FGO第二部 Lostbelt No.6 プレイ日記41(完) 奈落の星



第六章感想、最終回!

全41回完結、という驚異の長さ。アトランティス→オリュンポスが史上最大の異聞帯だと思っていたが、ブリテン一国だけで余裕で飛び越えられてしまったぜ……。
書いても書いても終わらないのでビックリした。2ヵ月近く毎日FGO日記書いてたんだぞ?

とはいえ長さに見合うだけの面白さは間違いなくあった。
物語としての嗜好は人それぞれだろうけど、規模は間違いなくFGO史上ナンバーワン。詰め込まれたモノも史上最多だった。
とことん揺さぶられたせいでいつも以上にポエムコイメ感情オオメ涙マシマシな感想日記になってしまったが……もはやどうしようもなかったので許してほしい……。





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※本記事では1.5部サーヴァントの真名を表記しています



奈落にも星は輝く

聖剣の守護者




最後の最後に背中を押してくれたのは、ホーだかフーだか、そんな感じの名前をも失ってしまったあの少女。
彼女の名前、彼女との約束についてはずっとずっと気になっていたけど、この最後の瞬間にもう一度繋がってくるとは……。

改めて、あの最序盤のコーンウォールを噛み締める。あの村で起きた出来事は、その後の妖精國で目にしていくものの全てでもあった。その後の事件の多くはコーンウォールの再演だったと言い換えてもいい。
なんてことない最初のミニクエストが世界の縮図だった……とか、構成が絶妙すぎてなんかもう怖い(※褒め言葉)。







聖剣の守護者、キャスター降臨。
この瞬間だけでもメチャクチャ胸が熱くなるサイコーの場面だったが、後になって色々と読み返してみて、『ここ』で『アイツ』と対立する形で『この姿』のアルトリアが現れたことの意味を理解した時には改めて息を呑んだ。
おいおいおい……マジかよ……。
願いも嘘も、アルトリア第三再臨の台詞各種も、ドンピシャに効いてくるというか……この瞬間の為に全部あったというか……。
……なんかもう怖い(※2回目)(※褒めてる)。
申し訳ない、自分でもどうかと思うのだが、感情が目まぐるしすぎて語彙がいよいよ失われてきた。





オベロンの森






もう一人の主人公……と呼ぶと怒られそうだが、実質そんな存在だったこの男。
最後まで難解でややこしい奴だったが、最後まで憎めなかった。色々な元凶であり悲劇の立役者であり、黒幕と呼んでいい憎むべき相手であるはずなのだが、どうにもなぁ……。

奈落での携帯食だったり紅茶だったりのやりとりは、月姫etcで敵対したキャラクターたちを思い出させる。
あいつらのセルフオマージュってほど共通点が多いわけでもないが、やったことがどんなに酷くても事情が複雑すぎて当人も特殊すぎて、どちらにせよやっぱり嫌いになれない奴らだ。
ひょっとしてきのこ、最近月姫読んだ?(※ツッコミ待ち)









彼との別れに相応しい、最後の会話の時間だった。
きっとこれっきりが一番美しい。嘘か真かもわからない言葉は、たとえ嘘だったとしても間違いなく主人公へのエールになっていた。

……と色々と受け入れようとしたのに、ウェールズの妖精たちが「どこにいくの? ついていくよ!」ってオベロンを追いかけていくのに我慢できずに顔面崩壊したっつーの。
こっちはウェールズ炎上からのジェニーの最期でどん底まで落ち込んでたんだぜ?
本当の彼らを救う事はどうしたって出来なかったけど、夢か現か曖昧なオベロンの“森”の中には今でも彼らは笑顔で、オベロンと一緒に居るんだよな……。ひとりぼっちのブリテンクソヤロウを追いかけてくれるんだな……とか噛み締めてもう一回泣く。





キレイな空

愛の結末




エピローグのダメ押しはもうひとつ。
プレイ日記38 善悪ではなく」の“続き”ともいえる場面がここで描かれる。
オーロラ目線から語られるオーロラ&ランスロットの関係は、今まで明かされてきたものの延長線上にありつつも、もう一歩踏み込んだ感じでもあった。
オーロラは確かに特殊な生き物だけど、ランスロットに向けた感情は……結局本人たちも気付けなかったけど、オーロラらしからぬくらい特別なものだったんだろうなぁ。

