FGO第二部 Lostbelt No.5 プレイ日記30 『余分なもの』のために生き



プレイ日記における次回以降、『異聞帯のゼウス』の考え方と描かれ方はガラッと変化した印象がある。表面的な変化は少ないけど、“良い意味での人間味”が薄まったような感じだ。
敵であるカルデア相手に、人間味や弱味を見せるべきではないと考えていたのだろうか。それとも今回キリシュタリアに別れを告げた時点で、『人間臭くて好々爺然としていた、人とエウロペを愛していた神ゼウス』は消えてしまったのだろうか?
「この端末はこれで消去する」という台詞は、本当にそのままの意味だったとか……?

実際にどうなのかはよくわからんが、もしそうだとしたら、キリシュタリアの前で見せていたゼウスの“人間性”じみた面は、結局カルデアは一度も目に出来ずに終わってしまったということになる。
縁が結べず、召喚に繋がらなかったのも仕方がない……のかもしれない。
実装&ピックアップ開催的な意味で。





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※本記事では1.5部サーヴァントの真名を表記しています



別れていく道

人にとっての神




『クリプターたちとの旅の夢』シーンが明けて、キリシュタリア&ゼウスの会談が始まる。プレイヤー目線では「プレイ日記22 新しい明日を夢見て」以来、二回目。
前回は穏やかな友人同士の会話という雰囲気もあったが、戦況に変化が生じた今回はそんなにほのぼのとしていられない。
ゼウスが下した『神妃の処刑』についてキリシュタリアは明確に反対の意思を示し、ゼウスも彼の言わんとしていることを理解した上で決断は覆らないと言い切る。
ゼウスが優先するのは彼自身の私情ではなく、神々の威厳でもなく、全ては愛する人類のため。その愛し方はエウロペに「愛玩」とも称されたけど、それでもゼウスにとっては最大で最高の庇護の形だ。









人間は彼らに名前を与えてくれた。人格を考えて崇拝してくれた。そうして生じてしまった歓びを、彼らは捨てることができなかった。
最初に与えられた使命に背くことをゼウスだけは理解していたけど、セファールの侵略を前にして真っ先に他の艦への越権行為に手を染めたのもまた、ゼウスだった。
そしておそらく、その「越権行為」こそが異聞へと分岐する分かれ目だったんだろう。







ゼウスはその選択を悔いているわけではないのだと思う。
だが「私だけが狂っていた」と語る彼は、選択によって生じた責任もそれ以外の全ての責任も、ひとりで背負う覚悟を決めている。
秩序のためならエウロペも、人の友という夢も捨てて進み続けることをあえて選ぶその様は、強くて孤独だ。自罰的であれと意図しているわけではないだろうが、『私』をただただ押し殺してシステムにならんとしている姿は、やはり機械というよりは人間臭くも見える。
本質的にはとても人間臭い一方で、同時に機械としての業から逃れきれない感じは……こう言うと失礼かもしれないが、なんとも寂しく哀れな在り方だ。
最初から最後まで、体だけでなく心さえも全部メカだったなら、悩むことさえなかっただろうに。





無様だろうと生き延びる、というかつての決意




その頃……カドックは、見るからに危うい橋を渡っていた。
気持ちはわかるし大切なことなんだろうけど……!
生き方さえもロック野郎か? 命をもっと大事にしなさーい!
カドックなりに注意しまくった上での行動なんだろうけど、見ててハラハラしっぱなしだよ。

実際問題、ヤベー奴らに目を付けられている自覚はカドックにどれほどあるのだろう?
キリシュタリアやゼウス、異星の神に対する警戒心は持っているようだけど、ベリルに探されていることは知らないのか……?









オフェリアの考察。単独で置かれたテキストファイル。それらを受けた、カドックの推察……。
既知の内容や既に予測できていたものもあれば、新しい情報もある。「FGO第二部 Lostbelt No.2 プレイ日記13 人の異聞帯でイチャつくな」の頃の「有り得ぬ事に3000年の時が過ぎた」というスカディの言葉についても、ひとつのアンサーめいたものが提示された。ずっと抱えていた謎が少しずつ解けていく感じは気持ちいい。

カドックの推論も、かなり良い線まで迫っている。
“わざと”残されている感のあるデータを整理し、深く読み解いていけば、あと少しで何かに辿り着けるようにも思える。
だが……。







知 っ て た 。

お前かベリルかのどっちかだろうとは思ってた!
……でもまだ“詰み”ではないようにも見える。
リンボはトドメを刺した気満々っぽいが、場面的にも描写的にも、まだまだ『カドックの最期』のようには見え辛い。
こんな形で終わる男ではないだろう。









なーんて読んでいたら、早々に生存発覚。
とはいえ余裕はない。カドックは見るからにギリギリだったが、死にかけの彼を確保したのが他ならぬ神父だった点が、その運命を大きく変えたような気がする。

