FGO第二部 Lostbelt No.3 プレイ日記15 異聞帯の平和を踏み躙るということ



今回の第二部第三章プレイ日記は、後半になってからようやく「このあたりまでで一回の感想にしよう」とバランスを考え始めた。
結果、ギリギリ18回に収めることはできたけれど、前半は我ながら冗長だったと思う。
今度からはもうちょっと早めにバランスを決めていこう。
本編日記は、長くても15回くらいに収めたい……という目標。願望。



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※本記事ではサーヴァントの真名を表記しています





パチモン改造車のワクワクショータイム




デデーン!!!

パチモン臭のエグいスーパーカー(?)キタコレ!
見た目からしてヤバそうだが、始皇帝・韓信・衛士長はわりとノリノリだった。

男の子の浪漫ってヤツ。
気持ちはわかるけれどセンスはかなりアレだ。
阪〇の宣伝車か? もしくはビッ〇リドッ〇リメカ。

そして気持ちさえわからない女の子・秦良玉がわりと素で引いているのが面白可愛かった。
秦の万民が認める流行最先端ってわけではなかったことに少し安心。
価値観が近いことは大事だよ。中国異聞帯とわかりあえる可能性がミリ残ったな(?)。







今までにないくらいはしゃいでいる韓信。“どもり”すら忘れるレベルでイヤッホォゥしている。
彼と始皇帝のみならず、見るからにクールな衛士長ですらワクワクしているのにはさすがに草。
恐ろしい敵であるはずの相手だけれど、ここに来てまたちょっと茶目っ気を出してくるじゃネーノ……。

正直、チーム・始皇帝、愉快な集団なのでわりと好き。
なんだかんだで、結局憎み切れない感じがするんだよな。

ワイワイ楽しそうにしている男三人にドン引き秦良玉、という絵面も楽しい。
『紅一点』ってのが、また良いよ。
女の子だらけより、人数絞られている方が逆に燃えるし萌えるみたいなの、あるよな?









そんなパチモン中〇製マシン『多多益善号』がついに対カルデア戦に投入されるも、目撃した一同の反応は大体秦良玉と同じもの。
ほぼ唯一、マシュだけは悪くない評価をしていた。
前衛的かつ個性的なデザインとして、一目置いている様子だ。ちょっとズレた後輩センス、かわいいかよ。


新エネミーである『多多益善号』は、クラスとしてはアーチャーのため、チャージが早い。HPも多めだ。
急造品だからか、ブレイクすると防御力デバフが発生した。
バチバチと壊れかけのエフェクトも表示されるあたり、芸が細かい。

やけど付与効果付きの通常攻撃は、相性が良くてもスリップダメージが蓄積していくのが鬱陶しい。
異常解除持ちのランサーで戦う方が安定しそうだが、そこまでの難敵ではない。
……が、おかわりならいっぱいあるぞ!









引いていただけのこともあって、「ぜんっぜんダメです!」と叫ぶ秦良玉。
こいつは手厳しい。ツッコミを心の内側に秘めるだけの敬意と冷静さはあるようだけれど、基本的に『多多益善号』のセンスに関してはまるで理解ができない様子がやっぱりカワイイ。

『多多益善号』が予想以上に活躍しきれなかったせいで、主人公たちが咸陽に接近することを許してしまった。
なんてこった。『多多益善号』必要だったか?
単なるワクワク改造車ショーじゃねぇか!


ここで、衛士長がついに動く。
以前に秦良玉が教えてくれた、精鋭によって構成された『近衛隊』の出動許可が始皇帝から下った。





決戦前夜






村人たちの護衛で別行動を取っていたモードレッド&哪吒ともここで合流。
最後の休憩の中で、荊軻が何やら気になる話をダヴィンチちゃんと行っていた。
どうも何かの策なり、特殊なアイテムなりを用意してもらったようだが……その詳細は、ここでは明かされなかった。

その“何か”と共に、別行動を願い出る荊軻。
主人公は最初から、彼女が何を求めているのかを察している様子でもあった。







策としては理に適っているかもしれないが、それが荊軻の犠牲を前提としているのならば、主人公達には受け入れ辛い。

しかし……『旅』立とうとする荊軻を止める行為は、本当に彼女の望みに沿うのか?
止めず、そして悲しまないことこそを、彼女は願っているのでは?

