FGO第二部 Lostbelt No.4 プレイ日記12 ヒトの輝き



振り返ってみれば、インド異聞帯の新鯖や登場鯖の性別は、わりと男性に偏ってもいた。
そして純粋な“人間”に最も近かったのが、ウィリアム・テルという男だった。同時に彼は今回登場したサーヴァント達の中で、最も“父親”らしい存在でもあった。

史実的にはアルジュナも“父”であった時もあるはずだが……アルジュナ(神)は今回の回想で死者の名を並べる中で、息子の名を挙げる時だけは「……殺された」と絞り出すような言い方をしていた。
あの「……」もまた、アルジュナ(神)の中に残った人間性の欠片だったのかもしれない。





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※本記事では1.5部サーヴァントの真名を表記しています



禍つ星




離れた場所で、主人公達の作戦をのんびり観察している様子のコヤンスカヤ。
彼らの行動を興味深く、意地悪く眺めているだけであって、妨害する様子などはない。
今回のコヤンスカヤは今まで以上に『中立っぽい』立場でもあるなぁ。
決して味方ではないのだが、アルジュナ(神)やリンボに対しても好意的ではないあたり、敵の敵っぽさがある。

やっぱり前回の中国異聞帯にて、仕方なかったとはいえ“主人公側に一時付くムーヴ”をしたのをきっかけに、ブレやすくなっているような気がしなくもない。
もちろん基本的に人間嫌いかつ性悪なことに変わりはないので、単純に和解できるとは思えないが……。









更に、コヤンスカヤを発見したアシュヴァッターマンから衝撃の一言。
コヤンスカヤは今回、「同じ仲間(アルターエゴ)に売られた」らしい。
余計なちょっかいを出したのは事実だけど、それを“悪意を以て”アルジュナ(神)に説明し、排除を促したアルターエゴ……リンボ。これにはさすがのコヤンスカポンもちょいおこ。
リンボの大嫌いな陰陽師を引き合いに出して煽る煽る。そういえば某陰陽師といえば、タマm……某キャス狐にとっても憎たらしい敵だったっけなぁ。







ちょいおこどころか、わりとマジギレだったらしい。
怒りのプロであるアシュヴァッターマンにすら「ドン引くほど怒ってる」と指摘されるレベル。キャーコワーイ。

これはかなり決定的な対立じゃないか?
やられたらやり返す、倍返し系(※古代語)女としては、結構許せないタイプのやり口だろう。
表向きはともかく、いつか絶対に崖から突き落とすパターンだ。
性悪坊主VS性悪女狐のバトル、目が離せませんねぇ!





走れない犬に価値はあったのか




ついにユガの最終日、カリ・ユガが始まってしまった。
カリの襲撃は予想通りだが、カリ同士が合体した巨大タイプまで現れるようになってきた。
抵抗が強まった反動か? サイズもデカいし二足歩行っぽくなったし、HPも高い。

サーヴァントならば十分に対処できる相手だが、武器を手にした村人には厳しい……。
それでも、祈ることしかできない保守派の人々に比べればまだマシだ。
アジャイたちもそれなりに巧く立ち回っているようだった、が……。









……我慢できず、プラカシュを助けたことで怪我をしてしまったアジャイ。
傷付いたとはいえ、その姿はとても素晴らしいと思う。むしろこれこそが“善性”だとも思う。
祈りに頼る頼らないの問題ではなく、『彼の怪我は自分のせいではなく、神の思し召しだ』と逃避するプラカシュと、『間抜けと悪態を付きながらも他人を助けようとした』アジャイの対比は、いっそ眼を背けたくなるほど明確な差があった。

神を信じて真摯に祈り続ける姿が「間違ったものだ」と、正直個人的には思い辛いし言い辛い。そのあたりは人それぞれの生き方や感じ方であって、他人に強要されるものではないとも思う。
もちろん、神を信じない者を拒絶するのはやり過ぎだとも思うけど……このあたり、なんかこう、ともかく苦しい。
二分した町、愚か者として描写されるプラシュカ、頑張りが認められないかもしれない不安……。
重くて暗くて悲しい気分と、アジャイの怪我に対する嫌な予感とで、とても息苦しい時間だった。





神の疑問、人の疑問






その頃……空の上、ヴィマーナに乗っているアルジュナ(神)は、また夢を見ていた。
前回に見ていたものと同じような映像。彼曰く「愚かな戦争」の夢。
その内容は、前回より更に深くまで掘り下げられていく。夢の奥へと沈んでいく。
味方も敵も多くが死に、多くを殺し、その果てに辿り着いた彼の『疑問』。

その夢及び『疑問』の内容について、今はそれ以上のことはわからない。今回は瞬きではなく、アスクレピオスに話しかけられたことで、彼の夢は中断させられてしまった。
……そもそも、なぜ今彼はそんな夢を見ていたのだろう? 主人公達の介入や影響によって、人間性が漏れ出やすくなっている表れなのか?

