FGO第二部 Lostbelt No.6 プレイ日記37 冬、秋、そして夏



「●●は幸せに暮らしましたとさ」要素/ZEROだった妖精國。
まぁ異聞帯かつ特異点な時点で生き残るのはほぼ無理だったとしても、満足して死んだ奴すらかなり少ないような気もする。
なのに不思議とどいつもこいつも綺麗でもあるんだよな……。最期までズタボロで良いことなんてロクになかったはずなのに、キラリと輝く何かを残して退場していくキャラクターがとても多く、胸に刺さる刺さる。俺らのハートはボ~ロボロ。





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※本記事では1.5部サーヴァントの真名を表記しています



季節の記憶

ティンタジェルのキャスター




アルトリアの『冬の記憶』にて語られたのは、アルトリアの過去・幼少期編。
プレイ日記22 未だ謎多き過去」や「プレイ日記30 失意の庭で」で触れられたものと重なる部分もあったが、今まであえて避けられていた深い部分にも一気に切り込んでいったその内容は、読者目線でもかなり衝撃的なものだった。
主人公SIDEでの『ダヴィンチちゃんはあんなこと言わない』件を思うに、てっきり失意は露悪的に脚色されているのかと思ってたのに……!
たぶん部分的には真実でもあるんだろうなぁと予想はしていたけど、一部どころかモロじゃん。むしろより悪い。
対象を追いつめる失意のガーデン以上に酷いリアル境遇とか恥ずかしくないの? マーリン(仮)じゃなくてもドン引きだよ。







村でのアルトリアの様子は、コーンウォールで出会った名なしの妖精少女の姿にも少し重なった。
更に言えば、バーヴァン・シーの過去も似ていたように思う。ちょっとずつズレてはいるけど、どれも「体よく使い潰される存在」として彼女達三人は似通った境遇にあったと言えるのかな。

こんな世界で『妖精眼』を持ってしまったアルトリアがともかく可哀想すぎるし、何から何まで辛すぎる。
今までアルトリアは故郷の話題になる度にちょっと変な反応をしては、最後には笑顔で「帰りたい」みたいなことを言って誤魔化していたけど、あれってさぁ……もうさぁ……。あぁぁ……。





『マーリン』






そんなアルトリアに、六年目に現れた唯一の友人。……のような魔術の師マーリン。……を自称する何者か。
前回のアルトリアの反応を踏まえても、今回のマーリン(仮)の喋り方を踏まえても、明らかにマーリンを騙る別人だろう。それも特定の誰かを思い出させる口調と雰囲気。

時系列etcで気になることだらけだが、『キャストリアの語るマーリンは“マーリン”ではなかった』のだとすると……これってメチャクチャ重要な情報じゃないか?
うわ~、キャストリアが最初にマーリン魔術に言及したのっていつだったっけ。コーンウォールあたりで既にマーリンの名前は口にしていた覚えがあるよなぁ。
今から……最初から……読み直すか……!?
……いや、読み直すなら完走してからだな。さすがに、うん。まだマーリン(仮)がアイツだと決まったわけでもない。





エクターとの出会い




続く『秋の記憶』では主にエクターとの日々が語られた。
何百年も前から岬に住む強面で偏屈な老人エクター。耳が遠い、というのは……あれか。「プレイ日記19 正しい未来を夢みる街」の頃に聞いたヤツ。「何をやっても死なないから、両耳を潰されて海に捨てられた」……。うーん思い出しただけでも胸クソ。なんでそんなことできるの?

おそらく、いや間違いなく、エクターは過去の黒騎士エクターと同一人物だろう。酷い仕打ちを受けて海に捨てられても生きていたのは「不死身」だからだろうか。反応的にも次の代ってわけではなく本人だよな。
偏屈で取っつき辛いのは元々の性格だったようにも思うし、そんな酷い目にあってもなお、そこまで心が歪むこともなく今まで生きてきたのって純粋に凄い。普通なら病むか闇堕ちする。読んでる我々の方が一足先に闇堕ちしかけてる。









このパートでは、以前から気になり続けていたバーゲストとアルトリアの初対面の場面も描かれた。
てっきりもっと深く複雑な事情があったのかと思いきや、実質アルトリアの一方的な当たり屋じゃねぇか……!
そりゃバーゲストも憶えてねぇよ!
「バーゲストが忘れているのは、着名か厄災の影響がどうのこうの」って推理してたのがバカみたいでワロタ。