マイルームでの会話。絆レベルで解放される台詞。幕間……。
今までに荊軻さんを見てきたことでわかってきたものが思い出されていく。
身を投げ出すような戦い方しか知らないと、荊軻さんはかつて言っていた。
それは今も変わらないのかもしれない。変わらないからこその英霊なのだとも思う。
どうあっても止められず、彼女は頷いてはくれない。
……けれど、最後には笑ってくれた。







変わらないままであっても、こちらに歩み寄ってくれたようにも思える微笑みだった。
……それもまた、そう思わせるための荊軻さんの優しさなのだろうか?

荊軻さんはクールで美しくて冷静で、どこか危なっかしいところもあって……決して命を無駄遣いするような人ではなくとも、『その時』には迷わない人だ。
そんな彼女を、もう少しだけこちら側に留めることが、出来たのだろうか?
そうすることは私のエゴであって、荊軻さんを困らせたり苦しめることになるのかもしれないけれど……私の本音としては、やっぱり荊軻さんには生きて帰ってきてほしいとも思ってしまうんだよな……。


この一連の、“別れ”ともいえるようなシーン。
彼女の言葉のひとつひとつに、様々なことを考えた。
昔からの荊軻さんファンならば、きっともっと、色々なことを考えたのだろう。







そして、戦うことを決めた者がここにもうひとり。
咸陽と秦に近付く危険に、動き出そうとしている項羽。もちろん虞美人は止めていた。
プレイ日記09 トンデモテクノロジー乱舞」の頃から、彼女は「もう二度と貴方が剣を手に執ることなく済んでほしかった」と言っていたし、この場で引き留めるのは当然ともいえる。









彼女との問答の中で、項羽はようやくひとつの考えに至る。
汎人類史の項羽が抱いた最後の無念。虞美人への想い。

ここまで至ってしまったからこそ、項羽は背負おうとしてしまったのかもしれない。
汎人類史の項羽の無念と嘆きを、中国異聞帯の彼が“背負って”しまった。背負い過ぎてしまったのかもしれない……。

人ならざるものの恐怖や苦しみ、悲しみを唯一分かち合えた相手への想い。願い。執着。
他人には理解しきれるわけもなく、ただの人間ならば尚更だろう。
でも……うーん……。





咸陽へ






現代の兵士の精鋭で構成された『近衛兵』が新たなエネミーとして登場した。
衛士長の部下たち、って感じだろうか。
アサシンクラスのためチャージも短く、HPも全体的に高い。
そしてチャージ攻撃の強化解除がヤな感じィ!

主人公のマスタースキルも、更に使用不能ターンが延びていっている。
ここまで来ると、敵のチャージ攻撃までに使用可能になるのはまず無理な範囲になってきた。
マスタースキルによるバフを前提とした周回パを愛用しているプレイヤーには辛いだろうな。









ついに『咸陽』に初侵入を果たす。その光景は、ちょっと予想外。
個人的には、近衛兵やメカニックなどの始皇帝直属の部下以外は住んでいないのかなーと思っていたのだが、実際はわりと普通の住民も暮らしていた。

ただし彼らも特別な民としてテクノロジーの恩恵を受けているというわけではなく、儒を禁じられた中国異聞帯で唯一の芸術(めいたもの)を生み出すことを許されているだけの、やはりごく普通の民だった。
危険への鈍さなどは、農夫たちとそう変わりはない。
麦を育てる代わりに、始皇帝を讃える絵や詩を作っているだけ……といった印象。


そんなものは芸術じゃない、と憤るダヴィンチちゃん。
愛玩動物だ、と冷めた視線を向けるコヤンスカヤ。
ダヴィンチちゃんはさておき、コヤンスカヤも拒否反応を示したのは意外な感じではあった。
新所長ジャンケン事件と同じく、彼女は「自分が最も嫌う、最も不愉快な生き物であること」を人間に求め過ぎているきらいがある。そのあたりが、また見られた気がした。やはりこの点、コヤンスカヤの隙で弱点になりそうだよなぁ。