そもそも「最も美しい妖精騎士」とまで呼ばれていたランスロットを最後まで手元に置いて使い潰していたのは、いじめや嫌がらせという面もあったのかもしれないが、己の本能にオーロラが少しだけ抗っていた結果でもあったように思う。
自分より美しくて褒められるものなんて嫌いだろ? スプリガンをドン引きさせた「何も考えていない」っぷりからして、手間や利便性といった事情抜きに、感情優先で真っ先に消去してもおかしくなかったはずだ。







その少しだけ抗っていた末に出たのが「消えろ。消えろ」「高く、高く」という突き放すような憧れるような言葉だったと思うと、これがこれでメチャクチャ美しかった。
いや実際に生まれた被害とかオーロラの所業は笑い事じゃないし最悪なものだらけだったんだが、そういったものは別にして『良いものを見せてもらった』としみじみ感じた。

オーロラとメリュジーヌの物語、良い結末だった……。
やっぱり若干長々と語りすぎな気がしないでもないが、物語の大オチ(のひとつ前)を任すなら、まぁ仕方ないか。





青空の下




妖精國では嫌なものばかりを見た。だが全てが駄目だったわけじゃない。
マイクだったり円卓軍だったり、存在としてはちっぽけで結局何もできなかったかもしれないけど、素敵なものだってたくさんあった。
それを何よりオベロン自身がわかっていたんじゃないだろうか? でもわかってても認められない生き物なのだと言われたら、仕方ないよな……。

あの奈落に落ち続けている間、もしくはあの“森”の中でなら、素直に星を認めて本音を語って、穏やかに過ごすことができるのだろうか? そうであってほしい。主人公がダヴィンチちゃんやマシュと一緒に見ていた汎人類史の空を、あいつも「キレイ」と言えたのだし。
孤独な奈落あるいは賑やかな森で、安らかであれ、オベロン。それをオベロン自身が望むか喜ぶかはやっぱりよくわかんねぇけど、とりあえずそうであってくれた方が俺が嬉しいので勝手にそう望んどく。





おわり




FGO第二部第六章プレイ日記、これにて完結だ。
長い……。あまりに長いシナリオだった!
当然感想も長く、この夏のワイは延々とブリテン日記を書き続ける羽目に陥った。
まぁそれは個人の趣味(=苦行)なので良いんだけど、単純にソシャゲの1シナリオとして限界突破どころじゃなかったのに何度も何度も驚かされた。
『前編』! 『後編』! そして『崩壊編』!! とか、常識的に考えてやっちゃ駄目じゃないか!?

それでも最終的に「まぁ超面白かったから許したるわ……」と謎目線で納得し、次の瞬間には「やっぱり六周年記念行事挟むのは駄目だろ」と思い始める。
感情も情緒も全部無茶苦茶にされた……。
ついでに魅力的な女(+一部ケモ)で性癖もハチャメチャにされた。バゲ子ッ……バゲ子ォッ……!!

普段はあまり言わないようにしているガチャ結果報告だけど、今回だけ告白しよう。
リベンジ成功しました(※号泣)。







さて、改めて内容に関する感想だが……言うべきことは言うべきタイミングで大体言い切ってしまったので、ここで改めて語ることがもうあまり残っていないような気もする。
ともかく面白かったし重かった! でも面白かった!!
特に好きなパーツを上げると、村正の最期とか評価がコロコロ変わるウッドワスとか、良い意味で裏切られたのが気持ち良かった。
マイクの存在感とラスト展開の組み合わせの巧さには唸りまくったし、スプリガンも予想外に面白い奴だった……って、並べて見たら男ばっかりじゃねぇか!

では好きな女の話をしようとなると……ちょっと簡単には言い表せない。それこそ各所で告白したので、改めて語るのはやめておこう。
アルトリア。トネリコ。バーゲスト。以下略。愛……。ものすっごい愛。

モルガンも中盤でメチャクチャ感情移入させられただけに、終盤でもう一回掘り下げがくるのを期待していたが、あれっきりだったのがちょっと残念でもあった。
だが、「あれっきり」なのが虚しく悲しい演出になっているので、これはこれで良かったとも思う。

バーヴァン・シーのことも含めて幕間ではなくミニテキストイベントで補完してもらえたら、エレちゃんクリスマスのような丁寧なアンサーをもし貰えるのなら、一生きのこに忠誠を誓います。
靴も舐めます。お願いします。







今回のシナリオは物語の方向性としては美しくも惨く、読んでいて超面白いけどクッソ辛い話でもあった。
基本的に優しくはない! 第一部でいうところの六章キャメロットや七章バビロニアとライター的にも内容&舞台的にもわざと重ねたり似せたりしているパーツの多いシナリオだったが、ベクトルはわりと逆。
陳腐な言い方かもしれないが、『闇の奈須きのこ』感がマシマシに強く出ている話だった。月姫リメイクに引っ張られて、重いのがデロリン★って出やすくなってない?