アルトリアの「ほしいもの」




エクターの工房での日々は、アルトリアにとってマーリン(仮)に続く数少ないあたたかな時間だった。
そんな時間もあった、というだけでも彼女にとっては大きな救いだったんだろう。

……それでも生活自体が大きく変わるわけでもない。
幼少期からの村での扱いや教育という名の虐待めいた日常は、アルトリアの思想と人格形成に悲しい歪みを生じさせている。
「たいせつなものは、手に入れてはいけない」とか、子供の思想として悲しすぎるだろ……。

そしてマーリン(仮)を失ったことも杖を取り上げられたことも、何気なく流して受け入れているように振る舞っていても、アルトリアにとっては本当に辛い出来事だったんだなとわかってしまう。
辛いに決まっているのに、自分のモノローグの中でさえ辛いとか嫌だったとか巧く口にできないアルトリアが痛々しすぎて……もう……もうさぁ……。





旅の始まり、旅の終わり

ウッドワスカワイソス




『夏の記憶』で明かされたのは、ティンタジェル出立の際の新事実。
以前に炎に包まれた村の回想が描かれた時は、てっきりウッドワスがやらかしたのかと思っていたのに……!
自滅しているのを発見&焦っているのがむしろウッドワスの側だったとか、もう馬鹿馬鹿しすぎて笑うしかない。
無茶苦茶! どいつもこいつも無茶苦茶だよ!!

ウッドワスの評価がまた上がってしまった……。
頭のおかしい連中に「どいつもこいつも狂っているのか!」と素でドン引き&キレてくれるウッドワス、妖精國では貴重な常識人枠。
惜しいヒトを亡くしてしまったもんだ。今となってはウッドワスとボガードくらいしかまともに好感を持てるヤツ、いなくね?





旅立ち




混乱と興奮のせいで悪妖精化してしまった、という不幸な偶然もあったようだが、アルトリアへの仕打ちはそもそも最初からアレだった。
それでも村の人々を心配し、「村に残っていたかったんだよ」とすらアルトリアは語っていた。
被虐待児の感覚か、それとも彼女が強くて優しすぎるからか……。
一般人な我々には理解しきれない。連中の末路は当然の結果だった、と思わずにはいられない。









「不死身」と謳われていたエクターだが、本当に不死身ではなかったと思われる。
単純に生命力が特別に優れていたというだけだったのか? いよいよ全てを使い果たしてしまったのか……。

エクターは最後に初めて微笑んだ。その表情だけで、彼がアルトリアをどれだけ想ってくれていたのかも、モルガンのことをどれだけ想い続けていたのかも、わかってしまう。
その笑顔と気持ちがあたたかく眩しいだけに、とてもつらい。エクターの存在は救いでもあったけど、何から何まで結局は……とてもつらい……。





『楽園の妖精』の春






運命の地、コーンウォールで主人公と出会った際の裏事情が明かされて、『夏の記憶』終了。
我々と出会うちょっと前にはティンタジェルでのあの出来事を乗り越えていたのだと思うと、アルトリアの人生が波乱万丈すぎてなんかもう……なんも言えねぇ……。

でもここからがアルトリアにとっては『春』。
主人公と出会って、仲間がどんどん増えていって、彼女も「楽しかった」と語ってくれた旅の記憶が待っている!
……と思ってたのに。









『楽園の妖精』としての『春』なんて無かったアルトリア。
あの旅の日々は彼女にとっての春にすらなれなかったのか……とこの時は凹んでいたが、その点についてはこの後のモノローグで少し触れられ、六章クリア後に更に詳細が明かされた。

何にせよ無かった『春』も、『夏』も『秋』も『冬』も、全てが今から材料になってしまう。
異聞帯にも、聖剣を白紙化された汎人類史にも、ようやく神造兵装が与えられる。それで世界は救われるわけだが、アルトリアがどうなってしまうのかを想えば、喜んで受け入れるなんて出来るわけがなかった。
あんな過去を送ってきた上に更に今から全没収とか、なんかさァ! もうさァ……! もう……とても……つらい……。
「つらい」って今回だけで何度言わす気だよ? いい加減にしろ!(※逆ギレ)