賊が襲ってきたことへの危機感すらまともに持てない民たちを、苦労しながら避難させていた秦良玉。
その隙を突かれなかったことに、多少思う所はあったようだが、基本姿勢に変わりはない。

彼女の怒り、彼女が主人公たちに向ける憎しみは、下手をすれば始皇帝すら上回るかもしれない。
始皇帝は広すぎる視野を持つがゆえに、評価が変わることもありえるだろうが、秦良玉はそうではないのだろう。
秦良玉の視野が狭くて悪い、というのではなく、彼女は純粋に、真面目で優しすぎるのだと思う。







身勝手な理想だ、と主人公たちの考え方を言い捨てた秦良玉。
理由も無く相手の主張を拒否するわけではなく、彼女には彼女が歩んできた過去と歴史があった。
多くの戦乱を乗り越えて、ようやく彼女自身が願っていた平和な現在を手に入れたという自負と喜び。
それを脅かす者への強い敵意……。

物語を俯瞰して見れば、秦良玉の物言いは自分勝手なようにも聞こえる。
しかし、彼女と主人公たちは、ただ立場が違うだけだ。
逆の立ち位置になった時に、自分の世界を脅かされることに恐怖と怒りを覚えない人間など、決していないだろう。









恒久平和。完成した平穏。始皇帝によって守られた世界。
中国異聞帯の在り方は、汎人類史のものとは全く異なっている。
そして、どちらが良い悪いのかは、人によっても受ける印象が違うだろう。

少なくとも中国異聞帯の秦良玉にとっては、「そちら」が良かった。
彼女の願った平和が成った姿が「そちら」だと、彼女は信じていた。

それだけの、考え方の違いでしかないのだが、やはり胸は痛い。
こればかりは話し合いで解決できるわけもなく、仕方が無いのだけれど……。

笑うとかわいらしい秦良玉が、最後まで主人公たちに憎しみを向け続けていた姿は、正直辛かった。
けれど、中国異聞帯の平和と民を踏み躙るとは『こういうことだ』というのが、はっきりと提示されたこと自体は、いつかは起きるべき事象でもあったのだと思う。
悲しいし苦しいけれど、避けてはいけないものだ。





始皇帝の臣下






秦良玉の死をもって、「臣下である其方たちに果たせる務めは既に尽きた」と言った始皇帝。
カルデアとは自らが対決すると言いきって、韓信と衛士長に暇を与える。
その決定自体は覆るはずもなく、韓信たちは息を呑みながらも受け入れていた。









国を傾けるほどの戦略までは、決して手を出さなかった韓信。
それは始皇帝という君主を頂き、彼に忠誠を誓ったからこその韓信としての限界だった。
そこまでを始皇帝は理解したうえで、どう動くかは韓信に任せていた。

お互いに無茶苦茶なようでいて、相手のことも考えていた。
良い君主、良い臣下の関係だ。
これもまた、中国異聞帯だからこそ成り立った関係だった。

始皇帝とその臣下たちは、やはり個人としても主従関係としても魅力的だと改めて思う。
既にいなくなった秦良玉も含めて、ぶっ飛ぶ時はヤバい方向にもぶっ飛ぶけれど、他にはない独特の華がある。とても魅力的な陣営だった。









韓信が去り、衛士長も去り、始皇帝だけが残った部屋。
「久々に本気」という言葉に、ヒッと息を呑んでしまう。
プレイヤー目線だと超怖いぜ……。
こんな凄くてヤバい相手と戦闘とか、想像だけで緊張しすぎて心臓が止まりそう……。









始皇帝だけが残った部屋。
……そこには、もうひとり居た。

もしかすると、衛士長くらいは気付いていたかもしれない。
それでも始皇帝自身が望むならと、見逃したのかもしれないな。

ってのは衛士長への評価が過ぎるか?
でもそれくらい出来そうなんだよな、あのスーパークンフーマン。