夢の意味や過去の詳細は、プレイヤー視点でもまだなんとなくしか掴めてはいない。主人公達に至っては、まだ何も知らない。
それでも、あの夢や『疑問』が、アルジュナ(神)の理由になっている可能性は高いだろう。
なぜインド異聞帯は汎人類史と分かたれたのか。なぜ切除されたのか。なぜアルジュナは、邪悪を赦さぬ世界を目指すに至ったのか……。









アルジュナ(神)の元から離れ、カリの処理とカルデア一行の排除に動き出した二人の神将。
ひとまず二人は別行動をするようなので、一気に二騎を相手にする可能性は低くなったと言ってもいい。こちらとしてはちょっとラッキー。

そして、この場面で突然ウィリアム・テルが呟いた言葉。「なぜ、最後に選ばれたのがウィリアム・テルだったのか」、というささやかな疑問。
確かにその点は、傍から見ていても薄っすら気にはなっていた。
神将の中でウィリアム・テルは色々な意味でも異質な存在に思えるが、“本来神性を持っていない”ことは特に大きな違いだった。
時代としても比較的近代に近く、インドやアルジュナ(神)との繋がりも考え辛い彼が、なぜ神将として選ばれたのか……?

その答えを、ウィリアム・テル自身やアスクレピオスは見出すことができない。
偶然という可能性もあるし、リンボはさておきアルジュナ(神)も意識して選んだわけではないかもしれない。
しかしウィリアム・テルは、あくまでも勘に近いと言いつつも、「それを考えるべきは今ではないかと、君の背中を見てなんとなく思っただけだよ」と口にした。意味深。





アスクレピオスとの再戦、そして最期






宣言通り、アスクレピオス一騎との戦闘開始!
アルジュナ(神)から水神ヴァルナの力を追加で与えられたアスクレピオスは、亡者に加えてドーピング聖獣も連れ出し始めた。
キャスター&アサシンって組み合わせは感じ悪い。水神効果で回復力もスゴい。

アスクレピオス自身が明確な脅威ではないからか、雑魚のクラスが色々で考えるのが面倒くさいタイプの戦闘だ。
最近お気に入りのアーツスタメンでダラダラと戦い、ダラダラと勝利を収めた。









過剰利用によるオーバーロード。意図的に起こした哪吒とは違い、アスクレピオスは気付かぬ内に後戻りできない所まで至ってしまった。
医者としてあるまじき過誤だとアスクレピオス本人も恥じる。
しかし……それをアルジュナ(神)が看過したのも、少し驚いた。
裏切者でも邪魔者でもないアスクレピオスを、アルジュナ(神)は特に守ろうとはしなかった。危険を促すことさえもしなかった。
酷いというよりは、単純に雑だ。『ゴール』を前にして、アルジュナ(神)の視野は狭まっているのでは……?









戦闘直後にはアルジュナ(神)に対して怒っていたアスクレピオスも、最後には少し落ち着いていて、ガネーシャとの会話の中に何か「気付き」つつ、静かに消えていった。
自覚症状のない異常。その意味は主人公達にはわからず、アスクレピオスが最後に何を察したのかも、そもそも何が起きていたのかさえわからない。

さしあたり、神将の一人は倒れた。
その結果、またも“邪悪を赦さぬ世界”の影響が弱まる。HP回復量ダウンのデバフが解除されたらしい。
HP回復量デバフ担当だったのがアスクレピオス、というのは納得だ。





自覚症状のなき異常






アスクレピオスを倒したことに安心する暇もなく、続けてウィリアム・テル戦が始まってしまう。
風の神の加護による解除不能の確率回避が一戦目では発生した。
厄介な効果だが、必中礼装などがあれば対応はし易い。
ただ、あくまでも確立回避なので、準備不足でも問題なく戦えるイメージではあった。

