FGO第二部 Lostbelt No.5.5 プレイ日記15(完) 金色の明日



平安京シナリオ感想、最終回!

ゴールデンに始まってゴールデンに終わる、文句なしに金時主人公な物語だった。
今回ばかりは、FGO主人公(ぐだ)はあくまでもフォロー役! アンタ(金時)が主役!!

『アルターエゴ・リンボとの決着』というストーリー的にも重要かつ苦しく複雑になりやすい一大転機において、金時がメインキャラを張って物語を引っ張っていってくれたのはバランス的にも良かった。
その清々しさが多くの闇を払い、リンボが操る暗い感情や怨念を吹き飛ばしてくれたように思う。
平安京に生きる坂田金時は若武者らしい悩みを見せる場面もあったけど、主人公にとってもプレイヤーにとっても、最初から最後まで揺らぐことのない心強いスーパーヒーローだった。





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※本記事では1.5部サーヴァントの真名を表記しています



夜は明けて

道満の結末






ギリギリまでとことん生き汚く、しぶとく面倒くさく抗い続けようとした道満だが……さすがに年貢の納め時。
最後の一撃を担ったのが他でもない段蔵ちゃん、というのが痛快だった。説明役に甘んじがちだったカワイイ・クノイチ、面目躍如!
剣豪からの縁を断ち切るにふさわしい場面だ。

そういえば段蔵ちゃんの幕間でも、リンボとの決着へ向けた伏線が書かれていたような……。幕間実装からちょっと間が空いてしまったので、うろ覚えになってしまっている。また今度確認し直そう。
決着ついた今なら、剣豪のこともそれ以外でのリンボの暗躍の数々も、穏やかに懐かしい気分で振り返れそうだ。





明日の先へ




戦いが終わり……ここからは、ちょっと長めのエピローグタイム。
それぞれ個人としての物語にも決着がついていく。登場人物ひとりひとりに結構尺がしっかりと取られているのが嬉しい点だ。
あと酒呑が可愛い。酒呑が可愛い!
大事なことなので繰り返し言わせてもらおう。
平安京で出会った現地酒呑童子はあくまでも金時にとってのヒロインのように思うが、「旦那はん」ではない主人公との雰囲気も良い感じだった。
マスター&サーヴァントの主従関係とはまた違う距離感も新鮮で心地いい。







主人公周辺以外だと、ナーサリーライムと頼光の別れの場面も凄く良かった。
頼光さんの“母”以外の部分や鬼への感情など、本人にとってナイーブで掘り下げづらい事情について、今回はナーサリーライムのおかげでとてもわかりやすく描かれていたように思う。
内に秘めるべき感情を理解してくれて、認めてくれる人がいたっていうのは、頼光さんには本当に幸せなことだったろう。
そしてここで救いを感じるからこそ、エピローグの最期に語られる『汎人類史の伝説(史実)』や『知られざる異説』での大江山征伐以降の頼光さんがなお痛々しくも思えてくる。
クリア後礼装の文章も沁みるぜ……。









最後まで残った謎がひとつだけ。
天覧武者・坂田金時のサーヴァントは、いったい誰だったのか?

それは別に明かす必要も推理する必要もない謎でもあるのだろう。
金時にとっての相棒は主人公だった。それでオッケー! ゴールデンフィニッシュ!!
事前に予想された以上に、最初から最後までゴールデンに始まってゴールデンに終わる爽やかな物語だった……。
まさに轟雷一閃。金色の輝きは全ての闇を切り裂いてくれたんだなぁ。

……まぁ無粋とわかった上で一応推理してみると、実際問題、金時の鯖は誰だったんだろう?
個人的予想は本命安倍晴明、対抗玉藻の前。





おわり




FGO第二部5.5章プレイ日記、これにて完結だ。
いや~、気持ちのいい物語だった。
最初から最後まで『坂田金時』という眩しい光に引っ張られ続けて、最後には爽やかな別れと結末。そうそうこれこれ!
切ない終わり方やメリーバッドエンドも個人的にはわりと好きではあるが、今回ばかりはこういうのが相応しい。 ゴールデンにはゴールデンハッピーエンドが一番似合っちゃうんだよ。
まぁ史実とのズレを想うとやっぱり少し切なくもあるのだけど、そんなモヤモヤも最後の鯖金時の笑顔が吹き飛ばしてくれたような気分だった。







