FGO第二部 Lostbelt No.5 プレイ日記32 未来を賭けた戦い



クリプターたちはそれぞれ、最初に受けた印象と実際に会った時の印象は少しずつ異なってきた。
猫を被っていたぐっちゃんパイセンはわかりやすいけど、たとえばペペロンチーノは想像していたよりずっと優しくて面白い人だったし、オフェリアはやはり想像していた以上に穏やかで繊細な“普通の”女性だった。
そして今回のキリシュタリア。「きっと詳しく知れば、好きにならざるを得ないようなキャラクターなんだろうな」と謎目線で覚悟はしていたけど……こういう方向性は意外というか、シンプル故に読み切れなかった感じもある。
覚悟していた通り、読み終わった頃にはキリシュタリアのこともカイニスのことも好きになってしまった。ズリーもん、こいつら。





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※本記事では1.5部サーヴァントの真名を表記しています



マスターとサーヴァント

『人の弱さ』を乗り越える




回想シーンで明かされたのは、ずっと前から語られていた『カイニスをキリシュタリアが負かした』件の詳細。
えーと……初めて言及されたのは、ロシア異聞帯のintroパートだったか。カドックの様子を探れという命令を受けたカイニスが、「おまえに負けたのがオレの、いや神々の運の尽きだ!」と返していたヤツ。

あの時……初登場の頃、それ以降の北欧etcでも再登場した頃のカイニスは、見るからに危険で扱い辛そうな神霊という印象だった。
キリシュタリアに向けている彼(彼女)の感情も、基本的に怒っていることが多いこともあって逆にわかり辛かった。本当は憎んでいるのか、愛しさ余って憎さ百倍なのか、もっと複雑な想いがあるのか……表立ってカルデア側に就くことを選んで以降は、なおさらよくわからなかった。少なくとも本気で嫌っているわけではなさそうだ、と推察くらいは出来ていたけど……。







(ところでカイニスの第一再臨姿をマトモに見たのはこの時が初だったんだが、「えっかわいい」ってフツーに驚いた)
(えっかわいい)
(よく見るウサ耳もかわいいけど、頭部の装備がない状態でスッキリした姿、超かわいいじゃん)
(一見、ショートカットみたいに見えるのが新鮮で超かわいい)


……カイニスがキリシュタリアに向けている感情は、(本人の性格もあって)非ッ情~に複雑なものではあるのだろうけど……根っこにあるのはおそらく単純な好感でしかなかったのだろうと、この場面を見てようやく気付けた。
そしてキリシュタリアがカイニスに向け続けていた「信頼」の意味も、ようやくわかった。
キリシュタリアの人物像に対する解釈と同じく、我々読者は難しく考えすぎていた。「考えさせられていた」と言った方が正しいけど、ともかく評価が高すぎるせいで誤解が生じていた。







キリシュタリアの内側には様々な思惑や策略が張り巡らされているけど、彼が他者に対して抱く親愛や信頼はとてもシンプルだ。
そんな彼を前にしてしまうと、さすがのカイニスも毒気を抜かれてしまうようでもあったが、それだけが理由だったわけでもない。
全てをさらけ出したキリシュタリアを、カイニスは最終的に認めた。この件全部をひっくるめて、彼(彼女)は「おまえに負けた」と判断したのかもしれない。新所長のクロワッサンetcを「借り」と認めてくれたあの時のように。


キリシュタリアとカイニス、という主従関係……想像していた以上に良いな。とても魅力的な主従だ。
見た目はギスギスピリピリ、プロの飼い主と狂犬みたいな雰囲気なのに、素が出た途端にガラッと印象が変わった。すごく微笑ましい。
カドックとアナスタシアや、ペペロンチーノとアシュヴァッターマンの時なんかにも思ったが、各クリプターと各サーヴァントって、それぞれ個性的ですごく良いコンビばかりだ。
そしてそれぞれこれっきり、もう二度と会うことができないのも悲しくて美しい。





