FGO第二部 Lostbelt No.3 プレイ日記12 凶星への叛逆



第三章の名場面のひとつとも呼べるシーンがやってくる。
シナリオに一枚絵や特殊効果・描き下ろしも相まって、ボリュームたっぷりでとても豪華な場面だった。

もちろん中心となるのはスパルタクスと少年と、名もなき農夫たちだったが、彼らに強く語り掛けるモードレッドの姿も熱かった。
「堕ちるな、降りてこい」という言葉がとても良い。男らしさとプライドと、英雄というものの在るべき姿を語ってくれた。
さすがは円卓随一の益荒男よ……。



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FGO 序/2017年12年31日 プレイ日記01 はじまりのおわり



※本記事ではサーヴァントの真名を表記しています





自由を求めて




開幕顔面蒼白新所長。

前回はモードレッドに指摘されるくらい大人しくなっていて、少し凹んでいるようにも見えたスパルタクスだったけれど……まさか、こんな形で元気になるとは。
予想外の展開ではあるが、スパルタクスらしいといえばらしい。

しかし、始皇帝との現在のギリギリな関係性を考えると、決して良い状況とはいえない。
どちらにせよこの後はゴニョゴニョではあるけれど、この時点ではそこまでわかるはずもなかったし。









令呪をもってスパルタクスの行動を止めることを、待つように言ったのはモードレッド。
やはり戦友として、スパルタクスのことをよく理解している。

……いや、やはり、理解とはまた違うのかもしれない。
それでもスパルタクスにとって何が大切なのか、何を想っているのかは、なんとなく察して通じ合っているようだった。


このシーンのモードレッドは格好良い。
結果的に選ぶ手段は脳筋で無茶苦茶ではあるのだが、モードレッドとスパルタクスにとっては、それで正しいのだと思う。

そして、そんなスパルタクスを羨む荊軻さんの言葉も、とても趣深かった。
モードレッドとスパルタクスと荊軻それぞれと、主人公との関係性や信頼の在り方が伺える良い場面だ……。









スパルタクスと共に進んでいく農夫たち。
少年あたりは自ら望んでといった様子だけれど、それ以外はまだ“なんとなく”ついていっている、という様子にも見える。しかし、決して無理に誘われたわけではないのだろう。

スパルタクスの話を正しく理解したわけでもないし、『叛逆』なんてものを意識しているようにも見えない。
日々の生活に満足している以上、天子さまに逆らおうとまでは考えてはいないのだとも思う。そんな考え方自体、今の彼らにはまだ出来ない気がする。

だが、わからないなりに語り合ったり、芸術や詩について思いをはせている彼らは、暢気でありつつも楽しそうでもあった。
その感情すら、この時点の彼らに自覚は無いのかもしれない。









無事に追いつくことはできたけれど、お互いに譲らない。
モードレッドの発案通り、力尽くで「語り合う」けれど、埒が明かなかった。
スパルタクスもモーさんも楽しそうではあるけれど、魔力を吸い上げられる主人公の側がどんどん削られていってしまうのは拙い。

バーサーカーコンビ(※片方セイバー)と違い、理性的な荊軻さんとマシュは心配してくれるけれど、あまり良くない流れだ。
そして「言いたくはないが気色悪い」呼ばわりには草不可避。
だ……ダヨネー!
いやそこがスパルタクスの凄いところでもあるケドネ!?





決裂






どうにもならない状況下、飛び込んできたのは留守番していたはずの哪吒。
彼女の口から、衝撃の言葉が飛び出した。

そ、そんな……。
いや前回の引きから嫌な予感はしていたけれども、これは結構ショックだった。

いつか始皇帝と対立する日が来ることはわかっていたけれど、まさかこんなに早いとは……。
一時休戦できたのが特殊な事例過ぎたのかもしれないけれど、前回のスカサハスカディが途中休戦からラスト付近まで力を貸してくれていたので、油断していた部分はあったのだとも思う。

そして何より、先日は和気藹々と語り合い、こちらを案じてくれていた秦良玉が、直接的な行為を下したというのがフツーに超ショック。
そりゃ敵同士である以上は、ずっと仲良しこよしってわけにはいかないけれどさ……。
やっぱり、ちょっと辛い。悲しいなぁ……。









どこにいても、長城から“監視”できるはずの始皇帝に呼びかける。
悪びれることもなく、淡々と始皇帝は約束を違えた事実を認めた。

落ち着いた様子で語り掛ける調子や雰囲気は、交渉を行っていた時とそこまで大きな違いはない。
しかし吐かれる言葉の内容は、まるで違っていた。
威厳や底知れぬ恐ろしさを彩っていた、あのお茶目さや親しみやすさはすっかり消え失せてしまっている。
拒否感と嫌悪感がありつつも冷静に、「滅殺する」「民を脅かす害悪」といった言葉を使う様は、ヒナコから感じた敵意とはまた異なる種類の敵意を感じた。
個人の怨恨でもなく、下手をすれば人に対する憎しみでもなく……それこそ、害虫に向ける感情に近いのかもしれない。









民には与えられないテクノロジーの恩恵。
下賜による徹底管理。
800年前に成った世界統一と、100年に渡る騒乱さえない泰平の世。

……既に明らかになっていたひとつひとつのパーツが、ようやくここに来て纏まった。
儒を憎み、民に蒙を強いる始皇帝。
汎人類史の感覚からすれば恐ろしい。異常だ。間違っている……そう思う。
しかし、「儒者の蔓延った世界において、果たしてどれほど長く保った平穏があった?」という言葉には、何も答えられなかった。