金時は初期実装鯖でありつつ今までメイン中のメインを張る機会はなかったので、今回ピックアップされたのは単純にスッッゲ~嬉しかった。
何度も言った通り、マジで終始スーパー主人公かつヒーローだったので、心強すぎてズルすぎて振り返ればチートの域に達していたようにも思うが……まぁたまにはええやん。だってゴールデンだし。
『主人公気質すぎて、ヒーローすぎて群像劇には向かない』etcの理由でなかなかスポットライトが当たらなかった彼が、その秘めたパワーを全力で発揮していってくれた物語だった。
本当に見ていて気持ち良かった。

『リンボが招く地獄界曼荼羅』などというドス黒い事前情報を聞いた際にはどんなエグい物語が待っているのかと戦々恐々としていたものだが、結果的にはむしろ圧倒的な光に守られっぱなしだったな。全部金時のおかげだ。
結果、FGO第二部につきまとう息苦しさや物悲しさから少し離れることができたのも、読後感も良いし新鮮にも感じた。







メイン中のメインだった金時はもはや言うまでもないけど、頼光さんや紫式部といったそれ以外のメインキャラクターの掘り下げ具合もすごく良かったと思う。
頼光とナーサリーライムのコンビとか完璧すぎる。昨年のナイチンゲールサンタといい、『少女時代に複雑なものがある』系の大人の女とナーサリーを組み合わせると……こう……最高だぜ……。

ただの幼女ではないナーサリーの『子供の英雄』感が眩しくて格好いいし、そんな彼女に手を引かれる大人の女たちの中に秘められた少女性には非常に興奮させられる。
オトナの女が秘めしロリ分、超良くない? 超好き。







平安京が舞台ということで、この時代の武者や貴人がピックアップされたのはもちろん嬉しかったけど、“鬼”関連も非常に興味深かった。
ただしこちらも今回で全部ネタバラシってほどではなかったのが口惜しい。
また次の機会に続くのか? それとも匂わせで感じ取れってことっすか!?

ちょっとの材料でより空腹感を覚えてしまう昨今、我々読者は貪欲になりすぎているのかもしれないな……。
読本やマテリアルに書いてある文章だけで永遠に咀嚼していられた十数年前には戻れない。飽食の時代よ。







そして今回の敵役にして裏主人公、リンボ。
元々好みが分かれるキャラだったし、色々な意味で面白い奴ではあったが、最後まで“らしい”姿を貫いたのは見事だったと思う。
小悪党ムーブも最後にショボくなるベタっぷりも、敵としてはある意味で「あっぱれ」と呼べる代物だった。
悪人として個性的だったし弄り甲斐のある奴でもあったし、『リンボ』としては今回で決着がついたけど、『道満』としてはまだ描かれる余地が残っている。最後にようやく少しだけ見えた素の道満も興味深くて、あれだけの尺ではまだまだ物足りない!
安倍晴明との関係性含めて、これからが楽しみなキャラクターだ。







ただ……リンボ周りのテキストでは、ちょくちょくやりすぎてクドく感じられる場面もあったなとは正直思う。
そういった不快感含めて設計されているキャラクターでもあるのだろうけど、さすがに長々と相手をしていると素直に疲れてきてしまう。度々挟まれた主人公の『ぶったぎる対応』も、気持ちいいとは言い難い。

今回はリンボ抜きにしても、全体的に文章が装飾多めで冗長気味な場面が多かったように個人的には感じた。
そういったクセが巧くハマるシーンも沢山あるのだけど、リンボについては本人の質と合わさって尚更過剰にやり過ぎ・盛りすぎに感じられた……というのが私の感想だ。







平安京での物語は、最近のFate関連では逆に珍しく見えてくるほど正統派で、筋道も丁寧なものだった。
金時を始めとするキャラクターの掘り下げ方もそれぞれ細かく気持ちいいものばかりだったし、私個人としてはリンボ周りで多少引っかかる部分もあったけど、総合的には良質な平安英雄譚だったと思う。
というか、金時方面にピントを絞って考えれば、近年まれに見るほど楽しく明るく爽やかな冒険だったんだよなぁ。
シメ演出の『Golden Finish』表記もイカしてた。
何度も何度も馬鹿みたいに繰り返してしまうけど、坂田金時という男は本当に格好良い! 最高! ゴールデン!!
今回のシナリオを踏まえて読み直すマテリアル本も趣深い。面白ぇ~。


 

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