神父の望みは、おそらく「生誕を見届ける」こと。ラスプーチンとしてではなく、身体側の思想と嗜好を考えれば、とても“らしい”。いつだってこの男はそうだった。
だがサーヴァントとして、ラスプーチンとしての彼は、ロシア異聞帯において長く皇女と少年の交流を見守り続けていた。そんな彼が交わしていた「皇女との約束」というと、やはり……。





ブリテンの秘密




一方のベリル&コヤンスカヤ。
既に彼ら……少なくともベリルは、カドックを「殺された」と認識している。その事実に対して、驚いたような反応を示したのはコヤンスカヤだけだ。ベリルは終始笑顔で、カドックの死について頓着している気配はない。
実際、ベリルは気にしていないのだろうし、リンボがやらずともそのうち彼が手を下していた可能性は非常に高いだろう。オリュンポスにおいて、ベリルは常にタイミングを伺っていたように見えた。弟分と呼ぶカドックの命を奪う機会を、常に探り続けているような印象だった。
そんな彼をコヤンスカヤは「狼の混じり物」「生粋の殺人狂」と呼び、珍しく冷めた目を向けていた。







彼らのビジネス関係もこれにて終了、かと思いきや……ベリルの口から出た名称が、コヤンスカヤの興味を再び引き付ける。
アルビオン。星の内海に続く虚ろの道。その途中で死んだ竜……じゃなくて、生き続ける竜!?
えっ、生きてんの? そこが異聞の分岐点?
よくわかんねぇけど、ブリテン超やべぇな……。
思えば「FGO第二部 Lostbelt No.2 プレイ日記01 彷徨海を目指して」の頃からヤベェヤベェって言われてたんだっけ。
順番的に仕方がないんだけど、引っ張られすぎで草。
もう二年くらいお預け喰らってんのかよ。
早く詳しく知りてぇ~~~~! (たぶん)数か月後に続く~~~~~!!





外道おかわり

輪廻転生のまがい物






大神殿に乗り込んだカルデアを出迎えたのは……アルターエゴ、リンボ!
うおおおお、カドックの仇ぃぃぃぃ!!(※知らない)

インドの恨みと死闘の思い出は未だ色褪せておらず、内心ドッキドキしつつの戦いだったが、ブレイクも無ければ大したギミックもない。
やる気ねぇのか! 帰れ帰れ!! 今後もやる気は出すな!!

開幕でNPを減らすという毎度お得意のデバフはかましてきたが、そもそも黒聖杯装備アタッカーには無意味なのよね。
無様ですわ~! お~っほっほっほっほ!









なおも長文ウザムーブをやめないリンボ野郎に、ついに一矢報いる時!
妙漣寺さァ~~~ん!!
待ってました待ってました!!
ヒューッ、格好イイーッ!!


……リンボというキャラクターについて、別に特に恨みがあるてわけでもないなんてこともなく、メチャクチャ恨みは大量にあるのだけど、物語の中の登場人物としてはやるべきことをやっているとも思う。
ヘイト役、悪役としては全力だし、クセとアクの強さで強烈なインパクトも残していく。思えば1.5部の下総から現在まで、なんだかんだでスゲー長い付き合いだ。付き合いだけなら新所長より長い。
コヤンスカヤやラスプーチン神父でさえ、「ちょっと良いとこ」や人間的な魅力を見せてくるのに、リンボにそういう方面のやる気が全然見られないのも、キャラは立ちまくってる。

けど……さすがに、そろそろ、ちょっと疲れてきたことな~い? ぼかぁちょっと疲れちゃったよ……。インド・ギリシャとほぼ連チャンだったので尚の事。
なのでマジでそろそろ決着を付けさせてほしいんだなぁ。そういう意味でも、『限界』を示してくれたペペロンチーノには超感謝せざるを得ない。
ありがとう……マジで……。マジの中のマジで……。





誰もが自分にすべき事を






リンボに『先』を作ってくれたのが、他でもないペペロンチーノだった点も胸熱だ。
段蔵ちゃんを始めとする下総の件も酷かったけど、インドを無茶苦茶にしたのも神アルジュナではなくほぼほぼリンボのせいだったもんなぁ……。アイツ、マジ最悪。(※半分は誉め言葉)

リンボの技を破った件についてペペロンチーノは恩に着せることもなく、自分のすべき事をやっただけだと言い切る。
味方とは言い切れない主人公達に対して、応援はしないと言いつつも背中を押してくれる。
ペペロンチーノの言葉があったからこそ、枷がまたひとつ取れたのだと思う。この後に対面するであろうキリシュタリアに向けるべき顔と感情が、ようやく定まってきた感じだ。
何から何まで、本当にサンキューペペロンチーノ……。