それでいて、辛く苦しく救いがない終わった世界の中に、キラリと光る希望や星を散りばめていく感じが、闇に染まってもきのこの愛と人間(≒妖精)賛歌をひしひし感じる。
美しいものが本当に美しく見えて胸に刺さるんだけど、それ以外があまりに……あまりに、重い……。だがこういうの、キライじゃないしむしろ好き……。

とはいえ、さすがに重量感がエグかったのも事実。
ユーザーによってはベッコベコに凹んだっきりになるかもしれないし、単純に物量の多さで理解しきれない読者も居たんじゃないだろうか。







ここで『量』の話になったので、ついでにそのあたりの感想。
分割配信なども考慮されていたけど、やっぱりさすがに多すぎたと思う。多すぎるのに拾いきれていないモノまであるあたり、ちょっと理論が飛んでしまうけど個人的には「ソシャゲ用のシナリオじゃないな」と感じられてしまった。
スマホやタブレットで、日常の隙間にちょっとずつプレイして読んでいくシナリオではない。「読む」専用の時間及び「考える」時間を設けて、がっつり取り組む必要がある&そうした方が楽しい&向いている内容だった。







思い出したのは、たとえばExtra/CCC。
内容がCCCと重なると言いたいわけではなく、あんな感じの別作品(できればコンシューマー)になるべきシナリオだったように思う。
通常ルートがラスボス・ケルヌンノスもしくはベリルで、CCC(裏)ルートがラスボス・プリテンダーだとか、そんな感じで「複数のルート」が存在したうえで「それぞれのルートで個別に事情が明かされる」シナリオのほうが向いていた規模の内容だったと個人的には感じた。
ルートで分割することなく全部ひとつに纏めてしまったことで、どうしてもボリューム自体が莫大なものになってしまった……みたいな、例えるならばそんな印象を受けた。







その一方で尺の都合で拾いきれないor掘り下げきれない部分もあったのが本当に惜しい。
たとえばベリル、たとえばバーヴァン・シー。彼らの物語はまだもう少し細かく描く余地があったように思う。
もちろん完成した現在のシナリオでも一応の完走は成し遂げていたけど、見事に描かれ切ったオベロンやバーゲストに比べると、もうちょっと物足りない。
余地が残されているのもそれはそれで余韻があって良いと先程モルガンの件でも語ったが、どうせなら一番盛り上がっている今のこの瞬間に満腹になりたかったと思ってしまうのも正直なところだ。

今後の幕間や派生作品で改めて語られる機会が得られるのかもしれないが、そういうのもひっくるめて一つの作品(複数ルートアリ)で描き切られていたら、これ以上ないほどサイコーだったように思う。
FateSNといいCCCといい月姫といい、これらの作品は『とあるルートで語られるものは、他では語られない』という昔ながらのゲームスタイルときのこ製シナリオの相性が抜群だったんだなぁ……と今更再実感。







……って、長々と文句を語るみたいになってしまったか?
褒め言葉も感動も各所で言いたいだけ言ったので、ここに来て偏ってしまったかもしれない。
っつーかそもそもFGO第二部に組み込まれる前提のシナリオに「コンシューマーで複数ルートでやりたかったなー!」とか無茶言い過ぎでわけわかんないことになってるんですわ。自覚はある! ごめーんね!

ゲームの仕様への意見などというどうしようもないことを語ってはみたが、基本的にはメチャクチャ楽しんだし面白かったのは間違いない。何度も言うけど、本ッ当に面白かったぜ!?
補完があるのかないのか、きっと来るコヤンスカヤ逆襲編はどうなるのか、七章はどうなるのかなどなど……今後についても、今はただ楽しみでしかない。

だがその前に!
ここまで書いたなら、もう良いよな? 感想完結したんだし、遊んでも許されるよな? 許されなくても勝手にやる。
……よし!! 妖精國物語、最初から読み直そうッッ!!!
次回、『第二部第六章延長戦 二周目の楽しさ』に続くっっっ!!!(※続かない)


 

 

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