互いにとっての最大の敵






空想樹の元へ向かうカルデア一行を『異星の巫女』は無言で見送り、神父もまた見逃した。
既に完成している空想樹を斬り倒すには、キリシュタリアを打ち負かすしかない。
この状況に至って、約束通りカイニスは居るべき場所へと戻っていった。

キリシュタリアは恐ろしい相手だ。アトランティスでの惨敗は記憶に新しい。
だが他でもないキリシュタリア自身、「あの時の君たちは本気ではなかった」と認識していた。それはペペロンチーノの口からも既に聞かされていた。
そして今……キリシュタリアも、主人公も、不思議と覇気に満ちていた。







章終盤での毎度おなじみ、クリプター&サーヴァント戦……!
開幕、令呪でブレイクゲージを増加させるという反則技をかましてくるものの、相手はランサークラス単騎なので対処はしやすい。
最終的には削り切らない段階で強制戦闘終了。
結局割ったゲージは四本くらいか?
いくつパッキンパッキンしたのか、憶えてねぇ……。ともかく見た目以上に多かった。

後ろに控えているキリシュタリアは参戦しているようにも見えるが、結局この場では戦闘に混ざってはこなかった。
でも居るだけでテンション上がるというか、画面が賑やかになって良いなぁ。
今更だけど、他クリプターも自鯖戦では背景に立っていてほしかったように思う。……しかしそうなると、主人公側が寂しいか。





キリシュタリアの目的

神を撃ち落とさんとする者






決着の前に、『異星の神』降臨……と見せかけてドーン!
あっ! 珍しくリンボが焦ってる!
汗の浮かんだ表情って珍しくないか? 私が憶えていないだけかもしれない。
何にせよリンボが「してやられてる」姿は嬉しいな。キャッキャッ!









キリシュタリアが目指していた最終到着点は、異聞の神にとってもカルデアにとっても予想外。
プレイヤー目線では、ある程度読めていた方角でもある。天草を思い出すなぁ。そして直近だとサーヴァントユニヴァースを思い出す。あのイベント、あのタイミングで決行して本当に良かったのか?(※今更)

キリシュタリアの思想が間違っているとは思えないけど、簡単には受け入れられない。
そもそも、彼のその選択とて、「蘇生によって、汎人類史とは相容れない体になった」ことも理由だろう。
地球と人類を守り、彼自身が思い描く未来を作れるのは、「その」道だけだった。選択肢を狭められたことも、汎人類史を見捨てねばならなくなったことも、後悔しないし言い訳もしないだろうが、その上でキリシュタリアは『主人公たちカルデア』という汎人類史側に期待もしていたように見える。

ならば……あとは殴り合いだ!
お互いの正しさを抱いた拳で決着をつけるしかないッ……!









でも開幕無敵貫通全体宝具はずりぃよ。
コラーッ! そんな意地の悪い手段、誰に教わったんだ!
ゲーティアか!?







仕☆切☆り☆直☆し♪
クラス有利も(攻撃のみ?)打消し気味だったし、ギミックも何が飛んでくるのかわからなかったので、我が軍の最終兵器後輩に登板していただいた。
かの虞美人も味わった注射の味よ!
FGO第二部 Lostbelt No.3 プレイ日記14 コヤンスカヤの苛立ち」のおもひで。

ジャンヌとマーリンでBBを挟むスタイル、好きなんだけど泥仕合になりがち。
でも好き。





異星の神の降臨

予想通りの裏切り






キリシュタリアか、カルデアか。
彼らの戦いは世界を背負ったものだったが、キリシュタリア目線では『後を託す者を見定める』時でもあった。
まぁそれ以上に、単純にシンプルに、自分に似ているけど違う道を行く“主人公”という人間と競い合うことを楽しんでいたようでもある。