今のところ、インド異聞帯の戦闘難易度はそこまで高くはないようにも思える。
……最後に爆弾が待っているであろうことは、まだ考えないでおこう。ヤダヤダ、キコエナーイ。









主人公達の助けになるべく、武器を手に取ったアーシャを、ウィリアム・テルは射貫くことができなかった。
本人にも理由がわからないまま、指が動かなかった。

……その、『本人にも理由がわからない』原因。
そして、先程倒されたアスクレピオスの『自覚症状のなき異常』も、おそらくは同じ原因だったのだろう。

少なくともペペロンチーノは気付いてしまった。
アルジュナ(神)に悪意は無かったのかもしれないが、彼にとっては“それ”は“不出来で不要”と判断できるものだった。
哪吒の時とは逆だ。彼女は自分にとって不要なものを押し付けられたが、テル達は大切なものを不要として奪われていた。





神に届く矢






それは今までの所業以上におぞましく、許されない行いだろう。
彼らの人生や思想、全てを踏みにじるに等しい行為だ。

「奪われていた」ことに気付いたウィリアム・テルは、当然激高し、神に歯向かう道を選んだ。
主人公達の戦いで、既に満身創痍だったウィリアム・テル。いつ消滅してもおかしくはない身で、彼が放った最後の『第二の矢』は、自分以外の誰かが放つ『第三の矢』へと繋ぐための一矢でもあった。

……このアルジュナ(神)VSウィリアム・テルとも呼べるようなシーン。
とても素晴らしかった。個人的に、このインド異聞帯でトップクラスに好きなシーンだ。

「人」である彼が、「人」で「父」だからこその怒りの元に神に歯向かい、「人」のまま成し遂げて消える姿が最高に格好いい。
人間として父親として、泥臭くもあって目覚ましい戦果でもなかったけど、彼だからこそ成しえた結果だ。自分だけではなく、更に次へと繋いでいこうとする姿は、本当に人間らしかった。
真に人間としての輝きがそこにはあった、けれど……この場面を主人公達が目にすることが出来なかったのは残念でもあった。
でも父親ってそんなものなのかもしれない……。見えないところで頑張って、自分の不器用さに苦笑するんだなぁ……。


ウィリアム・テルの放った矢を目にしたのは、アルジュナ(神)とリンボだけだ。
リンボはさておき、アルジュナ(神)も、今はその意味も人間の輝きも美しさも、伝わってはいない。
……だが、伝わる時は必ず来るように思える。ウィリアム・テルの最後の忠告を聞いて、その予感はより強まった。





私を〇〇に連れてって






一方、カルデア側。ウィリアム・テルの意図もわからぬまま、アルジュナ(神)の宝具発動前にボーダーへ戻るべく全力疾走中。
……そこに現れた「なにそれ」案件。
は……恥ずかしくないんですか!?
カワイイなぁオイ!!!









選択肢のないコヤンスカヤの独り言(という名の恨み節)なシーン。
ブチギレであれだけオラついていたのに、普通にアシュヴァッターマンに敗北したのか……。
情けない。恥ずかしくないんですか? 二回目。

色々と言い訳を並べてはいるけど、要するに今のコヤンスカヤは弱り切っていて、逃げようにも逃げられなくなっているらしい。
アルジュナ(神)とも敵対してしまった今、世界創変に耐えられるわけもなく、恥を忍んでカルデア側を頼る以外に生き残る道は残っていなかったワケだ。

ところで、ここでさり気なく「私の目的は“新しい九尾”になること」と本音っぽいことを語っているのが注目ポイント。
プレイ日記06 静かな喪失」の際には、私の計画の邪魔になると困るとかナントカ考えている姿も見られた。アレはコレのことか?









『助けてくれなきゃ自爆しちゃうゾ☆』的に脅された感じでもあったが……まぁ最終的には、情にも負けた。
キャプテンにも悪食呼ばわりされてしまった。ペペロンチーノに続いてコヤンスカヤともなれば、呆れられても仕方がない。

コヤンスカヤは一応、中国異聞帯でも共闘っぽいことをした間柄だ。
あの時も一応最低限の義理は通していたし、「またか」として受け入れられないでもない。それはそれで付け入る隙にもなりそうだが、しゃーない。
いざとなったらフォウくんVS女狐の大怪獣戦争を最前席で素直に眺めるとしよう。わーい楽しみだなー(棒)。