宝具を解放した英霊としての強さ……それらがあったからこそ成立した一発限りの奇跡だけど、マンドリカルドの精神面を支えたのは生前からの想いではなく、「今の自分が」「友達を助けたいから」という、とても俗っぽくて人間臭い、ごく普通の感覚だった。

友達だと言い合って、間を埋めるように「マイフレンド」を連呼したけど、結局それらしい時間はほとんど持てなかった。
でも、それでも彼らは確かに、友達だった。歪で不格好で不器用だったけど、ちょっとずつ友達になっていった彼らの関係と、友人マンドリカルドという存在は、ここで完全に消滅する。

……何度思い直しても、苦しい。この傷は、コルデーが残していったものに近い。
きっとコルデーとは少し異なって、マンドリカルドは『傷を残す』行為に罪悪感だけを抱いただろう。
それをも跳ね除けて、最期に笑って「……じゃ、またな!」と短く朗らかな別れの言葉だけを残していったマンドリカルドは、言動や本人の自称よりもずっとずっと、強く前向きな“英雄”だった。





愛の矢

冠位の返上






ヘクトールとマンドリカルドが作ってくれた時間と、パリスが成ってくれた神の矢一本。
全てを背負って、オリオンはアルテミスを再び狙う。

冠位を返上すると宣言したその瞬間、彼の姿も変質した。
姿勢が大きく変わり、雰囲気が一気にガラッと変わった。再臨で言うと第三再臨にあたる姿なのだけど、私自身がこのオリオンを目にしたのはシナリオ中が初だった。
よかった~~~~! 見なくてよかった~~~~~~!!
だってこの場面のアツさ、エグいもん。初見で受けた衝撃と歓喜、マジで尊い。我慢してて良かった。

そしてオリオンの変身と宣言自体も超絶胸熱言うまでもなしなんだけど、「冠位」宣言に目玉スポポポポーンと飛び出しっぱなし。
マジで!!??
マジかよ!!??
スゲーーー!!!!!!!
(※アホの感想文)





女神を穿つ狩人






……………………前回に続いての気絶は、さすがにパターン化してしまうので耐えよう。
でもこんなの、本当に、冷静になってられねぇよ。
ヤッベーーーーじゃん。
愛じゃん???
『異聞帯の恐ろしい敵を倒す』場面っつーより、『好きな女に再び愛を告白する』場面じゃん????

オリオンの台詞も表情も、何もかもアルテミスへの想いに溢れている。
しかもトドメに、第三宝具のルビがアレだぜ?
『オルテュギュアー・アモーレ・ミオ』だぜ???

冷静に考えろ!!!!!!!!
お前どこ出身!!!!!!!!!!!





月女神の愛と恋






びっくりしちゃったよ……。
まさかFGOでこんな壮大な恋物語を喰らうなんてさぁ……。
いや「愛」も「恋」も今までもテーマにはなってきたけど、今回の熱量はヤッベーよ。
スーパーウルトラギガメガテラエンドレスロマンティックじゃん……。
愛のアンサー宝具とか、なんなんだよ。お前らバカップルかよ。
また君に恋してるどころか、何度でも君に恋するし君を落とすし君を殺すやつじゃん……。

……こうして改めて噛み締めると、オリオン&アルテミスという組み合わせの“型月”度、ほんっとうにスゲェな?
前にも言った気がするけど、月姫のアルクェイドにも重なるし、その他カップルのエッセンスも感じるしで、なんだかすごく“らしい”。
だからなのか、シナリオも描写もノリにノっている雰囲気で、読んでいてメチャクチャ面白かったし読み応えがあった。

オリオン(熊)とアルテミス(汎人類史)との付き合いは、もう四年以上とかになるってのに……こんな形で改めてガッツリ描写され、物語の熱量と魅力でヴォッコヴォコに殴り殺されるとは、想像もしていなかった。
これだからFGOはやめられねぇ。





笑顔の別れ






冠位のサーヴァントが召喚されるのには、「きちんとした意味がある」
そしておそらくオリオンは、「このため」に召喚されたわけではなかった。
本来の意図や意味、オリュンポスでの戦いがどうなっていくのか……不安は物凄く多い。はっきり言って怖い。

でも、オリオンに後悔はないし、見ているこちらとしても悔いはない。
オリオンはアルテミスを撃つべきだった。他にどんな意味や仕事があったとしても、“これでよかった”のだろうと、今は思う。