この世界の良し悪しを判断できるほど、主人公たちは強くはない。
それでも、詩を教えた荊軻さんが、間違っていたとも思えない。


始皇帝の命令の元、主人公たちを襲う項羽とヒナコ主従。
今まではワンブレイクで戦闘終了パターンが多かったけれど、今回はそうはいかない。
ヒナコの令呪で3ターンの間、蘭陵王へのターゲット集中が付与されるなど、相手側も本気の構えだ。

きちんと用意しておかなければ苦戦必至なバトルだった。
最低1発は項羽の宝具が来る可能性が高いため、全体宝具への無敵や回避での対応
そして、前半に項羽を撃破しきるだけの戦力を用意しつつ、最後に蘭陵王を倒しきれるアーチャーも後衛に用意しておくこと……などが重要だと思われる。


第三章のボス戦は最終盤に更に高難易度が待っているけれど、この戦闘も難所のひとつだった。
蘭陵王の宝具が攻撃系ではないことが救いか?
項羽の宝具を何発も受けるのは厳しいし、令呪によるタゲ集中期間が終わってから速攻をかけられるメンバーで挑みたい。
引き続き「精神異常無効」永続バフの項羽にはエウリュアレの魅了は入らず、ガンドやジャンヌスキル・孔明宝具などによるスタンも非常に聞き辛い(……が、孔明宝具では極稀に入った記憶もある)。





叛逆の暁星




儒という病原菌を断つために一帯を焼き払う、という考え方は、決して汎人類史側に理解できるものではない。
しかし、始皇帝は「大地は我が肉。民は我が血潮に等しい」とまで言いきった。
決して理解し合えるものではないけれど、中国異聞帯には中国異聞帯の価値観がある。始皇帝には始皇帝の正義や意思、感情がある。

だからといって、やはり受け入れられるはずもない。
始皇帝自身の苦しみは彼にしかわからないものだけれど、それを理由に納得などできなかった。

このシーンの始皇帝は今までに無いほどに言葉の節々が感情的で、熱くこちらを煽るような雰囲気すらあった。
それは主人公たち、儒をもたらした者たちへの強い怒り故だったのかもしれない。
彼らはお互いに、強く怒りを抱いていたのだろう。









農夫や少年は凶星に怯えながらも、始皇帝はもちろん、この事態の原因かもしれない主人公たちに怒りをぶつけることもしなかった。ただ恐れ、「なぜ?」と疑問を口にすることくらいしか出来ていない。
蒙を強いられた彼らは、理不尽や逆境に対する怒りの感情すら薄いのかもしれない。争いは生み出さないかもしれないが、なんだかそれは、とても悲しいことのようにも見えた。

……そして、スパルタクス。
農夫たちをここまで引っ張ってきた、農夫たちの心を揺り動かそうとしていた彼が、ここでもう一度立ち上がった。







スパルタクスが単独行動による暴走を始めたのではと思われた時に、ホームズや新所長は令呪の使用を勧めた。
それだけはやめてやってくれ、と言ってくれたのは、モードレッドだった。
令呪は、そしてマスターとサーヴァントの関係は、スパルタクスが叛逆する『圧制』になりかねない危険性を常に孕み続けていた。









主人公とスパルタクスの絆。
少年と農夫たちへの想い。
全てはこの大圧制に抗するために。


……正直、予感はあった。
どんな形になるかまではわからなかったけれど、スパルタクスは何かを守る形で、何かを託して命を落とすことになるのではと、ずっと不安にさえ思っていた。

だが実際は、私の形のない嫌な予感やあやふやな想像を、遥かに超えていくものがそこにはあった。
熱い、格好良い。嬉しい、悲しい……。なんとも言い表せない。言い表せないくらい、やっぱりまだまだ胸の奥が滾っている。

ともかく、とても良いシーンだった。
スパルタクスが凄くて、本当に格好良かった。





生まれた祈り






スパルタクスを失い、村を失い、天子さまによる庇護を失った農夫たち。
彼らはスパルタクスの死を悲しみ、これからを憂いだ。しかし、此処ではない何処かに行くことに、胸の底が熱くなるような感覚を覚えるようになっていた。

この炎を灯したのは他でもない、スパルタクスだったのだと思う。
彼にしかできないやり方、彼にしか理解しきれない強い言葉と想いで、平穏であることを強いられていた農夫たちの心を揺り動かした。
「スパルタクスには誰にでもなれる」という言葉を、少年は確かに受け取った。









中国異聞帯には存在しなかった、祈りや願い。欲望。自由への夢。
始皇帝にとっては毒であり、病であり、抗すべきものだった。
汎人類史にとっても時には毒だったけれど、守りたい宝物でもあった。

願いが届き、英霊の座と繋がる。
そしてついに、この中国異聞帯と戦うための、英霊たちが呼ばれていく。
人々の願いに応えて、英雄が現れる。


……この一連のシーン。
スパルタクスの格好良さや熱さ、モードレッドや少年たちの反応ももちろんなのだけれど、最後のこの場面がまた素晴らしい。胸と瞼とが熱くてたまらなかった。
スパルタクスが人々の感情を動かして、祈りを生み出して、世界を変える……という光景が本当にマジでガチで、我ながら語彙がなくて恥ずかしいのだけれど、メッチャクチャ熱くて超サイコー。
第三章において、1・2を争うくらい好きなシーンだった。







その祈り、呼びかけに応えたのがこの男っていうのがまたニクい。
うわー超面白くなってきた! 超楽しいじゃん! つーか今日もワダアルコは仕事しまくり!

ヤッベーよ、スパさん超激胸熱シーンから上がっていたテンションが限界突破だよ!
農夫たちと同じく、大声で叫んで走り回りたくなってきたぞ!
ラニィーッ! 貂蟬? 陳宮! エッ、エクステラァーッ!?
そ、そうだ呂布! 呂布はどこ!
呂布ッ!!







何コレ!!!