そして戦いの末に、キリシュタリアは素直にカルデアへと後を託そうとしたが……誰も想像もしていなかった方法で空想樹が傷付き、燃え上がる。(たぶん一緒に燃えているであろう)ア……アトラスさーん!?
それだけでもヤベーのにロンゴミニアドも!?
あーもう、無茶苦茶だよ。





新たな脅威




ブリテン異聞帯の名代として振る舞うことを許されたというベリルは、どうあっても最終的には「こうする」つもりだったのだろう。
だが、件のブリテン異聞帯が『異星の神』とも明確に敵対したのは意外な展開でもあった。
しかもコヤンスカヤもソッチ側? ってことは、次回には彼女とも決着が着くのだろうか?

今後(次だけ?)は、汎人類史・異星の神・ブリテン異聞帯の三つ巴になるのかな……。
もっとも今回のオリュンポス編とて、実際には汎人類史・異星の神・オリュンポスの神々・キリシュタリア、の三つ巴どころか四つ巴だったとも言えるか。







今後の展開が気になるのは言うまでもないが、一番の謎はこの男だ。
……謎? と言うべきなのかも、よくわからない。
凄くわかりやすいようにも見るけど、実際の所はまだ全然わかっていないような気もする。
キリシュタリアが『見る側に難解な印象を与えるが、実際はかなりシンプル』だったのとは逆に、『見る側にシンプルな(「悪」という)印象を与えるが、実際は複雑怪奇極まりない』のでは……と、それもまた現時点での想像に過ぎない。

することも言うことも、今のところ良いイメージは皆無の男だが、その裏にはどんなものが隠されているんだろう?
隠されているということもなく、ナチュラルボーンヴィランなのかもしれないが、“それだけ”で終わるとも思い難い。
ともかく、今後も注目せずにはいられないな。次こそはいよいよ、全貌が明らかになるのだろうし。





第七の獣






「素っ裸で出てくる予定なので、服を着せる」「降りてきた後が仕事だ」みたいな話をしていたのは「プレイ日記28 等しく堕ちた末に」の時だったか。
だが今回の神父曰く、千子村正は「この瞬間の為」に選ばれていたという。
おじいちゃん、話が違うじゃねーか! まぁ敵同士なんだから嘘もクソもねーけど!
とかなんとか言ってるうちにビースト顕現。
えええ……またっすか? ちょっと前に愛玩の獣と対面したばかりなんですけど。
こんなノリでザクザクビースト乱舞とか、バーゲンセールって言われても否定できねぇよ~!





神が得たカタチ




そして、ついに……『異星の神』が、衝撃的な姿で降臨する。
えーと……UってUチャンのU? 違う?<「FGO第二部 Lostbelt No.4 プレイ日記16(完) 今更の自由

ハッキリ言って、現時点では何もかも意味がわからない。
マジなんだかジョークなんだかも曖昧だが、状況としてはマジのガチでヤバい。……が、やっぱり実感がイマイチない。 異星の神の降臨も、クラス・ビーストの顕現も、冗談抜きにヤバヤバのクソヤバなのはわかっているけど、相手の見た目が見た目だからか……。

あと、物語を読む側からすると、ゼウス撃破後のカオスの時点でかなり消耗していたのが、続いてキリシュタリアの真相からのベリルの反乱からのコレなので、そろそろ緊張の糸が切れかけている感も否めない。
このあたり……というよりオリュンポス終盤シナリオは、ひとつひとつは面白いのだけどペース配分のバランスがやや悪いような気もした。







それでも、キリシュタリアの姿を見れば、緩みかけていた心は再び緊張する。
彼の姿だけは、最後までちゃんと見届けなければ。

強大な相手を前に、ようやく少しだけ、ただの先輩後輩のように言葉を交わすことができたその様は、「FGO第二部 Lostbelt No.2 プレイ日記14 炎のような男が立っていた」の頃のオフェリアと重なった。
次回、第二部第五章感想最終回!